Yahoo!プロモーション広告の広告掲載基準変更で押さえておきたいポイントと解説

Yahoo!プロモーション広告の広告掲載基準変更で押さえておきたいポイントと解説
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インターネットからの商品購入が一昔前に比べて、日常的になっている昨今ですが、インターネット広告に限らずではありますが、「オンラインで気になっていた商品を実際に買ってみたけど、サイトで見た商品と全然違った…」と嘆いたユーザーの方も少なくないはず。そんな消費者を守るため2014年頃から行政でも度重なる法改正で消費者を守る動きが活発化していました。そして、今回とうとう日本最大のポータルサイトであるYahoo!JAPANが広告規約の改定に踏み切りました。

参考:広告掲載基準変更のお知らせ - Yahoo!プロモーション広告

Yahoo!プロモーション広告では約半年に1度の頻度で広告掲載基準の変更を行ってはいるものの、前回の変更(2017年8月)と比較すると今回の変更により影響を受ける方が多そうな変更内容になっています。

参考:広告掲載基準変更のお知らせ(2017/8/28適用開始) - Yahoo!プロモーション広告

ではさっそく、今回の掲載基準の変更で特に大きな影響が想定される項目を3つ取り上げて解説していきます。なお、今回の掲載基準の変更の適用は暫定で2018年4月18日(水)に適用が予定されています。


LPへの体験談の記載ができなくなる?

第2章の「ユーザーの利便性のための基準」の中の、広告の関連性に関する規約部分に変更があります。

■変更前の基準
2. 広告の関連性について【第9章3.関連】
(3) 広告主による独自のコンテンツが乏しいリンク先のページ
(4) アービトラージサイト等、第三者のサイトへのリンクや広告が多数掲載されているリンク先のページ
※(1) (2)は変更なしのため省略

「広告の関連性について」の基準から、有用性に関する上記の項目(3)(4)が削除されます。

■新たに追加された基準
3. 広告の有用性について
ユーザーにとって有用性の低い、以下のような広告は掲載できません。
(1) 広告主による独自のコンテンツが乏しいもの
(2) アービトラージサイト等、第三者のサイトへのリンクや広告が多数掲載されているものや、広告のクリック等をさせることを主目的としているようなもの
(3) 正確性・信憑性に欠けるもの
(4) その他、ユーザーにとって有用性の低いもの

そして「広告の有用性について」の基準が新設され、削除された項目はこちら移動されます。

ここで、注目すべきは新たに追加される「(3)正確性・信憑性に欠けるもの」です。具体的に、「正確性・信憑性に欠ける」というのが何に当たるのかというとYahoo!社が例として挙げている1つのが、個人ブログや体験談です。

現基準においても「体験談」や「口コミ」の内容であっても、その商品の効果効能の範囲を超える表現に該当するものがあれば審査非承認となります。(例えば、医師・著名人などが愛用している等の文言の記載(※1)や、一般の方でも「商品を手放せません」「効果を実感しました」(※2)などその商品の効果を過度にユーザーに期待させる表現の記載は商品の効果効能の範囲を逸脱しているとして掲載ができない場合があります)

※1:世人の認識に相当の影響を与える団体等の公認、推せん、選用している表現は掲載できません。
※2:使用経験や体験談的表現は安全性や効能効果が確実であるかの誤解を与えるため掲載できません。

参考:1. 医薬品、医薬部外品、医療機器 - ガイドライン - Yahoo! JAPAN マーケティングソリューション ヘルプ

化粧品や健康食品関連のLPでよく見かける「体験者の声」などの個人の感想も、正確性や信憑性の有無の観点から今後は掲載基準に抵触する可能性も考えられます。現行の掲載基準でも「これは個人の感想です」と記載があっても掲載不可にあたることが多いため、今回の明文化により審査が厳しくなりそうですね。

どうなる比較サイト・ランキングサイト

第5 章「業種、商品、サービスごとの掲載基準があるもの」のうち、「33. 商品の価格やサービスの内容を複数掲載し、比較ができるサービス」、いわゆる比較サイトやランキングサイトに関わる規約が変更となります。

■変更前の基準
33. 商品の価格やサービスの内容を複数掲載し、比較ができるサービス
(3) サービス運営者により、ランキング等の順位付けをする場合は、以下の事実を明らかにし、ランキン グの根拠を明確にすること
1. 調査の目的(企画、意図、実施者など)
2. 調査の方法(母集団数、有効回答数、調査対象者や地域の選定方法、調査の実施時期など)
※(1) (2)は変更なしのため省略

 

