広告運用に携わっていると一度は、広告主もしくは広告代理店から「広告アカウントを閲覧したい」という依頼をもらったことがあるでしょう。
しかし、各媒体で権限の種類は多岐に渡り、権限ごとに出来る範囲も異なるため分かりづらいと感じたこともあるのではないでしょうか。
そこで、今回は利用者数が多いSNSなどに広告配信できるLINE広告・Twitter広告・SmartNews Ads・Criteo広告のアカウントに権限を付与する方法をご紹介します。
広告運用においては、1つのアカウントを複数人で操作する状況が多いと思います。そのため、権限を制限することで誤操作はもちろん、情報漏洩の防止に繋がります。必要なシーンにあわせてこの記事を活用してみてください。
Google広告、Yahoo!広告、Meta広告のアカウント権限付与方法は以下の記事をご確認ください。
目次
LINE広告
権限の種類
「広告アカウント管理者」「広告アカウント運用者」「広告アカウントアナリスト」の3種類の権限があります。
それぞれで行える操作は以下の通りです。
権限の種類 | 広告アカウント管理者 | 広告アカウント運用者 | 広告アカウントアナリスト |
広告アカウントの管理 | 〇 | × | × |
---|---|---|---|
請求管理 | 〇 | × | × |
ユーザー管理 | 〇 | × | × |
広告運用 | 〇 | 〇 | × |
広告運用(閲覧) | 〇 | 〇 | 〇 |
レポート | 〇 | 〇 | 〇 |
広告管理画面の閲覧権限を求められた場合は「広告アカウントアナリスト」権限を付与しましょう。キャンペーンの編集作業など管理画面を操作したい場合は「広告アカウント運用者」以上の権限が必要になるので用途に合わせて権限を指定しましょう。
権限付与する方法
LINE広告の権限付与にはメールアドレスが必要です。権限を付与するメールアドレスを忘れずに確認しましょう。
1.権限を付与したい広告マネージャにアクセス
2.広告マネージャ左上の ≡ をクリックし [設定] > [権限の管理] をクリックします。
※「管理者」の権限を持つユーザーのみ該当の項目が表示されます。「管理者」以外の方は権限付与ができないため、[権限の管理]が表示されない方はご自身の権限を確認しましょう。
3.権限の管理にアクセス後[+ユーザーを追加] をクリックします。
4.ポップアップが表示されるので、権限を付与したいメールアドレスを入力し、付与する権限を選択のうえ、[招待メールを送る]をクリック
5.アクセス権を付与したいユーザーに招待メールが届きます。招待を受諾すると、ユーザ追加と権限付与が完了します。
招待メール送信して、権限付与の設定が完了したと思ってしまうケースが多いので注意が必要です。
招待メールをユーザーが受諾して権限付与が完了するので、招待メールを送信した相手への受託依頼も忘れずに案内しましょう。
Twitter広告
権限の種類
Twitter広告のユーザー権限は6種類あります。それぞれで行える操作は以下の通りです。
※横へスクロールしてご覧ください
権限の種類 | アカウント管理者 | 広告マネージャー | クリエイティブマネージャー | キャンペーンアナリスト | オーガニックアナリスト | パートナーオーディエンスマネージャー |
新規アカウント管理者の作成/ユーザーの招待 |
〇 | × | × | × | × | × |
---|---|---|---|---|---|---|
アクセス権の編集 |
〇 | × | × | × | × | × |
クレジットカード管理 |
〇 | × | × | × | × | × |
請求管理 |
〇 | × | × | × | × | × |
広告キャンペーンの変更 |
〇 | 〇 | × | × | × | × |
広告用ツイートの作成 |
〇 | 〇 | × | × | × | × |
クリエイティブの変更 |
〇 | 〇 | 〇 | × | × | × |
広告パフォーマンスデータの表示 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
「オーガニックアナリスト」はオーガニック投稿の実績のみ確認できる権限、「パートナーオーディエンスマネージャー」はTwitter APIを利用して、カスタムオーディエンスを表示、修正、削除する機能につき広告成果の確認権限ではありません。閲覧権限付与の際には誤って付与しないように気をつけましょう。
キャンペーンの編集作業や広告用クリエイティブ(広告用ツイート)作成などの権限を付与したい場合は「広告マネージャー」以上の権限が必要です。
管理画面にアクセスし管理画面数値確認などの状況確認のみの権限を付与したい場合は「キャンペーンアナリスト」の権限を付与しましょう。「クリエイティブマネージャー」でも広告数値の確認は可能ですが、クリエイティブの変更が可能になるため、閲覧権限を求められた際は管理画面の数値の確認のみが可能な「キャンペーンアナリスト」の権限付与をおすすめします。
権限付与に必要なもの
Twitter広告はTwitterアカウントに権限を紐づける仕様です。
そのため、権限を付与したいアカウントの「@」で始まるユーザー名を事前に確認しましょう。
なお、個人アカウントへも権限付与が可能ですが、複数人への権限付与は権限管理が煩雑になるデメリットが生じます。そのため複数人への権限付与は、権限付与用の共通Twitterアカウントを用意することを検討してみてください。
権限付与する方法
