3STEPで完結!運用型広告のバナー制作を円滑に進めるための情報整理術

3STEPで完結!運用型広告のバナー制作を円滑に進めるための情報整理術
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

広告運用に携わる中でバナーを使った広告を入稿する機会があると思います。デザイナーにバナーの制作依頼をする方もいれば、中には自ら作っているという方もいるかもしれません。

例えば制作から配信に至るまでに以下のような経験をしたことはないでしょうか。

「バナーを依頼するときに何を用意したらいいのかわからなかった」
「クライアントNGが出てバナーの作り直しが発生してしまった」
「バナーが入稿規定に引っかかり審査落ちしてしまった」

修正が何度も発生したり審査落ちによって広告の配信スタートが遅れると、機会損失やクライアントの信用にも関わってきます。そのような状況をなるべく避けるためにも、バナーの作成に必要な情報をできるかぎり集めておくことが大切です。

本記事ではバナーの制作から入稿までスムーズに行うための情報整理術、およびフローを解説していきます。今回は動画を使った広告は範囲外で静止画の広告を想定してお話していきます。

動画広告を一から作りたい方にはこちらのブログが参考になります。


STEP1:バナー制作の目的を確認する

まず最初に「なぜバナーを制作するのか?」という理由を明確にしておきましょう。

商材との相性や工数(費用)対効果を考える

商品の魅力をビジュアルで伝えることができるバナー広告。代表的なものにディスプレイ広告やSNS広告が挙げられますが、実はすべての商材に適しているわけではありません。

相性を考えずに「検索広告だけでなくディスプレイ広告も配信してみよう」「コンバージョンを増やしたいから利用者の多いLINE広告もやってみよう」と出稿してしまうと、「工数や費用をかけたのに十分なインパクトが見込めなかった…」という結果になりかねません。

商材を自ら能動的に探している方(顕在層)に向けた検索広告と違い、WebサイトやSNSを見ているときにふと目に入るバナー広告は、見込み客や購買意欲が低い方(潜在層)へのアプローチも期待できます。

そのため媒体にもよりますが、大まかな傾向としては「ターゲットが広く衝動買いを誘発しやすい商材」との相性が良く、その反面「ターゲットが狭く衝動買いを誘発しにくい商材」にはあまり向いていません。

商材との相性や全体の予算感、許容コンバージョン単価を踏まえて実施を検討していきましょう。

取り組みの優先度や制作のタイミングを考える

「配信しているバナーのクリック率が低いので新しくバナーを作って投入したい」

果たしてこのような状況で最も優先するべき取り組みはバナーを作ることでしょうか?

例えば配信中の広告すべてのクリック率が低いケースでは、バナーよりもターゲティング設定を見直すべきかもしれません。また全体的にコンバージョン単価が高騰しているケースでは、検索広告のクリエイティブ改善を優先した方が工数負担をかけずに大きなインパクトを出せる可能性が高いです。

その他にも直近で商材のデザインを変更する予定があったり、配信の継続を検討している段階ではバナー制作を留保した方が賢明です。

「Googleの検索広告が順調で予算に余裕があるため、新たにディスプレイ広告を出稿して潜在層に向けてリーチを広げていきたい」
「配信中のFacebook広告が不調。ターゲティングや設定に顕著な問題はなくクリエイティブに改善余地があると感じたため、アカウント分析を踏まえてバナーを作り直したい」

上記は一例ですが、このように制作の必然性や取り組みの優先度が高いことを前提に、バナー制作を進めていきましょう。

広告の訴求軸やターゲットを固める

バナーというとデザインを中心に考えてしまう方もいるかもしれませんが、同じくらい大切なのがコピー(テキスト)です。強力なコピーを作るためには、検索広告を考えるときと同様に訴求軸やターゲットをしっかりと固めておくことが肝心です。

ビジネスモデルや市場での立ち位置、アカウント分析などを踏まえて仮説を立てておくと、訴求軸に説得力を持たせることができます。競合他社と比較したときの優位性や独自性をアピールするのも効果的です。

闇雲に一からコピーを考えるのではなく、例えば「価格訴求」「口コミ訴求」「機能訴求」といったように訴求軸を数点に絞り込んでから、それぞれのコピーを練っていくと進めやすいです。

配信媒体や広告の種類を決める

媒体ごとに入稿規定や審査ガイドラインが定められており、バナーのベストプラクティスや好まれる表現にも違いがあります。

新規で出稿する場合は、媒体のユーザー数や利用者層、商材との相性、広告の表示場所、競合他社の配信の有無などを考慮して配信先を決めていきましょう。媒体によっては広告を出せない業種があるため、まずは出稿できるかどうかを確認しておく必要があります。入稿規定や審査ガイドラインは各媒体のヘルプページに載っていますので、事前に目を通しておいてください。

入稿先のキャンペーンや広告グループ(広告セット)、ターゲティング設定まで想定しておけると精度の高い広告クリエイティブを作ることができるでしょう。

媒体の選び方についてはこちらのブログが参考になります。

バナー制作の目的が明確になったら、次は制作に必要な情報を集めていきます。

STEP2:バナー制作に必要な情報を集める

続いてバナーの制作に進む前に、以下の情報を整理していきましょう。

  • 納期
  • 配信媒体・広告の種類
  • 制作サイズ
  • クリエイティブの狙い・ターゲット
  • テキスト
  • 使用素材
  • トンマナ・参考イメージ
  • 遷移先のURL

