Web広告でリアルイベント集客を行う際のメリットやポイントを解説

Web広告でリアルイベント集客を行う際のメリットやポイントを解説
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展覧会やスポーツの試合、音楽ライブやファミリーセール。これらのリアルイベントへの集客方法としては、テレビCMやダイレクトメール、チラシやポスター、SNSでの告知などさまざまな手段が考えられます。

ポストに入っていたダイレクトメールを見て好きなブランドのファミリーセールに出かけたり、テレビCMを見て野球観戦のチケットを買ったり、駅に貼ってあるポスターを見て展覧会に立ち寄ってみたり、そういった行動をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

多くの集客方法があるリアルイベントですが、Web広告ならではのメリットもあります。今回は、Web広告でのリアルイベント集客を行うメリット、そして配信するにあたってのポイントを解説していきます。


Web広告でリアルイベント集客を行うメリット

Web広告で集客を行うメリットは大きく分けて3つあります。

①少ない手間で多くの人にアプローチできる

ほとんどの人がスマートフォンを持ち情報を収集している現代において、Webでの告知は必須と言っても過言ではないでしょう。

ただし、サイトの開設やSNSでのオーガニック投稿だけでは、イベントを知らないユーザーに情報を届けるのは難しいです。

Web広告を使えば、ポスティングのように一軒一軒チラシを投函するといった手間がなく、イベントを知らないユーザーにも効率的にアプローチすることができます。

②費用対効果を見ながら集客できる

チラシやポスター、テレビCMなどは、いったい何人がそれを見てイベントに来場してくれたのか、正確に成果を測ることが困難です。

一方、Web広告はチケット購入数や申込み数などを測定できるため、かけた費用に対してどのくらい成果が出ているのかを、正確に知ることができます。チケット購入などが発生しない、来店や来訪がKPIの場合であっても、オフラインコンバージョンを計測できる仕組みもあります。

また、Web広告には運用型広告と純広告がありますが、そのなかでも運用型広告はリアルタイムにデータを見られるため、あらかじめ決まった金額を投じる必要のある純広告、チラシやポスター、テレビCMとは違い、成果に応じて予算を調整することもできます。

③ターゲットを絞ってアプローチできる

ターゲットを絞り込めるのもWeb広告のメリットです。

リアルイベント集客において大事になってくる地域はもちろんのこと、性別・年齢・興味関心など、イベントへの相性がよいターゲットに絞って配信することが可能です。

リアルイベント集客にWeb広告が適さない場合

ここまでWeb広告による集客のメリットを書いてきましたが、もちろんWeb広告が適さない場面や、Web広告が劣る点も存在します。

①利用者層がWeb広告に馴染みがない場合

ほとんどの方がインターネットを利用する時代とはいえ、まだまだWeb広告に馴染みのない方もいらっしゃるでしょう。

そのような層をターゲットとしている場合、無理にWeb広告に出稿する必要はありません。新聞広告やチラシ、ダイレクトメールなど、親しみのある手段を中心に集客を行ったほうが成果がよいと考えられます。

②対象となる地域が狭い・ターゲット層が少ない場合

Web広告は地域やターゲット層を絞り込んで配信することができますが、絞り込みすぎると媒体のポテンシャルを活かしきれない可能性があります。

なぜなら、Web広告にはデータを溜めて機械学習を回していくことで成果を改善していく仕組みがあるからです。基本的に、データが溜まれば溜まるほど「どのようなユーザーに出すと成果がよさそうか」ということを学習し、効率がよくなっていきます。

もちろん、機械学習が十分に活かせなかったとしても、Web広告を出稿するメリットはありますが、一要素として考えておくとよいでしょう。

③費用や手間をかけずに集客したい場合

SNSなどのオウンドメディアで発信する場合はほとんど費用が発生しないですが、Web広告で集客を行う場合には必ず費用が発生します。

予算を自分で決められたり、費用対効果を見ながら配信していけるのはWeb広告の魅力ですが、あまり予算をかけられないという場合には適さないかもしれません。

また、運用型広告では配信結果を見ながらターゲットや入札、広告文を調整できるため、配信して終わりではなく、毎日少しずつでも結果を確認できるリソースがあることが理想です。

メリット・デメリットまとめ

ご紹介してきた通りWeb広告にはたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットが無いわけではありません。

