「リターゲティングの成果が頭打ちだから新規ユーザーを呼び込みたい」
「新規ユーザーへ広告を配信するなら、見込み度の高い顧客を獲得したい」
Criteoを運用していて、このようにお悩みのマーケターの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「Criteoを使ってどのように新規ユーザーの流入を獲得できるのか?」が分かるよう、「Criteo トラフィックジェネレーション」について、わかりやすく解説します。
目次
Criteo トラフィックジェネレーションとは?
Criteo トラフィックジェネレーションとは、Criteoが提供する新規トラフィック獲得のための配信メニューです。商品やサービスの検索、比較、別ブランドの検討などの「検討段階」にあるユーザーに対して広告を配信し、サイト流入・売上強化につなげます。
Criteoの機械学習により、ユーザーの興味関心に合わせた最適な商品がレコメンドされるため、関心度の高い見込み顧客のサイト流入の強化が可能です。
Criteo トラフィックジェネレーションの特徴とメリット
Criteo トラフィックジェネレーションにおける、おもな特徴は次のようなものが挙げられます。
- 商品・サービスに関心を持つ可能性の高い新規見込み顧客に対してサイト流入を強化できる
- 興味関心などの柔軟性の高いオーディエンス設定を行える
- リターゲティング広告の機械学習への好影響が期待できる※
- Criteoでのリターゲティング広告の実施が必須条件ではない
- 静止画と商品レコメンドを組み合わせたクリエイティブバナーで配信可能
現在のリターゲティング配信で、配信対象のオーディエンスが頭打ちになっている場合に、サイト未訪問のユーザーをサイトに誘導することでリターゲティング配信の拡大や、機械学習のデータ量を増加させることが期待できます。
Criteo Customer Acquisition(CCA)との違い
Criteoが提供する新規顧客獲得向けの配信メニューには、Criteo Customer Acquisition(以下、CCA)というものもあります。
このCCAとトラフィックジェネレーションの違いをまとめると以下の表のようになります。
トラフィックジェネレーション | CCA | |
目的 | 見込み顧客のページ訪問 | コンバージョン獲得 |
---|---|---|
課金方式 | CPM課金 | CPC課金 |
入札エンジン | VISTOBVO | CO、ACORO、AROBCO |
トラフィックジェネレーションは見込み顧客のページ訪問を目的としているのに対し、CCAはコンバージョン獲得を目的としているのが大きな違いとなります。
一般的にトラフィックジェネレーションは、CCAと比較してよりも直接のコンバージョンを獲得しにくい分、より安価にインプレッション数・クリック数を獲得できる傾向がみられます。
目的の違いに伴い、課金方式についてもトラフィックジェネレーションではCPM課金、CCAではCPC課金と異なっています。
また入札エンジンについては、トラフィックジェネレーションはVISTOエンジン(クリック最適化)またはBVOエンジン(予算消化優先させながらクリック最適化)のいずれかを選択できます。
BVOエンジンは配信量を担保させたい場合に用いることが多く、基本的にはVISTOエンジンを利用しましょう。
- VISTOエンジン:サイト流入の強化を目的とした手動入札エンジン
- BVOエンジン:目標Budgetの中でサイト訪問数を最大化させる自動入札エンジン
Criteoの新規顧客獲得を目的とした広告配信では、広告主のビジネスに高い興味や関心を示す可能性の高いユーザーのサイト流入数を優先させたい場合はトラフィックジェネレーションを、流入数が少なくても良いのでコンバージョンを獲得したい場合はCCAを選択することをおすすめします。
Criteo トラフィックジェネレーションを配信するための条件
Criteo トラフィックジェネレーションを配信する際に必要となる条件や、注意点は以下の通りとなります。配信する前に一度確認しておきましょう。
- 原則として予算50万円/月以上が必要
- VISTOエンジンまたはBVOエンジンのみ利用可能
Criteo トラフィックジェネレーションにはCCAのような「リターゲティング広告を実施済みであること」のような厳しい実施条件はありません。
そのため、リターゲティング広告を実施していないけど「将来のサイト売上を見据えて今から流入を確保しておきたい」というニーズでも利用できるメニューとなっています。
Criteo トラフィックジェネレーション 配信の仕組み
実際にどのように新規ユーザーの流入につながるのか、Criteo トラフィックジェネレーション配信の仕組みを説明します。
以下の流れで配信が行われます。
- Step 1 管理画面でキャンペーンの設定を下記でトラフィックジェネレーション用キャンペーンを作成
- キャンペーン目標:アクイジション(次の上位顧客を見つけます)
