SNS投稿や広告など、ビジネスでも動画を活用する機会が増えてきました。
以前は動画制作といえば、制作会社や社内のクリエイターなどプロに頼むのが一般的でしたが、最近はスマホで誰でも撮影から編集までできます。
ただ、いくら手軽にできると言っても、動画編集を全くしたことがない方にはハードルが高いですよね。
そこで本記事では「これから動画編集にチャレンジしたい」という方に向けて、スマホアプリで実際に動画編集する手順を、詳しくご紹介します。
もちろん掲載する媒体や目的によってはプロに頼んだ方が良い場合もありますが、今回はSNSの投稿やUGC(ユーザー生成コンテンツ)風の動画広告が自分で作れるようになることを目標に、進めていきましょう。
スマホで上手に動画撮影をするためのテクニックは、こちらの記事をご参照ください。
目次
おすすめの動画編集アプリ「VLLO」
韓国のvimosoft Inc.が提供している「VLLO(ブロ)」はスマホ向け動画編集アプリの1つです。
無料で多くの機能を使うことができ、書き出した動画の商用利用も可能となっています。有料版にすることで幅広い表現の編集を行うことができますが、無料版でも基本的な編集には充分です。
今回はこちらのアプリを使って、動画編集のフローを見ていきましょう。編集のフローや手法は他の動画編集ツールでも基本的に変わらないので、もちろん別のアプリを使っていただいても問題ありません。
動画編集のフロー
編集のフローを下記の7つのステップに分けて紹介します。
STEP2:不要なシーンをカットする
STEP3:テキストを入力する
STEP4:BGMを入れて世界観を決める
STEP5:フィルターで全体の雰囲気を統一する
STEP6:シーンのつなぎ目にトランジションで演出を追加する
STEP7:動画の書き出し
STEP1:動画編集アプリに素材を読み込む
まずは動画編集アプリ「VLLO」を開き、スマホに保存されている動画や写真から、使いたい素材を選択します。後から素材を追加することもできるのですが、最初に必要な素材を一括で入れておくと、編集作業がスムーズです。
1-1.新しい動画を作成
まずは「VLLO」を開き、「新しい動画」をタップします。
1-2.プロジェクトを作成
プロジェクト名を任意で入力、画面比率を選択します。「動画配置」では素材をどのように配置するか指定できますが、あとから簡単に変えられるので「差し込む」のままで問題ありません。
1-3.使用する素材を選択
動画に使いたい素材を全て選択します。見せたい順番で素材を選択すると、編集するときに並び替える手間が省けます。
1-4.編集画面にアップロード完了
読み込んだ素材が編集画面内に表示されたら準備完了です。
「VLLO」編集画面の見方
編集中の動画を確認する画面です。動画の再生、操作のやり直し、元に戻す、全画面で再生の操作ができます。
タイムライン
動画やBGM、テキストなどの素材を並べる場所のことで、各素材は「クリップ」という帯で表示されます。編集したいシーンの開始点は、赤い縦棒の再生ヘッドを左右に動かすことで調整できます。
編集パネル
編集に使う各機能が並んでおり、文字入れやBGMの挿入はこのスペースから行います。
STEP2:不要なシーンをカットする
読み込んだ動画素材を確認し、不要なシーンをカットしていきます。
2種類のカット方法があり、おおまかにカットしたい時は「分割してカットする方法」、細かく調整してカットしたい場合は「縮めて必要な箇所だけを残す方法」がおすすめです。
作業の目的に応じて2種類のカットを使い分けることで、効率よく作業ができます。
分割してカットする方法
赤い縦棒の再生ヘッドを、カットしたい位置に合わせたら「分割」ボタンをタップします。すると、右の画像のようにクリップが2つに分割されます。
分割した中から不要な部分を選択し、左下のゴミ箱マークの「削除」ボタンをタップします。これで不要なシーンがカットできました。
縮めて必要な箇所だけを残す方法
カットしたい位置に再生ヘッドを移動します。クリップを押したまま、指でその再生ヘッドの位置までスライドして縮めます。こちらのやり方だと、カットする位置を細かく調整することが可能です。
STEP3:テキストを入力する
カット編集をして使うシーンの整理ができたら、テキストを入れます。テキストを入れる目的は、場所や名称、時間、金額といった情報を補足したり、タイトルや装飾などデザイン性を上げるためです。
人が1秒間に読める文字は4〜6文字ほどなので、テキストは短く簡潔にまとめましょう。
3-1.テキストを選択
編集画面下部の編集パネルにある「テキスト」を選択→テキスト装飾が複数パターン表示されるので、選択します。
3-2.テキストを入力する
任意のテキストを入力します。
3-3.フォントや色を選ぶ
フォントや色など見た目の調整を行います。
3-4.テキストの位置やサイズを調整
テキストをタップし、指で位置やサイズの微調整を行います。
3-5.最後にテキストの表示時間を調整
動画のシーンのどの部分までテキストを表示させるか、調整します。
テキストをセンスよく入れるコツ
テキストを入れる際、意識すべきポイントは、「読みやすさ」と「映像の雰囲気に馴染むか」です。
文字同士の間隔が狭いと窮屈な印象になります。特に太いゴシック体は野暮ったくなりがちなので、文字感覚を適度に広げるとスタイリッシュな印象になります。テキストの書式設定の「間隔」から調整できます。
黒背景で文字を読みやすく(図の真ん中)
