「異業種に転職してみたい」
そう思っても、どうやって自分に合う仕事を見つければよいのか、どうやって自分の適性を根拠をもって伝えればよいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
アナグラムでは、7割ほどのメンバーが運用型広告未経験で入社しています。もちろん、似たようなマーケティング領域で仕事をしていたケースもありますが、学校の先生や営業職など、仕事内容が大きく異なるような業界から転職してきたケースも多く、実際に活躍しています。
アナグラムでは、そういった全くの異業種からの転職を希望しているメンバーと面接する際、「仕事以外」に取り組んでいることのエピソードをお伺いして、マーケティングや運用型広告の仕事との相性を判断することが多いです。
そこで今回は、アナグラムで実際に趣味や特技が仕事に結びついている例をご紹介し、そのうえで、これまでの職歴で得たスキルや経験「以外」の切り口と仕事を結びつける方法をご提案します。
目次
アナグラムの仕事と趣味・特技
アナグラムにおいて未経験入社の割合が高いのは、中長期的な活躍を目的とした場合、いま持っている運用型広告に関する知識やスキルよりも、『自分の頭で考え、行動し、学ぶ力』を持つ人を採用したほうがよいと考えているからです。
そして『自分の頭で考え、行動し、学ぶ力』を持っている人は、マーケティングに関する仕事をしたことがなくても、マーケティング的な視点を持っているケースが多いです。
また、アナグラムは広告運用とクライアントワークを分業せずに1人の担当者が行う「一気通貫」の体制に特徴がありますが、クライアントワークにおいて大事なポイントも、趣味や特技における経験のなかで身につけている場合があります。
まずは、具体的にどのように趣味や特技を仕事に結び付けているのか、事例を見てみましょう。
マーケティング的な取り組みやクライアントワークは身近に存在する
マーケティングの部署に所属したり、クライアントワークを経験したことがなくても、趣味や特技を極める中で、それらの本質的な考え方を習得していることはよくあります。
メルカリ出品とマーケティング
実際に入社いただいたWEBデザイナーのメンバーは、メルカリでの古着販売でマーケティング的な視点を手に入れていました。
当時はただ不要になった服を出品していただけなのに、気がつけばすっかりハマっていて、数年間、試行錯誤しながら続けていました。「どうしたら売れるだろう?」と試行錯誤を重ねるプロセスそのものが、私にとっての楽しみでした。振り返ると、そのときの小さな工夫の積み重ねが、今の仕事にもつながっています。
商品の魅力をどう伝えるか。ユーザーの反応を見て何を変えるか。それってまさに、広告運用やデザイン制作で繰り返している「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)」のサイクル(PDCA)と同じ流れなんですよね。
面接でも「古着販売で生計を立てていた」というエピソードや、そこに至るまでの試行錯誤が面接官に大きなインパクトを与えました。
スポーツチームのトレーナーとクライアントワーク
スポーツチームのトレーナーとして活動するなかで、「相手をしっかり知る」ということが期待以上の成果を生むことを学んだメンバーは、クライアントワークにおいてもまずはクライアントの課題や目標を知ることが大事だと語ります。
トレーナーと広告運用の仕事は共通点があり、どちらも相手をしっかり知ることで求められている以上の価値を提供できると思うんです。
例えば選手に「試合前のアップをお願い」と言われた時、チームが今どんな課題を抱えていて、選手たちの体の状態はどうなのか、自分自身がプレーヤーをしていた経験もあるので選手の目線で必要なアップ内容を考える。
広告運用も同じで、クライアントが何を目指していて、そこに到達するために何が障壁になっていて、現状はどうなのか、自分がクライアント側の立場だったら何に悩むだろうか。アルティメットと広告運用、やっていることは違いますが、相互に共通する部分が多く両立することで相乗効果が生まれています。
表面的にクライアントワークを経験するよりも、本当に大事なポイントを習得できていると言えるかもしれません。
趣味や特技は、ポイントを押さえれば自分に合う仕事を見つける手がかりになる
一般的には、趣味や特技を面接などで話す機会は少ないかもしれません。むしろ、自分が好きでやっていることを仕事と結び付けることに違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし本来、趣味や特技は強制されるものではない分、自分自身の内発的なエネルギーをもとに続けていることが多いです。
「好きこそものの上手なれ」というように、興味関心をもとに自然と努力を積み重ねられることを仕事にできれば、初めて取り組む分野の仕事であっても、早くキャッチアップできたり、長く続けられたりする可能性は高まります。
だからこそ、領域を問わず、自分に合う仕事を見つけるきっかけとして、「趣味や特技」といった切り口を活用してみることをおすすめします。
キャリアに結びつきやすい3つの条件
キャリアに結びつけやすい趣味(以下、特技も含む)かどうかを判断するには、どんな取り組み方をしてきたのかがポイントとなります。単に「やっている」だけではなく、以下の3つのポイントに当てはまる趣味であれば、自分の適性が反映されやすく、転職活動で具体的な根拠としても伝えやすくなるためです。
自分なりに工夫をしている
趣味において自分なりに工夫している部分には、「課題を見つけて解決する力」や「現状より良くしていく姿勢」があらわれます。
たとえば、筋トレでより重い重量をあげるために生活習慣を見直したり、ゲームでよりよいスコアをとるために自分なりの戦術を考えたりすることがこれにあたりますが、これは仕事にそのまま活かせる思考や行動であることも多いです。
