コロナ禍で働き方や暮らし方が大きく変わり消費行動もそれに伴って大きく変わっています。今年の上半期に前年比比較で一番売れたものは何だったのかを調べたところ、「オートミール」が245%UPの売上幅だったそうです。
参考:行動変化が影響 「2022年、上半期売れたものランキング」|市場調査ならインテージ
運動不足になりがちな環境により健康志向が高まり、在宅ワーカーや外出がしにくい世の中だったので保存も効き、手早く食べられる商品が好まれたのではないかとも考えられます。
何が売れるのかも重要ですが、もっと重要なのは「なぜ」その商品が売れたのかだと思います。世の中の変化に対して常に「連想ゲーム」で起こりうる結果を仮説とともに考えられると、広告運用の解像度も上がるようになってくるかもしれませんね。
Google 広告の注目アップデート
Googleは8月にタグの名称変更など細かなアップデートが行われています。つい言い慣れている言葉を使ってしまいがちですが、クライアントへの説明時など正しい名称で説明できるようになると良いですね。
加えてファインド広告のアップデートやポリシーの更新もありましたので合わせてご確認ください。
ローカル キャンペーンの P-MAXキャンペーン へのセルフアップグレードツールがリリース
P-MAXキャンペーンへの自動アップグレードがGoogleより告知されたのが記憶に新しいですが、7 月から 9 月にかけて、スマート ショッピング キャンペーンが自動的にアップグレードされており、ローカル キャンペーンは、8 月から 9 月にかけて自動的にアップグレードされます。
また、ローカル キャンペーン向けのセルフ アップグレード ツールが 8 月から 9 月にかけて段階的にリリースされています。セルフアップグレードツールを利用しなかったキャンペーンは自動アップグレードが行われる数週間前に通知が届きますので、その場合は自動アップグレードに備えておきましょう。
ただし、キャンペーンがセルフ アップグレード ツールの対象外で、自動アップグレードに関する通知が届かない場合、ローカル キャンペーンは 2023 年まで P-MAX にアップグレードされません。
キャンペーンがセルフ アップグレード ツールの対象で、9 月末までに自動アップグレードが行われなかった場合は、2023 年に自動アップグレードが再開されるまでセルフ アップグレード ツールを引き続きご利用いただけます。
こちらは年末商戦に不必要な混乱を起こさないためGoogleが配慮したスケジュールとなっております。
アップグレードを行うと既存のキャンペーンは削除済みのステータスとなり、新規にローカルキャンペーンも作成ができなくなるので、及び腰となってしまうかもしれませんがP-MAXキャンペーンが今後スタンダードになっていくことを考えると、新しい環境でどのように成果を出していくかを考えていくことが重要になってくるのではないかと思います。
参考:Reminder: Upgrade your Local campaigns to Performance Max - Google Ads Help
ファインド広告で動画広告のテストが開始など
新しい広告体験への取り組みとして、Google Discover面への動画広告配信のテストが開始されています。筆者も既にDiscover面で確認したので、見たという方も多いのでは無いでしょうか。
画像引用元:Engage your audience in every season with Discovery ads - Google Ads Help
また、小売業やEC事業者向けにストーリー仕立ての広告レイアウトもアップデートされるようです。見た目が変わることでクリック率や成果にも良い影響があるでしょう。また、Gmailでの配信面では商品の画像や価格などの情報をより豊富に掲載することで、広告で伝えられるメッセージをよりわかりやすく、見やすく伝えられるよう改善するようです。
年末まであと4ヶ月ほどですが、年末商戦でより効果的に広告運用するために今からファインド広告を実施してみるのも良いかもしれません。
リンク先の要件に関するポリシーの更新
対象のアカウントには既にメールが届いていると思いますが、Googleがユーザーの広告体験を損なわないようにリンク先の要件を10月に変更する予定です。
参考:リンク先の要件に関するポリシーの更新について(2022 年 8 月) - Google 広告ポリシー ヘルプ
Coalition for Better Ads の Better Ads Standards に記載されている基準に即していないリンク先に関しては、10月のポリシー変更以降広告のリンク先は不承認となり、利用ができなくなります。
対象の広告がある場合はWebMasterToolの広告に関する問題レポート経由で通知されますので、管理しているサイトにて対象のページがあるかどうか確認が可能です。現時点で不承認のステータスになっていないけれどもメールが届いている、というサイトもあるようなので、ステータスの更新を待つもしくは該当しうるWebページを Better Ads Standards の事例と合わせて確認して修正が必要かどうか備えておく必要があるでしょう。
Googleのグローバルサイトタグが「Google タグ」に
グローバル サイトタグ(gtag.js)は Google タグになりました。現時点では大きな変更は無く名称が変わっただけのようですが、現在 Google タグにアクセスして設定できるのは、Google 広告と Google アナリティクス 4 からのみとなっています。
今回の変更に伴い既に設定しているタグを変更しなければいけないということはなく、「gtag.js」を既に導入済みであればその設定のままで計測に問題はありません。
参考:Google タグについて - タグ マネージャー ヘルプ
Yahoo!広告の注目アップデート
Yahoo!広告では細かなアップデートも多いですが、注目すべき内容もいくつかありますので、是非ご確認を!
