Google アナリティクスとリスティング広告の数字はどうして違うの?に答えます

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「Google アナリティクスとリスティング広告のコンバージョン数が違うんだけど、これってどうして?」

クライアントと直接コミュニケーションを取る機会のあるリスティング広告に携わる方々であれば、誰しも一度くらいはこんな質問をされたことがあるのではないでしょうか?

今回はそんなGoogle アナリティクスとリスティング広告(ここではGoogle アドワーズ)の計測数値が違ってくる理由についてお話します。

目次

  1. Google アナリティクスとリスティング広告の数値が異なる理由
  2. Google アナリティクスとGoogle アドワーズにおけるコンバージョンの概念
  3. コンバージョン数やクリック数が反映される仕組み
  4. 最後に

1. Google アナリティクスとリスティング広告の数値が異なる理由

なぜGoogle アナリティクスとリスティング広告の数値にはズレが発生するのでしょうか?

それは一言でいうと「そもそもGoogle アナリティクス・リスティング広告それぞれにおける計測方法の定義が違うから」ということに尽きます。

Google アナリティクスとリスティング広告において数値にズレが出てくる指標は大きく分けて、以下の2つが挙げられます。

  1. セッション数とクリック数
  2. 目標の完了数とコンバージョン数

まず、「a.セッション数とクリック数」について、一見近しい指標のように捉えがちですが、セッション数とクリック数はその定義が大きく異なります。

「セッション数」はユーザーがサイトの閲覧を開始したユニークセッション(ユニークな訪問)数、「クリック数」はユーザーが広告をクリックした回数をそれぞれ意味しています。

つまり、ユーザーのセッションが切れていない間(Google アナリティクスの場合は基本的に1訪問につき30分以内)に1つの広告を5回クリックした場合、Google アナリティクスでの数値は1セッション、リスティング広告では5クリックとしてカウントされるため、両指標の数値は大きく異なってきます。

また、リスティング広告においては各媒体によって無効と判断されたクリックがレポートから排除されるため、後日クリック数が減っているというケースがありますが、Google アナリティクスにおいては基本的にセッション数が減ることはありません。これらのことから、「セッション数とクリック数」においてはその数値が異なるケースが多々見られます。

次に、「b.目標の完了数とコンバージョン数」について見てみましょう。Google アドワーズのヘルプを元に、コンバージョンに関するそれぞれの指標の計測方法をまとめてみました。

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コンバージョンの計測についてズレが発生する主な点は、「コンバージョンした日時はいつなのか」「どの参照元にコンバージョンが付くのか」という点です。

まず、Google アナリティクスでは、マルチチャネルレポートを除く全てのレポートにおいて「目標が達成されたそのタイミングで(72時間以内に)レポートに反映」され、コンバージョンが記録されるチャネルは最後に経由したチャネル」となります。

一方、リスティング広告においては「コンバージョンする前に広告が最後にクリックされた日時」に数値が反映され、広告をクリックしたcookieの情報がブラウザに残っていれば、リスティング広告経由からコンバージョンした、と記録されます。

具体例で見てみましょう。

あるユーザーが1月1日に「カニ 通販」のキーワードを検索した際にGoogle アドワーズの広告をクリックし、一旦はサイトから離脱、数日後の1月5日にGoogle検索エンジンの自然検索結果を経由して再度ウェブサイトに訪れ、その後商品を購入(コンバージョン)したとします。

この時、Google アナリティクスでは1月5日にgoogle/organic(最後に経由したメディア)からのコンバージョンとしてカウントされますが、Google アドワーズにおいては1月1日に遡ってコンバージョンがカウントされます。詳しくは下の図をご参照ください。

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このようなことから、Google アナリティクスとリスティング広告における「目標の完了数とコンバージョン数」にはズレが出てきます。

2.Google アナリティクスとGoogle アドワーズにおけるコンバージョンの概念

話は少し逸れますが、Google アナリティクス・Google アドワーズのコンバージョンの概念についても混同されやすいため、ここで併せて確認しておきましょう。

コンバージョンの概念は大きく分けて2つあります。Google アナリティクスでは「コンバージョン(目標の完了数)」と「トランザクション」Google アドワーズでは「コンバージョンに至ったクリック」と「コンバージョン」(Yahoo!プロモーション広告では「ユニークコンバージョン」と「総コンバージョン」に当たります)です。

Google アナリティクスの「コンバージョン」と「トランザクション」の違いについてですが、例えばECサイトにおいて、目標を商品購入(購入完了ページのURLに到達)としたときに、「コンバージョン」は訪問者のセッションが持続している間は何度購入完了しても「1」としかカウントされませんが、「トランザクション」については購入完了した回数だけカウントされます。(トランザクションはGoogle アナリティクスのeコマースレポートで使われる指標です)

