
Google・Facebook・Criteoをはじめとして、ダイナミック広告を配信できる媒体が最近増えています。
自社の商品データを活用して広告を配信し、ユーザーをダイレクトに深いサイト階層(商品詳細ページなど)に誘導できることが魅力的ですよね。通常のバナー広告と比較して、クリック率やコンバージョン率が高いケースが多いと思います。
EC・人材・不動産・旅行などの業界企業では、いまやダイナミック広告は外せない広告施策のひとつとなっていますよね。
しかしながら、ダイナミック広告の成果を最大限に引き出せていないと感じる例も散見されます。
そこで今回は、ダイナミック広告でやりがちな8つの失敗を紹介していきます。実施しているダイナミック広告の運用と照らし合わせながら、一緒にチェックしていきましょう!


目次
データフィード編
ではまず、ダイナミック広告においてクリエイティブにもターゲティングにも大きな役割を果たしているデータフィードに関する誤りをみていきましょう。
① ”多く”の商品をデータフィードから除外してしまう
ダイナミック広告を運用する中で、成果の悪い商品や必須項目(タイトルやディスクリプションなど)が空の商品をフィードから除外していないでしょうか?
ダイナミック広告は、ユーザーが詳細ページを訪れた際にタグが動作し、どの商品が人気か・人気がないか、どの商品がコンバージョンに繋がりやすいか・繋がりにくいかの学習がされます。
なるべく多くの情報をエンジンに送ることがレコメンド精度を高めるコツです。そのため、安易にデータフィードから商品を除外すると、タグとデータフィードの情報が一致しないことでエンジン学習に悪影響が出てしまい、最終的にコンバージョン数が減少してしまいかねません。
短期的な効率化を求めることで、かえって中長期でコンバージョンの獲得が先細りにならないよう、安易なデータフィード除外は避けましょう。
広告出稿したくない商品がある場合、データフィードからの除外以外にも、媒体によっては対応策があります。
どうしても配信したくない商品が多数ある場合はデータフィードからの除外の対応のみではなく、タグの実行も制限するなどの対応もお忘れなきよう実施いただくことを推奨します。
② データフィード中の画像が粗い
ダイナミック広告はユーザーの広告主のサイト内での行動に応じて、興味を持つ可能性が高い商品の画像が表示されます。
ただし、いくらエンジンのレコメンドが優れていたとしても、クリエイティブ画像が荒かったり商品がわかりにくかったりするのではクリック率の向上は望めないですよね。
ダイナミック広告配信においては、「商品画像の鮮明さ」でクリック率からコンバージョン率にまで大きな差が出ます。
データフィードでは「image_link」などの項目に画像URLを入れることが多いです。このリンク先には最低でも600px×600px以上の画像を設定しましょう。
たとえばFacebook広告では、データフィード中の画像サイズによっては表示ができない広告配信面もあるので注意が必要です。
③ フィードの任意項目が入っていない
ダイナミック広告を始める際に、自社の商品マスターデータを媒体の仕様に合わせて変換してデータフィードを作成したと思います。その際に「データフィードの必須項目だけ入れればいい」と任意項目を全て空にしていませんか?
媒体によっては任意項目がエンジン学習に活かされる場合がありますし、例えばFacebookでは任意項目の「brand」や「custom_label」に任意の値を含めることでクリエイティブに表示することもできます。
任意項目を埋めて後々に活用できることはあっても、損になることはありません。データフィードの初期構築の段階で、任意項目もできるだけ埋めましょう!
