TikTokのユーザー数は増加の一途をたどり、動画広告の需要はますます高まっていますが、動画制作のハードルは依然高く、細かな訴求ごとに用意したり、短期的なセールの際などにすぐに用意するのが難しい……といったお悩みはありませんか?
そんなときにぜひ使っていただきたいのが、静止画で訴求を追加できる「Display Card(ディスプレイカード)」です。「Display Card(以下、ディスプレイカード)」を活用すれば、新たに動画を制作するよりも手軽に情報を追加したり、動画表現をよりリッチにすることが可能で、TikTok広告で様々な訴求やユーザーの興味を惹くコンテンツがすばやく実現します。
この記事では、ディスプレイカードの概要から活用のポイントまで解説します。
目次
「ディスプレイカード」とは?
「ディスプレイカード」とは、インタラクティブアドオンの一種で、動画広告の上にクリック可能なカード形式の画像を重ねて表示できるオプション機能です。
表示されたディスプレイカードをクリックやタップすると、任意のWebサイトやアプリダウンロードページへと遷移ができます。
ディスプレイカードを利用するメリット
動画広告の上に画像?視聴が遮られるのでは?と思ってしまうかもしれませんが、ディスプレイカードには次のような3つのメリットがあります。。
クリックできるエリアの視認性が拡大
通常の投稿でもテキスト部分やCTA(コールトゥアクション)ボタンなどにランディングページやアプリのダウンロードページへのリンクがありますが、ディスプレイカードは1枚の画像が大きく表示されるため、クリックできるエリアを分かりやすく示せるでしょう。
これにより、クリック数の増加が期待できます。
また、TikTokによればディスプレイカードの表示エリアでは平均クリック率が30%高く、ディスプレイカードからのクリックが動画全体の14%を占めるそうです。このため、広告の品質が高いと判断され、オークションでの競争力が向上、結果としてインプレッションの増加も期待できます。
動画を編集せずとも情報を追加できる
繁忙期や季節、セール情報など通常とは異なる突発的に訴求したい情報が追加となったとき、動画クリエイティブをすぐに作り替えるのはなかなか難しい場面もありますよね。
ディスプレイカードを活用すれば、普段配信している動画クリエイティブは変えずに簡単にセール情報を追加できます。また、リンク先の差し替えなども可能なため、クリック後までを含めた改善も比較的気軽に取り組めます。
ディスプレイカードの設定方法
それでは実際にどのようにディスプレイカードを設定していけば良いのか見ていきましょう。
ディスプレイカードの要件
ディスプレイカードはの制作要件は以下の3つのみで、比較的自由度の高いクリエイティブが作成可能です。
- アスペクト比は16:9
- 750px×421px(1920px×1080px以上が推奨)
- 画像形式:JPG、PNG(背景透過も可)
また、ディスプレイカードのクリック後の遷移先は広告と同じです。ディスプレイカード固有の遷移先は設定できません。
ディスプレイカードは、広告ごとに設定します。
広告マネージャーを開き、ディスプレイカードを表示したい広告の編集画面を開いてください。
インタラクティブアドオンの「+作成」をクリックします。
もし既に他の広告でディスプレイカードを設定済みの場合は、「+ライブラリから」をクリックして選択してください。
「インタラクティブなアドオンの追加」というウィンドウが出てくるので、「ディスプレイカード」をマウスオーバーすると表示される「作成」バナーをクリックします。
事前に制作したディスプレイカードがある場合は、「カスタムカード」を選択し、「更新」から画像をアップロードします。
次に、「表示時間」では、動画の再生開始から何秒後にディスプレイカードを表示させるかを設定します。ディスプレイカードは、一度表示されると、動画が終わるまで表示され続けます。表示時間は2秒以降の任意の時間を設定でき、例えば、動画の再生開始2秒後に出現させたい場合は「2」を設定します。
最後に「確認」をクリックし保存して、設定は完了です。
テンプレートを使って管理画面上で作成も可能
独自に作成したディスプレイカードがない場合は、テンプレートより作成も可能です。訴求内容のテキストや、ロゴ等の素材画像を組み合わせることで、画像編集ソフトを使わずにディスプレイカードを利用できます。テンプレートの種類は次の3つです。
- テキスト割り引きカード
- 画像割り引きカード
- セールスポイントカード
テキスト割り引きカード
