ランディングページを改善するために、最低限押さえておきたい5つのポイント

ランディングページを改善するために、最低限押さえておきたい5つのポイント
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ランディングページは広告をクリックしたユーザーが最初に訪れるページです。ランディングページの良し悪しでコンバージョン率、さらにはLTV(※)にまで影響を及ぼすこともあるため、Web広告で購入やお問い合わせなどの行動を促すには重要な要素となります。

※LTV:Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略。顧客ひとりあたりが生涯を通じて企業にもたらす価値を表す指標

一方、ランディングページの制作や改善には費用や時間がかかるため、制作費用を差し引いた上でもビジネスにとってプラスになる施策でなければ意味がありません。

しかしながら、予算と時間を割く価値があるのかを事前に判断するのは難しく「こうした方がもっと良くなりそうだけど、改善のインパクトがあるのか分からず提案しにくい」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ランディングページ制作の知識や経験がまだ十分でない広告運用者向けに、以下の3点を紹介していきます。

  • どんなときにランディングページ改善を検討すべきなのか
  • ランディングページで成果への影響が大きいポイント
  • スムーズに検証、改善をするためのコツ


ランディングページの改善が本当に必要か、広告の数値をチェック

画像提供:ピクスタ

ランディングページの改善を行う時に一番やってはいけないのは「デザインがなんとなくダサいから新しいものを作った方が良さそう」など、自分の主観だけで必要性を判断してしまうことです。

もちろん、ひとりのユーザーとしての主観が大いに役立つことはありますが、ランディングページの改善は、ページを訪れるユーザーに対する客観的な事実や傾向に基づいて提案することで最大限の成果を発揮できるのではないでしょうか。

たとえば広告の数値を基準に考えると、「コンバージョン数を増やしたい」「コンバージョン単価を下げたい」という2つの目的にいずれも作用する可能性があるのがコンバージョン率です。

一方で、それぞれの目的を達成する方法はひとつではありません。

たとえば「コンバージョン数を増やしたい」場合、クリック数を増やすことも有効です。インプレッション数を増やしたり、クリック率を上げたりすることによってクリック数は増え、目的を達成できます。いずれもランディングページの改善以外の方法で実現可能です。

たしかにランディングページの変更が成功し、コンバージョン率の改善につながれば、その効果は大きいでしょう。しかしながら逆に効果を落としてしまう可能性もあり、手間も時間もかかるランディングページに手を付けるのはよく考える必要があります。

適切なターゲティングができているか、広告文はユーザーにとって魅力的か、はたまた入札価格を引き上げる余地はないかなど、よりフットワーク軽く行える施策を先頭に置くべきなのは明らかですよね。

ランディングページの改善が本当に必要か、まずは成果を左右する広告の数値をチェックすることをおすすめします。

以上のことを踏まえて早速、ランディングページで影響力が大きいポイントを確認していきましょう。

まず最初に取り組むべきは「ファーストビュー」

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ファーストビューとは、ページを表示してスクロールせずに見える範囲のことを指します。ページに流入してから初めて見る部分になるため、ここで興味を持ってもらえなければ、商材の魅力や特徴を伝えることすらできないまま離脱されてしまいます。ランディングページにおいてはもっとも重要な箇所なので、一番最初に改善に取り組むことをおすすめします。

意識すべきポイントは以下の3つです。

「自分に関係がある」と思ってもらえるか

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広告から流入してくるユーザーは、問題解決や好奇心を満たすためなど、何かしらの目的を持っているはずです。そのためファーストビューでは、意欲の高い見込み客にとってこのページないし商品は有益であることを伝えられなければ、「自分には関係ないかも」「読んだり購入する価値はなさそう」と思われ離脱されてしまいます。

単純に商品の特徴を伝えるだけでは押しつけがましい思われてしまいますので、ユーザーにとって嬉しい強みや独自性、これを使うことによってどんな変化が起こるかなど、「続きをもっと読みたい」「商材についてもっと知りたい」と思ってもらえるような要素を入れましょう。

直感的にメリットを感じてもらえるか

売り手としては、商材の魅力を伝えるために多くの情報を詰め込みたくなりますが、ページを訪れたユーザーとしては、自分にとってメリットがあるのかも分からずに色んな情報を伝えられても頭に入ってきません。

