Yahoo!、動的検索連動型広告に「ドメイン全体」を指定できる機能を試験提供

Yahoo!、動的検索連動型広告に「ドメイン全体」を指定できる機能を試験提供
この記事は最終更新日から約1年が経過しています。

※2020年10月20日より正式提供
【検索広告】動的検索連動型広告「ドメイン全体」指定の正式提供について - Yahoo!広告

Yahoo!広告の動的検索連動型広告は、あらかじめ指定したサイトのコンテンツと関連性の高い検索キーワードが自動的に選定され、広告タイトルをコンテンツから自動的に生成して配信することができます。

キーワードの入稿や広告タイトルの作成が不要であるため、多品目のECサイトや不動産・求人・旅行のポータルサイトなど、サイトのコンテンツが豊富で広告を表示させたい検索語句が膨大なサービスでは必須ともいえる配信方法です。

2020年4月14日に、動的検索連動型広告のページ指定の方法として、新たに「ドメイン全体」と「ドメイン全体とページフィードの併用」の試験提供が開始されました。

本記事では新機能の説明と設定方法、また注意点について解説をしていきます。

参考:【検索広告】動的検索連動型広告の機能追加について - Yahoo!広告


ドメインでのページ指定が可能に

Yahoo!広告の動的検索連動型広告ではこれまで、配信対象となるウェブページのURLを個別に入力していたページフィードというリストを作成する必要がありました。そのため、作成や更新作業の工数がかかり、配信対象のコンテンツの網羅性が低く、サイトのページ数が多ければ多いほど運用負荷が高まる傾向があります。

今回の新機能では、キャンペーンにウェブサイトのドメインを指定することで、ドメイン配下の全てのページを配信対象に設定できるようになりました。

リストの作成が不要になったことで、特に情報量の膨大なウェブサイトを配信の対象としているケースでは、広告入稿の工数を大幅に削減できます。これまで作業工数がネックで動的検索連動型広告を導入できていなかった方にとっては、とても有効な機能ではないでしょうか。

また、ページ指定の方法は「ドメイン全体」に加えて「ドメイン全体とページフィード併用」も選択が可能です。ドメイン全体を対象にしながらも特定のウェブページを指定することで、より細かな調整が可能になります。

設定方法

実際の広告管理ツールの画面をもとに、設定方法を説明していきます。

「ドメイン全体」の設定


まずキャンペーン作成画面から、キャンペーンタイプで「動的検索連動型広告キャンペーン」を選択します。既存キャンペーンの設定を変更したい場合は、キャンペーン設定情報から「設定内容を編集」を選択し設定画面へと進めます。

次に対象の指定方法を選択します。デフォルトでは「ページフィード」が設定されているので、「ドメイン全体」を選択しましょう。


ドメインの入力項目が表示されますので、対象とするウェブサイトのドメインを入力します。

入力可能な例: anagrams.jp
入力不可能な例:anagrams.jp/blog

ディレクトリ部分を入力することはできません。

なおドメイン全体を選択時に特定のページを配信対象に指定したい場合は、次の3つの方法があります。

  • URLに特定の文字列を含むページを指定(例:[ /services を含む」)
  • ページのtitleタグ内に特定の語句を含むページを指定
  • 指定した語句がページ内のコンテンツに含まれると判断されたページを指定

たとえば、特定のディレクトリ配下のページのみをターゲットとしたい場合には次のように設定します。

ドメイン欄に「anagrams.jp」を登録し、 広告グループの設定画面「ターゲット設定(配信)」から、URL条件で「”blog”を含む」を指定することで設定が可能です。

「ドメイン全体とページフィード併用」の設定

キャンペーン作成画面からキャンペーンタイプで「ドメイン全体とページフィード併用」を選択します。

すると次にページフィードの設定画面が表示されるので、「ページフィードを選択」をクリックし、対象としたいページフィードを設定します。以降の流れは通常の動的検索連動型広告と同じです。

