Yahoo!検索広告、動的検索連動型広告(DAS)のキホンと活用方法

Yahoo!検索広告、動的検索連動型広告(DAS)のキホンと活用方法
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検索広告では、ターゲットとなるユーザーがどのような語句で検索するのかを考え、その検索語句にあった広告文を提示することが重要です。

一方で、たとえば商品やサービスが非常に多くあるECサイトや旅行・不動産ポータルサイトなどでは、非常に多くの検索語句のバリエーションがあり、それらのすべてを人の手でカバーするのが現実的ではないケースもあります。

そのようなときに活用したいのが、Yahoo!検索広告の「動的検索連動型広告」です。今回は動的検索連動型広告の仕組みから設定方法、活用方法まで解説していきます。


動的検索連動型広告とは?

引用元:Yahoo!広告ヘルプ|動的検索連動型広告のメリットと仕組み

動的検索連動型広告は、あらかじめ指定したサイトURLのコンテンツと関連性の高い検索語句を自動でマッチングし、リンク先のウェブサイトの内容からその検索語句に関連性の高いであろう広告タイトルを自動で作成して表示することができる広告です。Dynamic Ads for Search とも呼ばれ、DASと略されることもあります。

動的検索連動型広告のメリット

動的検索連動型広告のおもな特徴は以下の3点です。

  • 入稿しているキーワードでは網羅しきれない検索語句をカバーできる
  • キーワードごとに広告タイトルを個別に作成する手間がかからない
  • 検索語句に対して関連性の高い広告の出稿が期待できる

標準の検索広告キャンペーンでは、キーワードと広告文、リンク先URLのセットを入稿することが必要です。一方で、動的検索連動型広告はキーワードと広告文のタイトルを個別に設定する必要がありません。指定したURLの情報を元に広告を表示する検索語句は自動でマッチングされ、広告文のタイトルも自動生成されます

ただし、いくら自動とはいえ、指定したページURLをクロールして得た情報がもとになっているため、対象ページ内のコンテンツやサイトの構造に大きく左右されることは押さえておきましょう。

動的検索連動型広告の設定方法

さて、動的検索連動型広告キャンペーンの設定方法について、説明していきます。

まずは、キャンペーン作成画面より、キャンペーンタイプで「動的検索連動型広告キャンペーン」を選択します。

URLを指定する3つの方法

動的検索連動型広告では、冒頭で説明した通り「指定したURLの情報をもとに広告を表示する検索語句と自動マッチングする形」でターゲティングを行います。

Yahoo!広告では、その対象となるURLを指定する方法が3つあります。

  • ドメイン全体
  • ページフィード
  • ドメイン全体とページフィードを併用

ドメイン全体

「ドメイン全体」を選択すると、ドメインを入力するだけで、そのドメイン配下すべてのページを配信対象にすることが可能です。そのため、個別のページごとの入稿や配信調整をする必要がなく、広告運用の手間が少ない方法です。

ページフィード

「ページフィード」を選択すると、広告の対象としたいURLのリストをアップロードしドメイン内で配信したいページを限定することができます。

ドメイン全体とページフィードの併用

ドメイン全体とページフィードを併用することもできます。そうすることで、より柔軟な配信調整を行うことが可能です。例えばECサイトの場合で、サイト全体を対象に網羅的に配信しつつ、特定の商品カテゴリのページだけをページフィードで管理し入札を引き上げて配信することができます。

ただ「ドメイン全体」と「ドメイン全体とページフィードを併用」する場合は、下記の内容に該当する配信ができないため、一度該当箇所がないか確認しておきましょう。

  • ドメイン配下に「売切れ」「在庫切れ」などを含むコンテンツや、広告配信の対象外とするコンテンツがある場合
  • 医薬品、医療機器などの商品や医療機関の広告に該当する場合

参考:Yahoo!広告ヘルプ|対象指定時の「ドメイン全体」について

「ドメイン全体」で設定する方法

まずは「ドメイン全体」を選択した場合です。

対象となるウェブサイトを指定します。

ディレクトリの部分は入力できないため、ドメインのみを入力してください。

記入例 設定の可否
yahoo.co.jp
ads.yahoo.co.jp
www.yahoo.co.jp
https://www.yahoo.co.jp/
news.yahoo.co.jp
news.yahoo.co.jp/pickup/

また、トップレベルのドメインで設定した際に、サブドメインがある場合はサブドメインも配信対象となります。そのためもし配信対象から外したい場合は、「ターゲット設定(配信)」「ターゲット設定(除外)」を利用して、配信対象とするページを絞り込みましょう。

「ページフィード」で設定する方法

次に「ページフィード」を指定した場合です。

ページフィードの作成方法

動的検索連動型広告を始める際に、配信対象のURLを指定する3つの方法の内「ページフィード」を選択する場合は、あらかじめ配信対象としたいURLが登録されたページフィードを作成し、管理画面へアップロードする必要があります。

