Googleの検索広告で利用できるオーディエンスターゲティングの種類と活用方法

Googleの検索広告で利用できるオーディエンスターゲティングの種類と活用方法
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※2019年10月18日 更新

ユーザーの年齢や性別、興味や関心などを狙って広告配信ができる、Google 広告のオーディエンスターゲティングは、ディスプレイ広告で活用できる印象が強いかと思います。でも実は検索広告においても、オーディエンスターゲティングを活用することが可能です。

今回は、Google 広告の検索広告で利用可能なオーディエンスターゲティングの種類と活用例をご紹介いたします。


オーディエンスターゲティングとは

オーディエンスターゲティングとは、性別・居住地や興味・関心、インターネットでの行動履歴などユーザーの情報を切り口にして、広告の配信対象となる「ひと」を絞り込む手法です。


20代女性向けのスポーツウェア通販を例に考えてみます。検索広告を配信するとき、「スポーツウェア」や「トレーニングウェア」と検索した人に広告を出すことを考えると思います。検索キーワードによるターゲティングのみの検索広告の場合、「スポーツウェア」や「トレーニングウェア」という検索であれば老若男女問わずすべてのユーザーへ広告が配信されます。

ただ、商品のターゲットユーザーを考えると、まずは男性よりも女性に広告を見てもらいたいですし、同じ女性でも50代女性よりも20代女性にたくさん広告を届けたいところです。さらに、20代女性の中でもスポーツに取り組んでいたり関心があったりする人に特に注力した配信をすると良さそうですよね。

オーディエンスターゲティングを使うと、特定の年齢や性別のユーザーのみへ配信を絞り込んだり、一部のユーザーへの入札の強弱を付けたりすることが可能になります。多くの場合オーディエンスターゲティングはディスプレイ広告で語られることが多いですが、Googleの検索広告ではオーディエンスターゲティングの掛け合わせが可能です。

通常の検索広告とどう変わるのか

検索広告は、設定したキーワードを含む検索結果画面という掲載先を指定して広告を配信するターゲティング手法です。検索というユーザーのニーズが高まった瞬間(購買モデルのAISASでいうところの購買に近い位置)に広告を出せることから、効果が高いといわれます。

この検索広告にオーディエンスターゲティングを掛け合わせることで、通常の検索広告と比べて、費用対効果を高めたり、リーチを拡大し新しいユーザーへの接触を図ったりすることができます。

検索広告向けのオーディエンスターゲティングでできること

オーディエンスターゲティングを検索広告向けに活用すると次のようなことができます。

  • 検索ユーザーをオーディエンス情報で絞り込める
  • 検索ユーザーのユーザー属性を把握できる
  • 特定のオーディエンスに向けて広告の訴求を変えられる
  • 特定のオーディエンスを誘導するリンク先を変えられる
  • 特定のオーディエンスに向けて入札の強弱を付けられる

オーディエンスターゲティングを活用して検索広告の効果をあげるには、設定方法の理解と使いわけがカギとなります。次に設定方法についてくわしくご説明します。

検索広告で利用可能なオーディエンスターゲティングの種類

現在、デモグラフィック・購買意向の強いユーザー層・リマーケティング・類似ユーザーといったターゲティング手法を検索広告に利用することができます。

検索広告向けデモグラフィックターゲティング

DFSA(Demographic for Search Ads)とも表記され、Googleが所有する年齢・性別・世帯収入をはじめとするユーザーのデモグラフィック情報に基づくターゲティングです。

基本的なデモグラフィック属性は、年齢や性別、世帯年収が用意されています。先日登場したより詳細なデモグラフィック属性では、子どもや配偶者の有無、交際ステータスや学歴、住宅の所有状況までが用意されています。

参考:Google アドワーズ、DFSA(検索広告向けデモグラフィックターゲティング)を全アカウントへ提供開始

参考:Google 広告でより詳細なユーザー属性によるターゲティングが利用可能に

女性用など商品やサービスを使うユーザー層が明確に限られている、特定の年代のユーザーのみにアプローチしたい場合などに活用できるターゲティング手法です。ただし、ユーザー属性の情報はあくまでGoogleによる推測ですので、必ずしも正確ではない点には注意が必要です。

