
Google 広告の掲載結果に影響を与える要素は非常に多くあります。たとえば、入札単価の変更をしつつ予算の調整を行い、広告文を変更しキーワードを追加して……多くの要素が絡み合う中で、掲載結果の変化に影響したと考えられる要因を特定するのは時として非常に困難ですよね。
そのような状況において効率よく掲載結果の大幅な変化の要因を特定できる機能、「説明」が提供開始となりました。
参考:説明で掲載結果の変化を把握しましょう - Google 広告 ヘルプ
今回は「説明」機能の概要から使い方までを分かりやすく解説します。
※現在はベータ版の機能で、今後数か月で適用範囲を拡げる予定とのことのため、アカウントによっては現時点では利用できない可能性があります。
「説明」機能の利用条件
現時点で「説明」は、以下の条件を満たす場合に利用できます。
- 検索キャンペーン
- 個別のクリック単価、あるいは拡張クリック単価を利用している場合
- 過去 90 日間のうち、期間の長さが同じ 2 つの期間を比較する場合
- 掲載結果に大幅な変化があった場合
- 説明が表示される指標はクリック数、費用、表示回数のみ
利用できるのが検索キャンペーンのみとなっており、対応している入札戦略も限定的であるため、今後の適用範囲拡大に期待したいところですね。
確認できる要因の種類
変化の要因の種類は次のとおりです。
項目 |
詳細 |
入札単価の変更 |
入札単価への変更が、広告の掲載先や表示頻度にどのように影響した可能性があるか |
入札単価調整比の変更 |
デバイス、地域、年齢や性別、オーディエンスのそれぞれの入札単価調整比への変更が、掲載結果にどのように影響した可能性があるか |
予算の変更 |
予算への変更が、広告のクリック数や表示回数にどのように影響した可能性があるか |
予算配分 |
複数の広告グループなどへの予算配分の方法が、掲載結果にどのように影響した可能性があるか |
予算消化率 |
平均クリック単価の変化が、予算の消化を通常よりも早めた(または遅くした)原因となった可能性があるか |
有効性 |
広告が入札の対象となった頻度について、予算不足や一時停止などの要素がどのように影響した可能性があるか |
変更履歴 |
アカウントへの変更が、アカウントの掲載結果にどのように影響した可能性があるか |
ターゲティングの変更 |
地域ターゲティング、キーワード ターゲティング、キーワード ステータス、オーディエンスの追加や削除が、掲載結果にどのように影響した可能性があるか |
オークションの競合率と検索インタレスト |
検索パートナーでの検索ボリュームの変化と、検索パートナーのオプトインやオプトアウトが掲載結果にどのように影響した可能性があるか |
広告アカウント内で掲載状況に変化をおよぼす主要な要因はカバーされているように思います。
「説明」機能の使い方
では、続いて使い方をみていきましょう。
・確認したい[キャンペーン] または [広告グループ] を選択し、期間の横にある下向き矢印をクリック
・[比較] の横の切り替えボタンをクリックして2 番目の期間項目を有効にし、比較する日付を選択して[適用] をクリック
※注意:比較する 2 つの期間は必ず同じ長さにします。
・掲載結果の数字の下に表示される、変化率(「+〇〇%」など)のうち、青でハイライト表示されている大幅な変化をクリックし、説明パネルを開く
※注意:現状の対象は表示回数、クリック数、費用のみです
2020年6月より「コンバージョン」もサポートされるようになりました。
参考:Understand changes in conversions with explanations - Google 広告 ヘルプ
・説明パネルが画面右側に表示され、調査している変化の原因となった可能性がある要因のリストが表示される
・[詳細] をクリックすると、特定の要因ごとに掲載結果の変化の詳細を確認できる
上記の例では、前の期間に発生していた予算の不足が解消され、表示回数の増加に繋がったという要因を示しています。
説明パネルの最下部では、変化の要因となったものと該当しなかったものを一覧でチェックすることも可能です。
まとめ
いまや広告運用において自動入札を用いることは非常に多くなりましたが、自動であるがゆえに「どうしてかわからないけれど良くなった、悪くなった」と説明しているケースが有ることもよく耳にします。
今回ご紹介した「説明」機能は、Google 広告のアカウント内で把握できる変化の要因を分かりやすく明らかにしてくれるとても有意義な機能ですよね。しかしながら提示される要素がすべてではありませんし、要因は必ずしもアカウントの中だけにはないことも少くありません。