Facebookを利用するユーザーに対して、どんなクリエイティブを見せれば反応が良くなるのか、日々悩んでいる広告運用者の方も多いと思います。
テキストの訴求内容から、画像の明るさやコントラスト、細部までこだわると際限なくA/Bテストをしたくなりますよね。とはいえ、そんなに膨大な量のA/Bテストを実施するのは現実的ではないですし、テストしてみたけれど結果に有意差がない、ということもしばしばあります。
そんなときに試してみたいのがFacebook広告のダイナミック機能です。
※参照:ダイナミック機能について
この機能は段階的にリリースされているため、まだご利用できない広告アカウントもございます。
目次
ダイナミック機能とは
ダイナミック機能を使用すると、それぞれのユーザーが最も反応しそうな要素を予測して、1本の広告からパーソナライズされたバリエーションを動的に表示できます。
広告バリエーションは、パフォーマンスの向上が見込まれる場合、以下の3要素から自動的に生成されます。
1. テキストの組み合わせ
設定したテキストオプション(メインテキスト・見出し・説明)が、広告を見たユーザーが最も反応すると予測される組み合わせで、自動的に表示されます。
なお、配置ごとのアセットカスタマイズを使用した場合は、各配置に設定したテキストがそれ以外の広告配置用のテキストとの組み合わせは実施されません。例えば、配置ごとのアセットカスタマイズでInstagramストーリーズ用に設定したテキストがMessenger用のものと入れ替えられることなどはありません。
2. メディアエンハンス
広告を見たユーザーが最も反応するように、画像または動画を調整してくれます。
画像の明るさとコントラストを調整
画像の明るさとコントラストを調整します。
アートフィルターをメディアに適用
色温度調整やシャープ化、フィルターを適用するか、ビネットまたは放射状ぼかしを追加します。
メディアのアスペクト比を変更
画像のオリジナルバージョンまたはトリミングバージョンのどちらかが表示されます。
ニュースフィード画像にテンプレートを追加
さまざまなテンプレートを使用して画像がニュースフィードの配置に合うように調整します。
3. 広告レベルの構成上の変更
広告を見たユーザーが最も反応するように、広告内または広告周辺の表示とコンポーネントの組み合わせを調整します。
ラベルを追加
Facebookページからビジネスにとって有利な面(「いいね!」や評価など)を強調するラベルを追加します。
関連性の高いFacebookコメントを表示
最も関連性の高いFacebookコメントが広告の下に表示されます。
ダイナミッククリエイティブとの違い
ダイナミッククリエイティブは、画像やテキストなどクリエイティブを構成するための要素を複数パターン登録するだけで、最適な広告素材の組み合わせが自動に作成される機能です。
ダイナミック機能の場合、登録するクリエイティブの構成要素が複数ではなく、それぞれ1つだけで良い点が大きな違いです。
また、ダイナミッククリエイティブでは前述したメディアエンハンスや広告レベルの構成上の変更は実施されない点もダイナミッククリエイティブと異なります。
※参考:Facebook、広告素材を自動で組み合わせて最適化する「ダイナミッククリエイティブ」を提供開始
設定方法
基本的な流れは通常の広告作成フローと同じです。ただし、 ダイナミック機能が使用できるのは、キャンペーン目標に「コンバージョン」または「トラフィック」を選択した場合のみです。
また、ダイナミック機能を最大限に活用するためには、自動配置が推奨です。手動配置にする場合は、Facebookニュースフィードを配置に含める必要があります。
①[広告名]を入力
②紐付ける[Facebookページ]を選択
③紐付ける[Instagramアカウント]を選択
④[ダイナミックフォーマットとクリエイティブ]をオフに
⑤フォーマットは[シングル画像または動画]を選択
※現時点で他のフォーマットには対応していません。
⑥[ダイナミック機能を使用]のチェックボックスをクリック
⑦画像(または動画)、メインテキスト、見出し、説明を入力
「見出し・説明」は任意ですが、追加しておいた方が、Facebookの機械学習が各ユーザーに合わせて広告をパーソナライズしやすくなります。
⑧「その他のバリエーションを見る」をクリックすると、プレビューを確認できます。
実際にユーザーに表示される広告は、機械学習にもとづいて動的に生成したものです。そのため、このプレビューではすべてのバージョンを確認することができない点をご留意ください。
ダイナミック機能を使用するかどうかの判断は?
ダイナミック機能を使用すべきかどうかは、状況に応じて判断したうえでうまく活用していくのがおすすめです。
注意が必要なケース
A/Bテストの場合
ダイナミック機能を使用した場合、表示されたバリエーションごとの実績を確認できないので、どの要素がコンバージョンに貢献したか正確な検証が難しいです。仮に、A/Bテストを実施する場合は、「ダイナミック機能を使った広告」と.「ダイナミック機能を使っていない広告」で効果を検証してみると良さそうです。
※なお、Facebookは、ダイナミック機能を最大限に活用するために、1広告セットあたり広告1本の構成を推奨しています。
広告のレギュレーションが厳しい場合
また、画像に自動でフィルターがかかったり、トリミングされたりするので、意図しない形の配信になる可能性があります。(例:トリミングによってロゴが見切れるなど)
そのため、クリエイティブのレギュレーションが決まっており、実際に表示される広告を管理する必要がある場合は、ダイナミック機能は使用しないのが無難です。
相性が良さそうなケース
テスト後に更に最適化する場合
A/Bテストに区切りがついたら、ダイナミック機能をオンにして勝ち残った広告をユーザーに合わせて最適化していくのが良さそうです。
リソースが限られた場合
また、画像をレタッチする余裕がない時や、複数の広告を入稿できないときなどは、ダイナミック機能を使用するのも一つの手です。
まとめ
Facebookはダイナミック機能の実装によって、Facebook広告のクリエイティブ制作に注力しきれていない広告主や広告運用者の悩みを解決してくれました。
とはいえ、この機能が実施してくれるのは、あくまでテキストの組み合わせや、画像細部の調整です。元の広告素材が重要なのは言うまでもありません。
ダイナミック機能に頼りきりになるのではなく、どんな画像やコピーならユーザーの心を動かせるのか、広告運用者一人ひとりがしっかりと考えつつ活用していきたいですね。