Yahoo!ディスプレイ広告、最適化スコアと最適化提案を提供開始

Yahoo!ディスプレイ広告、最適化スコアと最適化提案を提供開始
この記事は最終更新日から約1年が経過しています。

2022年8月30日(火)、Yahoo! ディスプレイ広告に「最適化スコア」が表示されるようになりました。あわせて、最適化スコアにもとづく運用改善のための提案機能「最適化提案」の提供も開始されています。

参考:【ディスプレイ広告(運用型)】最適化スコア提供開始のお知らせ – Yahoo!広告

「最適化スコア」と「最適化提案」を利用すれば、広告アカウントの問題点をすばやく特定でき、広告運用を最適化するためのヒントを得られます。

今回は、Yahoo!ディスプレイ広告の「最適化スコア」と「最適化提案」の概要と使い方を紹介します。


最適化スコアとは?

「最適化スコア」とは、目標コンバージョン単価やクリック数の最大化などの自動入札を使用したキャンペーンが、どの程度Yahoo!が推奨する設定になっているかを示すスコアです。最適化スコアは0%から100%まで表示され、改善幅が大きいほど、スコアの数値が低くなります。スコアは前日時点での実績や設定内容をもとに算出され、日次で更新されます。

最適化提案とは?

「最適化提案」とは、広告運用の効率化や広告の配信機会の最大化にもとづく運用改善の提案をしてくれる機能です。最適化スコアの下に一覧で表示されます。

Yahoo!検索広告ではすでに提供を開始していた機能であるため、ご存知の方も多いですよね。

最適化提案の種類

2022年9月現在、提案の種類は16個です。提案内容を見るだけでは具体的にどういった効果が見込めるのかがわからないですよね。

そこで、最適化提案ごとに見込まれる広告効果と、主なアクションを表にまとめてみました。

最適化提案内容見込まれる広告効果主な対応アクション
1日の予算上限に達したキャンペーン過去3日間、1日の予算上限に達したキャンペーンに対して予算の引き上げを提案・広告の配信機会の増加「1日の予算」の引き上げ

※他には、入札単価の調整やターゲティングの見直しも
インプレッションシェア損失率(予算)が大きいキャンペーン過去7日間の「インプレッションシェア損失率(予算)」が25%以上のキャンペーンに対して推奨予算を提案・「インプレッションシェア損失率(予算)」が下がる
・広告の配信機会の増加
推奨予算額を確認して「1日の予算」を引き上げる
1日の予算が5,000円未満のキャンペーン「1日の予算」が5,000円未満だと自動入札の最適化が上手く機能しないため、予算の引き上げを提案・自動入札の最適化
・広告の配信機会の増加
「1日の予算」を5,000円以上に引き上げる
自動入札(コンバージョン単価の目標値)ご利用のすすめ手動入札を設定、かつ十分なコンバージョンが発生している場合に自動入札(コンバージョン単価の目標値)への設定変更を提案・運用工数の削減や効果的な広告運用
・コンバージョン単価の目標値を維持しながらより多くのコンバージョンを獲得
自動入札(コンバージョン単価の目標値)に設定変更する
キャンペーン目的最大化の自動入札ご利用のすすめ手動入札を設定していて、キャンペーンの目的最大化の自動入札に切り替えることで広告効果が見込める場合に提案・運用工数の削減や効果的な広告運用
・キャンペーンの目的の最大化
次のいずれかの自動入札に設定変更する

・コンバージョン数の最大化
・クリック数の最大化
・動画再生数の最大化
ターゲティング設定が重複している広告グループターゲティング設定が重複している広告グループに対して設定の見直しを提案・広告運用の最適化ターゲットの重複を見直す
ターゲットを絞り込みすぎているキャンペーンターゲットの絞り込みにより、直近1週間の配信実績が低くなっている場合に広告の配信対象を広げることを提案・広告が表示される
・入札価格が下がる
ターゲティング範囲を広げる
追加を推奨するサーチキーワード設定済みのサーチキーワードリストと関連性が高い広告効果が見込まれるサーチキーワードを提案・広告効果の改善サーチキーワードの追加
配信可能時間が6時間未満の曜日があるキャンペーン配信可能な時間が6時間未満の曜日があるキ場合に広告配信の時間帯を拡げることを提案・予算配分が正常に行われる配信可能な時間帯を拡げる
入稿を推奨する画像サイズがある広告グループ広告配信の機会が多い画像サイズや広告タイプが設定されていない場合に推奨の画像サイズと広告タイプの広告作成を提案・広告の配信機会の増加
・広告運用の最適化
推奨の画像サイズ、または広告タイプを追加する
画像・動画の更新を推奨する広告画像や動画の更新が過去2カ月以上ない、かつ「ビューアブルクリック率」が減少しているクリエイティブの見直しを提案・広告効果の改善クリエイティブの画像や動画を更新する
特定の広告タイプと画像サイズを組み合わせた広告が3~5つ以外の広告グループ特定の広告タイプと画像サイズを組み合わせた広告が不足している場合は追加、超過している場合は配信設定をオフにすることを提案・広告運用の最適化不足の場合:推奨の広告タイプと画像サイズを組み合わせた広告を追加する