特に広告掲載位置の変更はクリック率やインプレッション数に関連するので非常に重要かなと思います。
【YDA】広告掲載位置の最適化テスト(スマートフォン版 Yahoo! JAPANトップページ)
スマートフォン版 Yahoo! JAPANトップページにて広告の掲載位置が一時的にテストされています。全体的に広告の掲載位置が3段ほど上部に表示されることでクリック率などにどのような変化があるのかを確認し、良い結果であれば本導入となる可能性が高いです。
9月5日より導入されておりますので、予算の推移やクリック率・掲載されている広告の傾向の変化などを確認するのが良いでしょう。
【YDA】最適化スコア提供開始
アカウント全体、および各キャンペーンにおいて、最適化スコアの提供が開始されています。
Google 広告でも同様のサービスが提供されているので、イメージし易いのではないかと思いますが、Yahoo! 広告での最適化スコアは少しGoogle 広告のものとは違っていて「自動入札がどの程度最適な運用になっているかを評価するスコア」となっています。
自動入札を利用しているアカウントでどの程度活用できているのかどうかを判断する指標として活用できますので、是非ご自身で運用されているアカウントの数値をご確認ください。
確認方法は、画像にあるように最適化提案のタブ、もしくはキャンペーン一覧にて表示項目から「最適化スコア」を表示することで確認できます。
ただし、表示される最適化スコアはあくまで推奨される運用に基づいたスコア判定となっていますので、最適化スコアが非常に高いので良いパフォーマンスで配信ができるというわけではない点には注意です。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】最適化スコア提供開始のお知らせ
【検索広告】広告表示オプションの配信優先度の仕様変更
以下3種の広告表示オプションにおいて、配信優先度が変更になります。
- クイックリンクオプション
- テキスト補足オプション
- カテゴリ補足オプション
変更点は以下のとおりです。
- 変更前(現状)
- 広告グループに関連付けた広告表示オプションを優先して配信
- 変更後
- 関連付けた階層にかかわらず、ユーザーの検索意図により適した広告表示オプションを優先して配信
この変更により、キャンペーンに紐付けされている広告表示オプションにおいても、ユーザーの検索意図に適していれば表示される可能性があります。
適用日時は2022年10月7日(金)より順次変更とのことですので、現在広告グループに広告表示オプションを関連付け、キャンペーンにも紐つけている場合はキャンペーンに紐つけている表示オプションの情報が表示されても問題がないか確認しておきましょう。
参考:【検索広告】広告表示オプションの配信優先度の仕様変更について - Yahoo!広告
Yahoo! 広告へのログイン方法が変更に
2023年3月8日(水)を目処にログイン方法が変更となります。
これまで広告管理画面にはYahoo! JAPANビジネスIDでログインしておりましたが、今後はビジネスIDとYahoo! JAPAN IDの連携を行わないとログインができなくなります。
- 変更前
- Yahoo! JAPANビジネスID(以下、ビジネスIDと表記)とパスワードでログイン
- 変更後
- ビジネスIDとYahoo! JAPAN IDを連携した上で、Yahoo! JAPAN IDでログイン(以下、ID連携と表記)
Yahoo! JAPAN IDには日本国内で有効な電話番号が必要となりますが、持っていない場合には利用中のビジネスIDに設定したメールアドレスを用いて、Yahoo! JAPAN IDの登録も可能なようです。
既に新規発行のアカウントに関しては、Yahoo! JAPAN IDとの連携が必須になっている点も注意しましょう。
参考:Yahoo!広告へのログイン方法変更について
参考:メールアドレスを用いてYahoo! JAPAN IDを登録する - ヘルプ - Yahoo!広告
LINE広告の注目アップデート
LINE広告ではアプリ向けの購入イベント最適化機能がリリースされています。
アプリ内で決済や購入などの行動を行うアプリの広告配信を行っている場合は導入を検討してみても良いのではないでしょうか。
アプリ購入イベントの最適化機能(β版)リリース
アプリのエンゲージメント目的キャンペーン配下で「購入イベントの最大化を目的に自動で設定」が利用可能になります。
SDKなどの計測パートナーの管理画面でLINE広告の「purchase」に対して送信するよう設定されたイベントを最大化することが可能です。
事前の設定は必要ですが、休眠ユーザーへのリターゲティング強化や新規ユーザーへのインストール後購入イベント数強化を狙った際に活用ができそうです。
ただし、β版の機能のため急に終了となってしまう可能性はありますが、ROASを引き上げたいなど現状の課題に合わせて、既存の配信と比較するテストを行ってみるのも良いと思われます。
Twitter広告の注目アップデート
徐々に改善されているTwitterピクセルに更にアップデートがありました。計測周りの改善が入り、さらに広告パフォーマンスを正確に測れるようになりそうです。新しい広告フォーマットも増え、購入など成果に大きくつながる機能のリリースが多く見られました。
