Webマーケティング・運用型広告のターゲティングやペルソナの参考になる統計資料サイトまとめ

Webマーケティング・運用型広告のターゲティングやペルソナの参考になる統計資料サイトまとめ
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私たちマーケティング活動に従事する者は、しばしば過去の統計やデータを根拠にして施策を実施すること、クライアントに提案をすることがあります。アナグラムに所属する現場のマーケターはどんなサイトを見ているのか?ということを本記事で紹介します。

※2016年3月15日追記
統計:経済・産業・法人系の項目に「出店戦略情報局」を追加しました


マーケターにとっては、統計が仮説立ての一助になれば十分

統計とは、「(人・物・出来事の)ある集団について、その特性を数量的に測って得られる数値」です。統計資料を作ることを仕事にしている方は、それこそ信頼性・妥当性があり有意で100%に限りなく近しい正確なデータの収集・整理・開示が求められます。

一方で我々のようないわゆるマーケター、統計資料を使う・利用する側の人間はそれが意思決定の一助になればいいので、必ずしも100%正確な数字を把握し取り扱う必要はないでしょう。少なくとも私自身は仮説がズレていないかを確認するため、仮説の精度を上げるための一手段であればいいと思っています。

下記に紹介する中から、皆さんが使いやすいサイトやおもしろいサイトをいくつか見つける手助けができれば幸いです。ではいきましょう。

統計:官公庁のサイト

最初は総務省運営の統計サイトからご紹介します。

総務省統計局

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「分野別に探す」というタブがあり、下記の大別された区分からデータを探すことができます。

  1. 人口・世帯
  2. 住宅・土地
  3. 家計
  4. 物価
  5. 労働
  6. 文化・科学技術
  7. 企業活動・経済
  8. 産業関連表
  9. 地域

分野別一覧ページ:http://www.stat.go.jp/data/guide/1.htm

RESAS(リーサス) - 地域経済分析システム

RESAS

提供は経済産業省、平成27年4月にスタートした統計サイトです。様々な統計をグラフや色付けにより視覚的に閲覧できるように整備されています。特定条件における数字の統計データだけを早く調べたいときは不向きですが、地域ごとに、ざっくりと分析テーマがあり各指標を比較したい場合などに重宝しそうです。

おもに下記7大項目から構成されています。

  • 産業マップ
  • 地域経済循環マップ
  • 農林水産業マップ
  • 観光マップ
  • 人口マップ
  • 消費マップ
  • 自治体比較マップ

※平成28年3月25日(金)の<第Ⅱ期3次リリース>により、中小・小規模企業財務比較、事業所立地動向、水産業、外国人入出国空港、外国人移動相関、地域少子化・働き方指標、消費に関するデータが追加されました。

統計:広告媒体社公式サイト

Webマーケティング業界の中でも、SEOや運用型広告に従事する方であればすでに見たことがあるサイトが並んでいると思いますが、念のためご紹介します。

公式ラーニングポータル 「検索トレンド」- Yahoo!プロモーション広告

検索のトレンドなどの把握に重宝。3か月後に検索数が急増するキーワードのリストがPDFで手に入るので便利ですね。

Googleトレンド

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こちらも検索のトレンド把握に重宝します。前述のYahoo!公式サイトと違うのは、任意のキーワード・任意の地域・期間を設定しトレンドを抽出できる点です。配信の強弱や大まかな予算取り(試算)の目安に使うことが多いです。

例:該当市場におけるビッグワードをいくつか調べ、検索数の増減で年間予算の月次割り振りを決める参考にする。

直近のホットトピック・キーワードも知ることができます。

※注意:Google トレンドにおけるデータは「実数から算出された相対値」から成り立ったデータになり、さらにその中では大きく3つの要素を反映した相対値をトレンドとして表示させています。詳しい数字の読み方などは、下記記事を参考にご覧ください。

参考:Google トレンドとデータ正規化のお話 | SEM Insight

統計:経済・産業・法人系

経済、産業、法人のデータを取扱うサイトをまとめています。主にto B向けのペルソナ策定・マーケティングや、市場大枠の流れをつかむ際に便利です。

市場規模マップ市場規模トレンド

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業種ごとの年間市場規模、前年比成長率などを視覚的に見ることができます。

