運用型広告の新規商談の前に準備しておきたいこと8選

運用型広告の新規商談の前に準備しておきたいこと8選
この記事は最終更新日から約4年が経過しています。

「成功の秘訣は、何よりもまず、準備すること」

自動車王と呼ばれたフォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォードはこのような言葉を残しています。

また、サッカー選手として活躍している本田圭佑選手も似たような言葉を口にしています。

「勝負を決めるのは準備。」

スポーツやビジネスで成功をしている人は、口酸っぱく準備の大切さを語っています。

商談を成功させるのにも事前の準備が大切です。

事前の準備が出来てないなと、商談で緊張したり、相手企業のことを理解していないため的外れな提案をしてしまったり。商談をうまく進めることが難しくなります。

ただ、商談前にどんな準備をすればいいのかわからない……。という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は運用型広告の商談前に準備しておくべきことをまとめてみました。商談に自信が無い人はぜひ、目を通して参考にしていただければと思います。


商談相手のビジネス環境を確認

基本中の基本ですが、相手のことを知らずに商談の席につくのは大変失礼です。会社やサービスのWebサイトを見てもいないなんてのはもってのほかですよね。

商談相手のことをよく知るために、ビジネス環境をよく確認しておくと話もスムーズですし、より具体的な商談ができるようになります。

1. まずはビジネスの現状分析を

まずはビジネスの現状を分析してみます。現状分析のためのフレームワークには3C分析やPEST分析、SWOT分析など顧客理解に役立つものがいろいろとありますので、使い慣れているものや対象のビジネスにあったものを使い分けるのをおすすめします。

今回は3C分析を例に解説します。

運用型広告で「やらないこと」を明確にする、3C分析のやり方

3C分析をする目的は、商品、顧客、競合を理解し、クライアントとの会話を円滑に進めるために取組みます。

たとえば、商品のスペックや特徴がわからないまま、商談に臨んでも先方の話を理解できないですし、見当違いな提案をしてしまう可能性もあります。

そのため、3C分析に事前に取り組んだ状態で商談に臨みましょう。

「3C分析ってやろうと思ったらどこまでもできるから切りがないよ。」と考える方もいるのではないでしょうか?

どこまで3Cをやる必要があるのか?という疑問に答えるのであれば、「その商品の独自性と狙うターゲット顧客について喋れるくらいまでやる」です。

商品を調べれば、その商品の強みや弱みがわかります。
顧客を調べれば、どんな顧客に好まれているのかがわかります。
競合を調べれば、競合に比べたその商品の優位性がわかります。

商品の独自性と狙うターゲット顧客について喋れるくらいまで理解をしていれば、クライアントが自社の強みを活かせていないプロモーションをしていれば気が付き、その場でアドバイスもできるようになります。

2.業界情報、ニュース、トレンドを把握しよう

業界の動向を把握しておきましょう。動向を知っておくだけでも、クライアントとの会話が円滑になります。

たとえば、少し前までですが、キャッシュレス決済サービスの業界では、今年の6月ごろまで経済産業省が「キャッシュレス・消費者還元事業」を実施していました。

そのため、様々な補助金などが出ており、広告主側からすると新規顧客を獲得しやすいタイミングでした。
このような、業界の動きを知っているか、知っていないかだけで、商談の前提が変わってくるのではないでしょうか。

業界の状況を知るためには、業界情報をまとめたニュースサイトをみたり、SPEEDAといった企業や業界情報をまとめているサービスなどを使うのがいいでしょう。

3.決算資料・有価証券報告書に目を通す

決算資料や有価証券報告書を公開している企業であれば、ぜひ目を通してみましょう。
業績状況や今後の見通しを投資家に向けて説明している為、提案先の企業を理解する上では重要な資料になります。

慣れないと見にくいかもしれないですが決算短信をわかりやすくプレゼンテーション資料に作り直している決算説明資料もありますので、その資料から目を通してみましょう。


この他にも、商品やサービスが体験できるならぜひ試しておく、体験できないならユーザーの声を集めるなど、できることは少なくありません。まずは大前提となる一次情報に触れられるようにできると、話もスムーズです。

広告主のビジネス理解を深めるために、広告運用者が押さえておきたいフレームワークと情報収集法

広告運用における前提を確認

次に私たちにもっとも求められている広告運用における前提を確認していきます。これによって、広告運用の質問や具体的にどんなアクションをとっていけるのか、その場で多くのディスカッションもでき、お互いにとって有意義な商談をおこなうことができます。

4.どんなキーワードで出稿できそう?

ここまでの準備で商材の理解や業界、企業をある程度、理解出来てきたのではないでしょうか。

ここからは運用型広告特有になるのですが、ザックリでいいのでどのようなキーワードで検索広告を配信するか事前に考えましょう。

時間に余裕があればいいのですが、全部洗い出すと時間がかかってしまうので、検索広告で主戦場になりそうなキーワードを優先的に洗い出しましょう。

たとえば、顧客管理システムを扱っている企業への提案であれば以下など、他にもあると思いますが、まずはメインになるキーワードを洗い出しておきましょう。

・CRM
・顧客管理
・Excel 顧客管理
・CRMおすすめ
・CRM比較

事前に洗い出ししておくことで、配信プランを練る際にも活用できますし、次に行う、SERPsの確認や平均CPCやザックリなCPA、CVRを把握するのに役立ちます。

5.業界における運用型広告の相場を把握する

広告代理業を営んでいるのであれば、提案先の企業に近い業種業態のアカウントが社内に無いか確認しましょう。それらのアカウントを見ればCPC(クリック率)やCPA(コンバージョン単価)、CVR(コンバージョン率)などの相場観がわかります。