検索広告向け購買意向の強いユーザー層

IMSA(In-Market Audiences for Search Ads)とも表記され、ユーザーの検索行動や訪問しているwebサイトの傾向などをもとに、関連する商品を購入する可能性が高いとGoogleが判断したユーザーを狙って広告を配信できます。

ファッション・アクセサリーから旅行、金融サービスまで、さまざまなカテゴリが用意されています。たとえば、ファッション・アクセサリーの中でも「スポーツウェア」「コスチューム」「フォーマルウェア」……というようにかなり詳細なカテゴリまで用意されています。配信するカテゴリを絞るほど対象となるユーザー数は少なくなりますので、配信規模を見ながらどの範囲までカテゴリを絞るのかを検討してみましょう。

アフィニティ カテゴリ

趣味や習慣など、特定のトピックに高い関心を示しているユーザーをターゲティングできるアフィニティ カテゴリに対して検索広告を配信できます。「スポーツ、フィットネス」や「買い物好き」など、ターゲットユーザーのライフスタイルを思い浮かべてカテゴリ選定を行ってみると、これまでとは違った角度からターゲットへアプローチすることが可能です。

※2019年10月14日より追加
Reach your ideal customer on Google Search - Google 広告 ヘルプ

検索広告向けリマーケティング

RLSA(Remarketing Lists for Search Ads)とも表記される、ディスプレイ広告におけるリマーケティング同様、作成したユーザーリストに含まれるユーザーのみに広告を配信できます。ただ、ディスプレイ広告と検索広告とでは使用できるユーザーリストの大きさの下限が異なることに注意が必要です。ディスプレイ広告ではリストに100件のCookieが登録されていれば広告が配信できますが、検索広告では1,000件のCookieの登録が必要になります。

参考:「どのキーワードに出す?」から「誰に出す?」で大きく成果が変わる、検索広告向けリマーケティング(RLSA)の解説と設定方法

類似ユーザー

リマーケティングリストに含まれるユーザーと検索行動が似ている、サイトにまだ訪れていないユーザーを狙って広告を配信できます。新規ユーザーを開拓したい場面で活用できる機能です。

参考:類似ユーザーの仕組みと設定、考え方までのスベテ

「ターゲティング」と「モニタリング」を使いわけよう

検索広告向けにオーディエンスターゲティングを用いて成果をあげるためには「ターゲティング」と「モニタリング」の2つ設定の違いをしっかりと把握することが重要です。それぞれの設定ごとにできることできないことは以下のとおりです。

広告文の変更が一部可能となっていますが、「IF関数」を利用すると、リマーケティングと類似ユーザーのオーディエンスリストによって広告文の変更が可能です。

参考:Google アドワーズに「IF関数」・「広告カスタマイザのデフォルト値設定」機能が追加


名前の通り、「ターゲティング」は検索ユーザーの中でもここぞというオーディエンスに限定して狙いうちができる攻めの機能です。「モニタリング」は従来の検索広告のリーチを減らすことなく広告を配信しつつ、オーディエンスごとの掲載実績をみたり入札金額を調整したりすることができる守りの機能といったイメージです。

上の表も参考にそれぞれ違いとできることをしっかり頭に入れて、効果的な使いわけをしていきたいですね。まだ使ったことがない、という場合はモニタリングでの設定からはじめるのがリスクも少なくオススメです。

思い込みや先入観を捨ててまずは活用

やみくもに新しい機能を試してみるのが必ずしも良いわけではありませんが、新しい手法を取り入れることで、今よりもっとユーザーに合わせた広告配信のアイデアが発想できることもあると思います。

例えば冒頭で例に出した20代女性向けのスポーツウェア通販の検索広告を配信しているアカウント。購買意向の強いユーザー層オーディエンスの「スポーツ、フィットネス」の相性が良さそうなのはすぐにわかりますよね。ただ、他のオーディエンスも設定して傾向をみてみたら「旅行」の反応が良く、それまで気がついていなかった旅行者向けにコンパクトであることを訴求する施策も考えられます。

いま一度、思い込みや先入観を捨てて、オーディエンスターゲティングを使い、Googleの検索広告で新しく試せることはないか考えてみてはいかがでしょうか。

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