Yahoo!広告 スクリプトとは?入稿や配信設定変更、レポート作成を自動化できる

Yahoo!広告 スクリプトとは?入稿や配信設定変更、レポート作成を自動化できる
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Yahoo!広告を運用していて「定期的に行うレポート作成を自動化したい」「天気によって入札を調整したい」など、普段行っている業務を自動化したいと思ったことはありませんか?

そんな思いを解決するのが2023年2月16日より提供されているYahoo!広告スクリプトです。

本記事ではYahoo!広告スクリプトについて、概要から設定方法まで解説します。

Yahoo!広告 スクリプトとは

Yahoo!広告 スクリプトは、JavaScriptのコードを使用してYahoo!広告に関する動作を自動化できるツールです。Yahoo!広告 スクリプトを利用して以下のようなことができます。

  • 広告の入稿
  • 配信設定の変更
  • レポート作成
  • Googleドライブとの連携
  • Googleスプレッドシートとの連携
  • Slackメッセージの送信
  • メールの送信
  • Yahoo!天気・災害の天気予報データの取得・それに基づいた配信設定の変更

このようにYahoo!広告の操作だけでなく、GoogleドライブやGoogleスプレッドシートとの連携もできます。

たとえばYahoo!広告の成果をGoogleスプレッドシートに出力してレポート作成の自動化といったことも可能です。

また管理画面上でスクリプトの作成から実行まで行えるため、サーバーを立てる必要がなく、インフラ環境の構築や運用が不要なのも大きなメリットです。

エンジニアでないと扱うのは難しい?

上述の通りYahoo!広告スクリプトはJavaScriptでコーディングが必要なため、エンジニアの素養がある人間でないと扱うのが難しいと考えるかもしれません。

もちろん、複雑な条件分岐があるなど、エンジニアでないとどうにもならない場合は実際にありますが、基本的な部分はYahoo!広告のサイトにサンプルライブラリが充実しており、基本的には最低限のJavaScriptの理解さえあれば、作成と実行が可能でしょう。

参考:サンプルライブラリ │ Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

作成・実行方法

Yahoo!広告スクリプトの作成から実行までの手順を解説します。

1.Yahoo!広告管理画面を開き「ツール」から「Yahoo!広告 スクリプト」を選択します。

※検索広告の旧画面を使用している場合は、管理画面右上の「新画面を利用」のトグルをオンにして新画面に変更しておきます

2.「新規作成」を選択します。

3.スクリプト作成画面に移行しました。

今回は試しに画面に「Hello,World!」という文字を表示するスクリプトを作成してみましょう。

4.下記を記載します。

function main() {
  Logger.log("Hello,World!")
}

5.「認証」を選択し、ビジネスIDで認証します。認証したビジネスIDの広告アカウントに対する権限により、下記表のように実行可能な操作が異なります。

管理権限・更新権限参照権限
スクリプトの保存×
実行頻度設定の保存×
スクリプトの実行・停止(更新処理)×
スクリプトの実行・停止(参照処理)
スクリプトの無効化・有効化の切替×

引用元:認証と権限について │ Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

6.「実行」を選択します。

7.実行履歴のページに移動しますので、ステータスが「成功」になったのを確認して、「ログ確認」を選択します。

8.ログに「Hello,World!」の表示が確認できました。

このように、管理画面上で簡単にスクリプトの作成から実行まで完結します。

サンプルライブラリから抜粋して紹介

ヤフー社が公開しているサンプルライブラリの中から、使う機会が多そうなものを抜粋して紹介します。

注意点として、基本的にそのままコピペすればOKというものではなく、スクリプト上のコメントに従って定数の設定や、条件分岐などを行う必要があります。

MCC配下のアカウントサマリーレポートをGoogleスプレッドシートに出力

MCC配下のアカウントの情報をGoogleスプレッドシートに出力するスクリプトです。

複数のアカウントを横断したレポートを見ることができ、さらにGoogleスプレッドシート上に出力されるのでグラフや表の作成も簡単です。

参考:MCC配下のアカウントサマリーレポート │ Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

Googleスプレッドシートで広告の配信設定(オン・オフ)変更

Googleスプレッドシート上での設定で特定時間に広告のオン・オフを切り替えることができます。たとえばキャンペーンで大量の広告を一挙に同時にオン・オフする必要がある場合などに活用できるでしょう。

参考:スプレッドシートを用いた広告の配信設定(オン/オフ)変更 │ Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

Yahoo!天気のデータを取得

Yahoo!天気のデータを取得することができます。Yahoo!  JAPANが提供する広告媒体だからこそ1300万人が利用する(※)Yahoo!天気のデータを利用することができるのは大きなメリットですよね。

約1300万人が使う、Yahoo!天気・災害の舞台裏 - Corporate Blog - ヤフー株式会社

実際の運用例としては、雨の日には広告を止めたい、や晴れの日には入札を強化したいなどの操作を自動化することができます。

下記のスクリプトは天気のデータを取得するだけなので、取得したデータによって条件分岐の実装が必要です。

参考:天気 │ Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

WeatherAppインタフェースのリファレンスは下記です。

参考:WeatherApp | リファレンス

リスクも鑑みた運用を

ここまで見てきたようにYahoo!広告 スクリプトは広告様々な作業を自動化してくれる非常に魅力的なツールで、広告代理店のエンジニア個人として非常にワクワクするプロダクトです。

しかし様々なことができるということは影響範囲が大きく、裏返せばリスクもはらんでいるということです。

設定のミスで配信されるべき広告が停止してしまったり、入札単価が思わぬ数値になってしまったり、考えられるミスは枚挙にいとまがありません。

しっかりリスクを把握し、テスト運用などを経た確認を怠らないようにしましょう。

紹介したこと以外にもできることが多くありますのでぜひYahoo!広告 スクリプトのDeveloper Centerを参考にしてみてください。

参考:Yahoo!広告 スクリプト │ Developer Center - Yahoo!広告

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