「1 日の平均予算」の仕様とキャンペーン予算の考え方から活用までのスベテ

「1 日の平均予算」の仕様とキャンペーン予算の考え方から活用までのスベテ
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

Google広告で、2017年10月4日より「1日の平均予算」設定の最大2倍の金額まで広告掲載が可能になったと、広告管理画面向けに通知がなされました。なお、Yahoo!広告においても同様のアナウンスが同じく広告管理画面向けになされています。

参考:請求額と 1 日の平均予算の関係 - Google 広告 ヘルプ



「1日の平均予算」とは?

「1日の平均予算(※)」とは、キャンペーンごとに1日あたりに利用できる費用のおおよその上限として設定する金額です。広告は1日の平均予算に達するとその日の広告配信は停止されます。「おおよその上限」としたのは、日によっては1日の平均予算を超えて費用が発生する可能性があるためです。

参考:1 日の平均予算とは - Google 広告 ヘルプ
参考:検索広告のキャンペーンの1日の予算について - Yahoo!広告ヘルプ

※Google広告の名称は「1日の平均予算」、Yahoo!広告の名称は「1日の予算」となり名称が異なりますが、本記事では「1日の平均予算」で表記を統一します。

なぜ費用が1日の平均予算を超える場合があるのか

では、なぜ1日の平均予算を超えて広告が掲載される場合があるのでしょうか。

1ヶ月の限られた予算を1日あたりの予算でコントロールしようとすると予算を月の日数で割り戻した金額を1日の平均予算に設定することになります。ただし、平日と休日のように、日によって検索需要には違いがあり検索数のボリュームも日によって異なり一定ではありません。その他、さまざまな外部要因による検索の需要は変化します。

例えば、検索ボリュームが増えた場合、1日の平均予算で広告の配信が停止してしまうのは、費用を追加すれば獲得できていたであろう機会を逃すことになりとてももったいないですよね。このような状況を少しでも回避できるように、費用が1日の平均予算を超える仕様が用意されています。

これまでも広告の表示機会が多い日は、1.2倍まで1日の平均予算を超える金額まで広告が掲載される仕様がありましたが、今回の変更でこの上限が2倍まで拡大しています。

参考:1 日の費用が 1 日の平均予算を超える場合がある理由 - Google 広告 ヘルプ

1日の平均予算と1ヶ月の請求額の上限

Google広告とYahoo!プロモーション広告のスポンサードサーチにおいて、1ヶ月の請求額の上限は「1日の平均予算×1ヶ月の平均日数(30.4日)」で算出されます。

※1ヶ月の平均日数・・365日÷12ヶ月

さきほど費用が1日の平均予算を超える場合について述べましたが、その場合に実際の費用はこの請求額の上限を超える場合があるのでは?と思われるかもしれません。しかしながら、1ヶ月の費用が上限を超えることはありません。

1日の平均予算を超えて発生した費用は、広告費用が 1 日の予算に満たない日との兼ね合いによって1ヶ月全体で調整がなされます。

また、たとえば1日の平均予算を1,000円で設定し、1ヶ月の広告費が31,000円だった場合、1ヶ月の請求額の上限(1,000円×30.4日=30,400円)を超えた分の600円は、超過分として返金されます。

参考:キャンペーンおよびアカウント単位で 1 日の費用を確認する方法 - Google 広告 ヘルプ

月途中での予算変更は注意

前述の1ヶ月の請求額の上限は「1ヶ月を通して1日の平均予算を変更しない」場合に限定されます。では、月の途中で予算を変更した場合はどうなるのでしょうか。

その月の請求額の上限は「変更前の期間の広告費+(変更後の1日の平均予算×その月の残り日数)」で算出されます。

例)
1日の平均予算は1,000円。10月1日~15日の利用した広告費を14,000円、10月16日に1日の予算を2,000円へ変更した場合、10月の請求額の上限は次の通りです。

14,000円(10月1日~15日の広告費)+(2,000円×10月の残り日数16日) =46,000円

そのため、1日の平均予算と1ヶ月の平均日数(30.4日)から算出される1ヶ月の請求額の上限のルールは適用されないため注意が必要です。

参考:1 日の費用が 1 日の平均予算を超える場合がある理由 - Google 広告 ヘルプ

キャンペーン予算の考え方と活用方法

1日の平均予算で費用をコントロールしない

1日の平均予算で広告費用を抑制して1ヶ月の費用をコントロールしているケースをよく見かけます。Google広告であれば、十分な予算が設定されていない場合に「予算による制限」というステータスが表示されます。これは、広告の掲載頻度が抑制されている状態です。