なお「ドメイン全体とページフィード併用」を利用する場合は、事前にページフィードを作成しておく必要があるのでご注意ください。

参考:Yahoo!スポンサードサーチ、動的検索連動型広告(DAS)のキホンと活用方法

適切でないウェブページが広告配信されないよう注意

ドメイン全体を指定した場合、広告として適切ではないページも配信対象となる恐れがあります。

たとえばECサイトの場合、会社情報やFAQ、配送方法の案内など、商品とは直接関係のないページも広告として配信される可能性があります。他にも、売り切れ・在庫切れの商品ページが広告として配信されてしまうのは避けたいところです。

こうしたページは広告グループの「ターゲット設定(除外)」から除外を行うことで、配信されないように設定ができます。広告配信の対象としたくないページや、品切れなどユーザー体験を損ねる恐れのあるページは、あらかじめ除外するようにしましょう。

なお、サイトの更新や変更、ページの追加などにより除外するべき全てのページを事前には網羅しきれない場合も出てきます。そのためドメイン全体を配信対象とする場合は、配信先URLや検索語句の精査を行うことが特に重要です。

意図しない検索語句やウェブページが広告配信されていないかを定期的に確認し、必要であれば除外設定を行っていくことで、広告の費用対効果を高めることにつながります。

その他、新機能に関する注意点

「ドメイン全体」と「ドメイン全体とページフィードの併用」の機能には、一部制限や注意すべき点があるため、それぞれ解説していきます。

薬機法の対象となる商材や医療機関の広告では利用ができない

以下の商材や医療機関のジャンルでは、今回の「ドメイン指定」「ドメイン全体とページフィードを併用」は利用できません。

  • 医薬品
  • 医療機器
  • 医薬部外品
  • 薬用化粧品
  • 化粧品
  • 健康食品
  • 健康器具

これら商材は、薬機法をはじめ様々な規制を遵守する必要があります。。そのため、広告掲載ガイドラインに違反するコンテンツが配信されるリスクを防ぐために、現時点では対象外としていると考えられます。上記ジャンルで動的検索連動型広告を利用したい場合は、従来の設定である「ページフィード」のみ選択が可能です。

配信されないページが多くなる場合がある

ページ内に広告掲載ガイドラインに抵触する可能性がある語句が含まれる場合、該当のページが広告配信されない場合があります。Yahoo!社によると、試験提供期間中は検索語句のチェックをより厳しく行うため、通常より広告が配信されにくくなるケースがあるそうです。もしガイドラインに抵触していないのに広告が配信されないウェブページが多数ある場合は、従来の「ページフィード」を活用することをおすすめします。

設定は広告管理ツールからのみ可能

「ドメイン全体」「ドメイン全体とページフィードの併用」は現時点だと広告管理ツールでのみ設定が可能です。キャンペーンエディターおよびYahoo!広告 APIからの設定は2020年夏ごろの対応を予定しています(キャンペーンエディターで当該キャンペーン配下の広告作成やターゲット設定を行うことは可能)。

試験提供のため機能変更の可能性がある

「ドメイン指定」「ドメイン全体とページフィードを併用」は、現段階では試験提供の段階です。そのため、今後機能の変更が行われる可能性があります。正式提供は2020年夏ごろの予定とのことです。

最後に

冒頭でも述べたとおり、動的検索連動型広告は、多品目ECやポータルサイトで広告成果を高めるためには欠かせない配信メニューです。しかし、膨大なページ数をページフィードとして作成する手間や、ページフィードだけでは全てのサイト情報を網羅しきれないことなどに悩んでいた運用者も少なくないと思います。

今回の新機能によって、動的検索連動型広告の導入ハードルが大きく下がるはずです。これまで工数の面で導入に踏み切れていなかった方も、ぜひこの機会で活用を始めてみてはいかがでしょうか?

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