「テキスト割り引きカード」は、割り引きのオファーがある際に使えます。
割り引き率は0~99%、割り引きの説明は「ビッグセール」または「限られた時間のみ」から選択、誘導アクションは「詳細を見る」や「今すぐ購入」「新規登録」などから選択できます。
選択項目のみで作成できるため、まずはディスプレイカードを使ってみたい、画像素材の用意が難しい、という場合に活用しましょう。
画像割り引きカード
割り引きのオファーがあり、かつサービスのロゴなどの画像素材がある場合は、「画像割り引きカード」を使うのがおすすめです。
「テキスト割り引きカード」では割り引きの説明は選択形式ですが、「画像割り引きカード」はフリーテキストを設定できます。
また、誘導アクションを囲む色も変更できるので、ブランドイメージや元の動画に合わせて、デザインの工夫が可能です。
セールスポイントカード
「セールスポイントカード」はセールスポイントと商品名をフリーテキストで設定することができ、テンプレート3種の中で最もデザインの柔軟度が高くなっています。
誘導アクションを囲む色の選択や、画像も使用し、会員登録の促進のコピーや、アプリダウンロードの誘導、特定の商品をおすすめとして強調するなど、様々なオファー内容に合わせて作成できます。
ディスプレイカード制作のポイント
ここからは、ディスプレイカードを制作する際に意識することで、よりユーザーにとってわかりやすい表現や、行動を誘導しやすい表現にできるポイントを紹介します。
ディスプレイカードはデザインの面で比較的自由度が高いため、訴求内容や動画との相性を工夫できるとよいでしょう。
画像内の文字の大きさは視認性を意識する
ディスプレイカードの大きさは動画の1/4ほどです。画像内に含める文字のサイズがあまりに小さいと読みづらくなり、かえって情報が伝わらなくなってしまいます。
画像の中には文字数の多すぎないシンプルなコピーを配置し、一度アップしてプレビュー画面を見て文字がしっかり読めるか、確認するのがおすすめです。
ユーザーが取れるアクションを分かりやすく示す
ディスプレイカードは自由度が高いため、どのような内容にすればよいか迷うこともあるかと思います。
そんなときに気をつけておきたいのが、ユーザーがどのようなアクションをディスプレイカードを通して起こせるのかを、シンプルに分かりやすく提示することです。
いくつか、代表的な方法をご紹介します。
- 「今すぐクリック」などCTAとして利用する
- 商品パッケージを載せる
- 指や矢印でクリックできることを示す
- 背景⾊を文字や画像が分かりやすいものにする
これ以外にも「TikTokインタラクティブアドオン“ディスプレイカード” Playbook」というさまざまなクリエイティブの工夫を業界別のデモ画像で紹介している公式資料をTikTok for Businessが公開しているものを閲覧可能です。
背景を透過させてデザインを工夫する
ディスプレイカードの形は、16:9の長方形の中に収まっていれば、背景を透過させて長方形以外の枠の形で表示することが可能です。
たとえば、16:9の長方形より一回り小さく枠を作り、その枠の線をはみ出すようにモチーフを配置すると、立体感があり個性的なクリエイティブにすることができます。
背景を透過させたい場合は、クリエイティブを制作し保存する際に「透過PNG」の保存形式を選択します。
カードの表示開始の時間にこだわる
設定方法で、表示時間は動画開始から2秒以上の任意の秒数に設定できると説明しました。
動画の内容にあわせてディスプレイカードの出現時間を調整することで、動画との一体感が生まれ、より幅広い表現が可能です。例えば、動画内の登場人物が画面の下の方を指さしたタイミングでディスプレイカードが表示されるように設定するなどです。
ディスプレイカードは動画の約1/4ほどの割合を占める大きさのため、出現が早すぎると肝心の動画の内容を阻害したり、動画に注目されづらくなることもあります。表示時間は、プレビュー画面を見ながら慎重に設定するとよいでしょう。
最後に
動画クリエイティブは静止画に比べると制作工数も多く、作成や修正のハードルが高いですよね。
ですが、ディスプレイカード用の静止画であれば、比較的工数少なく制作できます。もし画像編集ソフトが使えなくても、管理画面上でテンプレートを使って簡単に作成でき、広告運用の担当者もチャレンジしやすいのではないでしょうか。
TikTok広告のクリエイティブ制作に取り組む際に、ディスプレイカードが使えることも加味しておくとより表現の幅も広がりますのでおすすめです。