LINE公式アカウントで使える、5つのメッセージ機能 - 特徴と使い方、注意点を解説

LINE公式アカウントは、友だち追加してくれたユーザーに直接メッセージを送れる便利なサービスです。しかし一口に「メッセージ」と言っても、LINE公式アカウントで利用可能なメッセージ機能は様々。使う場面はもちろん、ユーザーとどのようにコミュニケーションを取りたいのかによって選択肢が異なります。

そこでこの記事では、LINE公式アカウントのメッセージ機能を迷わず選べるように各機能の特徴と使い方を紹介します。

LINE公式アカウントで使えるメッセージ機能

LINE公式アカウントで使えるメッセージ機能は、次の5種類です。

それでは、メッセージ機能ごとの特徴や活用の仕方、設定方法を見ていきましょう。

１．あいさつメッセージ

「あいさつメッセージ」とは、友だち追加、またはブロックを解除したときに自動で配信されるメッセージです。

ユーザーが最初に目にするメッセージのため、アカウントの第一印象に大きく影響します。あいさつメッセージの印象が悪いとブロックされることも。ユーザーにより良い印象を与え、引き続きアカウントを活用してもらうためには、次の要素を組みあわせてメッセージを作成するのがおすすめです。

親しみやすさや情報の価値、友だち追加してくれた理由に応える内容を提供することで魅力的なあいさつメッセージとなり、ユーザーと友好な関係を築く基盤となります。

では、あいさつメッセージの設定方法を見ていきましょう。

あいさつメッセージの設定方法

LINE Official Account Managerを開きます。

ホーム画面左、[ あいさつメッセージ ] を開いてください。

まずは、1つ目の吹き出しを設定します。

デフォルト表示されているテキストメッセージを直接編集します。他のテンプレートを利用したい場合は、画面右上の [ テンプレート ] より選択してください。

テンプレートは次の4種類。あいさつメッセージ送信時に起こしてほしいアクションに合わせて選ぶと良いでしょう。

また、LINEのテキストメッセージでは、ユーザーのアカウント名（友だちの表示名）と自社のアカウント名（アカウント名）を自動で挿入できます。

自分宛のメッセージは不特定多数に宛てたものよりも親近感を感じやすいため、メッセージの冒頭に「友だちの表示名」を入れると、自分の事として受けとってもらいやすいです。ただし、「アカウント名」は呼称なので、「さん」や「さま」などの敬称の入れ忘れには気をつけましょう。

1つ目の吹き出しの設定が完了したら、次はクーポン、イベントやセール情報など、このアカウントが提供できるものを伝えていきます。あいさつメッセージと同時にブロックされることも少なくありません。有益な情報を提供してくれるアカウントだと思ってもらうことが重要です。

吹き出しは [ + 追加 ] ボタンより追加してください。吹き出しは最大5つまで設定可能です。

メッセージタイプは、次の10種類より選べます。伝えたいメリットによって選びましょう。

メッセージタイプ	内容
テキスト	テキストや絵文字
スタンプ	LINEスタンプ
写真	画像
クーポン	LINEの電子クーポン
リッチメッセージ	画像（クリック後のアクション設定必須）
リッチビデオメッセージ	自動再生の動画
動画	タップすると再生される動画
ボイスメッセージ	音声ファイル
リサーチ	アンケート
カードタイプメッセージ	カルーセル

例えば、LINE公式アカウントの配信目的が来店や購買促進であれば、友だち限定の「クーポン」を送ることで、クーポンきっかけの来店や購買促進を期待できます。

メッセージの作成が完了したら、[ 変更を保存 ] をクリックで、あいさつメッセージの設定は完了です。

２．メッセージ配信

すべての友だち、あるいは行動や属性などの情報をもとに絞り込んだ友だちに、一括でメッセージを送る機能を「メッセージ配信」と言います。

あいさつメッセージで好印象を与えても、その後何もメッセージが届かないと期待外れですよね。「メッセージ配信」を利用して、ユーザーにとって価値のある情報を定期的に届けることで、より親密な関係を築けます。

あいさつメッセージ同様、テキストや画像や音声、動画やスタンプなど、様々なメッセージタイプを利用できます。

メッセージ配信の設定方法

LINE Official Account Managerのホーム画面より設定します。

ホーム画面左、[ メッセージを作成 ] をクリックしてください。

メッセージ配信の設定画面が開きます。

それぞれの項目に設定する内容は、以下をご確認ください。

①配信先

配信先を設定します。

配信先	内容
すべての友だち	ブロックを除く、すべての友だち
絞り込み	・オーディエンス（メッセージクリック/リッチメニュークリック/友だち追加経路/メッセージインプレッション/リッチメニューインプレッション/チャットタグ/ユーザーIDアップロード/ウェブトラフィック） ・属性（友だち期間/性別/年齢/OS/地域）