各項目について解説していきます。

納期

バナーの初稿納品日を決めます。配信開始予定日から制作にかかる日数、クライアントや社内チェック、入稿や審査にかかる時間を逆算して設定します。修正が多いことが予想される場合は、できる限り余裕のあるスケジュールにしておくことをおすすめします。

配信媒体・広告の種類

媒体や広告の種類を決めます。

例:Google レスポンシブディスプレイ広告、Facebook(Instagram)広告

制作サイズ

バナーやカルーセルの制作サイズ(縦横比)を決めます。配信先が多いときは1200×1200(1:1)や1200×628(1.91:1)のように、複数の媒体に共通して使えるサイズを作っておくと有効に活用することができます。

例:1200×1200(1:1)、1200×628(1.91:1)

クリエイティブの狙い・ターゲット

クリエイティブで伝えたいことや目的、対象の人物像(性別や年齢)を設定します。デザインを考える上で必要不可欠な情報です。

例:20〜30代 小学生未満の子どもがいる女性

テキスト

バナーの中に配置するテキストを作成します。

テキスト量は制作サイズや広告の種類によって適宜調整してください。例えばGoogleのレスポンシブディスプレイ広告はテキスト量少なめが推奨となっています。広告の見出しや本文との組み合わせを意識しながら制作すると良いでしょう。

例:
メインコピー「99%天然由来のやさしいボディミルク」
サブコピー「子どもと一緒に使える」

使用素材

バナーに使用する素材を集めます。使用可能な素材やロゴデータを確認しておきましょう。

素材サイトを使うという手もありますが、企業によっては使用NGのケースがあるので注意が必要です。UGC(ユーザー生成コンテンツ)風にしたい場合は自前で撮影した写真を使用するのも1つの方法です。

トンマナ・参考イメージ

デザインの色味やフォント、雰囲気が伝わるイメージを集めます。できれば1枚だけでなく複数用意するとベターです。更に簡単な構成案(ラフ)を用意するとデザインの完成形が想像しやすくなります。

遷移先のURL

バナーの印象とクリック後のファーストビューのギャップが大きくならないように、遷移先のURLを参照します。


その他にも情報の優先順位や補足事項があれば任意でまとめておきましょう。

素材や参考イメージの選び方、トンマナについてはこちらのブログが参考になります。

STEP3:情報を整理し制作に着手できる状態にする

次はいよいよバナー制作!……と行きたいところですが、最後に情報の整理や最終確認をし、準備を万全にしておきましょう。

集めた情報は1つのファイルにまとめる

STEP2で集めた情報は1つのファイルにまとめることをおすすめします。

バナーの制作中や完成後に内容を振り返りやすく、デザイナーや関係者へ共有する際にも便利です。バナー広告用のテンプレートを1つ作っておけば、別の案件でも流用して使うことができるでしょう。

ファイルの形式はスライドやテキストドキュメントでも差し支えありませんが、制作点数が多いときはGoogleスプレッドシートやExcelなどの一覧表形式を推奨します。全体を俯瞰的に見たりクリエイティブの比較や複製がしやすいことが利点です。共同編集できるオンラインのファイルであれば、複数人で同時に作業したり添削することも可能です。

監修やレギュレーションが厳しい場合は事前に確認を

「配色やフォントに指定がありバナー完成後に大きな修正が発生してしまった…」

過去にそのような経験はありませんか?企業によってはクリエイティブ監修があり、デザインのトンマナやロゴの使い方にレギュレーションが定められています。レギュレーションに関する決まりごとや資料があれば事前に共有してもらいましょう。

心配なときは前項でまとめたファイルを関係者にお送りし、事前に内容をチェックいただいた上で制作を進めていくとスムーズです。

デザイナーに依頼する場合は必要に応じて打ち合わせを

バナーの制作をデザイナーに依頼するケースで、見せ方に悩んでいたりファイルを送るだけでは不十分と感じたときは、別途打ち合わせの機会を設けましょう。伝わりづらい部分を口頭で説明し、お互いに迷いや不明点をクリアにした状態で制作に入っていけると理想的です。デザイナー側も依頼主の言語化できない要望を汲み取る姿勢を持つことが大切だと思います。

広告の種類によってアップロードできるサイズの上限やファイルの形式に違いがあったり、NGとされている表現(※)がありますので、バナー広告に不慣れなデザイナーに頼む場合はこのあたりも補足しておけると安心です。

※一例を挙げると、Googleのファインド広告はクリック可能なボタン風のデザインを入れるのはNG。

まとめ

バナーは面積が限られており入稿規定などの制約もありますが、裏を返すとそれさえ押さえれば表現の可能性が無限大のフォーマットです。自由度が高いからこそ、土台となる訴求軸を強力で骨太なものにすることが重要になってきます。そしてあらゆる閲覧者が不快な気持ちにならない表現にするなど、炎上リスクに配慮することも忘れてはいけません。

またSNS広告であれば拡散を狙った表現にするなど、媒体の特性を活かしたクリエイティブにすることで広告の効果を最大限に発揮することができます。競合他社の広告と並んだときに埋もれないように差別化することもポイントです。

日頃から世の中に溢れている広告にアンテナを張り、評判の良し悪しやクリエイティブの表現の仕方を気にする癖をつけておくと目が肥えていきます。ビジネスを伸ばす手段の1つとしてバナーを上手に活用していきましょう。

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