クロスドメイントラッキングとは?Google アナリティクスで複数のサイトをまとめて計測する仕方と設定方法

クロスドメイントラッキングとは?Google アナリティクスで複数のサイトをまとめて計測する仕方と設定方法
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アクセス解析ツールの一つとしてGoogle アナリティクスを導入しているウェブサイトは多いと思いますが、複数のドメイン間を行き来する構成のウェブサイトを1つのプロパティ内で計測する場合、クロスドメイントラッキングの設定が必要になります。

複数のドメイン間を行き来するウェブサイトとは、例えば、カートASPサービスを使用していて商品ページとショッピングカートのドメインが異なるウェブサイトや、サービスサイトと企業サイトのドメインを別にしていてサービスに関するお問い合わせフォームは企業サイトのドメインを使用しているなど入口と出口までの経路の中に異なるドメインが含まれるという場合です。

このようなウェブサイトでクロスドメイントラッキングの設定を行っていないと、例えばGoogle アドワーズで広告を出稿しているのにコンバージョンの「参照元 / メディア」に「google / cpc」が計上されず、ほとんどの参照元が「(direct) / (none)」になる(上記例の購入完了ページが aaa.jp/thanks の場合、「参照元 / メディア」が「(direct) / (none)」として計測されてしまう)ということが起きてしまいます。これでは、Google アナリティクス上だと実際にユーザーがどこから流入してコンバージョンに至ったのか分からず、分析することが難しくなってしまいますよね。

Google アナリティクスは計測の際に、ウェブサイトに訪問したユーザーの情報を取得しているのですが、この情報はドメイン別に保存されるため、異なるドメイン間同士で情報を引き継ぐことができません。そのため1つのウェブサイトであっても、例えば商品一覧ページから異なるドメインのショッピングカートへ遷移した際に、ユーザーが商品一覧ページから離脱したというように記録されてしまいます。

これでは1人のユーザーがウェブサイト内をどのように遷移したのか分析することが難しくなってしまうため、クロスドメイントラッキングと呼ばれる設定を行う必要があります。この設定を行うことにより、ユーザーの情報を商品一覧ページのドメインからショッピングカートのドメインに転送することができ、複数のドメインをまたいだとしてもユーザーの一連の行動が計測可能になります。

クロスドメイントラッキングの設定方法

クロスドメイントラッキングを行うには、3つの設定が必要です。

  • トラッキングコードの変更
  • レポートビューにフィルタを追加
  • 参照元除外リストへドメインの追加

これらについて次より手順の説明をしていきます。

トラッキングコードの変更

例) Webサイトのドメインがaaa.jpで、ショッピングカートのドメインがbbb.jpの場合

Google アナリティクスの管理画面から所得したトラッキングコードに変更を加えます。aaa.jpとbbb.jpのトラッキングコードでは、次のようにそれぞれ異なります。

Google アナリティクス トラッキングコードの例

aaa.jpに実装するトラッキングコード

bbb.jpに実装するトラッキングコード

計測タグに対して上記の赤字の部分を追加します。

  • 「'linker:autoLink'」のカンマの後ろには相手のドメイン名を追加します。
  • 「UA-XXXXXXXX-Y」の部分は、それぞれのGoogle アナリティクスのプロパティやビューによって変わります。適切なトラッキングIDに書き換えてください。

またドメインが3つ以上ある場合は以下のように変更します。

aaa.jpに設定するトラッキングコード

「ga('linker:autoLink', ['bbb.jp', 'ccc.jp'] );」のようにカンマ区切りでドメインを追加します。ドメインが2つの時と同様に、「'linker:autoLink'」のカンマの後ろには相手のドメイン名を追加するため、この箇所のbbb.jpに設定するトラッキングコードは「('linker:autoLink', ['aaa.jp', 'ccc.jp'] 」、ccc.jpに設定するトラッキングコードは「'linker:autoLink', ['aaa.jp', 'bbb.jp'] 」となります。

