【商用利用可】画像生成AIツール「Adobe Firefly」とは?使い方と活用事例を解説

【商用利用可】画像生成AIツール「Adobe Firefly」とは?使い方と活用事例を解説

広告クリエイティブを制作するにあたって、画像素材を利用することも多々あるかと思いますが、こんなケースはありませんか?

  • イメージに合う写真やイラスト素材がなかなか見つからない
  • 不要な要素が映りこんでいる
  • 縦横幅が足りずサイズ調整が難しい
  • 著作権フリーか、商用利用可能かなどが素材によって異なるため扱い方が難しい

画像素材を探したり、加工するだけでもかなりの時間を費やしてしまい、本来もっとデザインを考える時間にあてたいと思われている方も多いのではないでしょうか。

こういった悩みを解決する手段のひとつが、画像生成AIです。ほしい写真やイラストのイメージをテキストで入力するとAIが画像を生成してくれます。誰でも簡単にオリジナルの画像が作れると注目を集めていますよね。

数ある画像生成AIサービスの中でも、商用利用可能なためビジネスでも使い勝手が良いのが2023年9月にリリースされたAdobeの生成AI「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」です。本記事では、Adobe Fireflyの特徴や具体的な活用事例をご紹介します。


Adobe Fireflyとは

画像引用元:Adobe Firefly - クリエイティブのための生成AI 

Adobe Fireflyは、Adobe社が提供する画像生成AIサービスです。「プロンプト」と呼ばれる、生成したい画像に関する情報をテキストで入力することで、誰でも簡単に画像を生成できます。

プロンプトの組み合わせ次第で生成される画像は大きく変化します。曖昧な表現は避け、できる限り画像の特徴を明確にかつ具体的に入力することで、完成イメージに近い画像を出力できます。

それ以外にもAdobe Fireflyには、一部の要素を削除したり、特定の位置に欲しいと思う要素を追加したりできる機能が搭載されているため、自由な発想で画像を作成可能です。

Adobe Fireflyのメリットや特徴

Adobe Fireflyが活躍するシーンは多岐にわたります。

  • ロゴのアイデア出し
  • 被写体ポーズのパターン出し
  • プレゼンテーション資料の挿絵
  • WebサイトやLPで使用するイラスト
  • 画像素材の加工
  • テクスチャ素材の生成 

オリジナルのロゴデザインの案を複数出したり、ストックフォトサイトに無いような被写体のポーズを作成したりと、デザイナーでも時間のかかるような作業を一瞬で生成できます。

またノンデザイナ―の方の場合、これまではデザイナーに依頼しなければならなかった事がAdobe Fireflyを活用することでスピーディーに解決できるようになります。これによって、制作にかかる費用やデザイナーのリソース削減に貢献できます。

Adobe Fireflyを活用するメリット

Adobe Fireflyの活用するメリットは以下の4つです。

  • 商用利用・著作権侵害問題を気にせず使える
  • 他Adobe製品との相性
  • 100カ国以上の言語に対応
  • 新しい機能追加が期待できる

商用利用・著作権侵害問題を気にせず使える

ビジネス目的で画像生成AIサービスを利用する場合、最も注意しなければならないのが「著作権侵害問題」と「商用利用」です。近年一部の画像生成AIサービスでは、学習に使用したデータの著作権状況が不明確であったり、他者の著作物を無断使用していたとして裁判になった事例もあります。

一方Adobe Fireflyでは、以下の3つを学習データとして活用することで、著作権侵害と商用利用の問題をクリアにしています。

  • 自社が展開するAdobe Stockの画像
  • オープンライセンスコンテンツ
  • 著作権が切れたパブリックドメインコンテンツ

そのため、ビジネス目的でも安心して利用できます。

他Adobe製品との相性

以下のAdobe製品においては、Adobe Fireflyの一部の機能が利用できます。

特にデザイナーの方なら、普段使い慣れたツールで利用できるのは非常に便利ですね!

Adobe Photoshop
生成塗りつぶし、生成拡張
Adobe Illustrator
生成再配色
Adobe Express
テキストから画像生成、テキスト効果

100カ国以上の言語に対応

英語や日本語をはじめ100カ国以上の言語でのプロンプト入力が可能となっています。さらに、ユーザーインターフェースの対応言語も20ヵ国語以上に拡大。日本語のほかフランス語、ドイツ語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、ポルトガル語のバージョンが現在利用できます。

新しい機能追加が期待できる

技術革新を常に重要と考えているAdobe社は、これまで多くの製品開発や主要アップデートを発表してきました。サイト内にも「3Dからの画像生成」「スケッチから画像作成」「パーソナライズされた結果」といった今後予定されている機能を開発中と記載されています。

また、2023年10月10日に開催されたCreative Cloudサービスのユーザー向け年次イベント「Adobe MAX 2023」で、将来のロードマップとして「Adobe Firefly Audio Model」、「Adobe Firefly Video Model」、「Adobe Firefly 3D Model」という3つのモデルの開発意向表明を行うなど、今後も新しい機能に期待が膨らみます。

