Facebook広告「動画パフォーマンスカード」機能の使い方:クリエイティブ改善のヒントに

Facebook広告「動画パフォーマンスカード」機能の使い方:クリエイティブ改善のヒントに

Facebook広告で、広告動画の1秒ごとの再生率を視覚的に表示する「動画パフォーマンスカード」機能が実装されました。この機能により、広告配信している動画の改善点をより見つけやすくなります。


「動画パフォーマンスカード」とは?

動画パフォーマンスカードでは、以下のようなグラフで表示され、広告動画の再生率を1秒ごと確認することができます。

「その時点を再生したユーザー」のパーセンテージを示しています。したがって秒ごとの「再生率」には「そこまで視聴したユーザー」と「そこ時点までスキップして再生したユーザー」の両方を含みます。

なお、リプレイによる再生はここには含まれません。また、ユーザーが動画の再生中に商材に関心を持ってリンク先に遷移した場合もここには含まれず、「視聴をやめた」ということになります。

例えば上記のグラフでは、動画再生開始から1秒の時点(矢印)を54%のユーザーが視聴したことになり、逆に46%のユーザーはなんらかの理由でこの時点で視聴を止めています。

動画パフォーマンスカードの確認方法

動画パフォーマンスカード、確認したい広告の「チャートを見る」を選択し、「パフォーマンス」タブの中に表示される「動画のパフォーマンス」から確認可能です。

広告の動画パフォーマンスカードを確認するには、その動画広告が次の条件を満たしている必要があります。

  • 2018年10月13日以降に掲載が開始されている
  • 広告動画の再生回数が1,000回以上

広告動画の再生回数が1,000回未満の場合は、下の画像のようにグラフが表示されません。

また、60秒以降の部分は確認できないので、それ以上の長尺の広告動画を配信している場合は、再生開始から60秒時点までのグラフが表示されます。

動画広告を改善していく際のヒントに

Facebook広告は、広告のテストを何度も繰り返すことで成果の改善を図っていきます。その際、クリック率やコンバージョン率を参考にして広告の取捨選択を行っていくのが基本です。しかし、動画広告の場合は、動画のどの時点までユーザーが視聴していたか、ユーザーが動画のどこに反応しているかを把握することができます。この点が、クリックをしたか否か以外の判断が難しい静止画のクリエイティブとの大きな違いです。
 
たとえば、同じ広告文・ターゲティングで配信していても、動画の構成などによりユーザーの離脱のタイミングに差が出ることがあります。

動画広告Aと動画広告Bでは、動画再生時の最初の画像のみ異なり、そのあとの動画の構成や広告文、ターゲットは同じ条件での広告配信を行いました。結果は動画広告AがBに比べてクリック率が高いというものでした。広告文も、使用しているテンプレートも、動画の中の訴求内容も同じであるのに、です。


ここで動画パフォーマンスカードを利用することで、ユーザーの行動に関するもう一歩深い分析が可能となります。

今回の例ではクリック率の高い動画広告Aでは「さまざまな種類の春物ワンピース」を最初の画像に用いていました。一方、動画広告Bでは「一番人気の春物ワンピースのみ」をまず見せる動画構成です。両者は1秒時点で再生率に大きな差が出ていますが、特定のワンピースを見せる動画広告Bでは、そのワンピースが好みでなかったり魅力を感じなかったユーザーは早々に視聴をやめてしまった(目にも入らなかった)のではないか、という仮説が立てられます。ターゲットとするユーザーは「いろいろな春物のワンピースから、自分の好みのものを見つけたい」のではないでしょうか。

具体的な視聴データによってこのような仮説が立てられると、次の動画構成がより具体的になりますよね。

ユーザーの興味を「惹き」つけよう

静止画に比べ情報量の多い動画広告の場合は離脱時間や視聴時間を確認すれば、アクションには至らなかったユーザーが興味を失っただろう動画のポイントを見つけ、改善することができます。

4年も前の記事ですが、以前アナグラムのブログでご紹介した「Facebook広告で成功するための秘訣」では次のような表現があります。

しかしそれでも、結局はFacebook広告で成功するのに必要なことは、次の2つの要素のみなのです。
①素晴らしいデザインの広告(ユーザーの興味を惹きつけ、商品に対する欲求を膨らませるもの)
②狙いすましたターゲティング(顧客に成り得る可能性のあるユーザーにだけ広告を表示する)

参考:成功するFacebook広告クリエイティブの作り方 9の秘訣

この記事から4年経った今もこの2点は変わりありません。

とくに、「動画パフォーマンスカード」はまさしく、広告を「ユーザーの興味を惹きつけ、商品に対する欲求を膨らませるもの」にするために役立てることができるのではないでしょうか。ユーザーが興味関心を失ったタイミングを見つけ、よりユーザーを惹きつけられる広告を作るための改善に活かすことができるツールのひとつとして、ぜひ活用してみてくださいね!

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