ユーザーに負担を掛けていませんか?便利な3つのモバイル速度の診断方法

ユーザーに負担を掛けていませんか?便利な3つのモバイル速度の診断方法

いまやモバイルサイトがビジネスの「顔」に

広告でせっかくサイトに連れてきたユーザーが、訪問して間もなく何のアクションも起こさずこのまま離脱してしまうと、「本当に離脱させない方法はなかったのか?」という奇妙な後味を広告運用者たるものの誰もが知っているはずです。離脱の理由は様々ですが、複数の要因が複雑に絡んでいたりする場合もあります。そしてサイト側(サイトのデザイン、利便性など)の原因もあればユーザー側(商品・サービスへの関心の度合い、購入意欲など)の原因もあるでしょう。

ターゲティングと広告の施策に大きな問題がなく、肝心のユーザーが冷やかしではないという前提で考えれば、サイト側にありそうな原因を洗い出すと必ずと言っていいほど、サイトの読み込みスピードというテーマが取り上げられます。

ウェブサイトの速度の遅さはユーザーにストレスを与え、最悪の場合はユーザーが離脱してしまうリスクさえあることは、想像がつきやすいと思います。

サイトスピードの影響力については以下のようなデータも出ています。

コンテンツデリバリーネットワークとクラウドコンピューティングサービスのAkamai (akamai.com)が2017年に大手ECサイトの約100億件にも及ぶ訪問者データをもとに行った調査です。

『・消費者の半数が商品やサービスを求める際、スマホを利用している一方で、スマホ経由で購入に至るのはわずか5人に1人。
・ウェブサイトの読み込み時間が1秒も遅れると、コンバージョン率を約7%悪化させる可能性がある。
・ページの表示時間が3秒以上かかると、53%のモバイルのサイト訪問者が離脱してしまう。』

Half of consumers browse for products and services on their smartphones, while only one in five complete purchases using those phones
A 100-millisecond delay in website load time can hurt conversion rates by 7 percent
[…] 53 percent of mobile site visitors will leave a page that takes longer than three seconds to load “

出典:Akamai Online Retail Performance Report | Akamai

あわせて、Googleが運営しているThinkwithgoogle.comでは上記の調査結果を踏まえてこう述べています:

『良いニュースがあります。去年モバイルページ速度を診てから、モバイルのランディングページが完全に読み込まれるまでの平均時間が7秒も減りました。一方で、新しい分析結果によると未だに15秒ほどかかっているという悪いニュースもあります。これはページを読み込むのに3秒以上かかると53%のモバイルユーザーが離脱することを加味するとあまりにも遅すぎます。』

Here’s the good news. Since we looked at mobile page speeds last year, the average time it takes to fully load a mobile landing page has dropped by seven seconds. The bad news is that it still takes about 15 seconds, according to our new analysis. That’s far too slow when you consider that 53% of mobile site visits leave a page that takes longer than three seconds to load.

出典:New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed – Think With Google

モバイルトラフィックの割合が年々増えていくとともにこのテーマはますます無視できなくなるわけですね。だれもがスマホを当たり前のように持ち歩いていて、どこでもサイトにアクセスできるからこそ、ビジネスとのファーストコンタクトがスマホ経由のケースも多くなっているはずです。

モバイルサイトがビジネスの「顔」や「看板」になりつつあります。そのユーザー体験の改善を怠ってしまうと、サービスや商品、ひいては企業の信頼に悪影響を与える恐れさえあります。

もし、モバイルサイトの表示速度に問題がありそうな場合、そのボトルネックを見極めることは解消の第一歩ですので、そのために役に立ちそうなツールと機能をご紹介していきます。

モバイル速度の診断に便利なツール3選

さて、モバイルサイトのスピードに問題があるかどうか、どこから分析すれば良さそうかについてですが、スタートとしてはGoogleが無料で提供しているツールと機能がお勧めです。

1.モバイルの読み込み速度とパフォーマンスのテスト

まずは、こちらのGoogleのモバイルサイト速度テストです

https://testmysite.withgoogle.com/intl/ja-jp

Googleが提供しているのですが、速度のテスト自体はwebpagetest.orgの技術に基づいているようです。調べたいドメインのURLを入力するだけで診断が開始できて、サイトの表示時間と推定離脱率の他に、同業種のベンチマーク値と問題点修正後の時間短縮見込みまで出してくれます。

改善点の具体的な説明の取得もできますが、無料で別途メールで送られる詳細レポートを依頼する必要があります。このレポートにはサイトスピードを落としていると思われる各種要素が修正の緊急性とともにリストアップされます。また詳細を説明する外部リンクも用意され、あわせて確認可能です。


どこを直せば、パフォーマンスが良くなりそうかをアクションに移しやすい形で提供されている点が特にこのレポートの便利なポイントです。

一方、このサイトは 3Gの利用環境を標準としますので、もし4Gや機種別での検査の条件
を変更したい場合は、https://www.webpagetest.org/ で直接テストを行うことも良いかもしれません。上記の手頃なレポートはないものの、サイトのどの要素が速度を遅らせていそうかについては粒度の高い情報をご覧になれます。

