T型人材を目指すために、日頃行っている情報収集術を公開します

T型人材を目指すために、日頃行っている情報収集術を公開します

T型人材として活躍するために習得するべきスキルとして、「広告運用者がT型人材として飛躍するために習得するべき14のスキル」という記事を先日お届けしました。

これらのスキルを身に着けようと思った場合、みなさまは何から着手しますか?本を買う?セミナーに参加する?それぞれの分野に強そうな身近な人に話を聞く?色々あると思いますが、共通して言えるのは情報を集めるということです。

そして、情報収集は1回行ったら終わりではありません。得たい情報のテーマに関して、継続的に最新トレンドからの変化を感じ取ることができなければ、そこから得た情報や培ったスキルとしてはすぐに陳腐化が始まりかねません。

今回は、T型人材を目指すために筆者が日頃行っている情報収集術をご紹介します。

あくまでも筆者の取っている方法のため、これが正解だ!というわけでもありませんので、美味しそうな部分だけ摘み取っていただければと思います。


T型人材を目指すために重要なこと

あくまでも筆者個人の考えになってしまいますが、T型人材を目指すためには何が重要なのか列挙してみます。

あくまでも主業務が軸である(T字の縦棒の部分)

言わずもがな、ここがしっかりしていないとなりません。まずは主業務について深く突き進めるということが第一歩です。

主業務にまつわるジャンルからT字の横棒を広げる

運用型広告の運用者であれば、業務の中でWeb解析やタグマネジメントに携わるケースも少なくありません。これらに携わるうちに、運用型広告の運用者として持っておいたほうがよいスキルセットというのが見えてきます。

例えばJavaScriptの知識なんかあるとT字の横棒がぐっと長くなりますよね。Web解析やタグマネジメントツールの導入や管理をする中で、JavaScriptという存在は必ず出現します。また、アドワーズスクリプトもベースはJavaScriptですので、このスキルを磨いていくと運用型広告の運用者としての価値がぐっと上がるのではないでしょうか。

実は広告運用を深掘りしていくと、Web解析やタグマネジメントに取り組むようになり、これらをさらに深掘りするとJavaScriptも勉強しよう…というように自然とT字の横棒が伸びていくのです。

参考:今日からはじめる、AdWords Scripts(アドワーズ スクリプト)

興味をもつ(知的好奇心を旺盛に)

興味をもつ、楽しもうとするという姿勢や情熱がなければT字の横棒は伸ばせないと筆者は強く感じてます。つまらないものに手を出しても長続きしないのは目に見えていますしね。

ちなみに、筆者であればデータフィードがT字の横棒に含まれるのですが、ここに興味を持ち取り組んでみることにしたきっかけは、前職でデータベースにまつわる仕事を担当していて楽しかったという経験と、Google アドワーズでショッピング広告(当時は商品リスト広告)がローンチされたときに商品のデータベースが広告になるって面白いじゃん!ということで大変興味を持ったことに由来します。

検索をして調べる情報はあくまでも一時的なもの

情報収集のために検索エンジンを使うというのは一般的ですが、ここで調べた情報はあくまでも一時的なもので、すぐ知りたい!と言った情報を探す場合には有効ですが、常に新しい情報を追おうとすると、そのたびに検索という行動が発生します。検索結果から欲しい情報を見つける作業も発生するので、継続的な情報収集には向いていません。

なので、筆者はさまざまなツールを使って情報収集を行っています。

筆者が使っている情報収集ツール

Twitterのリスト機能

Twitterは即時性があり、かつ、その道で有名な世界中の権威の方とコミュニケーションも取れる最高のツールだと思います。しかし、フォローする人が増えれば増えるほどタイムラインは混沌とし、追いたい情報が追えなくなるという現実もあります。そこで、ユーザーを任意に分類できる「リスト機能」を使うと便利です。

リストに追加したいアカウントのページを表示したら、①「︙」をクリックして②「リストへの追加と削除」をクリックします。

マイリストが表示されるので③「リストを作成する」をクリック。

④で適切なリスト名を入力し、⑤リストが第三者からも見えるようにするか否かのオプションを設定したらリストを保存します。

リストを保存したら、リスト一覧画面に戻るので、⑥追加したいリストにチェックを入れて完了です。

※既にリストが作成されており、既存のリストに追加する場合は、⑥の手順のみ行います。

追加したリストは、⑦画面右上の自分のアイコンをクリックすることで表示される⑧「リスト」から確認できます。

保存済みリストに表示されたリスト名をクリックすると、リストに追加されたユーザーだけのツイートを閲覧することができます。

運用型広告やSEO、マーケティングと言った分類でリストを分けておくと分かりやすいですね。

リストが多い場合は、リスト切り替えが簡単にできるTwitterクライアントを使う

Twitterでリストを作っていくと、ついついたくさんのリストが量産されがちです。リストをたくさん作ると、公式のTwitterクライアントではその切り替えが煩雑になるため、リストごとの表示が簡単に切り替えられるTwitterクライアントを利用してみましょう。

