Criteoといえばリターゲティング広告を配信するプラットフォームでしょ?という方も少なくないと思いますが、実は新規顧客を獲得するための広告配信にも有効です。
今回ご紹介する「Lookalikeオーディエンス」を利用すれば、たとえば広告主のサイトでの「購入者」のように購買行動などの類似性の高いユーザーへ広告を配信できます。
今回は、Lookalikeオーディエンスの設定方法から、同じ拡張オーディエンスであるSimilarオーディエンスとの違いを解説します。
目次
Lookalikeオーディエンスとは
Lookalikeオーディエンスとは、広告主のサイトにおける実際の購買行動などをもとに、類似性の高いユーザーを抽出するオーディエンスの拡張機能です。
たとえば次のようなユーザー群をもとにオーディエンスを拡張できます。
- 商品の購入者
- カート離脱ユーザー
- リピート購入者
- ロイヤルカスタマー
購入者が少ない場合には、間口を広げるためにカート離脱ユーザーをもとにしたり、逆に購入者のなかでもリピート購入者やロイヤルカスタマーのみを対象とするなど柔軟に利用できます。
CriteoにおけるLookalikeオーディエンスの特徴
Criteo広告のLookalikeオーディエンスは、多角的にユーザー同士の類似性を見ているという特徴があります。
画像引用元:Criteoのオーディエンス戦略を支えるテクノロジー | JP - Criteo.com https://www.criteo.com/jp/blog/criteo-audience-strategy-and-technology-behind-it/
過去の購買行動だけでなく、様々な情報源を元にユーザー同士の類似性を測っています。
- 閲覧した商品のカテゴリやブランド
- 商品の属性や接触時期、接触回数
- 閲覧したサイトのコンテキスト など
広告主のデータ(商品データ、サイト内でのユーザー行動)と配信先のメディアを連携させたCriteoだからこその強みを活かした配信と言えます。
※Criteo社提供資料より引用して作成(許諾済み)
参考:Criteoのオーディエンス戦略を支えるテクノロジー | JP - Criteo.com
https://www.criteo.com/jp/blog/criteo-audience-strategy-and-technology-behind-it/
Similarオーディエンスとの違い
類似ユーザーのターゲティング、という観点においてはこれまでもSimilarオーディエンスという手法がありました。今回のアップデートにある、Lookalikeオーディエンスの類似ユーザーとの違いはなんでしょうか?
結論、LookalikeとSimilarオーディエンスの違いは拡張もととなる種の違いです。
※Criteoでは拡張のもとになるオーディエンスを「種(シード)」と呼ぶため、このブログでも「種」と表記しています
Similarオーディエンスは、アカウントレベルで類似するユーザーを選定します。つまり、自社アカウントと関連性の高いカテゴリーのページを来訪したユーザーに対して、自社アカウントでアクションを起こしやすいユーザーをターゲティングします。
一方Lookalikeオーディエンスは、拡張の種となるユーザーリストと配信候補となる新規ユーザーの類似性をそれぞれの購買行動からユーザー同士の類似度を予測しグルーピングします。
※Criteo社提供資料より引用して作成(許諾済み)
CRITEO社の調査結果ではSimilarとLookalikeで並走した場合の重複は5%未満と報告されています。そのため、既にSimilarオーディエンスを利用して配信しているアカウントはLookalikeオーディエンスを並走させることでこれまでアプローチできていなかった新規ユーザーへ配信が可能となります。
Lookalikeオーディエンスの作成方法
Lookalikeオーディエンスを作成する際の手順を紹介します。
管理画面上で拡張の種となるオーディエンスを作成した後、CRITEO社に拡張オーディエンスの作成を依頼する流れになります。CRITEO社に依頼する際は、最低でも配信したい3営業日前には依頼するようにしましょう。
まず、Criteo管理画面にログインし、「イベントセグメント」が設定できる画面に遷移します。
- ナビゲーションバーのアセットから「オーディエンス」をクリック
- タブから「セグメント」を選択し、右上に表示された「セグメントの作成」ボタンをクリック
- セグメントタイプで「イベント」を選択
- 拡張元となるオーディエンスを定義します。
直近購入したユーザーの拡張をしたい場合、属性指定で「直近の購入」を指定します。
「直近の購入」の定義については「2021年1月1日より前に購入履歴のあるユーザー」のように絶対日付で設定する方法と、「直近の購入から200日以上経過しているユーザー」のように相対時刻で設定する方法があります。
ここで作成するオーディエンスのサイズは、ユーザーID単位で最低500のオーディエンスが必要になります。オーディエンスの質は、同じ特性のあるユーザーがリストに含まれていることや、最近のユーザーデータに基づいているかが重要です。そのため、ユーザー数が多ければ良いという訳ではない点に留意し、質と量のバランスをみて作成しましょう。
「直近購入したユーザーの拡張」の作成方法を一例に説明をしましたが、以下のような拡張基オーディエンスも作成可能です。
セグメント | 説明 | 例 |
---|---|---|
顧客タイプ | Criteoが用意した顧客タイプのパッケージ | リピート購入者、最近の訪問者 |
直近の購入 | 過去の購入履歴を元に作成するオーディエンス | 2021年1月1日より前に購入履歴のあるユーザー、直近の購入から200日以上経過しているユーザー |
直近の訪問 | 過去の訪問履歴を元に作成するオーディエンス | 2021年1月1日より前に訪問履歴のあるユーザー、直近の訪問から200日以上経過しているユーザー |
詳細設定 | ページ階層や商品カテゴリなどの指定ができるカスタマイズ性の高いオーディエンス | 2021年1月1日より前に購入履歴のあるユーザー、直近の購入から200日以上経過しているユーザー |
それぞれのオーディエンスの作成方法については、こちらの記事で解説しています。
参照:Criteo広告、セグメントを指定したオーディエンス作成機能「イベントセグメント機能」が利用可能に
リターゲティングだけじゃなく新規顧客へのアプローチにも有効なCriteo
「Criteo広告=リターゲティング」のイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今回のアップデートを含め、機械学習を活用した見込みの高い新規ユーザーへ配信する様々な手法がローンチされています。
参照:Criteo の高精度なターゲティングと広範囲なリーチを、動画広告でも
参照:Criteo アプリ広告
参照:Criteoオムニチャネルとは?ユーザーの位置情報・オンラインデータ・オフラインデータを活用
今回のアップデートは、機械学習を活用したクリエイティブを出し分けをしながら、確度の高い新規ユーザーに配信ができる点から、商品点数が多い総合ECや人材・不動産など商品単位に最適化されたレコメンドが重要な業界では重要度の高い施策といえそうです。