オーディエンスを活用したい場合は、事前に作成しておくとスムーズです。オーディエンスは、ホーム画面左 [ データ管理 ] の [ オーディエンス ] より作成します。 

②配信日時

即時配信はもちろん、送信予約も可能です。

③高度な設定

任意の設定になります。用途に合わせて設定しましょう。

高度な設定	用途
LINE VOOMに投稿	メッセージは通常LINE VOOMにも投稿されるが、LINE VOOMに投稿したくない場合はチェックを外す
配信メッセージ数の上限を指定	メッセージ通数の上限に達さないよう、配信数の調整のために利用する
A/Bテストを作成	配信先が5,000人以上の場合にA/Bテストを利用できる
キャンペーンを設定	メッセージをキャンペーンに紐づけることで、キャンペーン単位で複数のメッセージをまとめて集計可能に

④メッセージ設定

メッセージ配信で利用可能なメッセージタイプは、次の10種類です。

メッセージタイプ	内容	事前に作成が必要（作成画面）
テキスト	テキストや絵文字	-
スタンプ	LINEスタンプ	-
写真	画像	-
クーポン	LINEの電子クーポン	〇（ツール）
リッチメッセージ	画像（クリック後のアクション設定必須）	〇（メッセージアイテム）
リッチビデオメッセージ	自動再生の動画	〇（メッセージアイテム）
動画	タップすると再生される動画	-
ボイスメッセージ	音声ファイル	-
リサーチ	アンケート	〇（ツール）
カードタイプメッセージ	カルーセル	〇（メッセージアイテム）

一部のメッセージタイプは、事前に作成したアイテムをメッセージ配信に紐づけて使用します。事前に作成が必要なアイテムは、列「事前に作成が必要（作成画面）」を参考にしてください。

⑤メッセージの追加

メッセージを追加できます。吹き出しは、最大3つまで設定可能です。

最後に、[ 配信 ] または [ 配信予約 ] をクリックで、メッセージ配信の設定は完了です。

３．ステップ配信

ユーザーは、友だち追加した時点が最もアカウントへの関心が高いです。その興味が冷めないうちに段階的に有益なコンテンツを配信することで、好感度が高まり、来店や購買につながりやすくなります。

しかし、友だち追加してくれたすべてのユーザーに、各々のタイミングに合わせて手動で個別にメッセージを送ることは現実的ではありません。そんなときは、ステップ配信がおすすめです。

ステップ配信とは、友だち追加した日などの特定の条件を起点に、あらかじめ用意しておいた複数のメッセージを順番に自動で送信する機能です。

例えば、次のような配信が可能になります。

一度設定してしまえば自動で配信されるため、友だちが多いアカウントは特に運用負荷の軽減につながります。

ステップ配信の設定方法

LINE Official Account Managerのホーム画面を開きます。

ホーム画面左、[ ステップ配信] をクリックしてください。

[ 新規メッセージを作成 ] をクリックします。

①基本設定

基本設定では、次の内容を設定します。

特定の期間に接点を持ったユーザーにのみステップ配信を行いたい場合は、有効期間を設定します。

設定できるのは、あくまで条件の有効期間です。ステップ配信が既に開始している友だちには有効期間後でも引き続きメッセージが配信されます。

②メッセージ設定

開始条件や待ち時間、条件分岐などのステップ配信の設計は、ここで確認可能です。

属性やオーディエンスを指定して条件を分岐させたい場合は、[ ステップを追加 ] より追加します。

③編集画面

左の「メッセージ設定」の該当の項目を選択すると、編集画面が切り替わり、次の4つの項目を編集できます。

項目	内容	備考
開始条件	ステップ配信が開始されるきっかけ	・開始条件の種類（友だち追加、オーディエンス）・追加日・追加経路（すべての経路、特定の経路）
待ち時間	次のステップが実行されるまでの日数	例）3日
条件分岐	分岐する条件	・条件ラベル・属性（性別、年齢、OS、地域）・オーディエンス
メッセージ	配信時間やメッセージ	・メッセージラベル・配信時間帯・メッセージ設定

④利用開始

最後に、[ 利用開始 ] をクリックしたら設定完了です。

４．応答メッセージ

「応答メッセージ」は、ユーザーから受け取ったメッセージに自動で応答する機能です。営業時間外などの対応が難しい場合でも、簡単な質問であれば自動で返信対応が可能になります。

応答タイプは、次の2種類です。

それぞれ紹介します。

一律応答

一律応答は、ユーザーから受け取ったすべてのメッセージに対して、事前に設定したメッセージを自動で送信する機能です。

チャットを利用しておらず、ユーザーから送信されたメッセージへの受け答えが出来ない場合の受け皿として利用することが多いです。

デフォルトの設定では、ユーザーから受け取ったすべてのメッセージに対して、下記のメッセージが自動で送信されます。

一律応答をオフにしたい場合は、LINE Official Account Managerの [ 設定 ] より、 [ 応答設定 ] > [ 応答メッセージ ] でオフにできます。