※ドメインaaa.jpに対してsub.aaa.jpのようなサブドメインを持つ場合、ドメイン名(aaa.jpの部分)が同じであるためaaa.jpとsub.aaa.jp間のクロスドメイントラッキングの設定は不要です。

レポートビューにフィルタを追加

Google アナリティクスのデフォルトの設定では、管理画面上に表示されるデータにはドメイン名が含まれていません。

例)aaa.jp/itemは「/item」、bbb.jp/cartは「/cart」といったようにドメイン名が省略

そのため2つ以上のドメインを計測する場合は、どのドメインのページなのか判別が難しくなります。そこで、Google アナリティクスの管理画面上にドメイン名を表示させるための設定を行います。

①左メニューにある「管理」をクリックします。

②「ビュー」内の「フィルタ」をクリックします。

③「+フィルタを追加」をクリックします。

④フィルタの種類は「カスタム」を選択し、詳細を選択します。

⑤フィールドAはプルダウンから「ホスト名」を選択し、「(.*)」を入力します。(これはホスト名=ドメインを全てフィールドAへ代入するという意味)

⑥フィールドBはプルダウンから「リクエストURI」を選択し、「(.*)」を入力します。(これはリクエストURI=URLを全てフィールドBへ代入するという意味)

⑦出力先はプルダウンから「リクエストURI」を選択し、「$A1$B1」を入力します。

⑧「フィールドBは必須」にチェックを入れます。

以上の設定により、フィールドAに入力した値(=$A)とフィールドBに入力した値(=$B)が出力先に入力したように「$A$B」と管理画面上に出力され、「aaa.jp/item」や「bbb.jp/cart」のようにどのドメインのページなのかが確認できるようになります。

参照元除外リストへドメインの追加

ユーザーがaaa.jpからbbb.jpへ移動した場合、デフォルトではaaa.jpが参照元として記録されます。複数のドメインにまたがる1ユーザーの行動を計測するには参照元の除外を行う必要があります。

この設定を行わなかった場合、aaa.jpからbbb.jpへ遷移した際に「参照元/メディア」が全て「aaa.jp/referral」となってしまい、ユーザーがオーガニック検索から流入したのか、有料検索から流入したのかなど本来の参照元が分からなくなってしまいます。

①プロパティ内の「トラッキング情報」から「参照元除外リスト」をクリックします。

②「+参照の除外を追加」をクリックします。

③ドメインを入力して「作成」をクリックします。

aaa.jpとbbb.jpに対してクロスドメイントラッキングの設定をした場合は、②~③の手順を繰り返し「bbb.jp」についても追加をします。

参考:クロスドメイン トラッキングを設定する - アナリティクス ヘルプ

以上でクロスドメイントラッキングの設定は完了です。

クロスドメイントラッキングの設定前後でのデータの見え方の違い

例えばGoogle アナリティクスの「集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア」上では、クロスドメイントラッキングを設定していない場合と設定している場合では次のように見え方が異なります。

ウェブサイトの例

クロスドメイントラッキングを設定していない場合

クロスドメイントラッキングを設定していない場合は全てのトランザクション数(=商品を購入したユーザー数)の参照元が「(direct)  / (none)」となってしまい、「google / cpc」や「yahoo / cpc」、「google / organic」からのトランザクション数が0となってしまいます。これでは本来の参照元が分からず、どれがどのくらい商品購入に貢献しているのかなどを分析することが不可能になってしまいます。

クロスドメイントラッキングを設定している場合

クロスドメイントラッキングを設定していれば、「google / cpc」「yahoo / cpc」「google / organic」それぞれのトランザクション数が明確になり、どれがどのくらい商品購入に貢献しているのかなど分析することが可能になります。

最後に

クロスドメイントラッキングの設定を行うことで、ウェブサイト内に異なるドメインのページが含まれている場合でも、ユーザーの一連の行動を確認することができます。ドメインが複数あるウェブサイトを運営する際はクロスドメイントラッキングの設定を行い、より良くウェブサイトの分析や改善を行っていきたいですね。

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