筆者のオススメはデスクトップなら「Tabtter」で、モバイルアプリなら「Buncho」(iOS、無料)や「twitcle plus」(Android、有償350円)です。

作成したリストやTwitter検索結果ごとにタブを作成することができるので、素早くタブを切り替えてリストごとのツイートを閲覧可能です。

参考:Tabtter Free

モバイルアプリでは、作成したリストを左右のスワイプで素早く切り替えられるので、リストが増えてきてもサクサクとチェックすることが可能です。

参考:Buncho for Twitter on the App Store
参考:twitcle plus (Twitter) - Google Play の Android アプリ

RSSリーダー、Feedlyで記事をガンガンチェックする

Feedlyはブラウザ向けだけでなく、モバイルアプリも提供されているRSSリーダーです。筆者は業務に関係するしないかかわらず、読みたいサイトのRSSフィードを大量に購読登録して、その記事の新着確認を行っています。

基本的な使い方は他サイトでも多く取り上げられているので割愛します。

参考:Feedlyとは?効率的な情報収集に欠かせないツールの使い方を解説|ferret [フェレット]

筆者はFeedlyを使って、多くのサイトの記事を購読するのに、モバイルのアプリを使っています。各ブログの未読記事をタイトルだけの一覧表示にして(タイトルビュー)気になる記事はチェック、それ以外は読み飛ばすという使い方です。

タイトル一覧から気になる記事はタップして中身を読み進め、あとで読み直したい記事はロングタップでお気に入りに追加、タイトルの確認が終わり、気になる記事がなければ下から上へスワイプして既読処理&次の未読一覧へ読み進めるというのを繰り返しています。

デスクトップブラウザと異なり、モバイルアプリだとタイトルの確認と未読処理に特化できるので便利です。200記事程度の未読確認だけならわずか数分で処理できます。

Twitterほどの即時性はありませんが、Twitterだけでは大量の情報を遡って確認することも困難です。なので、情報の漏れを防ぐためにFeedlyで補っています。

ちなみにどのようなサイトをチェックしているかについては、過去記事をご参照いただくと良いです。その記事で紹介しているサイトは基本的にチェックをしています。

参考:激しい変化に取り残されないために、運用型広告プレイヤーが参考にするべき情報収集先【2017年版】

※Feedlyは無料版もありますが、購読フィード数に上限があるなど制限があります

Google アラートで気になる話題を見逃さない

Googleアラートを活用しているよ!という方を最近見かけないのですが、これは本当に便利なツールです。

Google には日々新しいコンテンツがインデックスとして追加され続けていますが、その中から指定したキーワードに関する新着コンテンツをアラートとして教えてくれるというものです。

使い方は簡単で、Googleアラートのページアクセス、①新着通知を受け取りたいコンテンツに関するキーワードをし、②「アラートを作成」をクリックするだけ(Googleアカウントを持っていない場合は、加えて通知先メールアドレスを入力)です。

設定したアラートにはオプションもあり、地域・言語のほか通知頻度や通知の配信先も設定することができます。

ここで注目すべきは「配信先」です。メール以外にもRSSフィードによる配信も可能ですので、さきほどご紹介したFeedlyにてチェックをすることもできるのです。

Feedlyに登録するのに必要なRSSフィードのURLは③のアイコンを右クリック、「リンクのアドレスをコピー」などをすることで取得可能です。設定したアラートごとにRSSフィードのURLは異なるので注意が必要です。

Feedlyに登録するRSSフィードは、自分がこれまで閲覧してきたサイトの中で要チェックだと思ったサイトが中心になってしまいますが、Googleアラートを使うことで気になるテーマのコンテンツが自動的に集まってきてくれるので、これまでに出逢えなかった考えの記事やサイトなどとの出逢いが新たにあったりします。

メルマガは人力で集められた高品質な情報の宝庫

メルマガというと、どうしても営業ツール的な色が濃いですが、メルマガも内容を取捨選択すると、これほど便利なツールはない!と感じるようになるはずです。

メルマガでオススメなのは、その分野に特化した個人が発信するメルマガです。有料無料あると思いますが、有料だから価値がある、無料だから価値がないということではありません。気になるジャンルでその道に精通した方がメルマガを発行していたら四の五の言わずに購読してみましょう。万が一面白くなければ、購読をやめればいいだけです。

メルマガは自分にない視点の意見、記事やサイトに出逢えるチャンスです。先ほど紹介したFeedly+Google アラートの組み合わせと似ていますが、メルマガはこれよりも情報収集ツールとして絶対的なアドバンテージがあります。それは、発行者自身がその目線で有用だと思われる情報を集め、咀嚼し、まとめてくれ、それを読者に届けてくれるという点です。

GoogleアラートはあくまでもGoogleに集まってきた新着情報を通知してくれるだけなので、情報の取捨選択は読み手に依存します。対して、メルマガは前述のようにその道に精通した人間が集めて取捨選択した情報を紹介、解説、またはコラムと言った形で届けてくれますので、購読しない手はないと思いませんか?