- キャンペーン目的:検討(適切なユーザーをウェブサイトに誘導する)
- Step 2 オーディエンスとクリエイティブを設定する
- Step 3 指定したオーディエンスに対して広告配信が行われる
トラフィックジェネレーションでは設定できる箇所が他の配信手法と比べて少ない分、オーディエンスの設定が大切となります。
トラフィックジェネレーションで指定できるオーディエンスは以下のとおりです。
オーディエンス | 概要 |
興味関心 | 興味・関心: 数千件も及ぶの商品カテゴリーのリストから選択し、商品の価格帯の商品に関心を示したユーザーにリーチ 例)ペット・ペット用品芸術・エンターテイメントビジネス・産業カメラ・光学機器ファッション・アクセサリー(ファッション小物、靴、財布など)電気製品食品・飲料家具美容・健康ホーム・ガーデンベビー用品Diy用品メディア乗り物・パーツオフィス用品スポーツ用品おもちゃ・ゲームソフトウェア旅行用かばん・バッグ ※「ファッション>ファッション小物>ハンカチ」など上記よりも細かい分類単位で選択可能 ※価格帯も3段階で選択可能 |
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Brand | ブランド: 小売、電化製品、自動車など、業種全体で数千以上のブランド名のリストから選択 例)Adidas/Apple/Adobe/Beams/G-Shock/LG/Louis Vuitton/Yohji Yamamoto/など |
デモグラフィック | 性別(女性・男性・すべての性別)消費習慣(価格帯に応じて4段階) |
ロケーション | 自由度高く配信対象のエリア、地域の指定が可能 |
顧客リスト | 顧客リストを除外・含めた状態での配信が可能 |
この中からオーディエンスを絞り込みます。
一般的にオーディエンスを絞り込み過ぎてしまうとCPMが高くなり、クリック単価も高くなることにつながります。設定後表示される推定オーディエンス数を参考に、やや広めの設定をすることをおすすめします。
【事例】リターゲティングとの相乗効果で売上を15%拡大
弊社がお任せいただいているアカウントにてCriteo トラフィックジェネレーションを配信した事例をご紹介します。
課題 | Criteoにてリターゲティングキャンペーンを配信していたものの、売上を思うように伸ばせない状況だった。 |
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施策 | リターゲティングキャンペーンの10%程度のご予算にてトラフィックジェネレーションを導入した。 |
結果 | リターゲティングキャンペーンについても配信量を拡大することができCriteoによる売上を約15%拡大できた。 |
考察
A社の場合、トラフィックジェネレーションキャンペーンは既存のリターゲティングキャンペーンと比較してCPCが30%以上低かったため、効率的にサイトへの興味・関心が高いユーザーの流入獲得を行うことができました。リターゲティング対象となる新たなオーディエンスを効率よく獲得できたことで、リターゲティングキャンペーンの機械学習や配信最適化が進み、CVRが2pt程度改善され、全体の売上拡大に繋がっています。
また驚くことに、トラフィックジェネレーションキャンペーン単体で見ても、ROASが初月150%程度、2ヶ月目500%程度で推移いたしました。
このことからも、トラフィックジェネレーションは流入目的のキャンペーンではありますが、よりサイトへの興味関心が高いユーザーを誘導することができるため、一定のコンバージョンを獲得することが可能です。
またリターゲティングキャンペーンとの掛け合わせにより、リターゲティングキャンペーンで配信対象となる新たなユーザーを、トラフィックジェネレーションキャンペーンから獲得することができ、Criteo全体として収益拡大をすることができた実例です。
まとめ
Criteoの新規流入の獲得メニューであるCriteo トラフィックジェネレーションは、興味関心や顧客リストからユーザーを絞り込み見込みの高いユーザーへサイト訪問を促せる広告手法のひとつです。
コンバージョン獲得を目的とした最適化では、購入見込みの高いユーザーに対して配信が集中し、フリークエンシーが上がることによってクリック率が低下することがあります。そのような状態でコンバージョンを獲得するために、相対的にCPMが高めのインプレッションに広告配信せざるを得なくなり、結果としてCPAが高くなるという経験がある方も多いのではないでしょうか。
Criteo トラフィックジェネレーションを用いることで、興味・関心度の高い多くのユーザーへのサイト訪問を促せます。これにより、リターゲティングキャンペーンへの貢献が期待できるだけでなく、新たなオーディエンス獲得によりCPMが抑えられ、単価を抑えることができ直接的なコンバージョン獲得への貢献も期待できるのです。
この機会にCriteo トラフィックジェネレーションを検討してみてはいかがでしょうか。