タグ編
続いては、広告主のサイトでのユーザーの行動を把握するのに欠かせないタグについて見ていきましょう。
④ 任意タグが設置されていない
ダイナミック広告のエンジン学習のもとになるユーザーの行動データは、サイトに設置したタグから送られます。タグはダイナミック広告で効果を出す上で最も大事なポイントと言っても過言ではありません。
ダイナミック広告のタグは、商品のidや価格を取得できる商品詳細・カート・コンバージョンページの3階層に設置することが一般的ですが、媒体によっては他の階層に設置できる任意タグも存在します。
例えば、Criteoでは上記の3階層に加えて、トップ・一覧ページにタグを埋め込むことが可能です。Facebookにも登録完了(CompleteRegistration)やチェックアウト開始(InitiateCheckout)など、いくつかの任意イベントがあります。
参考:Facebook for Business|Facebookピクセル標準イベントの仕様
「配信量を抑えるためにトップページにはタグを設置していない」といったケースも見られますが、今ではほとんど全ての広告媒体で日予算設定が可能になっているので、タグで配信量をコントロールする必要はありません。
さらにトップ・一覧ページなどサイトの浅い階層にもタグを埋めることで、エンジンがコンバージョンに至らなかったユーザーの行動も学習し、ターゲティングに活かせます。
タグの設置には時間や手間がかかりますが、初期段階でしっかりと任意タグも設置するようにしましょう!
⑤ タグのエラーが発生している
タグを設置した後に問題なく動作しているか、定期的にチェックできていますか?
ダイナミック広告の配信開始時にタグが正しく動作していても、サイト改修などによって「タグが実行されなくなっていた」「idが正しく取得できなくなっていた」というケースは少なくありません。
タグで商品の「id」を正しく取得できていないと、「① フィードから商品をたくさん除外してしまう」でお伝えしたタグとフィードの不一致にもなりかねません。
媒体によっては、広告管理画面でタグのエラー状況を確認できるので、定期的にチェックするようにしましょう。
⑥タグが設置されていないページがある
タグの定期的なチェックの話とも連動しますが、ページの追加やサイト改修によりタグが設置されていないページがないかもチェックしましょう。
ページの追加やサイト改修によってサイトに訪れたりサイト回遊をするユーザーも増えると思います。
ユーザーの行動をもれなく、きちんと追うことで機械学習の精度も高まってくると思いますので、タグは「漏れなく、正しいイベントを計測する」ことを心がけましょう。
クリエイティブ・LP編
⑦クリエイティブを変えない
「ダイナミック広告はフィードの画像が自動でレコメンドされるから、クリエイティブ改善は必要ない」と思っていませんか?
そんなことはありません!
ダイナミック広告であっても、タイトル・ディスクリプションのPDCAを回したり、媒体のオーバーレイ(Facebook)やバッヂ機能・クーポンバナー(Criteo)を活用することで、CTRを向上することができます。
ECであればセール情報や価格情報など、惹きのある文言や装飾を使って、ユーザーに合わせた訴求を検証していきましょう。
⑧ 詳細ページの改善を怠る
ダイナミック広告では、レコメンド配信された商品の詳細ページが広告LP(ランディングページ)になります。
ダイナミック広告以外の通常のバナー広告では、トップページや広告専用のLPがリンク先に設定されていてLP改善のPDCAを回していても、ダイナミック広告のLPである詳細ページは改善を行っていないケースが多いのではないでしょうか?
詳細ページの改善を実施することで広告経由の売上増加のみならず、オーガニックやSNS経由の売上増加するケースが多いです。
サイト全体の売上増加にも繋がるインパクトの大きい施策かと思いますので、カラー選択の操作が分かりやすいか、カート(フォーム)に進んでもらいやすいボタン位置になっているか、決済手段は充実しているかなど、コンバージョン率を高める工夫をしていきましょう!
まとめ
データフィード編、タグ編、クリエイティブ・LP編と大きく3つの視点でやりがちな失敗をご紹介してきました。
商品データを活用して広告配信するダイナミック広告は各広告媒体の仕様をしっかりと理解する事が重要です。データフィードやタグの設計次第で得られる成果が大きく変わってきます。
本記事を活用頂くことでみなさんのダイナミック広告改善のお役に立てば幸いです!