登録するページフィードの中身は以下の2項目のみでいたってシンプルです。

  • ページURL(※必須)
  • カスタムラベル

「ページURL」はターゲットとするウェブページのURLを記載します。こちらは必須です。ここで登録するURLの一覧が動的検索連動型広告の対象となるURLになるため、活用したいページは全て網羅する必要があります。たとえば「https://anagrams.jp 」のように記載してもその下層を配信対象に含むことはありません。

カスタムラベルの使い方

オプションの「カスタムラベル」を利用すると、ページURLをグルーピングしてターゲティング設定することができるようになります。同じ商品カテゴリやサービスなど、特に訴求を変える必要のないページURLには共通なものを記載しておくと便利です。 カスタムラベルは半角のセミコロン(;)で区切るとことで、1つのページURLに対して複数を登録できます。

ターゲットしたい単位でページフィード自体を分けることもできますが、ページフィードは1アカウントにつき60件(※)までです。細かくターゲット設定を分けたい場合は、カスタムラベルを有効に利用しましょう。

※広告表示オプションやアドカスタマイザーの自動挿入リストとの合計でカウント

ページフィード登録時の注意点

また、登録時には以下の2点に注意が必要です。

  • 異なるドメインのページURLを1つのページフィードには含められません。ドメインごとにページフィードの作成が必要です。
  • トラッキング用のパラメータが付与されたURLは、ページURLに設定できません。必要に応じて、アカウント、キャンペーン、広告グループ単位で設定可能なURLオプションを利用しましょう。

参考: Yahoo!広告|トラッキング用パラメータについて

ページフィードの登録

Yahoo!検索広告の当該アカウントをクリックしたら、ツールタブの矢印(▼)をクリックしてプルダウンメニューから「ページフィード」選択をクリックします。または「ツール」タブをクリックし、「ツール一覧」画面で「ページフィード」をクリックします。

「ページフィードを追加」ボタンを押します。

「ページフィードを追加」画面が表示されるので、ページフィード名と 対象にしたいドメインを入力し「作成」ボタンを押します。

ドメイン名は「http://」や「https://」から始まるURLを指定する必要があります。

作成したページフィード名がページフィード一覧に追加されるので、追加したページフィードの「ページフィード管理」ボタンを押し、表示されたメニューから「アップロード」を選択します。

「ページフィードのアップロード」画面が表示されるので、アップロードタイプ「新規登録・置換」を指定し、作成したページフィードをアップロードします。

また、アップロード済みのページフィードにURLの追加や削除をしたい場合は、更新前の差分のデータだけでなく全件含めたファイルを作成しアップロードすることでページフィードを全件更新することができます。

アップロードしたページフィードのURLは全て審査対象になります。審査が完了したURLから順次クロールが行われ、クロールが完了次第広告の配信が可能になります。以上でページフィードの作成は完了です。

ページフィードの設定方法

ページフィードの登録が完了したら、キャンペーン作成の画面で対象の指定方法から「ページフィード」を選び「ページフィードを選択」ボタンをクリックします。

「ページフィードを選択」画面が表示されるので、使用したいページフィードを選択し、「設定」ボタンを押し、ページフィードを紐づけます。ひとつのキャンペーンに対して複数のページフィードを選択して紐付けることができます。

「ドメイン全体とページフィードを併用」で設定する方法

次に「ドメイン全体とページフィードを併用」を指定した場合です。

「ドメイン全体とページフィードを併用」を選択して、ドメインを入力し、ページフィードを設定します。入力するドメインは、ページフィード内のドメインと同一の必要があるため、注意が必要です。

ターゲット設定

次は広告グループで、入札価格や「ターゲット設定」などの項目を設定します。

動的検索連動型のキャンペーンでは、1つの広告グループに対して最低でも「ターゲット設定」を1つ設定する必要があります。そのため、仮にキャンペーン作成時にURLの指定方法として「ドメイン全体」を選択した場合でも、広告グループ単位で何らかのターゲット設定を行わない限り広告を配信できませんので、要注意です。

広告グループ作成作成画面の「ターゲット設定(配信)」で「ターゲット設置(配信)を選択」ボタンをクリックします。

ターゲット設定(配信)の画面が表示されるので、ここでターゲティング対象を設定します。

①指定した文字列のカスタムラベルを設定したページを設定する場合

カスタムラベルはページフィード専用の項目です。ページフィードで登録したカスタムラベルに基づいて、ターゲティングの指定と入札価格の設定をできます。

②設定したサイト内の全ページ

キャンペーンレベルで配信対象と指定したURLの中から全ページに対して広告を配信したい場合は、ここで「すべてのウェブページ」を選択しましょう。例えば、「ドメイン全体」を選んだ場合、そのドメインの全てのページに対して広告が出稿可能です。