キーワード応答

ユーザーから受け取った特定のメッセージに含まれるキーワードに対して、事前に設定したメッセージを自動的に送信する機能です。

よくある問い合わせに含まれるキーワードと、それに対する回答を設定しておくことで、問い合わせ対応時間の削減や、営業時間外の問い合わせにも対応が可能になります。

画像引用元：応答メッセージ｜LINEキャンパス

キーワードは、顧客の知りたいことが明確な語句や、対応マニュアルがある問い合わせに関連する語句を設定すると良いでしょう。例えば、「営業時間」や「予約」などです。

「あいさつメッセージ」で送ってほしいキーワードを事前に案内しておくと、利用してもらいやすいです。

応答メッセージの設定方法

LINE Official Account Managerのホーム画面左、[ 応答メッセージ ] を選択し、右上の [ 作成 ] をクリックします。

応答メッセージの各項目に設定する内容は、次をご確認ください。

①タイトル

LINE Official Account Manager上でのみ表示される、管理用のタイトルです。

②応答タイプ

応答タイプを選択してください。

応答タイプ	返信方法
一律応答	ユーザーから受け取ったすべてのメッセージに対して返信
キーワード応答	受け取ったメッセージに含まれる特定のキーワードに対して返信（返信内容は事前に設定）

キーワード応答の場合は、応答の条件となるキーワードも設定します。キーワードの上限文字数は30文字で、1つの応答メッセージで設定できるキーワード数は最大51個です。

キーワードの追加は、[ 追加 ] ボタンより行えます。

また、キーワードは完全一致ではないと反応しないため、関連するキーワードは複数設定しましょう。

③オプション設定

特定の期間や時間のみ応答メッセージを利用したい場合はオンにします。

④メッセージ設定

メッセージタイプは、次の10種類より選べます。

メッセージタイプ	内容	事前に作成が必要（作成画面）
テキスト	テキストや絵文字	-
スタンプ	LINEスタンプ	-
写真	画像	-
クーポン	LINEの電子クーポン	〇（ツール）
リッチメッセージ	画像（クリック後のアクション設定必須）	〇（メッセージアイテム）
リッチビデオメッセージ	自動再生の動画	〇（メッセージアイテム）
動画	タップすると再生される動画	-
ボイスメッセージ	音声ファイル	-
リサーチ	アンケート	〇（ツール）
カードタイプメッセージ	カルーセル	〇（メッセージアイテム）

⑤メッセージの追加

吹き出しは、最大5つまで設定可能です。

最後に、既存の応答メッセージから切り替えたい場合は [ 利用開始 ] を、後ほど手動で切り替えたい場合は [保存] をクリックします。

作成した応答メッセージのオンオフは、利用設定より簡単に切り替え可能です。

５．チャット

「チャット」は、友だちになっているユーザー一人ひとりとトーク画面上で会話ができる機能です。

個別の質問や相談に答えたり、画像を送信してイメージを共有できたりするため、顧客の要望をより的確に把握できるようになり、細やかな顧客対応が実現できます。

また、チャットの内容は保存期間内であればいつでも管理画面から閲覧、またはデータをダウンロード可能です。エビデンスとして残せるため、顧客とやり取りした内容を忘れてしまったり、認識の誤りなどの人的ミスの予防も期待できます。

チャットの設定方法

チャットはデフォルト設定のままだと利用できません。まずはチャット機能をオンにしましょう。

LINE Official Account Managerのホーム画面右上、[ 設定 ] をクリック。左メニューより [ 応答設定 ] を選択し、応答機能の [ チャット ] をオンにしてください。これで、チャットの利用が開始しました。

次に、チャットの設定画面を見ていきましょう。

LINE Official Account Managerの上部タブ [ チャット ] を選択し、チャットの画面を開きます。

チャットの設定画面は次の4つの要素で構成されています。

それぞれ何を設定できるのか、簡単に紹介します。

１．メニュー

メニュー内の項目を選択して設定画面を切り替えます。

各項目で設定できる内容は次のとおりです。

項目	内容	備考
①チャット	チャットのホーム画面
②連絡先	チャットを送れるユーザーが一覧で表示	・アカウントを友だち追加してくれたユーザー（認証済みアカウントの場合） ・アカウントにチャットメッセージを送信したことがあるユーザー（受信日時から7日以内は返信可）
③絞り込み配信	グループ化したユーザーに絞り込んで配信したい場合に利用	※タグを使ってユーザーを管理している場合のみ利用可
④チャット設定	送信方法や定型文、応答時間などのチャットに関する設定を行う	※チャットの設定方法については、詳しくはこちらを参考にしてください

