
バナーデザインにおいて、写真素材は商品やサービスをイメージさせやすくしたり、見る人に感情や雰囲気を伝える大切な役割を担っています。
しかし、写真素材をどうやって選んだらいいか、イメージに合う写真がないときはどうすればいいか悩んだことはありませんか?
「どんな写真を選んだらいいかわからない」
「ぴったりな写真を見つけるまで時間がかかる」
「イメージに合わせるためにどんな加工をすればいいかわからない」
こんな風に少しでも悩む時間を減らせるように、今回は写真の選び方と加工のポイントを事例付きでご紹介します。


目次
写真素材選びから加工までの流れ
下準備もなしに素材を探し始めると、時間がかかってしまいます。最初にどのような流れで進めるとスムーズなのか把握しておきましょう。
<写真素材選びから加工までの流れ>
今回はバナーデザインの方向性は固まっている想定で、素材の要件の決め方、探し方、加工のポイントをお伝えします。
バナーデザインの方向性の決め方や情報整理について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
写真素材の選び方のポイント
最初のうちは写真を選ぶといっても、なにを、どこから考えたらいいか迷ってしまうかもしれません。今回は、悩む時間を減らすために考えるとよいことをいくつか解説していきます。
①商品・サービスのシーンを詳しく想像する
どんな写真を選べばいいのか悩んだときは、まず商品やサービスを使っているシーンを想像しましょう。同じ商品やサービスであっても、シーンは複数存在します。
たとえば医療脱毛のバナーを制作するとしても「エステでは効果がなかったから医療脱毛にチャレンジしたい」と「ぴかぴかの肌になった理想の自分に近付きたい」では最終的に選ぶ写真は異なります。
完成した後に「やっぱり違うかも」とならないように詳しく想像しましょう。
②探す前に素材の要件を固める
シーンが決まれば、次は直接素材サイトなどで写真素材を探します。しかし、闇雲に探しても時間がかかってしまうので、まずは素材の要件を決めましょう。
たとえばデザイナー専用の求人サイトバナーを制作するとして、「20~30代」「日本人女性(1人)」「パソコンがある」「悩んでいる様子」「私服」を要件として設定します。次にその要素に優先順位を割り振って、どこまで妥協できるかを決めましょう。
優先順位を決めることによって、どの写真を選べばいいか決断しやすくなります。
<素材の要件の優先順位をつける>
③加工で解決しづらい要素を優先する
見つけた写真が、「要件は満たしているけれど色が合わない」「暗すぎて使いづらい」と思うこともあるかもしれません。諦めてしまう前に、加工で解決できないかを考えてみましょう。
写真を選ぶ際には、どの要素が加工で解決しやすい・しづらいかを覚えておくと便利です。
ここで紹介している「加工しやすい・しづらい」は技術や時間があまり必要ないものを判断基準として分類しています。
ただ、クライアントから提供されたこの画像しか使えません、という事態が起こる可能性はあります。情報発信されている方を調べたり、周囲に聞いてみるなどして、適宜自分の知識や技術を深めていくとよいでしょう。
④サイズ展開をしたときの使いやすさを考える
バナーは、サイズ展開を前提に制作を依頼されることが多いです。他のサイズでも使いやすい写真を選ぶようにしましょう。
写真素材の加工のポイント
そのままバナーに使える写真素材を探し出すのは、とても時間がかかりますし、見つからない可能性も高いです。この項目では選ぶ時間を減らして、更に理想に近づけるための写真加工の方法をいくつか解説していきます。
※どんな加工が許可されているかは素材によって異なるので、必ず事前に利用規約を確認しましょう。
①デザインに合った色合いに変更する
色合いを調節することによって、デザイン全体の統一感を高め、イメージに合わせることができます。
たとえば、デザインは赤系統で、使用したい写真が青色の光の影響を受けていた場合は、写真を赤く加工することによって馴染ませられます。
また、背景・人物と分けて部分的に色を調節してイメージに近づけることもあります。より主役を目立たせたい時などにおすすめです。
さらに、シーンに合わせて人物の色合いを調節することによって、感情を強調することもできます。
悲しいときは彩度を低く、反対に嬉しいときは彩度を高くするとメッセージが伝わりやすくなるでしょう。
②イメージに近づけるために加筆する
たとえば「モデルさんの髪の毛のハネが気になる」「海の写真を使いたいけど中央にある船はいらない」など、もう少し変われば理想の写真素材なのに……と思うこともあるでしょう。
そういった時は加筆をして、イメージに近づけていきます。
③必要な箇所だけ切り取る
写真素材をまるごと全て使用する必要はありません。必要な部分だけを切り取ってデザインに馴染ませるのも一手です。
<写真素材を切り抜いたデザインの参考バナー>


④複数の写真を組み合わせて使用する
ひとつの写真で完結する必要はありません。組み合わせることにより、シーンにあった表現に寄せることが出来ます。しかし、異なる写真を組み合わせる際は、明度や彩度・色合いなどを調節して違和感が生まれないようにしましょう。
<複数の写真を組み合わせたデザインの参考バナー>


⑤足りない箇所はAIを使用して補う
「上半身を全部入れたいのに、使いたい写真画像だと頭が切れてしまっている」「もう少し画像の横が長ければいいのに」と思ったこともあるでしょう。そんなときはAIを使用して補うことも選択肢のひとつに入れておくと良いと思います。
注意点としては、複雑な画像を補うと不自然な結果になる可能性が高いです。仕上がりが自然かどうかをしっかり確認して使用しましょう。
まとめ
写真はデザインの中でも大きな役割を担うため、良い素材を選ぶことが大切です。
事前にしっかり準備をしておけば、悩む時間を減らすことができ、理想の写真が見つからない場合でも、加工次第でイメージに近づけられます。
スムーズな写真選びを行うために、今回解説したポイントを押さえながら進めてみてください。
どんなサイトで写真を選べばいいのかや、生成AIのリスクとはなど、他にも写真素材に関連した記事がありますので、より詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