以下の表にリアルイベントにおけるWeb広告での集客のメリットとデメリットをまとめてみました。

メリットデメリット
費用・効果に合わせて、柔軟に費用を調整できる・必ず広告費が発生する
・あらかじめ決まっている予算が利用できない場合がある
手間・紙媒体などに比べ、事前に準備するものが少ない
・広告管理画面からいつでもクリエイティブの変更やターゲティングの調整を行える
・広告運用を行う手間が発生する
・広告の配信設定に一定の知識が必要となる
ターゲティング・広告配信地域のほか、ユーザーの属性や興味関心など、詳細なターゲティングができる・Webで情報収集を行っていないユーザーには情報が届けられない(例:高齢者や子どもなど)

当たり前ですが、Web広告でリーチできるユーザーが全てではなく、ユーザー属性によってはたとえばチラシや駅広告など、Web広告以外の手法が有効なケースも少なくありません。

対象となるユーザーにイベントの情報を届けるためにどのような手法が有効なのか、Web広告に限らず、さまざまな手法を柔軟に組み合わせることでより効果的な集客が可能となります。

まずはWeb広告のメリットとデメリットを踏まえて、利用を検討してみてくださいね。

Web広告でリアルイベント集客を行う際のポイント

では、実際にWeb広告で集客を行う際にどのようなポイントを意識すればよいのか、5つに分けてご紹介します。

①ターゲットを明確にイメージし整理する

まずはターゲットとなりそうなユーザーを「イベント内容への親和性」と「お出かけ意向」の2軸に分類しながら考えてみましょう。

ここでいう「イベント内容への親和性」というのは、そのイベントへの興味関心の度合を計る指標であり、高いほどイベントに興味を持ってもらえる可能性あります。「お出かけ意向」というのは、そのイベントが開催される日に外出しようとしているかどうかを計る指標としています。たとえば、どこかに出かけたいと思って情報を探している方は「お出かけ意向が強い」といえます。

各ターゲットに対して、年齢や性別、地域などのデモグラフィックだけではなく、生活習慣や趣味、情報収集の方法など出来るだけ細かく想定しておくことが、媒体選定やターゲティング、コミュニケーションの取り方を考えるうえで重要になってきます。

たとえば、さいたま市で行われるスポーツの試合があったとします。

「イベント内容への親和性」が高く、「お出かけ意向」も強い右上の層は、さいたま市へのアクセスがよく、そのチームのファンとして普段からよく試合を観戦していると想定されます。すでにその試合を認知して検索したり、チームや選手のSNSをフォローしたりしているかもしれません。よって、「試合名」や「チーム名 チケット」などのキーワードで検索広告を出してアプローチしたり、チームのSNSをフォローしている人にバナー広告を出す、などの方法が考えられます。また、この層にはSNSのオーガニック投稿やメールマガジンなどでアプローチできるため、広告を出さないようにする、という選択肢も考えられます。

「イベント内容への親和性」は高いが、「お出かけ意向」は強くない右下の層は、チームのファンであり、試合は認知しているが会場が自宅から遠かったり、一緒に行く人がいなくて躊躇している、など阻害要因があると考えられます。普段からチームのSNSをフォローしていたり、試合結果のニュースを閲覧していたりする確率が高いので、そういった人をターゲティングしつつ、「東京から〇分」「1人でも楽しめる」などのコミュニケーションを取ることで、その阻害要因を取り除けるかもしれません。

ただ、リアルイベントにおいては、会場までのアクセスは大きく成果に影響する要因です。成果が見合わない場合は、地域を絞って配信することをおすすめします。このとき、単純に会場からの距離だけではなく、会場付近に通っている路線、車でのアクセスのしやすさなども考慮しつつエリアを決定するとよいでしょう。

逆に、「イベント内容への親和性」は低いが、「お出かけ意向」は強い左上の層は、そのチームについてはあまり知らない、アウトドアなカップルかもしれません。ただ、週末に出かける近所のスポットを探しており、「さいたま お出かけ」と検索していたり、「さいたま市のデートスポット」に関する記事を閲覧しているかもしれません。それらの検索をしているユーザーやメディアに対して「さいたまのデートなら〇〇でスポーツ観戦」といった広告を出せば、興味を持ってもらえる可能性があります。

「イベント内容への親和性」が低く、「お出かけ意向」も弱い左下の層は、アプローチしても来場してもらえる可能性が低いので、今回の広告ではターゲットとすべきでない、と考えることができます。

このように、ターゲットを明確にイメージしつつ分類していくと、配信プランがだんだん見えてきます。反対に、多くの人に情報を届けたいから、という理由でターゲットをざっくりとしか想定していないと、適切なタイミングで適切なコミュニケーションを取れず、なかなか成果に結びつかないかもしれません。

②外部要因を考慮する

リアルイベントには外部要因がかなり関わってきます。データを見て配信調整するときには、広告の配信設定の問題なのか、それとも外部要因が影響しているのかをしっかり見極めることが重要です。主な外部要因を3つ挙げます。

