リスティング広告をインハウスで運用されている経験の浅い運用者に伝えたい、運用型広告代理店に転職して学んだ3つのこと

リスティング広告をインハウスで運用されている経験の浅い運用者に伝えたい、運用型広告代理店に転職して学んだ3つのこと
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インハウスでリスティング広告を運用する際に、こんな悩みや不安を感じたり、経験をしたりしたことはありませんか?

  • 今の運用の仕方で本当に自社のビジネス拡大につながるのか確信が持てない
  • 自社製品やビジネスモデルに対し、最適な広告配信手段が分からない
  • ネットや書籍で調べても上手く情報を見つけられない、参考例通りの結果にならずどうして良いか分からない
  • 他の業務もあるため、広告運用のみに多くの時間をかけられない
  • 周りに広告の知識がある人が少なく、情報をうまく共有できていない
  • うまくやれている感覚はあるが、成果の良し悪しを上司に上手く伝えられない
  • 広告文作成やキーワード選定を思いつきに頼りがちで、追加施策も進まない
  • 代理店に任せてしまった方がより成果を上げられるのでは?という不安

中には突然リスティング広告運用を引き継ぐことになり何から始めてよいか分からない、経験が浅く運用が手探り状態だという方もいるのではないかと思います。

しかし、こうした不安を放置しておくといつの間にかPDCAサイクルが回りにくい環境に繋がってしまうため、広告の成果を最大化できなくなってしまいます。

今回は、元々インハウスでリスティング広告の運用を行っていた筆者が運用型広告代理店であるアナグラムに転職して学んだ、インハウスのリスティング広告運用者の不安を解消する、PDCAサイクルを回す環境づくりに最低限必要なポイントを3つお伝えします。


1.自社への先入観をなくし、施策を滑りにくくする

自社の立ち位置を改めて客観的に見直すことで、先入観にとらわれない精度の高い施策を打つことができます。自社や競合の分析は日頃から行っている方がほとんどだとは思いますが、改めてその要点をお伝えします。

基本的なフレームワークで方針のズレを防ぐ

自社や競合の状況を確認するには3C分析のようなフレームワークがありますし、リスティング広告の戦術を検討する場合では、リスティング広告5タイプ理論®といった基本的なフレームワークを使うことで、方針のズレを小さくしていくことができます。

参考:自社分析・競合調査のやり方とポイント、運用型広告ではどこに着目すべきか?

参考:ショップのタイプが違えば施策も違う! 「ネットショップリスティング広告5タイプ理論」とは |ネット通販情報満載の無料Webマガジン「ECzine(イーシージン)」

手段は体系立てて選ぶ

広告の配信プロダクトは新規獲得やリピーターの引き上げなどの目的に応じて選定します。「リスティング広告5タイプ理論®」ではタイプ別に有効な配信プロダクトの目安をつける際にも役立ちます。

参考:5タイプ理論で考える、ネットショップのタイプ別攻略方法(2017年8月版) | ネット通販情報満載の無料Webマガジン「ECzine(イーシージン)」

特にリスティング広告運用を始めたばかりの方は基礎を作る上でもぜひ取り組んでみてください。継続的に施策を実施していく際にも考え方の土台になります。

2.目標を明確にし、施策方針を立てやすくする

「目標は既に設定している」という方がほとんどだとは思いますが、目標となる売上やコンバージョン数、それに紐づく目標CPA(または目標ROAS)や目標コンバージョン数などは関係者間で改めてすり合わせておきましょう。ビジネス拡大のために最低限達成すべき獲得単価、という意味以外にも結果を客観的に評価する、改善すべき幅を知る上でも必要不可欠です。

また、例えばネットショップであれば売上が目標と分かりやすいケースが多いですが、会員登録やお問合わせがリスティング広告のコンバージョンである場合は、その後の行動を重視するサービス目標である場合はWebサイト上で売上が確定できないので、コンバージョンの先にあるビジネスの目標まで到達しているか?をしっかり確認しておくことが重要です。

参考:もう迷わない、適正なリスティング広告の予算とCPAの決め方

目標設定にあたり、コンバージョンしてほしい理想的なユーザー像をペルソナに落とし込んでおくことも有効です。想定したペルソナと、実際にコンバージョンに至ったユーザーの傾向にズレはないか、定期的に確認してみてください。コンバージョンに至ったユーザーの傾向は下記手順で手早く確認できます。

  1. 媒体管理画面にて、コンバージョンに至ったユーザー属性や検索語句を確認し、ユーザー像をざっくりと推察する。
  2. 自社のデータベースから、コンバージョンに至ったユーザーのデモグラフィックデータや、購入・カスタマーサポートの履歴、アンケートの回答を集めてユーザーの傾向を掴む。

広告管理画面やレポートの数字だけで成果を判断しがちなリスティング広告ですが、「コンバージョンの質」まで意識することでより高い成果に繋がるでしょう。

参考:センスだけに頼らない、ビジネスを加速させる広告文の5つの作り方とは?

3. 相手の目線に立ったコミュニケーションを意識する

数字や専門用語の多いリスティング広告運用では、広告の知識があまりない人にも施策や結果を上手く伝える技術が必要です。報告相手がリスティング広告に詳しくない場合はなおさらです。報告資料や普段のコミュニケーションを振り返ってみましょう。

相手の目線に立った報告が本当の成果になる

レポートではそれを受け取る人に合わせた言葉を用いていますか?たとえば「コンバージョン」を「購入」と表現する、「新規ユーザー」はビジネスの目標などに応じて「サイトに訪れたことがない人」「これまでに購入をしたことがない人」と補足するだけで相手に知識がなくても意味が伝わりますし、認識の違いも防ぐことができます。

また相手の反応を見ながら説明を補足するなど、都度不安を解消してあげることもポイントです。施策や結果を誰にでも分かる表現に落とし込んでいくことで上司や関係者とのコミュニケーションも円滑に進むでしょう。

参考:1人歩きしても正しく理解してもらえる、リスティング広告のレポートの書き方

参考:学校では教えてくれない!相手から絶大な信頼を得る7つのメール術

マーケティング以外の部門の担当者とも情報交換をする

インハウスの場合は上司や関係者以外にも情報共有が進むことで、他の部署の関係者から、顧客からのフィードバックや商品担当者の生の声、そこから見えてこなかったUSP (Unique Selling Proposition)が見えてくることが往々にしてあります。

社内だからこそのスピード感と情報の精度をもって協力を受けることができるのは、インハウス運用の最大の強みだと思います。こういった点を踏まえて、コンバージョン確度を高める広告文の訴求やターゲティングの再考をしてみましょう。

最後に

ここまでお伝えした3つのポイントを押さえることで、考え方が整理され、コミュニケーションも円滑になり、インハウス運用でもしっかりと成果を出せる環境が構築できるでしょう。なぜなら、様々なビジネスモデルのクライアントを数多く抱える広告代理店が培った、汎用的で確度の高い考え方をインハウス運用にも取り入れることでいっそう成果を伸ばすことができるからです。

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