運用型広告で「やらないこと」を明確にする、3C分析のやり方

運用型広告で「やらないこと」を明確にする、3C分析のやり方

運用型広告の運用者であれば「3C分析」を聞いたことのない方は少ないと思いますが、次のような声を聞くことも・・。

  • どんなことを調査すればいいのかよく分からない
  • なんとなく3C分析しているけれど、正しいやり方ができているか分からなくて不安
  • 3C分析の結果を広告運用に活かせていないように感じる

3C分析とは、[顧客:Customer、競合:Competitor、自社:Company]という、ビジネスを行う市場でおもなプレイヤーである3者の状況をリサーチして整理するときに用いられるフレームワークです。弊社では、広告運用代行のご要望を頂いた際に、まずはそのビジネスにおける3C分析を行い、市場の状況を把握することからはじめています。 今回は、市場と顧客、クライアント、競合の全体像をつかむ3C分析について改めて整理していきます。

3C分析の目的

筆者は3C分析の目的を「やらないこと」を明確にするためのフレームワークだと考えています。運用型広告に限ったことではありませんが、予算も時間も労力もすべては有限な資源ですので、考えうるすべての戦略を試していくことは非効率ですし現実的ではありません。 たとえば、まったく同じ商品を競合は1,000円で販売している場合に、商品価格が1,500円であることを訴求していっても勝ち目はないでしょう。

  • 自社(Company):どんな強みをもっている?
  • 顧客・市場(Customer):ユーザーが解決したいことは?
  • 競合(Competittor):競合のポジション、戦略は?

これらの問を通して、「やらないこと」を決めていくことこそが、3C分析のメリットです。逆に言えば、3C分析を怠ってしまうと、「やってみてもよさそうな」見当違いの場所へリソースを割いてしまい、成功への確度を引き下げることになりかねません。

3C分析のやり方

では、3C分析のやり方を実際に見ていきましょう。

1.自社(Company)

まずはじめに、自社について分析していくのをオススメします。よく陥りがちなのが、ユーザーが欲しがっているものや競合サービスの特定のスペックなどに必要以上に固執してしまい、そもそも自社のサービスが誰のどんな課題や問題を解決したいものなのかが蔑ろになってしまうことです。たとえばその結果、必要のない価格競争に参加してしまうことは決して少なくありません。 調査する時に、エクセルやGoogleスプレットシートなど活用すると、今後行う競合分析の時に一元管理することができます。

例:●●サプリ自社調査と競合比較表

赤い枠のように、自社商品を一番初めに調査します。改めて、商品・サービスのスペックを羅列していきます。 まずは主観的でもいいので、自社やクライアントの商品の強みや特徴、訴求したいポイントなどをサイトや商品を参考に挙げていきましょう。この時点では、「これは競合に比べて弱いかな」などと考える必要はありません。言いたいこと、言えることをできる限り多く見つけていくことが重要です。

2.顧客・市場(Customer)

続いては、顧客・市場についてです。市場環境や、顧客の置かれている状況や抱えている課題、解決したいことが何なのかを明確にしていきます。 まず市場を分析する上では、2つの視点が重要になります。 ひとつめは市場全体を俯瞰して捉えるマクロな視点です。市場規模や人口動態、技術の進歩や法・規制の変化などが該当します。 これらを把握するのには統計データを確認するのが便利です。 参考:Webマーケティング・運用型広告のターゲティングやペルソナの参考になる統計資料サイトまとめ ふたつめに注目すべきはミクロな視点です。業界の市場規模や成長性、潜在的な顧客の数などが挙げられます。検索連動型広告で言えば以下が重要なポイントとなります。

  • 検索ボリュームはどれだけあるか
  • 平均クリック単価はどれくらいか

Google アドワーズのキーワードプランナーなどを利用して、ビジネスに関連するキーワードの検索ボリュームや、想定クリック単価から広告における市場の相場や規模感を調べます。

  • Googleトレンドで主要キーワードのトレンドを把握する。
  • Google アドワーズのキーワードプランナーなどを使って検索ボリュームやキーワードの競合性、想定クリック単価を把握する。

次に重要なのが顧客の分析です。 ユーザー像をできる限り等身大で知るためにはとことんユーザーに近づくのが最も近道です。可能であれば、自分で商品を購入したりサービスを体験したりするのがいいでしょう。難しい場合は、身の回りにユーザーやターゲットなりうる人が居ないか探してみるのもオススメです。 比較サイトの口コミなどの他、クライアントが過去に行ったアンケート結果やユーザーインタビューなどの情報も非常に有用です。 また、Customerをより知るための分析手法として「ファイブフォース分析」も行ってみましょう。

  • 「買い手の交渉力」 顧客の値引き交渉など、様々な買わない理由を作られる脅威
  • 「売り手の交渉力」 原材料の高騰、寡占、独占、スイッチングコストが高いなど、自社商品やサービスの原価コストが上がってしまう(下がらない)要因による脅威
  • 「新規参入の脅威(競合)」 市場シェアを獲りにくるため低価格路線・全く新たなキャッシュフロー・ビジネスモデルの競合出現による脅威
  • 「類似品の脅威(競合)」 同じ業界同士の競争、一般的に語られる「競合」の脅威
  • 「代替品の脅威(競合)」 代わりとなる商品やサービスの価格、差別化、手軽さ、ブランド、よりコスパの良い結果がもたらされる可能性による脅威
  • 引用元:自社分析・競合調査のやり方とポイント、運用型広告ではどこに着目すべきか?

