2017年に新卒で大手証券会社に入社し、福井支店に配属され証券営業を経験。インターネット広告の奥深さに興味を持って2021年11月にアナグラムへ転職し、運用型広告エキスパートに従事。2023年6月チームリーダーに昇格。
新卒で大手証券会社に入社し、証券営業を5年間務めたのちにアナグラムに転職した今村さん。転職の理由を聞いてみたところ、「心が弱いからこそ転職を決めた」と意外な答えが返ってきました。そんな今村さんの、大手からベンチャー、しかもまったくの未経験業界へ転職した理由やキャリア観をお届けします。
証券営業5年目。順風満帆だったからこそ、転職しようと思った
―――今日は今村さんのキャリアについてお聞きします。早速ですが、新卒で大手証券会社に勤めた後、なぜ転職しようと考えたのでしょうか?
今村 転職を決めたのは、証券会社に新卒で入社して5年目でした。仕事にも慣れて、営業成績も残せるようになった頃で、実はそのままいけば、翌年には昇格の見込みもあったんです。
―――えっ。昇格が決まっていたのに転職を決めたんですか?昇格すれば給与も上がるでしょうし、順風満帆ですよね。
今村 順風満帆だったからこそ、かもしれません。昇格して給与が上がると、同じ給与水準で転職することが難しくなってしまいます。自分は心が弱いので、一度そうなったら転職しようと思ってもできないだろうな、と。もし将来、違う仕事に挑戦したいと思ったときに給与が足かせになって転職できなくなることがいやだったんです。
―――大手企業から未経験業界への転職で、不安はなかったのですか?
今村 正直いうと、ありました。未経験でやっていけるのだろうかと不安になったり、希望の部署へ異動できるという話も持ち上がったりして、転職せずに留まろうかと揺らいでしまったこともあります。
でも、最終的にはその場に留まり続けることへの不安のほうが勝って、転職を決めました。
「幅広い仕事」「マーケティング力向上」を軸に会社を探して、アナグラムに出会う
―――そんな思いで転職を決めたんですね。転職活動では何を重視していたんですか?
今村 漠然と、「いろいろなことができるようになりたい」と思っていました。特定のやりたいことはなかったので、なんでもできるようになっておきたい、という気持ちがあったんです。なので、「裁量が大きく、幅広い仕事を経験できる」というのがひとつの条件でした。
それから、「マーケティングの力をつけられる」会社に行きたいと思っていました。証券会社で営業をしていて、良くも悪くも営業担当者の力量で成績に差がつくのを見ていて、もっと営業の前段階でできることないのかな、と思っていたので。
「幅広い仕事を経験できる」「マーケティングの力をつけられる」という条件で、なおかつ業界未経験で挑戦できる会社として、アナグラムを選びました。アナグラムは、広告業界のなかでもめずらしい、分業をしない一気通貫の体制をとっているので、幅広い仕事を経験したい自分にとってはピッタリでした。
証券も広告も、「専門知識を習得する」点では同じ
―――証券会社から運用型広告という、まったく異なる業界に飛び込んで戸惑いはありませんでしたか?
今村 入社したての頃は、広告業界ならではの専門用語の多さに戸惑いました。「CPA?CPC?何それ?」と、会話にもついていけない状態でした。専門用語や広告媒体の仕様など、覚えることはたくさんありましたね。
―――確かに、広告業界は専門用語が多いですよね。それらはどうやって克服したんですか?
今村 「今日は用語を覚える」とか、「明日はブログを5記事読む」など、毎日やることを決めてインプットしていきました。そうして少しずつ知識を習得していくうちに、気づけば慣れていました。質問すればていねいに答えてくれる人が周りにいる環境でしたし。
思えば前職でも、証券の知識を短期間でインプットしていました。広告業界の知識を習得するのは初めてでしたが、「必要な専門知識を習得する」という点では同じことかもしれません。異業界からの転職を考えている方は、ついていけるか不安に感じると思います。でも、アナグラムは学ぶ意欲があればいくらでも学べる環境なので、過度に不安にならなくていいんじゃないかなと思います。
売上目標がなくなって、商談に自信を持てるようになった
―――では、証券会社とアナグラムとで異なる点はありますか?
今村 大きく違うのは、売上目標の有無ですね。前職の証券会社では毎月の目標達成を厳しくみられていましたが、アナグラムでは個人に売上目標はありません。
―――確かに、売上目標がないことがアナグラムの大きな特徴ですよね。目標がなくなったことで、働き方に変化はありましたか?
今村 自分は、売上目標それ自体が悪いとは思っていません。目標があるからこそ、達成への意識が高まって馬力が出ることを経験してきたので。
だから、アナグラムに転職してからは戸惑いました。売上目標という分かりやすい指標がないので、ぼんやりしていると現状維持になってしまいます。そうならないように自分自身を律して、現状を超える提案を考え続ける必要があります。
もちろん、良い変化もありました。売上目標がないので、クライアントにとって100%良いと思える提案だけを考えられるようになったんです。クライアントのためになると思えば、ときには予算縮小の提案をすることだってあります。
これが最適だと思う提案を胸をはって行えるようになり、これまで以上に仕事にやりがいを感じるようになりました。「ほんとうにクライアントのためになるんだろうか」という後ろめたい気持ちが一切なくなり、商談に自信を持てるようになったんです。
広告にとどまらない、ビジネスの上流をみる力がついてきた
―――アナグラムに入社して、成長したと感じることはありますか?
今村 「マーケティングの力をつけたい」と期待して入社しましたが、期待していた以上に身についている実感があります。特に、広告施策にとどまらない、ビジネスの上流をみる力が養われているのは、思っていた以上に良かったことです。
―――ビジネスの上流をみる力、ですか?
今村 はい。アナグラムは運用型広告を扱う会社ですが、クライアントの悩みが広告だけで解決できるとは限らず、広告以外の提案を行うこともあります。問い合わせ後のフローに課題があると感じてステップメールの改善提案を行ったり、営業体制に課題があるときは営業支援会社を紹介したりと、いろいろな経験をしてきました。あるときは、会社の資金繰りについて相談されたこともあります。
そういった提案を行うためには、クライアントのビジネスを深く理解する必要があります。決算書類を読んだり、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)をみて分析するなど、前職の証券会社で身についた知識がここでも役に立っています。
アナグラムではコンサルタント1人の担当社数が5社程度と他の広告代理店に比べて少ないので、1社を深く分析できることも自分に合っていますね。
―――最後に、今後挑戦したいことを教えてください。
今村 「幅広い仕事を経験したい」と考えてアナグラムに入社し、実際にいろいろな経験ができました。ですので次は、何かこれという強みを身につけたいなと考えています。
具体的には、マネジメントです。2023年6月にチームリーダーに昇格し、今は3名のクルーを担当しています。自分自身が成果を出すだけでなく、他者が成果を出せるよう支援することにやりがいを感じているので、まずは彼らがチームリーダーに昇格することを目標にしています。
―――今日はお話ありがとうございました。証券会社での経験を活かしながら、さらにレベルアップしている様子が感じられました。
編集後記
「心が弱いからこそ順風満帆だったときに転職を決めた」「その場に留まり続けることのほうが不安」など、今村さんならではの価値観を知ることができたインタビューでした。ご自身のことを「心が弱い」と評していましたが、異業界に臆せず飛び込み、知識を柔軟に吸収して活躍する様子からは、今村さんの強さを充分に感じられました。