広告運用者もデザイナーも知っておきたい!動画のファイルサイズを軽量化する方法とは?

広告運用者もデザイナーも知っておきたい!動画のファイルサイズを軽量化する方法とは?

サイト上の商品説明やSNS投稿、広告配信などの目的で、動画を制作する機会も増えてきました。ただ、クオリティの高い動画を制作すると、その分ファイルサイズ(容量)も大きくなりがちですよね。
せっかく制作した動画も、ファイルサイズが大きすぎるとさまざまなデメリットがあります。

  • スムーズに再生ができない
  • データの送受信に時間がかかる
  • 上限サイズをオーバーしてしまい広告管理画面やSNSにアップロードできない
  • 保存スペースを圧迫し、他のデータを削除しなければならない  など

そのような事態を防ぐために、動画のファイルサイズを軽量化するメリットと方法をご紹介いたします。

※画像ファイルの軽量化でお困りの方はこちらをチェック


動画のファイルサイズを軽量化するメリット

ファイルサイズ軽量化の手順を確認する前に、あらためてメリットを見ておきましょう。

アップロードがスムーズになる

ファイルサイズが大きいと、その分アップロードに時間がかかったり、アップロードの途中で停止するなどトラブルの元になりかねません。

また、動画広告を入稿する際はファイルサイズの上限が決まっています。各媒体の上限については、こちらで記載しております。入稿前に確認しておきましょう。

ユーザーに快適に視聴してもらえる

ファイルサイズが大きいと、その分動作が重くなり、スムーズに再生できない可能性があります。また、高画質の動画は情報量が多く、ユーザー側に余計な通信量をかけさせてしまうデメリットもあります。ユーザーに負担をかけないためにも、動画は軽量化するのがベターです。

保存スペースを圧迫しない

動画は静止画に比べ、保存するときに多くの容量が必要になります。デバイスの容量がすぐに埋まってしまい、他のデータが保存できなくなっては困りますよね。ファイルサイズを軽量化することで、保存できる容量を増やすメリットもあります。

動画のファイルサイズを軽量化するための3STEP

動画ファイルサイズが大きくなるのは、以下のような要因が影響しています。

  • 再生時間の長さ
  • オーディオ(音声)トラックの有無
  • 解像度
  • ビットレート
  • フレームレート
  • 動画の圧縮方式  など

ここからは軽量化するための手順を、編集→設定→圧縮の3STEPで解説していきます。

STEP1:編集で軽量化する

まずは動画の中でカットできるシーンや音声がないか見直しましょう。

必要ないシーンをカットし、再生時間を短くする

動画は再生時間が長い分、ファイルサイズも大きくなります。不要な部分はできるだけカットし、再生時間を短くしましょう。違和感がなければ、再生速度を倍速に調整するのも一つの手です。

最近では「タイムパフォーマンス(タイパ)」という言葉も生まれ、時間を効率的に使うために長い動画を倍速再生にしたり、ショート動画を好むユーザーが増えてきました。再生時間を短くすることは、ファイルサイズを軽くするだけではなく、最後まで見てくれるユーザーを増やす可能性もあります

必要ないオーディオ(音声)トラックは削除する

オーディオ(音声)トラックが不要の場合、ミュートではなく削除しましょう。ファイルサイズを小さくできます。

STEP2:設定を変更して軽量化する

動画編集が完了したら、保存する際に「解像度」「ビットレート」「フレームレート」「ファイル形式」などを、なるべく品質を保ったままファイルサイズが軽くなるように設定変更します。

解像度を下げる

動画の解像度とは、ピクセル(画素)数のことです。解像度が高いほどピクセル数が多く、映像は綺麗になります。特に高画質であることにこだわりがない場合は、動画の解像度を下げることで、動画のファイルサイズを小さくできます。

ただし、画質も低下するため、視聴デバイスも考慮しましょう。スマートフォンの場合は720p程度でも十分な場合がありますが、大画面のテレビで視聴する場合は1080p以上の解像度が必要になります。

解像度について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

ビットレートを下げる

ビットレートとは、画質と音の良さを左右する指標です。1秒間のデータ量を示す値で、単位は「「bps(bit per second)」です。数値が高いほど、画質が良い・音が良いということになりますが、ファイルサイズも大きくなります。

ビットレートの適切な数値は、視聴する動画の品質、デバイスの画面解像度などによって変わりますが、一般的な目安としては以下の通りとなります。

  • スマートフォン(480p~720pの解像度):500 ~ 2500 Kbps
  • PC(720p~1080pの解像度):1500~ 5000 Kbps

動きの多い動画や画面サイズが大きい動画の場合は、ビットレートを低く設定すると粗さが目立ってしまうため注意しましょう。

フレームレートを下げる

フレームレートとは、動画再生時の滑らかさを左右する指標です。

1秒間の動画が何枚の画像(コマ数)で構成されているかを示す値で、単位は「fps(frames per second)」です。数値が高いほど再生時になめらかになりますが、ファイルサイズも大きくなります。

一般的な動画の場合、30fpsが目安で、あまり動きがない動画であれば24fpsまで下げても良いでしょう。

圧縮率の高いファイル形式にする

動画のファイル形式を変換することでも、ファイルサイズを軽くすることができます。中でもおすすめは「.mp4」と「.webM」です。どちらも高画質で圧縮率の良いファイル形式になります。

MP4
MP4は、画質と圧縮率が良いことから多く利用されている、ポピュラーな動画ファイル拡張子です。広く認識されており、ほとんどのデバイスやプラットフォーム(Windows, Mac, iOS, Android等)で問題なく再生可能です。特に動画の品質を重視し、どのデバイスでも再生したい場合はMP4が適しています。

WebM
WebMとは、Googleが提供している動画ファイル形式で、ネットストリーミングに向けて開発されました。そのためWebの動画配信に適しています。
デメリットとしてはMP4に比べやや画質が落ちること、広範囲のデバイスやシステムでの対応が少ない点ですが、圧縮率が高く画質よりも圧縮率重視の場合におすすめです。

ファイル形式について、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

STEP3:圧縮する

最後に圧縮ツールも活用しましょう。おすすめの動画圧縮ツールを紹介します。

VideoProc Converter
【公式】VideoProc無料版をダウンロード|VideoProcを無料版ではじめる

こちらは無料版で「動画の圧縮」「ファイル形式の変換」「カット・トリミングなどの編集」が行える、初心者の方にもおすすめのツールです。

1点注意したいのは、動画ファイルを圧縮する前に、バックアップをとっておくことです。

圧縮することでファイルサイズは軽くなりますが、画質や音声が荒くなってしまうなどの影響が出ます。圧縮を繰り返すほど劣化してしまうため、可能な限り少ない回数で留めておきましょう。

一度劣化してしまった動画ファイルは元の状態に戻せないので、都度バックアップをとっておくことをおすすめします。

まとめ

まとめると、下記の手順で動画のファイルサイズは軽量化できます。

STEP1:編集で不要なシーン、音声をカットして再生時間を短くする
STEP2:解像度・ビットレート・フレームレートを許容範囲内で下げて適切なファイル形式を選ぶ
STEP3:圧縮する

動画を目標サイズに軽量化するまで色々な拡張子などを試しましたが、筆者が実施した中ではこれがベストでした。

画質などの許容範囲により変動はありますが、この方法でファイルサイズを100分の1程度に軽量化できた例もあります。

「動画を軽量化したいだけなのに、思いのほか時間がかかった…」という筆者の苦い経験が、少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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