もし、類似アカウントが無いのであれば、先ほど洗い出したキーワードをキーワードプランナーに入れてCPCや検索ボリュームを見てみましょう。

添付の画像のようにページ上部に掲載された際のCPCがわかります。オークション状況の関係があるため、100%表示されている価格になるとは言い切れないですが仮説を考える上では十分な情報です。

また、米国でオンラインマーケティングサービスを提供しているWordStream社が調査した、業界ごとのCTRやCPC、CVRが記載してあります。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream

海外と日本で事情が異なり、100%鵜呑みにするべきではありませんが、ひとつの参考数値として役立てることができます。

そしてCPCとCVRが分かれば、CPAもある程度予想できます。

CPA=CPC÷CVR

これらの数値が理解できていれば、与件を聞いた時に現実味のある提案ができるので、把握しておきましょう。

6.広告主の現在の出稿状況を確認しよう

広告主の現在の出稿状況も確認しましょう。具体的にどのように確認するか、今から述べていきます。

検索結果をチェック

先ほど洗い出したキーワードで検索してみて検索結果をチェックしてみましょう。

獲得が見込めるようなキーワードで検索してみて、実際に広告が出ていなければ、キーワード追加の提案も出来ますし、広告が出ていて、広告文に改善の余地があれば、その旨を提案できますよね。

ツールも活用して分析

便利な分析ツールもあるので活用してみましょう。

AhrefsSEMrushといったツール(いずれも有料)を使うと、対象ドメインのサイトが出している検索広告文や入札をしているキーワードをある程度は把握することができます。

実際にどういった広告文やキーワードで検索広告を出しているかが把握できるので便利です。

Facebook広告ライブラリも見ておこう

Facebook広告ライブラリとは、特定の広告主から出稿された広告を見ることができる機能です。この機能を使えば、どのようなFacebook広告を配信しているか見ることができます。

提案先の企業はどのようなFacebook広告を配信しているか確認したい時はFacebook広告ライブラリを活用してみましょう。

参考:広告ライブラリ

7.仮説でいいので現状の配信ポートフォリオを作る


今までの配信状況を整理し、上記のように図にすることを配信ポートフォリオの作成といいます。

上記の図を先ほどキーワードの洗い出しで例にした顧客管理システムの配信状況として考えてみましょう。

「サービス名」とあるのが、ブランド名での広告です。事前の配信状況を見る限り、ブランド名での広告が確認できたのと、そこまで認知度があるサービスではないのでCPAは安いけど、そこまで獲得数も多くないといった現状です。

一般キーワードも見る限り「顧客管理」「顧客管理おススメ」「顧客管理比較」など顧客管理回りのキーワードしか配信していないようなので、そこまで獲得数は多くなさそう。さらに競合の入札も厳しそうなのでCPAも高そうと予想しての配置になっています。

リマーケティングも、AhrefsやSEMrushを見る限りそこまでアクセスも多くなさそうなので、獲得数もそこまで多くないと予想しての配置。

このように図でまとめることで直感的に配信状況を理解できますし、商談する時も先方との配信状況のすり合わせにも使えるので便利です。

8.理想の配信ポートフォリオを作る

現状の配信状況が理解出来たら、理想の配信状況を仮説でいいので考えていきましょう。

たとえば、先ほどの顧客管理システムの現状に合わせて、理想像も考えてみましょう。一般キーワードであれば「顧客管理」系のキーワードしか出ていなかったので、それ以外のキーワードも追加できる&広告文の改善余地も十分見られたので、CPAも安く、獲得数も伸ばせると踏んで右上に移動しています。

さらに、Facebook広告でリード獲得も出来る案件だと考えたのでポートフォリオにFacebook広告も追加しています。

あくまでも仮の設定で考えた内容ですが、これまでの配信状況や3C分析から得られたサービスの特徴が理解出来れば、理想の配信状況が考えられると思います。

最終的には実際のアカウントを見てみないと、精度の高い提案は出来ませんが、運用型広告の提案であれば事前に調べられることが沢山ありますので、事前の準備だけである程度の提案は出来るのではないでしょうか。

また、理想のアカウントをイメージした状態で商談に臨むことができれば、その場でアドバイスや提案ができます。先方からすれば、少ししか話していないのに自社のことを理解してくれている。さらに、その場でアドバイスや提案をもらえるので、信頼ができるな、と思ってもらえるかもしれません。

すぐできるor無料でできる施策も添えてあげるとなおgood

他にもすぐに出来る施策や無料でできる施策もプラスアルファで提案すると、クライアントから喜ばれるケースも多いです。もし、お仕事の発注いただけなくても、商談しただけで喜んでもらえるような状態にしておくと、後々になってから仕事の依頼をいただくこともあります。

一回一回の打ち合わせを大切にし、何かしら価値を提供できるようには意識したいですね。

十分に準備をして商談に臨もう

ここまで紹介した内容で準備していただければ、訪問先の企業や業界、商材のことをかなり理解している状態で商談に臨むことができ、先方も業界説明や商材説明の時間も省けるため、満足度が上がると思います。

十分な準備ができていれば、緊張せずに商談に臨めますし、相手のためにもなります。少しでも日々の商談時のお役に立てれば幸いです。

関連記事

【月のまとめ】2021年1月公開の記事ランキング
【月のまとめ】2021年1月公開の記事ランキング
続きを見る
2021年、アナグラムのブログでよく読まれた記事20選
2021年、アナグラムのブログでよく読まれた記事20選
続きを見る