とはいえ難点もあり、読みたいジャンルでのメルマガを発行している方がいないケースもあるということですね。

ちなみに、筆者個人は下記のメルマガを購読しています。Web解析系が多めですが、これは筆者の好みです。

参考:運営堂メルマガ
運営堂森野さんのメルマガ。平日の朝7時に、森野さんが独自に集めたニュースをカテゴリ分けして届けてくれます。

参考:アナリティクスアソシエーション(a2i)
a2i代表の大内さんはじめ、a2iボードメンバーの方々のコラムと、Web解析関連のトピックを届けてくれます。特にコラムは、Web解析や最新のトピックだけではなくデータ分析やBIツールと言った周辺領域なども取り上げられることもあります。読み進めていくうちに、いつの間にか首を縦に振っている自分に気が付きます。

参考:GA フォーラム | Googleアナリティクスの情報サイト
Google アナリティクスに超精通している衣袋さんが運営しているGAフォーラムのメルマガです。Google アナリティクスはGoogleアドワーズと異なり、ヘルプでは見えない仕様が多くあり、筆者個人では検証や情報が追いきれないので購読しています。

Googleアプリのフィード

これは、これまでの情報収集の方法とはちょっと趣向が異なります。

モバイルGoogleアプリを利用すると、GoogleアカウントやGPSの情報を基に、スケジュールのリマインドや現在地の天気、トップニュースなどをカード形式で表示してくれるのですが、その中に「おすすめの記事」という項目があります。

この「おすすめの記事」が表示される仕組みの詳細について、ヘルプなどでも公表がされていないので確実なことはお伝えできないのですが、感覚的にはアクティビティ(検索履歴など)に基づいて配信がされているようです。これは、広告の表示設定で設定できる興味関心とはまた別軸のようです。

この「おすすめの記事」は先ほどもお伝えしましたとおり、アクティビティの内容に応じて表示されるため、その内容は必ずしもT字の横棒を伸ばすものが含まれているとは限らない点に注意です。

しかし、Googleといえば機械学習。「ほれ、こんな記事も興味あるだろ?」という感じで、無意識のうちに興味を持っていたテーマの記事をバチッ!と提示してくれることもあるので、たまに覗いて見ると楽しいです。

番外編:Google Chromeで海外記事もサクサク読み進める

なぜ、ここでブラウザを紹介するのか?と思われるのですが、Google Chromeはワンクリック(ワンタップ)で表示されているページ全体を翻訳してくれる機能を備えているので、海外サイトの記事を読む場合は非常に重宝します。翻訳精度も日に日に高まっているので、最近は誤訳も減ってきましたが、T字の縦棒部分がしっかりできていれば、少々の誤訳や意味が通らない文章も補間することは難しくありません。

それ以外の情報収集の方法

書店に立ち寄ってみる

書店は知の宝庫です。インターネットほどの即時性はありませんが、書籍というのはその道の先人たちが培ってきたものの結晶です。興味を持ったジャンルについての基礎をしっかりつけるという意味では書籍も情報収集の方法の一つとしてもちろん有効です。

書店で平積みされているのは、新刊や出版社のオススメが多め、棚に面陳列されているのは書店のオススメが多いケースが多いので、それぞれの陳列でオススメされている本を見比べてみるというのも面白いのではないでしょうか。

人に会う

これも重要です。その道を突き進めてきた人の知識と経験は、他の情報収集の方法では得られないものもたくさんあります。Twitterを活用したり、外に出たりして、たくさんの人からいろいろな情報を得てみましょう。人とのつながりも横に広げるというのも大切です。(誰でも良いからドンドンと会いましょうということではありません)

情報収集は、収集し続けるという努力が必要

情報収集は1回したらそれで終わりではなく、同じテーマについて継続的に行う必要があります。というのも、その情報はいつ陳腐化するかわからないからです。

例えば、プログラミングを勉強するのに名著と呼ばれる古い本で学んだとします。基礎知識だけでもプログラムは作成できるようになるとは思うのですが、本が刊行された後に実装された新しい関数を使うことで、プログラミングがより簡単に、より早く行えるようになっていたとすると…。

つまり、より効率的にかつ的確なプログラミングを目指そうとすると、最新情報の収集をし続ける行動も無下にはできません。

続かない努力よりも習慣化を目指す

人間は怠けるようにできている生き物なので、努力は続かない事が多いです。なので、習慣化することで、歯を磨くように生活の一部に組み込んでしまうというのがオススメです。

