広告運用の自動化が進んだとはいえ、広告運用者が自ら手を動かさねばならないケースもまだありますが、それらをすべて人の手で賄うのが現実的ではないことも少なくありません。
たとえば、次のような場合です。
- 土日など、決まった曜日だけ1日の予算を毎週変更したい
- 一定のルールに沿って入札価格を都度変更する必要がある
- キーワードの数が多く運用調整をし切れていない
そんな方におすすめなのが、Yahoo!検索広告の「自動運用ルール」です。自動運用ルールを使うことで、設定したルールに従って広告運用に関わる一部の作業を自動化できます。この機能を上手く活用することによって、運用工数の負荷を減らせ、パフォーマンスを高められる可能性もあります。
今回は、Yahoo!検索広告の「自動運用ルール」の使い方を詳しく解説していきます。
自動運用ルールでできること
現在、自動運用ルールでは以下のようなことを行えます。
- 効果の低いキーワードの配信停止・対象外キーワードへの追加
- 効果の高い検索クエリーのキーワード追加
- キャンペーン日額予算の変更
- 広告グループ入札価格の変更
- キーワードの入札価格変更
では次に、どのような手順で設定を行うか見ていきましょう。
自動運用ルールの作成方法
①検索広告>②ツール>③自動運用ルールを選択
④「+自動運用ルール新規作成」をクリック
⑤運用目的を選択
次に運用条件を設定していきます。
設定できる運用条件
“自動”とはいえ、上手に活用するためにはルールを動かす条件を的確に設定する必要があります。
⑥関連付ける対象を選択
「アカウント」の他、任意の「キャンペーン」「広告グループ」を選択することができます。(キャンペーン日額予算は、アカウントまたはキャンペーン単位のみ)
⑦条件を設定
自動運用ルールで変更対象とする条件は以下の通りです。
また、自動運用ルールで変更対象とする条件は5つまで設定できます。
アカウントで改善したい指標が明確にあればその指標のみに絞ったり、1つではなく複数の条件を組み合わせることも可能です。
次に設定した条件の集計対象期間を以下より選択します。
- 前日
- 前々日
- 先週(月~金)
- 先週(月~日)
- 過去7日間
- 過去14日間
- 過去30日間
運用条件を設定後、設定した条件で対象を表示することができます。意図に反して変更が行われてしまわないかチェックしておきましょう。
あまりに複雑な条件で高頻度なルール設定を行ってしまうと、意図しない運用がなされてしまいパフォーマンスを下げてしまうことにもなりかねません。あくまでシンプルに管理できる範囲での条件設定をおすすめします。
⑧実行タイミングを選択
続いて実行のタイミングを以下より選択します。
- 毎日
- 曜日(複数指定が可能)
- 月1回
「今週の土日だけ反映させたい」という場合は曜日を選んで設定することで実行可能ですが、翌週には解除する必要が出てきます。
実行設定はオンオフが可能ですので、実行している自動運用ルールの管理を忘れないように注意が必要です。また、実行履歴も確認できますので、頻繁に実行しすぎていたり、はたまた全然実行されないルールなどは必要に応じて変更するのがよさそうです。
わかりやすいルール名を設定して完了です。
自動運用ルールの注意点
自動化ルールの活用により、想定していなかった条件が適用される可能性があることも事前に把握しておくことが重要です。どのような点に注意すべきか確認していきましょう。
意図していないキーワードの停止・追加
下記のような条件やトレンドで、意図していないキーワードが停止・追加され獲得件数が減ったり、全体効率が悪化する可能性があります。
- 参照期間が短すぎる、CPAが低すぎるなど極端な条件
- 追加するキーワードのマッチタイプを「部分一致」にした場合、検索語句が拡張
これらを防ぐため、競合名や出稿不可のキーワードは事前に対象外キーワードに追加しておきましょう。
また設定を行ったあとは「実行履歴」から適用されたキーワードを確認し、意図に沿っていないものは再度手動で追加・停止を行うことをおすすめします。
日額予算の引き上げによる予算超過
予算の引き上げを行った場合、予算超過を避ける必要があります。
あらかじめ全体の予算を踏まえ、上図のように「次の値より高く設定しない」に金額を記載することによって予算超過を避けましょう。
また日額予算を引き上げる際、キャンペーンAでは日予算を10,000円、キャンペーンBでは日予算を5,000円増額したい場合、キャンペーンによって金額が異なるため別々でルールを作る必要があるためこちらもご注意下さい。
最後に
自動化はとても便利で、ルールに任せられるものは積極的に自動化していきたいですよね。しかしながら、あくまで数字だけをみて機械的に処理をしているため、たとえば数字には表れないけれど、間接的に効果につながっていたり、意図して費用対効果を度外視して広告配信をしたい場合に思わぬ足かせになってしまうこともあります。
目的のために活用するべきで、自動化自体が目的とならないように注意しなければなりませんね。