■変更後の基準
33. 商品の価格やサービスの内容を複数掲載し、比較ができるサービス
(3) 掲載されている情報が恣意的ではないこと
(4) サービス運営者により、ランキング等の順位付けをする場合は、以下の事実を明らかにし、ランキング の根拠を明確にすること
1. 調査の目的(企画、意図、実施者など)
2. 調査の方法(母集団数、有効回答数、調査対象者や地域の選定方法、調査の実施時期など)
※(1) (2)は変更なしのため省略

 

今回の変更で、「恣意的な情報の禁止」が追記されております。

オンラインに限らず商品やサービスの購入を検討するのに、ランキングサイトや比較サイトは非常に役立ちます。ただしこれらのサイトに期待しているのは、正確な情報をもとに公正なものですよね。それがサイト運営者によって、故意に操作されているものだったらどうでしょう。多くのひとが支持しているからこの商品なら安心だ、この商品はあまり評判がよくないみたい、といった正しい判断を行うことができず、インターネット上の購買には不信感しか残りません。

このように、掲載されているものが故意に(恣意的に)操作されていると判断されるものは、掲載不可となる基準が追加されます。

例としては、以下が挙げられます。

  • ランキングの順位、並び順が固定されているもの
  • ユーザーが自ら選択した条件で「絞込み」や「並び替え」ができないもの

つまり、ユーザーが自ら選択した条件で「絞込み」や「並び替え」ができる機能のある比較サイトやランキングサイトは、今まで通りの掲載は可能。しかし、常に1位が変わらないなど比較サイトやランキングサイトに模したアフィリエイトサイトのような類は規制対象になるようですね。

アフィリエイトサイトに限らず誤認させる表現はNG

■現在の基準
2. アフィリエイトサイトの広告表現 成功報酬型広告契約またはアフィリエイト・プログラムに基づく広告については、以下を満たす必要があります。 (1) 提携先サイトと誤認される可能性のある広告表現の場合、表示が省略されない箇所にアフィリエイトサイ トである旨を明記してください。 テキスト広告の場合は「提携」等の文言を明記してください。それ以外の広告の場合は「アフィリエイト広 告」の文言を明記してください。 (2) 訴求する商品名やサービス名を表示が省略されない箇所に明記してください。

 

第9 章「広告表現規制」における、「2. アフィリエイトサイトの広告表現」が項目としては削除されました。今回の変更で、(1)の、いままでテキスト広告の場合は「提携」等の文言を明記、またはそれ以外の広告の場合は「アフィリエイト広告」の文面明記の項目が削除されます。「(2) 訴求する商品名やサービス名を表示」は次に紹介する「ユーザーに誤解を与えるような表現」へ移動されます。

■変更前の基準
5. ユーザーに誤解を与えるような表現【第2章6.(2)(3)関連】
以下のようなクリエイティブは掲載できません。
(4) 「公式」等の文言を用いてユーザーの意図しないサイトへ誘引するもの
※(1)~(3)(5)(6)は変更なしのため省略

 

■変更後の基準
4. ユーザーに誤解を与えるような表現【第2章7 .(2)(3)関連】
(4) 以下のような手法でユーザーの意図しないサイトへ誘引するもの
1. 「公式」の文言を用いるなど
2. 訴求する商品名やサービス名を伏せる

※(1)~(3)(5)(6)は変更なしのため省略

 

これにより、今までは「公式」等の文言を用いた場合に限定していた規約内容を、訴求する商品名やサービス名を伏せる手法も加えています。

公式サイトと偽ったり、商品名やサービス名を伏せることによって他の商品と誤認されるおそれのある場合は掲載不可ですよ、ということです。「商品名やサービス名を伏せる」ことはこれまでアフィリエイトに限定されていましたが、今回の変更ではアフィリエイトサイトだからダメ、ということではなくユーザーに誤解を与えるような表現はダメであると、媒体としての一貫した掲載基準を明確化させています。

最後に

今回の掲載基準変更の中身は新たに新設された項目がいくつかありますが、それらは「まったく新しい項目か」と言われるとそうではなく、いままで「その他」に含まれていた内容及び、暗黙の中で掲載可否になっていたいわゆるグレーゾーンを明文化したものが多い印象でした。

それが意図するところは、今後Yahoo!社としてはグレーゾーンを排除し、審査体制を強化する姿勢を示しているようにも受け取れます。

今回の掲載基準の変更の適用は2018年4月18日(水)とまだ少し先ですが、仮に修正が必要になったとしても問題ないよう、早めに今回変更となる規定に違反していないかの確認を行うことをおすすめします。

参考:広告掲載基準:もくじ - ガイドライン - Yahoo! JAPAN マーケティングソリューション ヘルプ

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