ダイナミック広告とは?しくみや特徴、成果を出す3つのポイント

ダイナミック広告とは?しくみや特徴、成果を出す3つのポイント

暖かくなってそろそろ新しい薄手トレンチコートがほしいなと思って、気になるアパレルブランドのお店をいろいろ見ているとどれもステキで迷ってしまいますよね。その場では買わずに離れたものの、あとからやっぱり欲しくなり探してみたけれど、どのお店の商品だったか思い出せずに結局見つけられなかったという経験はありませんか?

ウェブサイトにおいては、こうして買い物をせずにサイトから離れてしまったお客さまに再度アプローチする方法があります。

さっきみていたサイトの商品が、広告として表示されたという経験を多くの方がしていることでしょう。このようにユーザーの過去の行動履歴などを元に、ひとりひとりに関連性の高い広告クリエイティブを自動的に作成して配信する広告がダイナミック広告です。

今回は、ダイナミック広告の仕組みから効果的な活用方法まで解説します。


ダイナミック広告とは

ダイナミック広告とは、ユーザーのサイト閲覧状況などの行動合わせて、最適な広告クリエイティブを自動的に生成して掲載できる広告配信手法です。

ダイナミック(dynamic/動的)という名前は、ユーザーの状況にあわせて柔軟に広告クリエイティブが生成されることを意味しています。反対に、バナー広告などあらかじめ決められた形式で配信される広告クリエイティブはスタティック(static/静的)と呼ばれることがあります。

Googleの動的ディスプレイ広告やCriteo(クリテオ)が代表的ですが、多くの広告配信プラットフォームでダイナミック広告は提供されています。

また、活用範囲はサイト訪問済みのユーザーへ配信するリターゲティング配信にとどまらず、顧客候補となる新規ユーザーへの配信までカバーできるプロダクトも登場しています。

ダイナミック広告の特徴

ダイナミック広告が登場する前には、いわゆるバナー広告などの画像を使った静的なクリエイティブがディスプレイ広告では中心でした。ダイナミック広告は、静的なディスプレイ広告とくらべてどのような特徴があるのでしょうか。

  • 広告クリエイティブが自動的に生成される
  • ユーザーごとに表示される情報が異なる
  • ユーザーと広告のマッチ度が高くコンバージョン率の向上が期待できる
  • 一つの広告に複数の商品やサービスを表示させることができる

たとえば、複数の商品やサービスの広告クリエイティブを作成しようとすると、静的なディスプレイ広告では多くの手間と時間が掛かります。一方で、ダイナミック広告はユーザーのウェブサイト上の行動履歴を基に、一人ひとりに合った広告クリエイティブを自動的に生成できるのが大きなメリットの一つです。

ダイナミック広告のしくみ

では、ダイナミック広告はどのようにして広告クリエイティブを自動で生成しているのでしょうか?


サイト利用者がある商品(商品ID:A123)を閲覧して購入せずに離脱したという情報がサーバへ送られます。このサイト利用者が他のウェブサイトを閲覧している時に以前の行動履歴を元に商品ID:A123の広告クリエイティブがユーザーに配信されます。また、年齢・性別などユーザーの属性情報やサイト内の行動履歴から、そのユーザーが購入する可能性の高いおすすめ商品の広告クリエイティブを配信することも可能です。

ダイナミック広告に必要な準備

ダイナミック広告に欠かせないのが、「タグ」と「データフィード」です。

ユーザー行動を把握するためのタグ

広告主のサイトでユーザーがどのページ、どの商品を閲覧したかなどのユーザーの行動状況を把握するためサイトへ各媒体が発行する情報収集用のタグを設置します。

具体的には、ページの種類や閲覧したりカートに入れたりした商品の情報(パラメータ)をタグを通じて媒体へ送信します。

以下はGoogle 広告の動的リマーケティングの小売での例です。


参考:業種に応じたカスタム パラメータを使用する - Google 広告 ヘルプ

これらの情報により、ユーザーごとにカスタマイズした広告クリエイティブを表示することが可能となります。パラメータは媒体や業種などによって異なる場合があるため、広告を配信する媒体の仕様を確認し正しく設置しましょう。

クリエイティブの素となるデータフィード

ウェブサイト上にある商品やサービスの詳細データです。これを用いて、一人ひとりに合った広告を動的に作成します。

たとえばGoogleの動的リマーケティングでは、広告クリエイティブはデータフィードの「title」や「image_link」、「price」などを元に生成されます。


そのためダイナミック広告は、商品数やサービス数の取り扱い件数が数十から万単位の以下のようなサービスでの利用が向いています。

  • 多品目を扱うECサイト
  • 求人サイト
  • 不動産情報サイト
  • 旅行サイト(予約、検索、比較)

またダイナミック広告の表示形式によっては、複数の商品やサービスを一つの広告の中に表示させることができ、ユーザーが閲覧やカートに入れた商品のほかに、同様の商品を購入したユーザーがよく一緒に購入している商品など、興味関心のあるであろう商品がレコメンドされることも期待できます。

ダイナミック広告を成功させるポイント

ダイナミック広告で成果を出すために最低限押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

  • 適切なタグをウェブサイト全体に設置する
  • フィードの情報を最新の正しい情報にする
  • ユーザーに分かりやすい情報をフィード内に含める

ダイナミック広告は、タグを通じてユーザーの行動データを渡しています。そのため、トップページ、商品詳細ページ、カートページなどページの階層に合った適切なタグを設定することが重要です。

またフィードの情報と実際の情報が異なってしまうと、ユーザーが興味を持って広告をクリックしたのに在庫切れによって離脱してしまうなどといったことが起きる可能性があります。在庫や価格情報など変化する情報も含めて、最新の情報にしておく必要があります。

さらに、ユーザーが広告を見た際にすぐに商品やサービスのことを認識できるようにすることも大切です。ユーザーが見た時に分かりやすい広告クリエイティブを使用するなどフィードのチューニングを行うことで、ダイナミック広告の成果向上に繋がっていきます。

広告クリエイティブの例1)スープセットの場合

パッケージではなく盛り付けた際の写真を広告クリエイティブとして使うことによって、何の商品かがより分かりやすくなります。

タイトルの例2)冷蔵庫の場合

容量などの商品のスペックは商品画像のみでは伝わりづらいため、たとえばサイズなどの情報を商品画像内に入れることにより、ユーザーがひと目でどんな商品かが分かりやすくなります。(※:Google広告において、商品画像上の演出は最低限か無しが推奨されているため、場合によっては審査不承認となる可能性があります)

プラットフォームは違っても基本は同じ

もちろん、プラットフォームにより広告運用の仕方も変わりますが、ダイナミック広告で重要なポイントは大きく変わりません。まずは正確なタグの設置と十分な情報を載せたデータフィードが成功のポイントというのは変わりません。

初めてダイナミック広告を配信する場合はデータフィードの用意やタグの設置など準備することも多く二の足を踏んでしまいがちですよね。ただ、ユーザーごとにクリエイティブを動的に出し分けることのできる大きなメリットがあるため、各広告配信プラットフォームがこぞってダイナミック広告を提供してきており、今後も活用の機会も増えていくことは間違いありません。ぜひ一度、ダイナミック広告の導入を検討してみることをオススメします。

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