報告資料作りが苦手なあなたへ|パワポを開く前にやるべきこと

報告資料作りが苦手なあなたへ|パワポを開く前にやるべきこと
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パワーポイントを開いてみたものの、どこから手をつけて良いものか迷った経験はないでしょうか。

トライ&エラーでやることが悪とまでは言いませんが、ゴールが分からないまま走り続けるのは、なかなかしんどいものです。ましてや、時間をかけて作った資料と報告会で伝えたい内容がズレていたら本末転倒です。

そうならないためにも、今回は、いきなりパワポを開いて手を動かす前に知ってほしいことをお話していこうと思います。

※本記事では作成する資料をパワーポイントとしていますが、WordだったりGoogle スライドだったりさまざまツールで共通のお話です


報告を要素に分解し、提案までのストーリーを考える

運用型広告の一般的な報告書であれば、「報告」となにかしらの「提案」があるはずです。


いざ報告のための資料を作ろうとしてつまずいてしまうポイントは、この「報告」の部分が漠然としているためであることが少なくありません。これを「結果」「課題と原因」「対応」と細分化してみましょう。

「これが結果です。いまこんな課題があり、それはこんなことが原因となっています。そのため、このような対応を行ってきました。」という報告が短いストーリーができあがります。このストーリーに沿って、その報告書で伝えたいことや理解してほしいことを整理してみましょう。テキストで十分なので、箇条書きなどで書き出してみると、全体の構成が見えてきます。

まずパワーポイントを開く前に、全体の構成をストーリーに沿って整理することが、報告書の作成をスムーズに進められるコツです。このストーリーがあることで提案を受ける側も状況の整理ができ、提案をスッと受け取ることができるようになり、説得力のある提案へと繋げられるのです。

ただし、ストーリーで報告の内容を考えていたとしても相手に伝わらなければ意味がありません。次に、伝わらない報告書にありがちな3つのポイントを紹介していきます。

聞き手が納得・判断するために必要なこと、漏れていませんか?

「ソラ・アメ・カサ」というフレームワークをご存知でしょうか?

  • ソラ(事実):「空を見ると曇ってきた」
  • アメ(解釈):「雨が降りそうだ」
  • カサ(判断):「傘を持っていこう」

このように、物事をわかりやすく整理するための有名なフレームワークですが、伝わらない報告書では体外これらの要素のいずれかが掛けてしまっていることがほとんどです。

「ソラ」がない


例えばよく見かけるのが、「CPAが高い」などと、ただの感想を述べただけのものです。
まず、ソラは「事実」です。日々の運用で起こった事象を聞き手に正しく事実認識してもらうために必要な根拠が漏れないようにすることが重要です。

「いつ」「どこで」その事象が起きているのか誰が見ても分かるように書かなければ、それは事実ではなくあなたの主観になってしまいます。

余談ですが、誰が読んでも分かるためには、「CPA」などの略語ではなくて「コンバージョン単価」を使う(または併記する)など、相手の理解度に合わせて「共通言語」を使い分けることも大切です。

参考:運用型広告において共通言語が重要な理由:同じ目標に向かって目線を合わせよう

アメが不十分


アメは「解釈」です。事実を把握した上で、その状況を正しく「解釈」することが重要です。われわれがよく使う言葉である「仮説」を立てるに置き換えることもできますね。

よくあるのが、「事実(ソラ)」しか述べておらず、解釈(アメ)がスッポリと抜けているケースです。解釈がなければ的確な「判断(カサ)」はできませんよね。

「クリック数が減っている」という状況を「季節的なもの」と解釈するのか、「他社よりも訴求が見劣りしたため」と解釈するのとでは、それに対する判断が異なります。


また、解釈のない判断は、場当たり的で納得感もありません。考えうる要因をひとつずつ潰していき、最も納得のいく解釈を洗い出すことが大切です。

カサがない

意外なことに多いのが、判断(カサ)のない報告です。たとえば、次のような具合です。

「季節要因でCPCが高騰しました。」
「競合が入札を強化していて、CPAが高騰しています。」
「CPAが高いので調整します。」

最後のは一見カサがあるようで、ソラもアメも足りておらず何も対応していないのと一緒ですよね。

カサ”だけしか”ない

こちらもよく見かけるケースです。

「新しく出たこの機能を使ってみましょう」
「とにかくやってみないことにはわかりません」
「実施していないと機会損失になりますよ」

その判断が、どんな事実をどう解釈してたどり着いたものかが示されなければ、提案された側にまったく納得感はありません。屋根の下で雨も降ってないのにカサを指す必要はありませんよね。一言目には「AIが」「機械学習が」「外部要因が」と思考停止して言ってしまっている場合には要注意です。


そんなことやってないよ、と思うかも知れませんが、これらは意外なほど見落とされないがしろにされがちです。その報告資料には「ソラ・アメ・カサ」が揃っているか、いま一度考えてみることをおすすめします。

まとめ

報告資料作りが苦手な人は、報告会で実現したいこと(ゴール)を定めていなかったり、思考の整理ができていないまま、手を動かしていることが原因ではないでしょうか。作りながら考えるのではなく、パワポを開く前にしっかり考えてから資料作りを始めましょう。

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