スマートフォン全画面に表示されるTikTokの縦型動画はインパクトも大きいですが、そのぶん興味がない動画はすぐにスキップされてしまったり、何度も表示されることで飽きられてしまったりしやすいという特徴もあります。
ただ、興味を持ってもらえるような動画を何パターンも用意するのは大変ですよね。今回は、縦型動画を作成していくにあたってヒントを得られる、TikTok Creative Centerをご紹介します。
目次
TikTok Creative Centerとは?
TikTok Creative Centerとは、TikTokの動画を作成するために必要なあらゆる機能がそろったサイトです。
TikTok Creative Center
※一部機能はログインせずに使うことができます。
これらの機能を使うことで移り変わりの早いTikTokのトレンドや、広告で成果を出すためのインサイトを知ることができるほか、それらの情報をもとにより成果につながる広告クリエイティブを作ることもできます。
TikTok Creative Centerで出来ること
さっそく、TikTokの動画を作成するために必要なあらゆる機能とは具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
①TikTok広告が利用されている商品カテゴリーを知る
TikTok広告を開始する前にまず確認したいのは、その商品はTikTokで広告配信することで成果を出せるのか?ということでしょう。
TikTok Creative Centerの上部タブの「人気上位の商品」を選択すると、TikTokで広告クリエイティブが多く配信されている商品カテゴリーを確認できます。
商品カテゴリーごとのクリック率やCVR、CPAも見ることができるので、パフォーマンスの予想を立てたうえで配信に臨むことが可能です。
「詳細」ボタンをクリックすると、より細かいデータを見ることができます。
「パフォーマンス分析」のタブでは、6秒間の動画視聴率、いいね数など動画への反応を見ることができ、「オーディエンスインサイト」のタブでは年齢層や関連する興味を知ることができます。
あくまで傾向にはなりますが、これらのデータをもとに実際に配信するときのオーディエンス設定や成果をシミュレーションすることで、TikTok広告へのチャレンジの敷居が低くなるかもしれません。
②広告のベストプラクティスを知る
TikTok Creative Centerでは、クリエイティブの事例やキーワードのインサイト、ベストプラクティスなども確認できます。
それぞれの活用方法について詳しく見ていきましょう。
トップ広告ダッシュボード
エリアや業種を絞ってハイパフォーマンスな広告を見つけることや、気になるブランドがどのような広告を配信しているのかを知ることができます。
上部タブの「活用事例」>「トップ広告ダッシュボード」を選択すると確認でき、検索窓にブランド名や商品キーワードを入力するとそれに沿った広告が表示されます。
フィルターから動画を絞り込んだり並べ替えたりすることも可能です。
たとえば、ゲームのアプリインストール目的の広告で、過去30日間でいいね数が上位1〜20%の広告を6秒の動画視聴率が高い順に並べて見たい場合は、赤枠内で絞り込んだうえで、黄枠内で並び替えます。
配信予定の広告と同じ業種の広告で視聴率がよいものなどを事前に確認しておくことで、動画作成に活かすことができそうですね。
キーワードインサイト
広告のナレーションやテキストオーバーレイ、広告テキストに含まれるキーワードが抽出され、該当のキーワードが含まれる広告の数やCTR(クリック率)を確認できます。
上部タブの「活用事例」>「キーワードインサイト」を選択すると確認でき、検索窓からキーワードを検索できます。
また、キーワードインサイトでもフィルタリングや並べ替えを行うことが可能です。
たとえば、ゲーム業界で過去7日間に配信された広告で使われているCall-To-Action(CTA)はどのようなものが多かったのかを調べたい場合、赤枠内で業界と期間、キーワード種類を絞り込んだうえで、黄枠内で人気降順に並び替えます。
CTRも同時に確認できるので、どのようなCTAが一番反応がよさそうか事前に確認したうえで動画を作ることが可能です。