文字が読みづらい時は、白文字&黒背景にすると視認性が上がります。不透明度を下げ、うっすら透過させることで背景にも馴染んだ印象になります。テキストの書式設定の「バックグラウンド」から設定が行えます。
影をつけて印象的に(図の右)
映像が明るくて白いテキストが読みづらい時は、文字に影をつけると立体感がでて視認性が上がります。影の不透明度を下げてぼかし、距離を下げると不自然に影が濃くならず、文字に陰影がつきます。テキストの書式設定の「シャドー」から設定できます。
STEP4:BGMを入れて世界観を決める
映画でも、クライマックスは感情を揺さぶるBGMが流れ、より物語に入り込むことができますよね。動画の雰囲気に合わせたBGMを選ぶことは、没入感をアップする上でとても重要です。
BGMを選ぶ
BGMの設定は動画編集アプリの音源から選択する方法と、音楽素材サイトからダウンロードしたBGMを挿入する二つの方法があります。
動画編集アプリ内にある楽曲から選ぶのが一番簡単なBGMの入れ方です。旅行、ビューティーファッション、Vlogなどのジャンルに分かれており、動画の雰囲気にあうBGMを簡単に探すことができます。デフォルトで提供されているBGMの音源はVLLOで作成した動画であれば、商用利用の動画でも使用可能となっています。
音楽素材サイトからBGMを選ぶ
音楽素材サイトには豊富な数のBGMが用意されているので選択の幅が広がります。BGMの使用許諾範囲は各サイトによって異なり、商用利用不可の場合もあるので、必ず利用規約の確認を行いましょう。
おすすめの無料音源サイトはこちらです。
音量調整を行う
動画の中で音はとても大事な要素です。動画を見る人が心地よく感じ、不快にならない音量の設定を心がけましょう。
撮影した動画内の声や音がメインなのか、それともBGMがメインなのかを意識すると、ボリューム設定がスムーズに行えると思います。
使用するBGMを選び「音量」を選択→ボリュームを調整します。
動画の最後でBGMを徐々に小さくする
BGMが動画よりも長い場合は、BGMの最後の部分を縮めて動画と同じ長さになるように調節します。ただ、そうするとBGMが中途半端なタイミングでブツっと切れてしまうので、徐々にボリュームが小さくなる「フェードアウト」の設定がおすすめです。唐突に音が終わらず、余韻を残すことができます。
「フェード」を選択→「終了」を選択します。
STEP5:フィルターで全体の雰囲気を統一する
フィルターを使って動画の雰囲気を調整しましょう。映画のような雰囲気にしたい時や、明るく爽やかな雰囲気にしたいときなど、フィルターを使って瞬時に雰囲気作りができます。
フィルターを使う場合は、全ての動画素材に同じフィルターを適用すると統一感が出ます。
フィルターをかけたい動画素材を選択し「効果」のタブに移動し、「フィルター」をタップ→使いたいフィルターを選び、フィルターの掛かり具合を「強度」から調整します。
STEP6:シーンのつなぎ目にトランジションで演出追加
シーンのつなぎ目に加える効果を「トランジション」と言います。トランジションを使うことでシーンの切り替えを自然にしたり、場面転換で印象的な演出を加えることができます。
動画素材同士の間の四角形をタップ→トランジションが一覧表示されるので選択します。
使いやすいトランジションは、以下の2つです。
徐々に暗転し、一度画面が黒くなってから次のカットへ繋ぐトランジションです。
一息つかせる効果があるため、前と後のシーンに明確な区切りをつける時に使うのがオススメです。
ディゾルブ
前にあるシーンが透過するタイミングで次のシーンが現れ、映像がダブりながらカットが変わるのが特徴の効果です。回想シーンなど時間の経過を表す表現をしたい際に使うのがオススメです。
STEP7:動画の書き出し
いよいよ完成した動画を書き出します。動画編集における「書き出し」とは、編集したものを動画ファイルとして保存することです。
右上の「抽出する」をタップ→各項目を設定して赤い「抽出する」ボタンをタップする
書き出しの際に設定する項目は以下の通りです。
解像度は低画質・中画質・高画質・QHD・4Kの中から選ぶことができます。高解像度になるほどファイルサイズも大きくなるため、YouTubeやSNSの投稿であれば「高画質」で充分です。
フレームレート
フレームレート は、1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す値です。数字が大きいほど滑らかに見えますが、数字が大きすぎるとヌルッとした違和感のある動きに見えるため、基本はデフォルトの30fpsで書き出します。
VideoCodec
コーデックとは、動画を圧縮、変換、復元する技術のことです。「H.264」と「H.265」が選べます。WindowsではH.265が対応していない場合が多いので、基本H.264で設定しましょう。
書き出された動画はカメラロールに保存されているので、確認して動画編集は完了です!
▼編集した動画がこちら
まとめ
基本的な編集の手順を紹介しましたが、掲載する媒体や目的に合わせて動画の見せ方は変わってきます。まずはどのような動画を作りたいかイメージを固めるために、インプットから始めましょう。
スマホアプリでの編集に慣れて、「PCでも動画を作ってみたい」「よりハイクオリティな動画制作をしてみたい」という方は、動画編集ソフトを紹介した記事もありますので、是非覗いてみてください。