モバイル速度スコアカードで競合と比較

また、自社モバイルサイトの読み込みスピードが分かったのはいいが、それを他社と比較したい場合もあるでしょう。Googleもそのため、モバイル速度スコアカードという専用ツールを提供しています。

https://www.thinkwithgoogle.com/feature/mobile/?country=Japan

こちらはインターフェイス自体が現時点で(2018年9月)英語限定ではありますが、対象地域に日本が指定できるため国内でも問題なく使えます。入力したドメイン別にモバイルサイトの読み込み速度がランキング形式に表示され、他社と比較できることに加えて、サイト速度の改善による収益へのインパクトの想定値も得られます。

まずはスコアカード自体の操作ですが、地域設定と利用環境(3Gか4Gか)を選び、自社(またはクライアントの)ドメインを入力します。


その後、比較したい競合他社などのドメインを足していくと、簡単にスピードが速い順にランキングが出来上がります。(ドメインは最大10個まで入力可能です)


また、スコアカードの下をスクロールするとインパクト計算機を確認できます。こちらの使い方は下記のとおりです。


ドメイン名(①)と現在計測されている表示速度(②)は、最初にスコアカードに入力したドメインとその速度が自動的に挿入されます。以降、月間の平均訪問者数、平均注文額、コンバージョン率(③~⑤)は手動で入力する必要があります。

入力完了後、下部のゲージで最低速度(Minimum Speed)と現在の速度(Current Speed)の間のポインターをスライドさせていくと、現在のスピードが何秒の短縮で年次収益の想定額がどこまで変わってくるかシミュレーションできます。通貨単位は固定で米ドルになっていますが、日本円だと考えて十分に使えます。

アウトプットされる金額は想定値である以上、100%正確ではないのは言うまでもないのですが、ランディングページの改善案を作る際に収益へのインパクトのイメージをつかむのに良いツールだと思います。

モバイル速度スコア


Google 広告限定の機能ですが、管理画面の「ランディングページ」項目(①)にモバイル速度スコアという指標が表示されるようになりました。(②)

このモバイル速度スコアとは、モバイル広告をクリックした後にページがどのくらいの速度で読み込まれているかを10段階で示す指標です。数字が高いほどランディングページの表示スピードは速いです。


なお、そのデータをさらに「時間」で分割すると、過去と比べて速度の変化があったかを時間軸に沿って追うことも可能です。(③)

もちろん実際の速度ではなく、あくまでも参考値程度のスコアなのですが、例えばこちらを品質スコアのコンポーネント(ランディングページの利便性)と合わせて確認すると、ランディングページに問題がありそうか、分析の初期段階に役に立ちそうです。そこから要因をさらに掘り下げつつ、広告の最終URLの差し替えや、ランディングページの改善を考えるなど具体的なアクションが取りやすいですね。

※あわせて、モバイル速度スコアの他に同時にモバイルフレンドリーなページのクリックの割合と有効なAMPページのクリックの割合という指標も追加されました。

ユーザーに負担を掛けないことが重要

根本的な話で恐れ入りますが、スーパーやデパートで買い物したときに列が長くてどう考えても時間が非常にかかりそうな空気が漂うときがありますね。このまま帰りたくなる気持ちが湧いてきても、辛抱しながら列に並んで自分の番をおとなしく待つことはさほど珍しくないわけです。(無責任に買い物カゴを放置するわけにもいかないですし)

しかしECサイトはそこが違います。そもそも、行列のようなユーザーの負担になりそうな要素はあらかじめできるだけ排除されていますよね。特にスマホはいつでも、どこでも使えるのでなおさらです。面倒がない、楽であるべきもので苦労させられてしまうと当然ユーザーに負担がかかります。コンバージョンを逃してしまうリスクが高まるならまだしも、二度とサイトにすら来てもらえない可能性も。「その後はリターゲティングで…」と考えるかもしれないですが、チャンスがゼロではないにせよ、芳しくないユーザー体験でサイトを離れたユーザーへの再アプローチでは、成功率はかなり低いでしょう。

ちなみに、モバイルスピードも実は「人間」のユーザー体験にとどまりません。読み込み時間が無駄に長いと、頻繁にサイトを訪れてスキャンしているGoogleのクローラーやボットなどもその分作業スピードが落ちて、自動化や機械学習にも影響が出る可能性があります。

兎にも角にもモバイルスピードはこれからも大きな意味を持つテーマであることは間違いありません。

Jan Hugendick

Jan Hugendick

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート(海外・国内部門)。 ドイツの出版社で マーケティングやSEOに携わることをきっかけにリスティング広告に興味を持ち、 ドイツの某メディア大企業直属のWeb広告代理店に転職。そこで5年間、多国・多業界 のアカウントを担当することを経て、2016年にアナグラムに参画。広告運用の他、ブログ執筆と編集を行っています。

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