超過の場合:広告の配信設定をオフに変更する
コンバージョン数が少ないキャンペーンコンバージョン数が増加するように設定の見直しを提案・コンバージョン数の増加
・広告運用の最適化
自動入札の利用や入札価格の変更など、設定を変更する
クリック数が少ないキャンペーンクリック数が増加するように設定の見直しを提案・クリック数の増加
・広告運用の最適化
自動入札の利用や広告の画像や広告文の変更などの設定変更を行う
動画再生数が少ないキャンペーン動画再生数が増加するように設定の見直しを提案・動画再生数の増加
・広告運用の最適化
告の配信対象の見直しや広告の画像や広告文などの設定を変更する
最終リンク先URL形式への変換が必要な配信中のキャンペーン配信設定がオンで、リンク先URL形式を使用した広告が設定されているキャンペーンに対して最終リンク先URL形式への変換を提案・リンク先URL形式から最終リンク先URL形式への広告の変換漏れを防ぐ広告を最終リンク先URL形式に変換する

参考:Yahoo!ディスプレイ広告、最終リンク先URL形式への変換機能を提供開始

参考:最適化提案について – Yahoo!広告ヘルプ

最適化スコアと最適化提案の表示方法

「最適化スコア」はアカウント単位とキャンペーン単位、「最適化提案」はアカウント単位で表示できます。

アカウント単位で表示する方法

アカウント単位で表示すると、「最適化スコア」と「最適化提案」が確認できます。

広告管理画面を開き、すべてのキャンペーンが選択されている状態でメニューより「最適化提案」をクリックで表示できます。

「最適化スコア」でアカウントの状況を確認した後、すぐに「最適化提案」から運用改善が可能です。

キャンペーン単位で表示する方法

次に、キャンペーン一覧画面に「最適化スコア」を表示する方法を紹介します。

コンバージョン数などの指標(表示項目)と「最適化スコア」を照らし合わせて確認ができるため、アカウント分析をする際に活用できます。

①キャンペーンタブをクリックします。

②「表示項目」をクリックして開いたプルダウン内「表示項目を編集」を選択します。

③「最適化スコア」のチェックボックスにチェックを入れて「適用」をクリックします。

キャンペーン一覧画面に「最適化スコア」が追加されました。

最適化提案の活用方法

最適化スコアにもとづく運用改善のための提案機能「最適化提案」の活用方法をご紹介します。

各最適化提案の右側に表示される「スコア上昇推測値」は、提案の適用後にスコアがどの程度上昇するのかを数値化したものです。改善幅が大きい場合に表示されます。

スコア上昇推測値はあくまでも目安の数値ではありますが、優先的な対応が必要な最適化提案の見極めに活用できそうですね。

提案の詳細は、各最適化提案をクリックすると表示できます。今回は例として、「入稿を推奨する画像サイズがある広告グループ」を使って解説します。

「入稿を推奨する画像サイズがある広告グループ」では、レスポンシブ広告の推奨画像サイズや広告タイプのうち、まだ入稿されていない画像サイズと広告タイプを広告グループごとに提案をしてくれます。

レスポンシブ広告は、掲載面に合わせて自動でサイズやレイアウトを調整してくれる広告です。推奨サイズの画像や広告タイプがないということは、その画像サイズの広告が表示されるはずだったページに広告が表示されていない、つまりは広告配信の機会を損失している可能性があります。

たとえば、広告グループ「01_サイトリターゲティング」では、300×300(1:1)ピクセルの画像がないことを表しています。

「広告を作成」をクリックすれば、広告の設定画面に遷移するなど、すぐに設定変更が可能なため、提案の確認からアクションまでがスムーズに行えます。

最適化スコアと最適化提案、活用上の注意点

最適化スコアと最適化提案は、運用改善の効率化に役立つ便利な機能です。しかし、活用するうえでいくつか注意したい点があります。

最適化スコアは100%を目指さなくてもよい

最適化スコアは、あくまでもYahoo!広告における推奨運用への適合率を数値化したものであり、広告効果の向上を保証するものではありません。そのため、最適化スコアを100%にすることが、必ずしも広告運用の効果改善につながるとは限らないので注意しましょう。

最適化提案についても同様です。最適化提案が、広告主の広告運用方針にそぐわないケースもあると思います。あくまで効率よく運用するため参考とし、実際に提案を設定に活かすか否かは広告運用者がしっかり判断していきたいですね。

最適化スコアは広告運用の状況によっては表示されない

最適化スコアと最適化提案は、広告アカウントの運用状況に応じて毎日更新されるため、広告アカウントの状況によっては表示されない場合もあります。

まとめ

すべての最適化提案を鵜呑みにする必要はありませんが、最適化スコアと最適化提案を上手く活用すれば、広告アカウントの問題点をすばやく特定でき、広告運用を最適化するためのヒントを得ることができるため、運用改善の効率化に役立てることができます。

さらには最適化提案は適用して終わりではなく、適用後に思い通りの効果が出ているのかを継続的に確認・調整していくことで、より成果につながる広告運用を目指していきたいですね。

関連記事

YDNからYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型、YDA)への変更手順
YDNからYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型、YDA)への変更手順
続きを見る
Yahoo!広告、2022年の主要アップデートまとめ
Yahoo!広告、2022年の主要アップデートまとめ
続きを見る
広告運用者のつよい味方、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)向けキャンペーンエディターの使い方
広告運用者のつよい味方、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)向けキャンペーンエディターの使い方
続きを見る