参考:About customer value reporting - Google Ads Help
広告効果を測定する指標として、コンバージョン1件あたりの獲得単価(CPA)などで判断することが多いですよね。
ただ、商品やサービスによってはひとりのユーザーが繰り返し購入します。そうなると購入1回あたりの獲得単価だけでは、広告の効果を十分に評価できないケースもあります。
そんなリピート性がある商材やサービスの場合、参考にしたい指標のひとつが「ライフタイムバリュー[Life Time Value](以降、LTV)」。顧客生涯価値とも言い、ひとりの顧客が取引期間において、企業にもたらすトータルの収益を算出する指標です。
しかしライフタイムバリューを緻密に測ろうとすると手間も時間もかかりがちです。
そこでまずチェックしておきたいのが、Google 広告の「ユーザーの価値」というレポート機能です。
今回は「ユーザーの価値」の概要や活用方法を分かりやすく解説します。
※現在、一部のアカウントのみで利用可能となっていますまた、分析には多くのコンバージョン数が必要なため、アカウントによっては表示されない場合があります
ユーザーの価値の仕組み
「ユーザーの価値」機能はGoogle 広告の分析機能の一つで、該当アカウントの掲載結果のデータを元に、購入金額の平均やユーザーの購入頻度、ユーザー属性などを確認することができます。
ユーザーの価値では、過去 12ヶ月間の購入金額に応じて3つのグループに分けられます。
- 高価値ユーザー: 購入コンバージョンの合計値に基づいた、リピーターの上位 25%
- 中価値ユーザー: 購入コンバージョンの合計値に基づいた、リピーターの下位 75%
- 1 回限りのユーザー: 商品やサービスを 1 回のみ購入したユーザー
ユーザーの価値機能を使用することで、リピートユーザーの属性を見極めることができるため、今後どのターゲット層に向けての施策のインパクトが大きいかなどを簡易的に把握するのに便利です。
「ユーザーの価値」の利用条件
「ユーザーの価値」は、以下の条件を満たす場合に利用できます。
- グローバル サイトタグを設定している
- コンバージョン値を計測している
- キャンペーンを18ヶ月以上配信している
また、現状はオンラインコンバージョンのみが集計の対象となっています。今後はオフラインのコンバージョンなどもサポートされていくことが期待されますね。
ツールと設定をクリックし、「測定」にある「顧客バリュー」をクリックすると「ユーザーの価値」が表示されます。
ユーザーの価値で確認できる内容
ユーザーの価値で確認できる内容は大きく3つです。
過去 12 か月間のユーザーの価値
この表では、ユーザーの価値ごとに、どのくらいの頻度で購入しているのか、ユーザー数、購入数、ユーザー1回あたりの平均の売上、ユーザー1人当たりの12ヶ月の売上の平均を確認できます。
この表からは分析できる例としては、配信している広告施策での訴求出来ているユーザー層の分析ができるため、広告主と今後、どのターゲット層に力を入れていくか検討することができます。
確認できる項目は下記です。
項目 | 詳細 |
---|---|
ユーザーの平均使用期間(週) | ユーザーの最初のコンバージョンが測定されてから最後のコンバージョンが測定されるまでの平均週数。 |
ユーザー数 | 各セグメントのユーザー数。 |
測定されたコンバージョン数 | 測定された全購入数。広告が直接貢献したものであるかどうかは考慮されていないため注意。 |
平均コンバージョン値 | ユーザーあたりの 1回のコンバージョンの価値の平均。 |
平均合計コンバージョン値 | ユーザー 1人あたりの 12ヶ月間の合計コンバージョン値の平均。 |
過去 12 か月のユーザー基盤の分配
このデータからユーザーの価値ごとのユーザーの属性を確認することができます。
例えば、高価値のユーザーが25代~30代の男性の場合、さらに20代~30代の男性のシェアを増やす施策を検討したり、高価値ユーザーのアフィニティ カテゴリを元に今まで狙えていなかった層への施策の検討ができます。
項目 | 詳細 |
---|---|
ユーザー属性 | 性別、年齢、子供の有無に基づいて表示。 |
地域 | 国別、地域別、都市別にデータの内訳を表示。 |
デバイス | パソコン、モバイル、タブレット別にデータの内訳を表示 |
アフィニティ カテゴリ | 関連性の高いアフィニティ カテゴリに基づいて表示 |
右上にある切り替えボタンを使用することで、「高評価」「中程度の価値」「1回限り」と確認できます。
期間による顧客バリューへの影響
この表からはユーザーの1ヶ月の支出分布が、12ヶ月でどう変わるのか確認できます。
例えば、高価値のユーザーの支出の割合が12ヶ月間で大きく増えていれば、ライフタイムバリューが高いので高価値ユーザーを増やせそうな施策の検討ができます。
逆に両期間で差があまりなければ、ライフタイムバリューはそこまで重視せずとも構わないかもしれないですし、ライフタイムバリューを高める施策を考えることができます。
まとめ
どのユーザー層からの購入がライフタイムバリューが高く(低く)、長期的に見て売上に大きく影響を与えているか判断できる材料になります。
現状の広告運用の方針に対してLTVを加味した気づきを与えるきっかけにもなりますので、一度確認してみてくださいね