どの程度、広告表示の機会を失っているかは、①「表示項目」の変更から②競合指標で「インプレッションシェア損失率(予算)」を追加することで確認可能です。

「予算による制限」となってしまっている場合には、表示回数とクリックをもっと獲得できるよう、可能であれば1日の平均予算の引き上げを行いましょう。1日の平均予算でキャンペーンの費用をコントロールすることは極力避けるのをおすすめします。

参考:「予算による制限」に関する入札単価調整のトラブルシューティングを行う - Google 広告 ヘルプ

予算の引き上げができればいいですが、限られた広告費の中ではそうもいかないことも多々ありますよね。では、そのような場合に取れるべき手段にはどういったものがあるでしょうか?

入札額を引き下げる

クリックあたりの平均単価が下がればその分費用を抑えられる可能性があります。費用対効果の低いものから手を入れるのはもちろんのこと、検索連動型広告であれば、主要なキーワードの掲載順位が必要以上に下がってしまっていないかなどもあわせて確認することをおすすめします。

費用が抑えられる部分はないかチェック

年齢・性別やリマーケティングリスト、デバイスから地域・時間帯に至るまで、さまざまな要素で入札単価調整比を設定して詳細にコントロールすることができます。必要以上に費用をかけてしまっている対象がないか、再度確認してみてください。

なお、調整できる要素は非常に多くあります。よほど傾向がはっきりしていない限りは、人の手で調整しきることは非常に困難です。その場合は自動入札を試してみるのも一つの手です。自動入札は、目的に合わせて広告オークションごとに入札単価を調整してくれますし、入札単価調整比を設定できる要素以外にも非常に多くのシグナルを考慮した調整が可能です。

参考:スマート自動入札について - Google 広告 ヘルプ

自動入札によって、導入前より少ない予算で効率よくクリックやコンバージョンを獲得することで、キャンペーン費用を抑えることも期待できます。

ただし、入札戦略のうち「クリック数の最大化」「コンバージョン数の最大化」は予算額に応じて入札単価の調整がなされるため、1日の平均予算は利用できる上限を設定しましょう。

1日を通しての配信方法を確認


Google広告ではキャンペーンの設定において、予算制限がある場合に1 日の間にどのように予算を配分するかを「標準」と「集中化」、(スポンサードサーチでは標準にあたるのが「設定あり」、集中にあたるのが「設定なし」)の2種類より選択することができます。「標準」を選択すると、1日を通してなるべく均等に広告が表示されるように調整されます。「集中化」は、広告配信の調整はされず、なるべく早く使うことを目的とした設定です。

「集中化」は、1日の早い時間帯に予算を使い切ってしまうことがあり、例えば夕方や夜間に広告が配信されないケースも発生する可能性があります。

「集中化」を選択している場合に、1日のうちで重要度の低い時間帯に多くの費用を掛けてしまっている可能性があるため、明確な理由がない限りは「標準」での広告配信が良いでしょう。

参考:広告配信方法の設定 - Google 広告 ヘルプ

共有予算機能を使おう(Google広告のみ)

複数のキャンペーンで掲載を行っている場合、費用をコントロールしようと思うとキャンペーンごとの1日の平均予算はタイトに設定せざるを得ません。月の予算の上限が明確に定められている場合には、予算超過のリスクを考えると月末ほどこの傾向は顕著になることと思います。予算の割当をキャンペーンごとのパフォーマンスに応じて変更していく作業も大変です。


Google広告では「共有予算」という機能によりこのような状況を緩和することができます。この機能を使うと1つの予算を任意の複数キャンペーンでシェアするかたちで予算の管理が可能となります。

①「共有ライブラリ」を選択して②「予算」をクリックします。


予算の名前を入力し、対象とするキャンペーンを選択。予算額を設定すれば完了です。

仮に「キャンペーン1」の広告配信費用が高まった場合、共有予算はキャンペーン1へ多く配分されることになるでしょう。ただし、充分な金額がないと他のキャンペーンで使うことのできる費用は減ってしまうので注意が必要です。意図しない予算の制限を回避したいキャンペーンは個別の予算設定をしておくとよいでしょう。

まとめ

広告を投資と考えれば、大きなリターンが期待できるときは、より多くの広告費を投資するの望ましいですよね。予算設定一つでもリスティング広告の成果は大きく変わります。まずは広告を掲載できる機会に対する損失をなくすることがスタートラインです。これを機会にキャンペーンの予算に関する設定を見直してみることをおすすめします。

運用型広告の業務が、単なる月額予算の管理になってしまっている場合は特に注意が必要ですね。

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