具体例で考えてみましょう。先ほどのカニ通販のサイトで、1度自宅用にカニを1セット購入(購入完了ページまで到達)したユーザーがいたとします。しかし、親戚にもらっていたお歳暮のお返しをしてなかった事を思い出したこのユーザーは、すぐさま同じカニ通販サイトで親戚に贈るために贈答用のカニを1セット購入した、とします。この時にカウントされる数値は、「コンバージョン:1、トランザクション:2」となります。(セッションは持続している前提)

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一方、Google アドワーズの「コンバージョンに至ったクリック」と「コンバージョン」の違いは、コンバージョンカウント方式の違いです。

「コンバージョンに至ったクリック」は広告をクリックしてコンバージョンとなった場合に「1」としてカウントされ、cookieの有効期間内であれば何度コンバージョンに至っても「1」としかカウントされませんが、「コンバージョン」はコンバージョンに至った回数だけカウントされます。

上で挙げたカニ通販のサイトで考えてみましょう。ユーザーがGoogle アドワーズの広告を経由して商品を2つ購入、購入のプロセスにおいて同時に会員登録を行い、メールマガジンの購読完了にも至ったとします。(このとき 購入・会員登録・メールマガジン購読 それぞれのアクション完了後に表示されるページでコンバージョン計測をしているとします)

この時にカウントされる数値は、「コンバージョンに至ったクリック:1、コンバージョン:4(商品購入:2件、会員登録:1件、メールマガジン登録:1件の計4件)」となります。(広告cookieが有効期間内にある前提)

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3.Google アナリティクスやGoogle アドワーズに数値が計測される仕組み

ご存知の方も多いかと思いますが、Google アナリティクスとGoogle アドワーズの数値計測にはcookie (クッキー)が用いられており、このcookieを利用することでユーザー情報の判別を行っています。念の為に触れておきますと、cookieとは一言で表すと「ウェブサイトの閲覧履歴などのデータを一時的に保存しておく仕組み」です。

Google アナリティクスとリスティング広告では、このcookie を使って「新規訪問者なのかリピーターなのか」「いつ、どこの地域にいる人がどのチャネルからコンバージョンしたのか」といったユーザーの属性や、そのサイトをどのように回遊したかといったユーザーの行動データを収集しているのですが、Google アナリティクスとリスティング広告ではそれぞれ使われているcookie の種類が異なります。

Google アナリティクスではファーストパーティcookieといわれる、アクセスしているサイトのWebサーバーが発行したcookieが用いられています。ファーストパーティcookieの活用例を上げますと、これによってFacebookやTwitterのようなログイン認証のあるSNSサイトを閲覧し、ログアウトせず少し時間をおいてから同じページにアクセスしてもログインしている状態でサイトを閲覧することができることが可能になります。

対して、Google アドワーズをはじめとするリスティング広告では、一般的にサードパーティcookieという、閲覧しているサイトとはまったく別のWebサーバーから発行されたcookieが用いられています。ファーストパーティcookieとは異なりサイトドメインには依存しないので、ユーザーの行動情報をドメインをまたいで横断的にcookieへ記録することが可能です。

リスティング広告においてこのサードパーティcookieが重要なのは、「訪問者がどんなサイトを見ているのか」「どんな行動を取る傾向にあるのか」といったデータを、cookieを用いることで収集することができ、そのデータをターゲティングに利用することができるからです。しかしながら、近年では特定のブラウザにおいてはデフォルトではサードパーティcookieが遮断されているなど、プライバシーの観点から規制が厳しくなっています。

このcookieが遮断されると、リマーケティング・リターゲティングをはじめとするユーザー行動情報を用いた広告配信ができなくなる可能性がある、という点は頭に入れておきましょう。

4.最後に

アクセス解析ツールとリスティング広告の数値が違うことに対して明快かつ納得できる理由が返ってこないと、もしかすると「本当にこの会社にリスティング広告を任せておいてもよいのだろうか…」とクライアントを不安にさせてしまうかもしれません。

ひいてはそれがクライアントとの契約問題にまで関わってくることにもなりかねませんので、アクセス解析ツールとリスティング広告の数字が違ってくる明確な理由を理解し、質問された際にはすんなり答えられるようにしておきましょう。物事は本質が大事、というのは有り触れた表現ですが、それでもやはり本質・物事の仕組みを学ぶことは非常に重要です。

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Koichiro Hayashi

Koichiro Hayashi

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 大学卒業後、金融機関にて融資・渉外業務に従事。その後、ウェブコンサルティング会社にて宿泊施設に対するリスティング広告の新規導入・運用業務に従事した後、2014年よりアナグラムにて様々なプロジェクトに携わる。広告運用はもちろん、新規のお問い合わせ対応、時には打ち合わせと称した飲み会などを行っている。