まずは、商材に興味を持ってもらえるような情報を、文字だけでなくビジュアル要素も活用しながら直感的に理解してもらえるよう工夫しましょう。

例えば、敏感肌用の保湿力が高い化粧水なら以下のようなものになります。

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広告との関連性を高める

ランディングページはあくまでコミュニケーションの一部に過ぎず、広告が入り口であれば「広告→ランディングページ→フォーム入力→購入」の一連の流れが整っているかどうかが大事になります。

たとえば、広告では「肌がうるおうと訴求していたのに、ファーストビューではシミしわ対策と訴求されていたとすると、実際に乾燥対策に効果があったとしても、「自分の求めているものとは違いそう」と思われ離脱してしまいます。

広告の反応率はいいのに、コンバージョンに結びつかないときは、広告とファーストビューとの関連性が低い可能性があります。そのような時は、ファーストビューの内容を広告に合わせて関連性を高めましょう。

ユーザーがスムーズに行動できるCTAか

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CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略です。ランディングページ上では、ユーザーをスムーズにコンバージョンへ導く役割を担っています。他の要素の改善と比べると小手先のテクニックのように感じる方もいると思いますが、CTA次第でコンバージョン率が大きく変わるケースもあるため、決しておろそかにしてはいけない要素です。

位置

CTAの位置はあまり深く考えずに配置するケースが多いですが、本来はユーザーの意欲が高まったときに背中を押し、コンバージョンを促すのが目的です。そのため、「どのタイミングであればユーザーがCTAを押したくなるか?」から逆算して位置を考えるのがオススメです。

たとえば、以下のような例が挙げられます。

リフォーム会社のランディングページの場合

一人で細かくランディングページを読んで吟味するよりも、一旦資料請求して家族と一緒に検討したいと考える訪問者が多そうなので、ファーストビューにボタンを設置。その下に続くサービス説明、口コミ、よくある質問のそれぞれの後など、区切りがよく態度変容が起こりやすい部分にも設置。

もしランディングページが長かったり、要素一つ一つのコンテンツ量が多くCTAとCTAの距離が離れてしまう場合は、画面の下部や横に固定表示させるのも効果的ですが、スクロールや閲覧の邪魔にならないよう配慮しましょう。

コピー

商材に興味を持ったにも関わらず、ユーザーがコンバージョンをしなかった時は、まだ決意が固まっていなかったり、面倒だなと感じていると考えられます。そのため、コンバージョンのハードルを下げたり、意欲がもっと高まる文言にすることでコンバージョン率の改善が見込めます。

たとえば、以下のような例が挙げられます。

・まだ決意が固まっていないユーザーを後押しする

「今すぐ購入」→「期間限定半額でお得に購入」

・面倒だなと感じているユーザーを後押しする

「無料会員登録はこちら」→「簡単1分で完了!無料会員登録はこちら」

また、行動を促す文言はなるべくユーザーが直感的に理解でき、選択しやすいものにするとよりよいCTAになります。

たとえば、以下のような例が挙げられます。

「今すぐ購入」→「まずは試してみる」

他の要素よりも視認性を高くする

CTAをクリックしてもらいやすくするためのテクニックは様々ありますが、その中でも代表的なものは以下になります。

  • 色を目立たせる
  • 大きくする
  • 立体感を出す
  • 動きを付ける

あくまでCTAを認識してもらいつつ、クリックへのハードルを下げることが目的なのですべてを一度にやる必要はなく、最低限色を目立たせ、CTAをタップしようとしたときに小さすぎて押しづらいことがないような大きさであれば十分です。立体感を出したり動きをつけることでCVRが上がるケースもありますので、すでに最低限の要件を満たしているのであればチャレンジしてみてください。

意外と見落としがちな「ページの表示速度」

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ランディングページの制作や改善でつい忘れがちなのがページの表示速度です。以下の記事で詳しく解説していますが、ページの表示時間が3秒以上かかると、53%のモバイルのサイト訪問者が離脱してしまうというデータがあります。

ランディングページの表示速度が遅い原因は様々ありますが、容量の大きい画像や動画、タグやマーケティングツールのコードが過剰に入っているケースが多いです。ページの表示速度が遅いという理由だけで、せっかく呼び込んだユーザーが離脱してしまうのは非常にもったいないので、まずはGoogleのモバイルサイト速度テストなどで表示速度や改善できる部分をチェックしてみましょう。