今後のTwitterに大いに期待したいですね。
Twitterピクセルがさらに進化、新しいイベントの計測も
Twitterピクセルに新しい機能が追加されました。これまで計測ができなかったショッピングカートへの追加など多くのイベントが測定できるようになっています。イベントマネージャーは、広告マネージャーの [ツール] から [イベントマネージャー](旧名称: コンバージョントラッキング)をクリックすると表示されますので、改めて確認してみると良いでしょう。
また、Google Chrome格納機能であるTwitter Pixel Helper もアップデートされ、Twitterピクセルが正しく設定できているかをより的確にサポートを受けられるようになったようです。
コンバージョン API(以降、CAPI)の登場
サードパーティCookieを介さずに計測する方法が、Twitter広告でもついに提供開始されました。Facebook広告などで導入されている広告主の方も多いと思いますので、Twitter広告を利用されている場合は導入することで成果計測がより正確になるでしょう。
Twitter広告の成果計測に悩んでいる広告主の方にとっても、導入することでメリットも多いですがCAPIの実装にはTwitter Ads API へのアクセスと有効な開発者アカウントが必要となります。技術的な作業が必要となりますので、導入に必要な作業やコストを確認した上で導入いただくのが良いでしょう。
アプリ購入数最適化のリリース(Androidアプリにのみ)
アプリ広告にてアプリ購入数最適化がリリースされています。アクションを起こしそうなオーディエンスを機械学習を活用して特定することで、アプリをインストール後、そのアプリで商品を購入する見込みの高い利用者に焦点を当てて広告を配信することが可能とのことです。
認知など商品の告知に使われることの多かったTwitter広告で購入数を促進するようなメニューは待っていた運用者・広告主の方も多いのではないでしょうか。
現在はAndoridアプリにのみ提供されていますが、iOSアプリにおいても現在計画中のようです。日本ではiPhoneユーザーが多いため、iOSでの提供が待たれますね。
参考:パフォーマンス広告および測定ソリューションの規模を拡大します
新しい広告フォーマットのテストが開始
以下3タイプのTwitter広告の新しいフォーマットがテストされています。
- コレクション広告
- インタラクティブテキスト
- プロダクトエクスプローラー
こちらの三種のフォーマットは現在米国内のiOS/Androidデバイス、およびウェブブラウザで見ることができるため、日本国内ではまだ確認ができませんが追って日本でも実装されると思いますので、続報に期待しましょう!
コレクション広告
主画像とその下の最大5つの小さなサムネイル画像を表示することで商品を紹介できます。
主画像は静止したまま表示し、サムネイルは水平スクロールで閲覧することができます。画像からは、それぞれ別のウェブサイトや商品のランディングページに誘導することができます。
多品目ECサイトの広告主のかたなどにとっては非常に魅力的な広告フォーマットになるでしょう。
インタラクティブテキスト
テキストがTwitterの標準よりも大きく太いフォントで表示されます。
広告文中にある最大3つの単語を太字で強調して表示することができ、クリックで任意のランディングページに消費者を誘導することができます。また、ハイライトの色を10色から選ぶことができます。
タイムラインには多くのツイートが並びますので、テキストを他ツイートよりも強調して見せる方法は、どの広告主の方にとっても非常に魅力的だと思います。汎用性も高く、商品やサービスをより効果的にアピールしたい場合には利用価値が高いフォーマットとなるでしょう。
プロダクトエクスプローラー
自社製品を3Dで紹介するというなかなか珍しいフォーマットです。
様々な角度から商品を事前に確認し商品の魅力や興味を最大限に引き出した上で、そのままリンク先よりウェブサイトに誘導することができるため、購入などに誘導しやすくなるかもしれません。
ツイートの編集機能が順次ローンチ予定
広告と少し毛色が変わりますが、通常のツイートの編集機能が現在テスト中のようです。
ツイートの編集機能はツイート公開後30分間に数回編集が可能になり、編集後のツイートには編集アイコンやタイムスタンプ等が表示され、編集されたツイートであることが分かるようになります。
現在はTwitter Blueの利用者の一部で始まっているため、日本でのテストは行われていないようですがこちらも今後日本でのテストが始まることでしょう。
広告ツイートでどのような変化があるかは現時点では不明ですが、Twitterアカウントを運用されている方にとっては待望の機能となるのではないでしょうか。
参考:おまたせしました。Twitterの編集機能のテストが始まります
まとめ
今回はTwitter広告のアップデートが非常に多かったですね。計測周りのアップデートや成果に直結するようなアップデートもあり、これまでのTwitter広告とは印象が変わってきているなと感じています。
Google 広告やYahoo!広告では注意が必要なアップデートもあり、見逃していた物があれば是非見返して変化に対応できるようにしておきましょう。
では、次回のアップデートまとめもお楽しみに!