休日・祝日

すぐにチケットが完売してしまうようなイベントは傾向が違うかもしれませんが、やはり休日・祝日の前日や当日は、チケット購入や申し込みが増える場合が多いです。

コンバージョンにつながりやすい休日などに平日と同じ予算しか配分しておらず、一日の途中で予算が尽きて広告を出し切れなかった、といった機会損失がないよう、前もって曜日ごとの予算配分は検討しておくことをおすすめします。

天候

天候も客足を左右する大きな要因の一つです。多くの場合天気がよいほうが人が集まりやすいですが、逆に梅雨時などは屋内施設の需要が相対的に高まるなどの可能性も考えられます。

地域の情勢

外出自粛の要請が出ている、など地域の情勢も大きく影響する場合があるため、注意しましょう。

③コンバージョンにつながるクリエイティブを意識する

媒体や配信方法によりますが、Web広告では多くの場合、ユーザーが広告をクリックすることで費用が発生します。

そのため、費用対効果を高めるためには、チケット購入や申し込みの意向が強いユーザーにクリックしてもらうことが重要です。

クリエイティブ作成における優先順位

「何が」「どこで」「いつ」開催されるのかを、視認性高く明記したうえで、その他の要素を盛り込むべきかを考えましょう。この3要素に納得してクリックするユーザーでないと、チケット購入や申し込みにまで至らない可能性が高くなってしまいます。

見どころや楽しみ方がたくさんあるようなイベントの場合、色々な情報をクリエイティブに盛り込みたくなってしまいがちです。

しかし、Web広告では小さな面に表示されたり、文字数制限があることも多いので、情報を盛り込みすぎると何が書いてあるのかよく見えなかったり、数ある情報のなかで大事な情報が目を惹きにくくなってしまいます。

ポスターやチラシとは違い、色々なデザインやコピーを簡単にテストできるのもWeb広告の特徴です。どのような見せ方がよいのか、成果を見ながら調整していくとよりよいでしょう。

中継がある場合の注意点

スポーツの試合のようにリアルイベントで楽しむ人と中継で楽しむ人がいるような物の場合は注意が必要です。

たとえば野球観戦のチケットを「○○球団」というチーム名で検索したユーザーに販売したいと考えたとします。

  1. ○○球団|夏休みイベント開催中
  2. ○○球団チケット|夏休みイベント開催中

上記2つの広告を出稿して、CVRが高いのは1と2のどちらと考えられるでしょうか?

野球のチーム名を検索するユーザーは、必ずしもチケットを買いたいと思っているわけではありません。ためしにチーム名を検索してみると、「試合結果」「関連ニュース」という順番で表示されることからも分かるように、試合結果やニュースを確認したいという意図を持って検索する方が多いと考えられます。

1のような広告文だと、チームのサイトで試合結果を確認したいだけのユーザーも多くクリックしそうです。一方、2の広告文であれば、「チケット」と明記しているのでチケットを購入したいユーザーにある程度絞れると予想できます。

費用対効果が悪く、成果を改善したいという場合などには、不要なクリックがないか確認してみてください。

④参加のハードルを下げる

余暇としてのコンテンツの場合、「生活をしていくうえで絶対に必要」という状況にはなりにくいです。よって、コンバージョンに至るまでにハードルがあると、「面倒臭い」「よく分からない」などの理由で簡単に離脱されてしまうことが考えられます。特に、新規のユーザーにアプローチする場合には参加のハードルを下げることが重要です。

そのイベントに参加することでどのような体験できるのか、1人でも参加できるのか、子連れも楽しめるのか、どのような方法で会場へ向かえばよいのか(車でアクセスできるのか)、など、新規ユーザーが疑問に思う点はしっかりランディングページに記載しましょう。

また、チケット購入や申し込みまでの導線の分かりやすさも、成果に大きく影響します。必要以上に複雑になっていないか、広告掲載前に確認できるとよいですね。

まとめ

ここまで、Web広告を使ったリアルイベントへの集客方法について解説しました。

Web広告は、うまく活用すれば他の手法ではアプローチできていなかった多くの人に情報を届けることができる手段となります。

イベント集客のWeb広告配信では、地域性や外部要因が及ぼす影響が強かったり、イベントごとに独自の傾向も多く見られるため、単なる配信データの数値ばかりにとらわれず、その背後にある要因までしっかり考えることが必要になってきます。

これまでWeb広告での集客にチャレンジしていなかった方も、これらのポイントを活かしつつ、ぜひ配信にチャレンジしてみてください。

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