③設定したサイト内からページを絞り込む場合

ターゲティングをいくつかの条件によって絞り込むこともできます。

指定方法 概要
URL 「/servicesを含む」などのように、URLに特定の文字列を含むページが対象です。
ページURLのタイトル ページのtitleタグ内に特定の語句を含むページが対象です。
ページURLの内容 指定した語句がページ内のコンテンツに含まれると判断したページを対象にできます。
カスタムラベル ページフィード専用の項目です。特定のカスタムラベルに紐づいているURLを指定できます。

絞り込みは同時に複数の条件で設定可能ですが、複数の条件を組み合わせる場合はAND条件となります。

また、カスタムラベルは「等しい」条件のみでしか指定できない点に注意しておきましょう。

④設定したサイト内のURLを個別に指定する

ページフィードまたはドメイン内にある特定のURLを、配信対象として指定します。

例えば、特定のページに対して広告を出し分けたい場合や、細かくURLごとに入札調整を行いたい場合などに活用できます。

また、ひとつの広告グループに対して複数のターゲット設定を行うことも可能です。こちらも複数のターゲット設定を行う場合は、AND条件となりますのでその点を踏まえて設定していきましょう。

ターゲットの除外設定

配信対象外にしたいターゲットがある場合は、キャンペーンまたは広告グループ単位で「ターゲット設定(除外)」から上述と同様の手順で行えます。

たとえば、「ページURLの内容」で「品切れ」のような文字列を除外対象として指定しておくことで、意図しない広告の配信を抑制できる可能性が高まります。(クロールのタイミングや回数など、クロールの詳細は非開示のため、断言はできませんが。)

その他、自動生成される広告タイトルを除き広告を作成すれば設定は完了です。

かんたんDASについて

通常の手順で動的検索連動型広告のキャンペーンを作成する方法のほかに、もう1つ「かんたんDAS」で作成する方法があります。

「かんたんDAS」では、入力項目を最低限に抑えているため、従来よりもお手軽に動的検索連動型広告キャンペーンを配信開始することができます。一方で、かんたんDASは、入力項目が少なくキャンペーン作成簡単になった分、初期設定の段階で細かくチューニングできる要素が限られています。

また、配信対象にしたいURLを一つ一つ手動で追加する必要があるため、ページ数が多く大規模で動的検索連動型広告を配信したい場合よりは、動的検索連動型広告をとりあえずスモールスタートで試したい場合に向いています。

※かんたんDASはあくまでも最初の作成フローを簡略化したものであって、作成後に「通常の」動的検索連動型広告キャンペーンと同じ設定を追加することも可能です。

動的検索連動型広告のレポート

動的検索連動型広告の配信実績はパフォーマンスレポートの「検索クエリーレポート(動的検索連動型広告)」と「ページフィードターゲティングレポート」で確認することができます。

検索クエリーレポート

「検索クエリーレポート(動的検索連動型広告)」では、動的検索連動型広告が配信された際の検索語句を確認することができます。また、その際に自動的に生成された広告タイトルや最終リンク先URL別の実績も確認可能です。

レポート作成画面より、「検索クエリーレポート(動的検索連動型広告)」を選択します。

必要な表示項目を選択し、作成します。

もし意図しないタイトルや広告表示、パフォーマンスの低下の要因となる検索語句があった場合は、その原因を探り、場合によっては除外キーワードとして登録をおこないましょう。

なお、現時点ではターゲット設定ごとに検索語句を確認することはできないため、必要があれば検索語句を確認したい単位で広告グループを分割しておくと分析がスムーズに行えます。もちろん、優位性の有無の判断や自動化を見据えた上では一定のデータボリュームが重要になるため、コントロールすべきところとシステムに任せる部分とを、個別の事象に照らし合わせてキャンペーンを構成することをおすすめします。

ページフィードターゲティングレポート

ページフィードを用いてターゲティング設定を行った場合、「ページフィードターゲティングレポート」で、動的検索連動型広告が配信された際のターゲット設定別のレポートを確認できます。

レポート作成画面より、「ページフィードターゲティングレポート」を選択します。

必要な表示項目を選択し、作成します。

もしパフォーマンスが良くないターゲティングがあれば、検索クエリーレポートをあわせてターゲティングの対象となっているURLやそれに基づく検索語句や自動生成されている広告文をチェックしてみるのがよさそうです。

最後に

冒頭でもお話ししたように、ユーザーの検索では新規検索語句が生まれているため、そのすべてを想定して1つ1つキーワードとして入稿してカバーしていくことは難しいですよね。

そのようなときに、既に設定されているキャンペーンのキーワードを補完するような形で、動的検索連動型広告を活用していくと良いと思います。常に変化するユーザーの多様なニーズに対して、動的検索連動型広告などテクノロジーを活用することで、ユーザーの検索語句を網羅的にカバーし、より検索にあったコンテンツをを届けられることが大きな利点だと考えています。

扱っている商材によっては(例えば、広告対象となる商品が多い場合など)、動的検索連動型広告キャンペーンが主力になっているケースも決して珍しくないので、試したことがない広告運用者に是非一度検討して欲しいプロダクトの一つです。

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