とはいえ、急に言われると情報収集をどのように習慣化していいか迷いますよね?そんな時は次のように行動してみてください。

  1. 起床から就寝までの一連の行動をすべて書き出してみる
  2. その中から情報収集に使えそうな行動を探し出す(通勤中や入浴中とか)
  3. その行動中に情報収集する時間を5分でも良いので組み込んでみる

まずは、これが無理なく数日実行できるようであれば、努力をしなくても自ずと習慣化することができるはずです。

習慣は人によって異なります。昼食後の食休みがベストという方もいれば、入浴中にスマホを浴室に持ち込んでいるタイミングがベストという方も居るでしょう。まずは自分の行っている習慣の中で、何にも邪魔されずに時間が取れそうなポイントを探してみましょう。

筆者の場合、どのように習慣化しているかというと、毎日の通勤と勤務中という習慣にそれぞれ組み込んでいます。

通勤中に情報収集をする時間を組み込んだ

筆者の場合はドアtoドアで60分程度通勤にかかります。そのうち電車やバスと言った公共交通機関に乗っている時間は40分ほどですので、その時間は情報収集に使えます。

特に、海外との時差の関係で日本時間だと深夜~早朝の時間帯に記事がアップされる傾向があるため、いち早く海外の情報をキャッチしようと思ったら朝方がベターです。

情報収集する時間が40分もあると見るか40分しかないと見るかで変わってきますが、先に上げた情報収集ツールは、お気に入りやあとで読む機能もあったりするので、これは外せない情報だというものはその場で収集し、急ぎではないものはお気に入りやあとで読む機能を活用して、時間が取れたらあらためて内容を確認するといった使い方をしているので、筆者としては40分あれば未読はたいてい消化可能です。

勤務中のちょっとした空き時間に情報収集する時間を組み込んだ

アナグラムでは、ありがたいことにノートPCに液晶ディスプレイ2枚という環境を提供してくれます。なので、筆者は液晶ディスプレイを仕事のメインに利用し、ノートPCもしくはもう1枚の液晶ディスプレイに、先ほど紹介したTabtterやFeedlyの画面を常時映していることが多いです。

そのうえで、タスクとタスクの合間や、ちょっと逃避したい息抜きしたい状態のときに閲覧したりつぶやいたりしています。とはいえこれは会社が許容してくれているから実現できている部分も大きいので、読者の皆様におかれましては各々の環境に合わせ、上司に怒られない程度に実行してみてください。いずれにしても没頭しすぎないようにしましょう(人に言える立場ではないのですが…)。

おまけ:スポーツジム通いや習い事が続かないのは、習慣化しにくい場所にあるから

話は大幅に脱線しますが、スポーツジムや習い事が継続するかどうかは努力ではなく、習慣化できる環境におけるかどうかで変わってきます。例えば、会社帰りにスポーツジムで運動したいと考えたときに、例えば通勤経路として通る駅の前にあるジムか、そこよりも規模は大きく、安いが通勤経路からは外れる駅の逆側のジムを選ぶか、どちらが長続きしそうでしょうか?

スポーツジム通いが長続きしなかった筆者の過去則からすると、通勤経路上から少しでも外れる場合、よほどそのスポーツジムに価値があって通いたいという強い意志がない限りは、長続きしません。人はジムに行かない理由を作ろうとするからです。

通勤経路上にあるスポーツジムに入会することで、ジムに行かない理由をなるべく減らしてあげると長続きするのかなと思います。それでも行かない理由をつい作ってしまうのが人間です。新しく習い事などを始める場合、通う場所はできるだけ1日の行動ラインから外さない(この例では通勤という習慣の経路からなるべく外れない)のも大切なことだと思います。

※あくまでも個人の感想です

最後に

ここまで、T型人材を目指す場合の心得から収集方法、習慣化の話まで、筆者が日頃行っている情報収集術をご紹介しました。実はその他にもいくつかはあるのですが、そこはまた機会があれば。

本記事は、ボリュームが多い上にマニアックな部分も含まれているので、情報収集の方法という情報を消化しきれないかもしれませんが、方法はどうであれ情報収集という行為を習慣化させることがまず大事だということをお伝えしておきます。そのなかで、この方法は自分に合う合わないというのが出てくるはずなので、色々試してみると良いでしょう。

また、情報をインプット(頭に定着させる)にはアウトプットもセットで意識すると良いでしょう。筆者の場合は、このアナグラムブログの他に個人ブログを2つと、Twitterアカウントも趣味用途のサブアカウントも含めて4つ持っていたりします。業務と関係なしにアウトプットし続けるのも習慣化できるとなお良いですね。

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