運用型広告専門の広告代理店が今話題の「識学」を導入して定着させた3つの事

運用型広告専門の広告代理店が今話題の「識学」を導入して定着させた3つの事
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組織には事業の悩み、人の悩み、お金の悩み、そのほかにも様々な悩みがあり、数えだしたら枚挙にいとまがありません。なんなら、ちょっと悩んでいる事こそが正常の証だったりもします。満足している状態なのであればもの凄い鈍感か、成長が止まっている証です。

パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る――。

これはインテルを世界的な企業に育て上げたアンドリュー・グローブ氏のモットーです。どんな状態であっても油断もせずに慢心もしない。つまり、「恐怖の力」は生きながらえる上で不可欠であり、政治哲学者のトマス・ホッブズの語る自然状態と変わらず、「臆病であること」が生き残るための条件だと言えるのかもしれません。

そんな悩みの多い中、さまざまな企業で非常に多くの時間を割いてしまうのがやはり人の悩み、しいては組織の悩みです。その種類は数えきれないほどにありますが、大抵のケースでは同じような解決方法に集約されるケースが多いですし、識学で解決できることも多いです。

何を隠そう、私も悩める一人でした。もう2年以上も前になりますが、そこで出会ったのが昨今大手企業のみならず、スタートアップ界隈で話題の識学です。識学自体は非常に素晴らしい学問であると同時に、一つの方向性のマネジメント論の解を持っています。

識学の成功事例のインタビューに出てからというもの、個別で相談を受けることが多いのでもっとも多い相談箇所と私が識学を学んだ中でこれは絶対に今後も守っていこうと固く心に誓っている箇所を一部紹介します。

期限を曖昧にしない

どんな仕事でもタスクを振る場合に限らず、お願いごとをする場合など、さまざまなケースで期限を設定する、または期限を設定されるケースがあります。そんな時、「明日までに」、「今週中に」などと期限を設定していませんか?そして、こういったふわっとした期限の設定でイライラしたり、ストレスを感じたことはありませんか?「今週中って、金曜日の何時ころだろ。もしや土曜を指してはいないよね?」などといった思考ははっきりいって無駄です。識学では期限を明確に設定することを社内の「姿勢のルール(※1)」として設定しています。

「明日までに」は「明日の15時までに」、 「今週中に」 は「今週の金曜の16時までに」といった形で双方に誤解のない状態の期限設定することで、タスクを受ける側、依頼する側双方のストレス、いら立ちを未然に防ぐことが出来ます。

納期を曖昧にすることが許される一部例外があるとすれば、第三者の意見や行動を必要とするもの、つまり弁護士やコンサルタントなど専門家などからの回答が必要となるものや、予測不能な未来の変数が入っているものだけです。

納期を曖昧にして良いことは一つもありません。また、これらは納期を曖昧にする本人だけの責任ではなく、それを受け入れた側にも大きな責任があり、同罪です。

(※1)姿勢のルールとは、能力に関係なく、やろうと思えば誰でもできる事柄を指し、その組織に所属する者は必ず守らなければいけない事柄

自分主体の言葉を使わない

ビジネスを推し進める上で、さまざまな事象に遭遇しますが、「自分主体の言葉」と見受けられるフレーズを無意識に使ってはいませんか?

  • 普通は…
  • 一般的には…
  • 当たり前…
  • 俺だったら…

これらはビジネス上で利用してしまうと多くの誤解や誤認識を発生させてしまう、いわば使ってはいけないフレーズの代表例です。よく使うであろう代表の言葉、「普通」を取り上げましょう。

普通とは一体何でしょう?普通の定義は個々人がそれぞれの人生の中で生まれてからこれまでに得てきた知識や経験値に依存した物差しです。そのため、普通と伝えたとしても、普通の定義は個々人の解釈に委ねられてしまいます。となると、「普通だったらこうだよね」「普通だったらこのくらいのクオリティで仕事をするよね」「普通はこういうとき残業するよね」といったことが万人に思った通りに受け取られると思うほうが誤りです。

そのため、 「自分主体の言葉」 を使わず、双方に誤認識のない言葉をしっかりと使い、伝えることが重要と言えます。

経過に口出ししない

「がんばっている」「工夫している」、人はそれらで評価しがちです。しかし、 これらは個人の感情であり、ただの錯覚にすぎません。 経過は経過のみによって評価されることはありません。経過は成果の良し悪しによって評価されるべきであり、成果が悪かったにも関わらず、その経過が評価されることはありません。それ故、原則として経過に口出しするのはナンセンスなのです。

尚、当然ですがスタートから成果までの間、すべてをスルーするという話では当然ありません。それはマネジメントの放棄です。成果をあげ、価値を生み、対価を頂くのがビジネスですから、成果をあげれるように教育し、導くのがマネジメントサイドの役割です。その為に明確な結果点を設け、クオリティや期限の管理をすることが大事といえます。

まとめ

ここで記載した3つの要素は 識学の中でもかなりの基礎編のほんの一部を抜粋したものであり、識学のすべてを表しているわけでは決してありません。しかし、どれもとても大事なことですよね。

勿論、中には「こんなこと当然だ!」と感じる優秀な方もいらっしゃるのでしょうが、これらにより、これまで、何となく、や、曖昧にされていた部分が解消され、少なくても私は救われました。それを機に、アナグラムではチームリーダーになる際には全員が必ず受けていただく教育プログラムに指定されています。

※2018.10月時点でおおよそ20名以上が受講者となるため、総従業員の1/3以上が受講者となります。

また、「 識学自体は非常に素晴らしい学問であると同時に、一つの方向性のマネジメント論の解を持っている」と前述した通り、私は識学を「一つの方向性のマネジメント論の解」と捉えており、組織やビジネスにより多少の柔軟性を持ったほうがよりフィットする場合もあるかもしれません。実際にアナグラムでは独自の運用を行っていますが、それはまたの機会にでも。

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