さらに「詳細」ボタンをタップすると、そのキーワードが使われた方法(ナレーション・テキストオーバーレイ・広告テキスト)や動画を見ることができるので、実際の動画作りにむけてイメージを膨らますこともできます。
また、赤枠部分を選択すると、キーワードをワードクラウド(テキストから抽出した単語の出現頻度に応じた文字の大きさで表示される図)で表示させることもでき、トレンドをより視覚的に理解することも可能です。
クリエイティブインサイト
上部タブの「活用事例」>「クリエイティブインサイト」を選択すると、クリエイティブパターンやベストプラクティスを知ることができます。
「クリエイティブパターン」では、どのような広告クリエイティブのパフォーマンスが優れているか、事例とともにより詳細に確認を知ることができます。また、業種ごとに確認できる仕様になっていますが、現時点(2023年7月)で閲覧可能なデータはゲーム業界のみとなっているため、利用シーンは限られそうです。今後の業種の拡大に期待しましょう。
一方、「ベストプラクティス」ではどのような業種にとっても参考になるデータがまとめられています。
「TikTok広告では音ありの動画を作成したほうがいい」「洗練されすぎた広告よりも素人感のある広告のほうが購買意向が高くなる」など、動画を作成するにあたって一度は目を通したい内容です。
また、現時点でゲームとeコマースに関しては分野別のデータも確認できます。これらの分野に該当する場合は参考にできそうです。
クリエイティブ戦略
TikTokのクリエイティブTipsなどが短い記事で紹介されています。
上部タブの「活用事例」>「クリエイティブ戦略」を選択すると、記事の一覧が表示されます。
記事は英語と中国語で書かれていますが、クリエイティブインサイトにはない業種のクリエイティブTipsなどもまとめられているので、作成する業種の記事がないか確認してみるとよいでしょう。
③TikTokのトレンドを知る
オーガニックに限らず広告においてもトレンドに即した動画を作ることは重要です。しかし、TikTokはトレンドの移り変わりが早いため、キャッチアップが大変な媒体でもあります。
TikTok Creative Centerでは、現在人気を博しているハッシュタグ・楽曲・クリエイター・動画を確認し、トレンドに即した動画作成のヒントとすることができます。
特に広告クリエイティブ作成に活かしやすいのが、楽曲のトレンドです。
上部タブの「トレンド」>「楽曲」を選択すると、人気の楽曲が表示されます。
これらの楽曲のうち、広告にも利用できる商用利用可能な楽曲に関しては曲名の下に「ご利用可能」と表示されており、画像赤枠部分にチェックを入れると広告利用可能な楽曲のみの順位を見ることができます。
TikTokユーザーに耳慣れた楽曲を利用したい場合は、トレンドの順位を参考にするとよいでしょう。
④オーディオを見つける
商用利用可能な楽曲は、オーディオライブラリでも見つけることができます。
上部タブの「オーディオライブラリ」>「全楽曲」を選択すると、人気の楽曲が一覧で表示されます。
トレンドタブとの違いとしては、下記項目でフィルタリングできることです。
- 使用可能なプレースメント(TikTok/Helo/TopBuzz&BuzzVideo)
- テーマ(グルメ/スポーツ/ペットなど)
- ジャンル(ロック/ポップス/ラテンなど
- ムーディー(楽しい/静か/悲しいなど)
- 所要時間(0~20s/20~40s/40~60s/60s以上
これにより、自分が作成したい動画に適した楽曲のうち人気なものを選ぶことができます。
楽曲のダウンロードはできないため、「TikTok動画エディターで使用」をクリックして、該当の楽曲が差し込まれた状態でCreative Center内で動画を編集する形になります。
⑤クリエイティブを作る
TikTok Creative Center内で、実際に配信する動画を作成することも可能です。
上部タブの「作成」>「動画エディター」を選択すると無料で使用できます。TikTokが提供しているツールだけあって、TikTokでよく使われる楽曲やエフェクトが用意されています。さらに、非クリエイターでも直観的に利用できるUIになっているのもうれしいポイントです。