1.ads.twitter.comにログインします。
画面右上で広告アカウントの名前を選択し、ドロップダウンメニューから [アカウントへのアクセス権を編集] を選択します。
2.[アクセス権を追加] をクリックします。
3.ユーザー名(@から始まるTwitterアカウント名)を入力します。
4.ドロップダウンメニューから付与したいアクセス権限を選択。[変更を保存] をクリックすると権限の付与完了です。
SmartNews Ads
権限の種類
SmartNews AdsはユーザーIDを紐づけることで、対象の広告アカウントにログインできるようになります。
SmartNews Adsは他の媒体と異なり閲覧権限という仕様がありません。そのため、閲覧権限のみの付与は仕様上不可能です。ユーザーIDを紐づけたユーザーは管理画面からあらゆる運用操作やレポート確認が可能になるため、権限付与の際はご注意ください。
ユーザーIDを紐づけた場合に行える操作は以下の通りです。
権限の種類 | ユーザーID紐づける側 | ユーザーID紐づけられた側 |
アカウントの管理 | 〇 | × |
---|---|---|
ユーザーIDの新規紐づけ依頼 | 〇 | × |
請求管理 | 〇 | × |
広告キャンペーンの変更 | 〇 | 〇 |
予算/入札管理 | 〇 | 〇 |
クリエイティブの変更 | 〇 | 〇 |
オーディエンスの作成 | 〇 | 〇 |
管理画面の閲覧 | 〇 | 〇 |
参考:ユーザーIDの紐付け方法
ユーザーIDを付与する方法
ユーザーIDの紐づけにはメールアドレスが必要です。権限を付与するメールアドレスを忘れずに確認しましょう。
SmartNews AdsへのユーザーIDの付与は、LINE広告と異なり管理画面上でユーザーの追加ができません。権限を付与したい場合は、Smartnews社にメールで依頼し、ユーザーID紐づけの対応をしてもらう必要があります。
ユーザーID紐づけには数営業日かかる場合があります。権限付与を依頼された際には余裕をもったスケジュール管理の上、対応するようにしましょう。
1.紐づけたい広告主IDを確認します。
付与したい広告アカウントにログインし、画面左上の「キャンペーン一覧」の右横に8桁の広告アカウントIDが表示されます。
2.SmartNews Adsの広告アカウントを発行した際のメールに被せて以下内容を返信してください
記載内容 | 備考 | |
件名 | 【アカウント紐付け依頼】株式会社●● | アクセス権限の付与するユーザーの所属会社を記載 |
---|---|---|
本文 | 【紐付けアドレス】××××@××××××××.com【対象広告アカウントID】 | 「紐づけアドレス」にはアクセス権限を付与したいユーザーのメールアドレスを記載。 |
クライアントが広告代理店へ権限付与もしくは、広告代理店がクライアントへ権限付与など自社と異なる企業のユーザーに権限付与を行う場合は「アクセス権限を付与したい企業名」と「企業情報のわかるwebページURL」を本文追記する必要があるのでご留意ください。
Criteo
権限の種類
Criteoのユーザー権限は5種類あります。
それぞれで行える操作は以下の通りです。
権限の種類 | 管理者 | ビジネス | 技術 | 請求 | 読み取り専用 |
ユーザー役割の追加、削除、変更 | 〇 | × | × | × | × |
---|---|---|---|---|---|
請求書と支払い方法を管理する | 〇 | × | × | 〇 | × |
タグの設定/イベントの確認 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △(イベントの確認は可能) |
キャンペーンの作成と編集 | 〇 | 〇 | × | × | × |
カタログのインポート | 〇 | 〇 | × | × | × |
予算/入札管理 | 〇 | 〇 | × | × | × |
管理画面の閲覧 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
参考:ユーザーの役割と権限
Criteoはできる操作ごとに細かく権限が分かれているのが特徴です。
キャンペーンの編集作業など管理画面上で広告配信に関わる操作をする場合は「ビジネス」の権限が必要です。管理画面の閲覧権限を求められた場合は「読み取り専用」の権限付与をおすすめします。
権限付与する方法
Criteoの権限付与にはメールアドレスが必要です。
権限を付与するメールアドレスを忘れずに確認しましょう。
1.広告アカウントにログインし[設定]>[チーム]をクリックします。
2.画面右上の[新しいユーザーの追加] をクリックします。
3.ユーザーのメールアドレスを入力し、プルダウンよりアクセス権限を選択します。
4.[招待メールを送る] を選択します。
アクセス権を付与したいユーザーにメールが届くので、招待を受諾すると、ユーザ追加と権限付与が完了します。
招待メールの受諾を完了しなければ権限が付与されません。そのため、招待メールを送信後、受諾依頼の案内も忘れないようにしましょう。
参考:新しいユーザーの追加
まとめ
各権限でアクセス可能な範囲を把握せずに意図していない権限を付与した結果、クライアントや広告代理店の双方で思わぬ食い違いや事故に繋がることもあります。
そうならないためにも、各権限で利用可能な機能を把握したうえで適切な権限を付与するようにしましょう。この記事が、権限の付与方法や権限の種類を整理するきっかけになれば嬉しいです。