２．チャットリスト

チャットリストでは、未読や対応済みなど、チャットの状態ごとにユーザーを表示できます。

チャットの状態は、[ ≡ ] より選択可能です。 それぞれの状態は、次をご確認ください。

チャットの状態	内容
すべて	スパム以外のすべてのチャットルーム
受信	「対応済み」または「スパム」以外のチャットルーム
未読	未読のチャットルーム
要対応	「要対応」に設定したチャットルーム
対応済み	「対応済み」に設定したチャットルーム
担当	自身のアカウントが「担当者」に設定されたチャットルーム
スパム	「スパム」に設定したチャットルーム

３．チャットルーム

チャットリストで選択したユーザーとのチャットルームです。ここからチャットを送ります。

項目	内容	備考
①チャットルーム	チャット内メッセージ確認できる
②メッセージ	ユーザーにメッセージを送信する
③コンテンツ	メッセージに下記を追加できる ・絵文字・ファイル・コンテンツ（定型文、カードタイプメッセージ、クーポン）・LINEコール（※）	※使用には、事前にLINEコールを有効にしておく必要があります。設定方法はこちらをご確認ください
④送信	押すとメッセージを送信
⑤要対応・対応済み	チャットの状態を「要対応」または「対応済み」に振り分ける
⑥検索	選択しているユーザーのチャットルーム内のメッセージを検索できる

４．ユーザー情報

選択したユーザーの情報を確認、編集ができます。

項目	確認・編集できる内容
①メニュー	・スパムユーザーに設定・チャット履歴をダウンロード・削除
②ユーザーネーム	管理画面上の表示名を任意で設定可
③タグを追加	ユーザーをグループ化して識別するためのタグを追加できる
④担当者を追加	チャット（ユーザー）ごとに担当者を設定可能
⑤ノート	ユーザーの情報をメモとして追加できる
⑥アクティビティ	ユーザーの予約状況の確認（LINEと予約システムを連携している場合）

メッセージ配信で注意したいこと

ここでは、LINEのメッセージ機能を利用するうえで注意したいことを2つ紹介します。

ひと月に送信可能なメッセージ数には上限がある

LINE公式アカウントは、ひと月に送れるメッセージ数に上限があります。いざメッセージを配信しようとしたら上限に達していて送信できない、なんてことがないように、LINEメッセージは計画的に配信しましょう。

メッセージ通数のカウント方法は、「ターゲットリーチ（メッセージを送った友だちの数）」×「メッセージ配信の回数」です。

メッセージ通数は月額プランによって異なりますので、下記の表をご確認ください。

例えば友だちが100人いて「コミュニケーションプラン」を利用していたとします。このプランのメッセージ通数は200通なので、すべての友だちには1ヵ月に2回しか送れません。

メッセージの送信頻度を上げたい場合、「コミュニケーションプラン」と「ライトプラン」は月額プランへのアップグレードでメッセージ数の上限を増やせます（月額プランの変更方法はこちら）

一方、「スタンダードプラン」は最上位プランのため、これ以上のアップグレードはできません。次の手順でメッセージ数の上限を変更します。

①設定画面をクリック
② [ 利用と請求 ] より [ ダッシュボード ] を選択
③今月のメッセージ利用状況の [ 上限を変更 ] より設定

なお、すべてのメッセージがカウントされる訳ではありませんので、応答メッセージやチャットを上手く活用するのも一つの方法ですね。

カウントされるメッセージとされないメッセージは、次をご確認ください。

メッセージ送信前のチェックも忘れずに

LINE公式アカウントのメッセージ配信は、基本的に送信後の取り消しができません。ミスがないか、送信前に必ずチェックしましょう。

ただし、例外もあります。チャットは、メッセージ送信後24時間以内であれば、トーク画面から「送信取消」が可能です。しかしながら、既読になっていなくとも、プッシュ通知ですでにメッセージを見ている可能性もあります。送信したメッセージは取り消せないものだと思って、送信前のチェックは必ず行う方が安心でしょう。

なお、送信前のメッセージは、次の方法で確認できます。

まとめ

LINE公式アカウントのメッセージ機能は、あいさつメッセージからステップ配信、メッセージ配信、応答メッセージ、チャットまで、それぞれ得意とするコミュニケーション方法が異なります。

各機能の特徴を理解し、目的にあったメッセージ機能を選び、適切なタイミングでのメッセージ配信することが、LINE公式アカウントを活用したマーケティングの成功の鍵です。

どこから始めたら良いかわからない方、まずは、どのような距離とステップで友だちのユーザーとコミュニケーションを取りたいかを考えることから始めてみませんか？