アナグラムのメイン事業である運用型広告の仕事においても、課題解決能力や現状改善への意欲は大きな強みになると考えています。
長く続けてきた
なにかを長く続けてきたという事実は、それだけで「継続力」や「粘り強さ」の証明になります。長く続けるにはモチベーションの維持や時間のやりくりといった工夫も必要で、それらは仕事においても欠かせないセルフマネジメントの技術です。
仕事をしていると、なかなか成果が出ないこともあるでしょう。そんなとき、何かに長く打ち込んできた人は、短期的に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で物事を捉え、そのとき自分がやるべきことに集中できることが多いように感じます。
強い情熱や愛情がある
「寝る間も惜しんで打ち込んでしまう」「誰かに語らずにはいられないほど好き」といった、強い情熱や愛情をもてる趣味があれば、それ自体が一つの能力といえます。
何かにのめり込むことができるというのは、仕事において卓越した成果を出すためにはとても重要な要素です。また、熱量をもって取り組む姿勢は、チームやクライアントを巻き込むリーダーシップにもつながります。
趣味において熱心に取り組めている理由が、志望する会社の仕事にも当てはまるのであれば、活躍のイメージが湧きやすいのではないでしょうか。
趣味・特技から自分に合う仕事を見つけるための3ステップ
そうはいっても「趣味や特技と仕事をつなげるなんて難しそう」と感じる人もいるかもしれません。しかし、具体的な手順に沿って考えてみると、意外と簡単に整理できます。ここでは、その手順を3つのステップで紹介します。
- 趣味を深掘りする
- 趣味を要素ごとに抽象化する
- 興味のある仕事と照らし合わせる
①趣味を深掘りする
いくら「好きこそものの上手なれ」といっても、ゲームが得意だからゲーム会社に、野球が好きだから野球選手に、というように、趣味を仕事に直接的に結びつけられる人は多くありません。
そんなときは、自分が趣味の何に惹かれていて、それをどう捉えていて、どのような行動をしているのかを具体的に理解することが有効です。一見仕事と結びつかなそうな趣味でも、要素に分けてみると活かせる資質や能力が見えてきます。
おすすめの問いをいくつか紹介します。以下に答えながら、趣味について掘り下げてみましょう。
- どんな瞬間にワクワクしたり、楽しいと感じますか?
- 続ける理由やモチベーションは何でしょうか?
- 上達したり、もっと楽しむために工夫してきたことはありますか?
- どんな環境や状況だと時間を忘れて没頭できますか?
- どんな行動をしていますか?繰り返しやっていることはありますか?
同じ趣味でも、人によって惹かれるポイントや行動は異なります。その違いこそが、自分の思考や行動特性を表しています。趣味を単に「好き」「面白い」で終わらせず、要素を言語化してみることが、自分に合った仕事を見つける第一歩です。
②趣味を要素ごとに抽象化する
前のステップで洗い出した「好きなポイント」や「よくとる行動」といった要素は、そのままでは単なる趣味のエピソードにとどまってしまいます。そこで次のステップとして、要素の抽象化を行いましょう。
ここでいう抽象化とは、趣味にまつわる要素を、一般的な資質や能力=「○○力」に言い換える作業です。このステップを行うことで、趣味から仕事の適性を捉えやすくなります。
③興味のある仕事と照らし合わせる
次は、趣味の構成要素を抽象化したもの=資質・能力(「○○力」)を活かせる仕事を調べてみましょう。具体的に興味がある仕事があるのであれば、その仕事に求められる資質と照らし合わせてみるのもおすすめです。
ここでも、前のステップでやった作業が役に立ちます。なぜなら、転職活動においては、仕事自体も構成要素を深掘りしたり、それを抽象化して必要な資質や能力を理解することが欠かせないからです。ポジション名だけを見て合いそうか否かを判断すると、入社後にギャップを感じるリスクが高まります。
たとえばアナグラムの仕事であれば、事業理解・データ分析・クライアントワーク・クリエイティブ制作のように要素に分け、「改善思考」「内省力」といった抽象的な資質・能力として認識することで、ようやく趣味から見えてきた自分の資質や能力との重なりを確認することができます。
【実例】シューティングゲームが趣味で特技のTさんの場合
| ① 趣味を分解する | ②分解した要素を抽象化する | ③興味ある仕事に当てはめる(アナグラムの場合) |
|---|---|---|
| 楽しいと感じる理由→ランクが上がったときの達成感 | ・成果思考 ・数値などの成果をエネルギーにできる資質 | 成果指標(CPA、ROASなど)を追いかけながら改善を積み重ねる運用型広告と親和性が高い |
| 工夫していること→自分のプレーを録画して振り返る | ・内省力 ・改善思考 ・メタ認知力 | 運用型広告、クライアントワークともに、振り返りやデータ分析により改善していくプロセスに活かせる |
| 大切にしていること→エイム※などの基礎を疎かにせず、粘り強く戦う ※武器の照準を敵や目標に合わせる技術 | ・基礎を大切にする思考 ・粘り強さ | 運用型広告は短期で結果が出るとは限らないが、基礎を怠らず、粘り強く取り組む姿勢が欠かせない |
「趣味・特技」から自分に合う仕事を見つけてみませんか?
やりがいをもって長く続けられたり、楽しみながら成果が出るような「自分に合う仕事」は、職歴以外からも考えることができます。
特に、熱心に取り組んできた趣味は、自分の資質や能力があらわれていたり、それを人に伝える根拠となったりと、異業種にチャレンジしたいときに使える切り口となるのです。
実際にアナグラムにも、趣味や特技から得た経験を活かして未経験から活躍しているメンバーがたくさんいます。
転職活動はまず自己理解から。ぜひ自分自身についてさまざまな視点から振り返り、良い転職にしてくださいね。