出典:ビジュアライジング・インフォ | 俯瞰する可視化サイト

矢野経済研究所

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経済系データの宝庫。特定の市場規模推移などを踏み込んだ視点で勉強したいときに参考になるサイトです。調査機関なので考察コメントも充実しています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング

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経済の見通し、世界・国内の大きな動きを捉える際に手助けになるサイト。

東京商工リサーチ

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大型倒産情報など。

下記から、法人関連の統計調査データの閲覧が可能です。

参考:2016年 (データを読む) : 東京商工リサーチ

帝国データバンク

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東京商工リサーチと近いポジションで、倒産情報・景気動向調査・マクロ経済見通し・業界動向などデータを蓄積。有料で非上場であっても調査対象企業のアウトライン・業績・財務調査なども可能です。

出店戦略情報局

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出店戦略情報局は本来は、出店をしているかこれから出店を計画している企業のための情報提供サイトです。

大きくは全国駅データベース・インターチェンジ情報・ショッピングセンターマップと3つに分けた構成で、指定の駅やショッピングセンターから500km圏内・1km圏内・2km圏内の人口統計情報や、事業所・駅の平均地価・飲食店数・学生数など様々なデータが詳細に掲載されています。

統計:家計・ライフスタイル系

ここからは、主にBtoC向けで実際のペルソナ策定やマーケティングの参考になりそうなデータを蓄積しています。

生活定点 – 博報堂生活総合研究所

※約1,400項目掲載中(2021年8月現在)

生活総研ONLINEもどうぞ

レポセン

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それぞれのデータが非常に詳細まで踏み込んであり、数字だけでなく「実際に被験者が回答した意見」「考察コメント」が多くの調査項目でしっかりとしている。

※ 2,301件項目掲載中(2016年1月現在)

都道府県別統計とランキングで見る県民性

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あらゆる要素を都道府県別に分解し、ランキング化しているサイトです。正の相関が見られるランキング要素、負の相関が見られるランキングも掲載されておりデータからペルソナを想像するのが楽しくなるウェブサイト。「都道府県別 甲子園通算勝利数」といったマニアックなものまで掲載されています。

※9313ランキング掲載中(2016年1月現在)

個人的にはイチオシのサイト。見ていて飽きないです。

都道府県格付研究所

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都道府県別のデータ探しであればこちらも丁寧に整理されていて見やすいです。掲載ランキング数も前述のサイトよりも多く、1,500以上のデータを掲載中。

※1,517ランキング掲載中(2016年1月現在)

その他:手元にあると便利かもしれない書籍

日本国勢図会(矢野恒太記念会)データでみる県勢 2016年版(矢野恒太記念会)

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どちらも3,000円程度で販売されており、Amazonで購入できます。目的なく大量のデータを眺めたいときなど、Webで探すよりもこういった書籍を使ったほうが効率的なシーンもあると思います。

データを使う上での注意点

上記で紹介したウェブサイト・書籍には非常におもしろいデータがたくさん掲載されています。すべてのデータが最新・正しいわけではありませんので、下記などをご自身の責任により確認いただき、まずは各種データを判断材料に用いることが適切かどうかを判断することが重要です。

  • いつ調査されたデータなのか(新鮮度)
  • 調査がどのように実施されたのか、実施者は誰か(妥当性・信頼度)
  • 調査対象の母数は十分か(信憑度)

最後にひとこと

Webマーケティング・運用型広告の仕事をしていると、どうしても競合他社や広告媒体の管理画面に目線が向きがちです。意識的にユーザー(お客様)の方向を向いて広告コピーを考えることはとても重要ですし、一方で該当する業界・産業全体・国内経済の状況など、大きな視点も持ち合わせながら仕事に打ち込んでいきたいものです。

僕はランチ後など、眠くなってしまってどうしてもタスクが手につかないときなどはこういう資料を眺めて新たな発見を探しにいくということにしています。ご興味ある方は、ランチ後の少し眠い時間帯に上記に紹介したウェブサイトを眺めてみてはいかがでしょうか。

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