      特に、代替品まで洗い出しておくと、ユーザーの片付けたい課題や問題の本質をより正確に浮かび上がらせることにつながります。 ある程度、顧客について分かってきたら幾つかのペルソナを想定して、ターゲットをよりイメージしていきます。

      想定ペルソナ例:ダイエットサプリ想定ペルソナ

      Aさん:28歳女性、一人暮らしで仕事が忙しく外食が多い。飲み会も多く、食生活は偏りがち。趣味はチーズ系スイーツ屋さんをめぐること。

      Bさん:36歳女性、3歳の子どもがいるワーママ。産後、体重が戻らず体型も変化したことを悩んでいるが毎日の仕事・家事が忙しくダイエットやジムに通う時間はない。趣味はインスタに日常生活をアップすること。

      Cさん:42歳女性、小学生の子どもがいる主婦。今までと同じように食べているだけで体重が増えてきているのが悩み。腰回りのお肉が落ちにくくなってきた。趣味は、健康食品のおためしや節約術を試すこと

      Dさん:43歳女性、会社員。昨年の健康診断より3キロ体重が増えたことを気にしている。定期的に週末にはウォーキングをするも、最近ハマっているパン屋巡りのためカロリー消費ができていなさそうだが、ウォーキング以上の運動はしない。

      画像素材:PIXTA

      ペルソナを2軸で分ける(例:CPA軸×CV軸)

      幾つかのペルソナを作ったら、「CPAが安価に取れそう⇔高くなりそう」、「CVは多そう⇔少なそう」の2軸でペルソナを分けて、メインのペルソナから配信対象にならないペルソナを選定します。 ここまでくると、市場感と狙うべきターゲット層とそのニーズが明確になってきましたね。今までの情報をもとに、運用型広告の戦い方(媒体選定や配信手法の選定)と、ターゲット層へのメッセージのイメージができてきたと思います。

      3.競合(Competittor)

      最後に、競合情報を調べていきます。 まず、自社商品・サービスと近しい売り方やターゲットを狙っていそうな他社商品を洗い出していきましょう。方法はいろいろありますが、代表的なものは、検索連動型広告の主要キーワードで検索した時に、掲載されている他社をピックアップしていくことや、購入検討時に比較対象にあがる商品を洗い出すことです。 比較する競合商品が決まったら、その後競合商品の情報を調査していきます。その時には、自社分析で使用した、同一の調査項目を使用していきましょう。新しく項目があれば増やしてしまって問題ありません。

      自社分析で使用した調査結果の右側(赤枠部分)に競合の調査データを入れます。 競合商品の調査データを入れられたら、横軸で項目比較した時に、最も優れている箇所に色を付けてみましょう。(下記の表で言うと、黄色くしている部分)黄色がついている部分が他社より秀でている部分で、色がついていないのであれば劣っている部分になります。

      広告運用開始後も役に立つ3C分析

      3C分析を通して、やらないこと・言わないことが明確になっていれば、よい分析ができている証拠です。 ここまでの分析を通して、自社の強みだと思っていたところが実は競合に劣っていたり、あまり訴求してこなかったポイントが実は顧客が求める内容であったりしたらシメたものです。自ずと施策の方向性が定まってきていますので、あとはアカウント構築へ反映させていきましょう。

      また、3C分析は広告の運用を開始したあとにも役立ちます。たとえば、新しい施策がうまくいかなかった場合に競合比較表を見返してみましょう。「やらない」と決めたことをやってしまっていることは、意外とよくあります。仮に施策が失敗した場合でも、やらないことが明確になっていれば採るべき選択肢は自ずと絞り込まれ、方向転換も比較的スムーズです。 市場の状況は刻々と変化します。折をみてアップデートをするのも大事ですので、これを機に3C分析に取り組んでみませんか?

      Nodoka Furuta

      Nodoka Furuta

      アナグラム株式会社 クルー。広告代理店に入社後、運用型広告のコンサルタントとして、複数社を担当。経験業界は、美容・食品・冠婚葬祭・教育・旅行・人材・EC・アパレルなど。2015年より現職にて、運用型広告の全般の運用。新規提案などに携わっています。クライアントさんにとって頼りになる存在になれるように日々精進です。

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