また、動画を作成後そのまま管理画面にアップできるなど便利な側面もある一方で、動画エディターから動画を直接ダウンロードすることは出来ないため、TikTok広告以外にも利用したい場合は注意しましょう。
様々な機能が用意されていますが、今回はよく使う機能をピックアップしてご紹介します。
動画の作り方(基本)
動画の基本的な作り方は、以下の3ステップです。
素材をアップロードし繋ぎ合わせる
Aの部分が素材をアップロードする場所、Bの部分が素材を繋ぎ合わせたり編集を行ったりする場所となっています。まずはAに使用したい動画や画像をアップし、それを繋げたい順番通りにBにドラッグアンドドロップします。
音楽をつける
音符マークのタブをクリックすると、利用可能な楽曲が表示されます。トレンドやオーディオライブラリで見つけた楽曲を検索タブから探したり、楽曲をアップロードしたりすることが可能です。楽曲をアップロードする際は、商用利用できるものかをしっかり確認するようにしましょう。
楽曲を選んだら、素材と同じようにBの部分にドラッグアンドドロップすると動画に音楽をつけることができます。
テキストを追加する
動画にテキストを追加することで、より多くの情報を伝えられるようになります。
まず、テキストマークのタブをクリックしてフォントを選び、Bの部分にドラッグアンドドロップします。
次に画像の赤枠部分をクリックするとテキストを編集できるようになるので、反映させたいテキストを入力したり、フォントサイズを調整したりします。
赤枠部分の幅が表示される秒数を表しているので、ここを伸ばしたり縮めたりすることで表示させたい秒数に調整することも可能です。
テキストの位置は右側のプレビュー画面で調整できるので、アカウントアイコンや広告文などに被らないようセーフティーゾーンに注意しながら配置を決めます。
※セーフティーゾーンについて:画面構成の注意点
横長・正方形動画を縦長動画に変換する
他の広告媒体やオーガニックで使用している横長や正方形の動画をTikTokで配信する場合、縦長(9:16)にする必要があります。そんなとき、TikTok動画エディターを使えば簡単に縦長動画に変換できます。
動画の作り方(基本)と同じく素材をアップロードして下部にドラッグアンドドロップしたら、縦型に変換したい部分を選択したうえで、画像赤枠部分の「縦型に変換」ボタンをクリックします。すると、縦型にトリミングされたものや、動画サイズは同じで背景の色合いが調節されたものなどが自動で作成されます。
これらの候補のなかから最も適したものを選択することで、簡単に縦型動画へのリサイズが可能です。
また、自動で縦型にトリミングした動画は、文字や映したいものが切れてしまっている可能性があるので、要素がすべて縦型に収まっているか確認してから利用するようにしましょう。
動画テンプレートを利用する
少し凝った動画を作成したいものの、編集が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そんなときに利用したいのが、動画テンプレートです。
上部タブの「作成」>「動画テンプレート」を選択すると、用意された様々な動画テンプレートを見ることができます。
より適したテンプレートを探すためにさらにフィルターで素材の数や業界を絞り込むことも可能です。
テンプレートを選択すると、編集画面に移動します。
編集画面は動画エディターよりも分かりやすい構成になっているので、テキストや動画を指定された箇所に当てはめるだけで凝ったデザインの動画の作成が可能です。
まとめ
TikTok Creative Centerには、最新のトレンドを知るところから実際に動画を作成するまでにほしいあらゆる機能が用意されています。
なんとなく感覚的にクリエイティブを作成するのではなく、トレンドやデータに基づいたクリエイティブを作成することで、より成果を出しやすくなるでしょう。
また、動画クリエイティブというと作成のハードルが高いと思われがちですが、使用可能な楽曲が用意されていたり、簡単に扱えるエディターがあったりと、初心者でも動画作成にチャレンジしやすい環境が整っています。
TikTok広告を配信する際には、ぜひTikTok Creative Centerを利用してみてください。