TikTokは急成長を続けており、幅広い年齢層にリーチできる魅力的な広告プラットフォームです。しかし、マーケティング施策の成果が出ずに諦めてしまったり、取り組み方がわからずチャンスを逃している企業も多いのではないでしょうか。
このレポートでは、弊社とSNSマーケティング支援を手掛ける株式会社ライスカレーさまによる共催セミナー「TikTok売れを狙う!マーケティング最前線!」の内容を踏まえ、TikTokマーケティングの最新の成功ポイントをお届けします。
イベント概要
- 「TikTok売れを狙う!マーケティング最前線!~TikTok広告運用と最新施策までまるっと解説~」
- 開催日時:2024年3月27日(水) 13:00 - 14:00
- 場所:Zoomでのオンライン配信
- 主催:株式会社ライスカレーさま
登壇者
株式会社ライスカレー コミュニティプロデュース事業部
上級執行役員 兼 事業部長
辻 馨 氏
2021年7月より、株式会社ライスカレー 上級執行役員に就任。
Instagram・TwitterなどSNSを通した企業コミュニティマーケティングにおける企画・形成・運営事業に従事。大手自動車メーカー・食料品/メーカー・外資系外食チェーン・鉄道会社など500社以上のSNS設計に関わり、ファン/コミュニティを強く意識したマーケティングを得意とする。
アナグラム株式会社 運用型広告事業部
平野 森
2023年5月よりアナグラム株式会社に入社。自身で運用するTikTok・YouTubeの総フォロワー数は30万人超。現在は運用型広告のコンサルタントとしてECや人材などの業種でクリエイティブ企画・広告運用を行っている。感情がどう動くのかを突き詰めた縦型動画のシナリオ構築を得意とする。
目次
さらなるショート動画へのシフト、TikTokの視聴時間はYouTube以上
自分の普段を振り返ってもショート動画に費やす時間はここ数年で圧倒的に増えている感覚があります。自身もTikTokerとして多くのフォロワーを抱えるアナグラムの平野さんから、まず2020年からのショート動画の加速度的な成長が分かるデータが示されました。
「国内SNSジャンル別、年度別平均月間アクティブユーザーの増加率はショート動画が抜きんでており、ショート動画へのシフトは止まらないと言えます。中でもTikTokは2023年ダウンロード数ランキング1位・ユーザー当たり平均月間視聴時間はYouTubeを上回っており、最も盛り上がっている媒体と言っても過言ではありません。」(アナグラム 平野さん)
短尺のイメージの強いTikTokが、ユーザーひとりあたりの月間の視聴時間でYouTubeを上回っている点は驚きです。ショート動画に取り組むのであれば、外せないSNSのひとつですね。
TikTokは「新しい好き」に出会えるチャンスの場
ライスカレー辻さまからは、TikTokの投稿がどのようなコミュニティにリーチできるのか、その役割が語られました。
「TikTokはInstagramやXなどの他SNSと異なり、既存のコミュニティや興味外の新規ユーザーにリーチしやすく、"新しい好き"に出会えるチャンスの場です。その特性を活かし、ライスカレーでは自社で抱えているインフルエンサーと提携し、効果的なサンプリング(ギフティング施策)を行っています。」(ライスカレー辻さま)
確かに筆者もTikTokを見ていると、知らなかったクリエイターさんの動画を見て好きになったり、知らないジャンル関連の動画を見て新たに興味を持ったりします。
媒体が違えばリーチできるコミュニティが違うというのは、SNSをマーケティングに活用するのであれば、必ず押さえておきたいポイントですね。
また、ライスカレーさまはこの媒体特性を活かして、サンプリング(ギフティング)施策を行っており、セミナー限定で公開いただいた事例なども拝見したことで、非常にポテンシャルを感じました。
※サンプリング(ギフティング)施策とは、商品をクリエイターさんに提供することでオーガニックのPR投稿をあげてもらい、商品を宣伝する施策を指します
TikTok広告を活用する際に押さえておきたい3つのTips
「新しい好き」を発見する場であるTikTokですが、媒体のアルゴリズムに成果が左右されることも少なくないため、広告の活用も押さえておきたいところです。
アナグラムの平野さんからはTikTok広告を活用する際に押さえておきたい3つのTipsが紹介されました。
ファネルごとの複数イベント計測でユーザーデータ量を増やす
TikTok広告に限らずWeb広告を配信するうえで媒体のデータだけでなく、広告主側のデータを有効に活用することで成果を大きく改善できる可能性があります。セミナーで紹介されたのは「TikTok Pixelのイベントタグの複数設定」です。
なかでも、興味・関心から購買の検討まで段階に応じたユーザーの行動を、イベントとして複数設定し広告配信に活用する方法です。ユーザーのアクションに基づいた広告配信を行うことで、CPAが5-15%低下することも期待できるそうです。
手間に感じる設定ですが、ぜひ広告配信前に、計測するイベントを決めておいて、導入をすすめたいですね。
ブロード配信だけじゃない、ハッシュタグターゲティングも活用
続いて紹介されたのは「ユーザーが過去7日間にTikTokで視聴したハッシュタグに基づいてターゲティングする」ハッシュタグターゲティングです。
TikTokクリエイティブセンターで顧客属性に近しいハッシュタグとそのボリュームを調査し、適切なものを選択して配信することで社内でも成果が出てきているそうです。
ただし、ブロード・デモグラ配信に比べてターゲティングが狭く、クリエイティブの摩耗が激しくなるので、一定成果が出始めたらCV実績に基づいて自動的に配信を拡張してくれるスマートターゲティングをオンにしてみるのが良いみたいですので、参考にしてみてください。
確かに使い方によっては、ピンポイントにターゲティングして配信することが可能なので試す価値が大いにあるターゲティング手法ですね。
冒頭3秒が命!成果の出る縦型動画クリエイティブを作るコツ
最後にTikTok広告を配信するうえで非常に重要になってくる、クリエイティブを作るコツについて紹介されました。動画自体は誰でも作りやすい時代にはなってきましたが、当然ただ作れば成果が上がるというわけではありませんよね。
セミナーによるとTikTok広告の冒頭には2つの役割があり、これらが両立していることが肝だそうです。
「興味を持ってもらう(ユーザーは最初の2~3秒でスキップするか視聴し続けるかを判断する)」
「セールスの起点を作る(動画を見て、そのまま買ってもらうには限られた時間で行動を促すためのスタート地点の視聴態度を形成する必要がある)」
それらを両立させる冒頭を作るには、冒頭は商品が解決する悩みや商品がもたらす便益と関係のあるもので興味を引くようにするのが効果的とのことです。
セミナーではそれぞれの台本の例が取り上げられました。
これが動画になっているのを想像したら、自分が猫を飼っていたら確かに最後まで見てしまいそうです...!
それだけでなく購買意欲も掻き立てられる、まさに興味を持つところから購買したくなるところまでが一貫していて、効果的なクリエイティブになりそうだと想像できました。
冒頭が大事とはよく言われると思いますが、同時にセールスの起点も作る必要があるというのは多くの方が見落としがちかもしれません。冒頭のフックだけが強くても、これがないと商品を買ってもらうことは難しいでしょう。
皆さんもクリエイティブを作る際は参考にしてみてください。