参考:写真からビデオ、オーディオ、3D、デザインまで生成AIの威力を垣間見せたAdobe MAX Sneaksセッション

Adobe Fireflyの料金・プラン

プラン無料プラン有料プレミアムプラン
料金0円/月680 円/月
機能・毎月25生成クレジット利用可能
・画像にAdobe Fireflyのラベルがつく
・毎月100生成クレジット利用可能
・Adobe Fonts利用可能
・生成画像に透かしが入らない
その他上限まで使うと、その月は利用できないクレジットを上限まで使っても、生成速度は遅くなるが利用可能

注意: 2023年12月時点では、有償プランを契約しているユーザーは無制限で生成が可能となっています。今後変更される場合がありますので詳細については公式情報をご確認ください。

参考:Adobe Firefly|生成クレジットに関するよくある質問

Adobe Fireflyは、画像生成やその他機能を使用する場合「生成クレジット」を消費します。

「生成クレジット」とは、Adobe firelfyの機能を使用するたびに消費されるポイントのようなもので、使用するたびに1クレジットを消費します。生成クレジットは毎月リセットされるため繰り越しはできません。

機能生成クレジット
テキストから画像生成1回
生成塗りつぶし1回
生成再配色1回
テキスト効果1回

Adobe Fireflyの使い方

では実際の使い方を見ていきましょう。まずは以下のサイトにアクセスします。

Adobe Firefly

右上の「ログイン」ボタンを押下し、ログインまたは新規アカウントを作成します。既にアカウントをお持ちの方はログインするとすぐに利用できる状態となります。Webブラウザ上でログインするだけなので非常に簡単です。

手順1)右上の「ログイン」ボタンを押下し、ログインまたは新規アカウントを作成

Adobe Fireflyの活用事例

現在のAdobe Fireflyの機能は大きく4つあります。

テキストから画像生成【画像例あり】テキストによる具体的な指示で画像を生成
生成塗りつぶし【画像例あり】ブラシを使ってオブジェクトの削除や新しいオブジェクトの描画ができる
テキスト効果【画像例あり】テキスト自体にスタイルやテクスチャを加える
生成再配色【画像例あり】ベクターアートワークのカラーバリエーションを生成

ただ画像を生成するだけでなく、一部の要素に変更を加えたり、配色をし直したりと、痒い所に手が届く機能が搭載されています。

※現在開発中の機能もあり、今後追加される予定です。

今回は、広告クリエイティブを制作する際に実用性の高い活用例を3つご紹介いたします。

テキストから画像を生成

今回は例として「猫の写真」を生成したいと思います。

より具体的な猫をイメージしたいのでプロンプトに以下を入力してみました。

生成結果はこちら。

毛並みや眼球の質感が本物と変わらないくらいリアルに表現されていますね!

模様や表情なども指定通りで、レンタルポジで検索をかけるよりも圧倒的に早く目的の画像を得ることができました。

またAdobe Fireflyには、以下のような直感的な操作で条件を絞り込む機能が搭載されています。

例えば「コンテンツタイプ」では、生成する画像のタイプを写真かアートか選択可能です。さらに「視覚的な適用量」というスライダーで全体的な強度を調整できます。たとえば次のような具合です。

  • 「コンテンツタイプ」が「写真」として設定されている場合は、リアル(左)から超現実的(右)まで変換できます(右)。
  • 「コンテンツタイプ」が「アート」として設定されている場合は、デジタルアート(上)からイラスト風(右)まで変換できます。

Adobe Firefly|テキストプロンプトから画像を作成

「スタイル>効果」では、画像全体の色みや質感に大きく影響を与えるものが多数用意されているので、ぜひお試しください。

選択範囲に画像を生成する

上記で生成した猫の画像にワンポイントとして「!」マークを入れたいと思います。「生成塗りつぶし」の機能から、変更を加えたい画像をアップロードします。

画像を読み込んだ状態から、左側のメニューで「挿入」を選択し、追加したいポイントをなぞります。その後プロンプトに「感嘆符、白色、背景無し」を入力し「生成」ボタンを押下。

完成したのがこちら!

何もない箇所に感嘆符を追加できました。

今回は簡単なものを追加しましたが、より複雑なものを配置したい場合は、プロンプトに具体性を持たせ、複数指定することでイメージに近づかせられます。

体感では一回でイメージ通りの画像を出力させることは難しく、何度か試行錯誤する必要がありました。

選択範囲の画像を消す

例としてAIで生成したこちらのイラスト画像を使用します。

気になった「小さな雲や白い線」を削除してみます。

左のメニューから「削除」を選択し、削除したい要素をなぞります。その後「削除」のボタンを押下します。

完成したのがこちら!

気になっていた雲や線が綺麗に削除されています。

Photoshopを利用される方なら直ぐに修正できそうですが、利用していない方やノンデザイナーの方でもこの方法なら直感的な操作で簡単に削除できます。

まとめ

Adobe Firefly は、画像生成スピードも早く、画像素材の選定や修正加工といった作業がよりスムーズになる非常に便利なサービスです。ノンデザイナーでも無料で簡単に扱うことができ、急な修正依頼や提案アイデアなど、様々なシーンで活用できます。

一方で、無料アカウントでは生成できる回数に限りがあったり、AIの学習データが少ない領域では、クオリティ面でもまだまだ課題があります。そのため、理想のイメージに近づけたい場合は、試行回数を重ねてみたり、プロンプトについての理解を深めることが重要となってきますので、まずはこの記事を参考に画像生成を試していただければと思います。

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