「デザイン」がボトルネックになっていないか

多少デザインに違和感があっても、上記で挙げたポイントが抑えられていれば十分に成果を上げることが可能な場合もあり、改善の優先度としては低い項目です。

ただし、身だしなみと同様に最低限のポイントが抑えられていないと、どんなに中身が良かったとしても悪い印象が拭えず、離脱されてしまう可能性が高くなります。

以下の点を満たすようにして、デザインがボトルネックにならないようにしましょう。

商材やターゲットに合っている

ランディングページのデザインは主観的な好みではなく、あくまでページを訪れるユーザーがどう感じるかが重要です。

たとえば、50代女性向けの高級コスメのランディングページなのにカラフルデザインはポップな印象を与えるようなデザインだと、どこか違和感や怪しさを覚えて離脱されてしまう可能性があります。何度も見ていたり、自身が商材のターゲットとはズレている場合は気付けないことがあるので、可能であればターゲットに近い身近な人に聞いてみるのもおすすめです。

文字や画像の大きさが適切で見やすい

当たり前だと感じる方も多いと思いますが、意外にも出来ていないケースがあります。それはPCの画面では問題がなくても、スマートフォンの画面では文字が小さくて読めなかったり、画像が大きすぎてスクロールが大変だったりするケースです。

仕事中は基本的にPCの画面からページを見るため気付かないことが多いので、ページの制作や更新を行った際は一度スマートフォンの実機でも確かめましょう。

入り口から出口まで「コミュニケーション設計」は適切か

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せっかくファーストビューで興味を引き、ランディングページ全体を読んでもらってもコンバージョンが発生しなければ意味がありません。ヒートマップやスクロール率を確認し、ファーストビューよりも下の部分で離脱が多く発生している場合は、全体の方針に問題がある可能性が高く、上記で挙げたような改善を行っても大幅な成果改善は難しいです。

重要なのは、訪問したユーザーに対してどうコミュニケーションを取ればコンバージョンしてもらえるかを考えることです。同じ見込み顧客でも、流入元やターゲティングが違えば、興味を持ったり意思決定するために必要な情報も異なります。

たとえば、疲労回復効果のあるサプリメントの広告を検索広告とSNS広告で配信する場合、検索広告から「疲労回復 サプリ」と検索して流入したユーザーは既に購入意欲が高く、他のサプリメントと比べてどう優れているのかを説明すれば購入してもらえるかもしれません。

しかし、SNS広告で「お疲れママの強い味方!」と訴求した広告から流入したユーザーは、様々な選択肢がある中でサプリを選ぶべき理由が分かっていないので、いきなり他のサプリメントと比べてどう優れているのかを伝えても、購入してもらうのは難しいはずです。

全体の構成を変えるのはかなりコストがかかりますが、広告をクリックしてから購入に至るまでの一連の流れをイメージして違和感がある場合は、全体の設計から見直し、必要であれば新しくランディングページを作り直すことも検討してみて下さい。

広告と足並みを揃えてよりスムーズに改善するコツとは?

ここまでランディングページを改善するにあたって最低限押さえておきたいポイントを5つ解説してきました。

しかしながら実際にランディングページの改善を提案する根拠を用意するのが難しかったり、どう改善するかの方針が立てづらかったりすることもあるでしょう。

その場合には、運用型広告を有効に使ってみるのをおすすめします。たとえば次のような方法があります。

広告で訴求や見せ方をテストしてからランディングページに反映させる

理由は、もちろん費用は掛かりますが、ランディングページにくらべ、広告はテキストであったり画像であったり、変更が比較的かんたんであるためすぐにテストを行うことができるからです。

また集客のボリュームもコントロールが容易であるため、テストの期間も短期で済ませることが可能です。

そのため、いきなりランディングページを変更するのではなく、広告でテストを行って反応が良かったものをランディングページに反映させる形で進めていくとスムーズにランディングページの改善ができます。なお、広告とランディングページの両方で同時にテストを行うと、変数が増えてしまいテストの精度が落ちるので避けましょう。

ユーザー体験を意識した改善がカギ

ランディングページの中でも影響力の高い部分について解説しましたが、これらはあくまでユーザーの態度変容や意思決定のプロセスを踏まえた結果、重要な要素であったに過ぎません。

訪問ユーザーの目線に立ち、どんなコミュニケーションが最適なのかを考え、根拠のある仮説を持ってテストを繰り返すことがランディングページの改善において重要なことだと考えています。

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