運用型広告で成果を一緒に出しやすい 企業(クライアント)は どういった特徴がありますか?などに対する回答。「ネットショップ担当者フォーラム 2016秋のパネルディスカッション」より

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2016年11月8日に行われたネットショップ担当者フォーラム 2016秋のパネルディスカッション「ツイート厳禁?!SEO・SEM・アフィリエイト、そして解析の「集客プロ」が語るここだけ話」にてコミュニケーションマーケティングコンサルタントのすずき たまよさん、ウェブアナリストの小川卓さん、SEOの木村 賢さんとお話させて頂き、終了後、約1時間にも渡る勢いで多くの方から直接ご相談いただきましたので、私のお話の箇所のみを多少肉付けし、書いて参ります。

Q.成果を一緒に出しやすい 企業(クライアント)は どういった特徴がありますか?

餅は餅屋という認識があるといいますか、いい意味で「私たちは素人なので」というスタンスで歩み寄ってくださる企業さんでしょうか。データフィードや機械学習など数多くのテクノロジーを利用したプロダクトが入ってきています。それ故、専門で取り組んでいても最新情報のキャッチアップで大変であり、過去の成功体験はすぐに陳腐化してしまいます。そういった背景も含め、運用型広告っていきつくところ人なんです。なので、結局はその人、つまりスペシャリストを信じてくださり、ある程度お任せしてくださる企業さんが伸びますと断言してもいいです。

あとはポートフォリオを分断しない企業さんですね。これは200%くらい間違いないです。運用型広告っていっても、Yahoo!やGoogleのリスティング広告、Facebook広告、Twitter広告、DSPなど、多くのものがあるんですが、メニュー単位で予算を切ってくる企業さんがいらっしゃいますが、これはうまく行きません。運用型広告ってものすごい流動的なので、それぞれの予算を設けるよりも、運用型広告で1000万などといったある種のキメが重要であって、ポートフォリオのアウトラインは決めるけど、あとは柔軟にやってね!って企業さんが一番成功する傾向があります。

Q.成果を出しやすくするために 行っていることはありますか? (コミュニケーション・資料・事例等)

何やっているかと言われればまずは交通整理です。いわゆるKPIの整理みたいなのが多いかもしれません。企業さんは必ずしもただしいKPIをもっていないことがあります。例えば単品通販の企業さんは新規の獲得がKPIだったりすることがあるんですが、その新規の質まで追い求めている現場の方ってそこまで多くないんですよね。LTV2万円の新規よりもLTV3万円の新規の方がいいのは明白ですし、サンプルだけ買ってリピートしない新規をどれだけとっても基本的に本質的なゴールではないわけじゃないですか。

勿論、現場はそのKPIによって評価されるのは理解してますが、それって経営者や意思決定者が本質的に喜ぶものではないですよね。つまり、企業って儲かることが善であって、儲からないことは基本的に悪なんですよ。極端ですが。あとで蓋開けたら「お前ら何やってるんだ」なんて、冗談のような話で実際に多くの企業で起こっていることです。

なので、しっかりと儲かるKPIなのかどうかを見極めて、その上で問題ないのであればそのKPIを極限まで引き上げてあげる、達成する。さらに言えば、分厚い資料、デイリーレポート、3PASの集計等、必要だと信じ込んでやり続けているような実は無駄なものを極限まで無くしてあげる。それでこそ僕らは初めて心から喜んでいただけるわけであって。

勿論その結果、運用型広告のフェーズじゃないよね、というものもかなりの確率であるので、その場合は喜んで対象企業を紹介させて頂いてます。

Q.「施策を行ったらどれくらい 売上が上がるの?」 という質問にどう答えていますか?

これ健康診断や人間ドックと同じでですね。既存のアカウントを開示いただければかなりの精度でのシュミレーションを出すのは可能です。(それには多大な労力がかかるということが大前提)開示されない場合はざっくりとしかわかりませんとお伝えしてます。

ただし、僕らはリスティング広告5タイプ理論というフレームワークをもっていて、基本このフレームワークのポートフォリオに添っていないのが現状なのであれば、大きく改善出来るのは間違いないですよ、とだけお伝えしてますね。

Q.企業側がベンダーやコンサル相手を 選ぶ時にはどうすればよい?(どうやって良い会社を見つける?)

検索するのは普通かなと思いますがそれでは芸がないので運用型広告業界独特の話でいうと2つあります。1つは一つ一つの行動、意思決定にちゃんと意図がある人を探すこと、もう1つは相性です。人との相性もありますが、組織との相性もあります。

前者は意図のないテクノロジーの活用などがわかりやすいですかね。明確な意図の無い自動入札ツールの活用ほど罪深い行為はありません。それによって死んでしまっているアカウントの屍を嫌というほど見てきました。テクノロジーの活用はこれからの時代必須であり、寄り添っていかなければいけません。ただし、それに意図が無ければ本当に意味がないこと、もっと強く言えば功罪なんです。テクノロジーを活かすのも殺すのもそれに指示を与える人間ですよね。なので、テクノロジーの活用は大賛成である一方で、「社内ルールなんで…」とか「弊社のオリジナルのツールが物凄いロジックで…」みたいなことを言っていたり、その活用に明確な意図がないコンサルなんかとは距離を置くべきです。

後者のたとえとしては、うちのような30人程度の小さな会社はリソースも限られてきますので変な言い方ですがお仕事も選んでます。作業を中心にしたようなお仕事は基本お受けしないんですね。あとは僕らが関わることでお互いに幸せになる企業さんとしかご一緒しません。

でもこれって決して悪いことではないですよね。作業をお願いしたいのであれば明日までにこれやってね、っていってもその意味も問わず御用聞きのようになんでもやってくれる大きな会社とご一緒するのがお互いによいわけですし、僕らはそういった考えなくていい仕事は苦手なだけなんです。だからそういう仕事はやらないって決めているんです。

寿司で例えるのであれば、回転寿司かカウンターの久兵衛か、の違いなんですよ。勘違いしてほしくないのは、どっちが上だ下だの議論ではないですし、旨いまずいの話でもありません。勿論、それは価格も提供方法も違いますけど、腹を満たす機能は同じですよね。スタンスの違いの問題なんです。あとは相性、好みの問題なんですよ。これを履き違えるから皆不幸になってしまう。久兵衛に値切ることなんてないですし、回転寿司に想像を超える味覚を求めることもさほど無いと思います。でも実際にはそういったことが蔓延してしまってて、昨今の運用型広告業界で起こっているのはそういうことなんです。個人も組織もお互いにスタンスを示せば不幸に成ることは避けられるんです。好きな仕事してて不幸に成るなんて意味ないですよね。

まとめると、 一つ一つの行動、意思決定にちゃんと意図がある人を探すこと、もう一つは相性で選ぶ。僕はこの業界の13年?選手ですが、今出せる最善のパートナーの選び方はこれしかないと思ってます。

最後に

リスティング広告を筆頭とする運用型広告のみに限らず、アフィリエイト、アクセス解析、SEO、それぞれで多少の違いはあれど、基本的には人、スタンス、などで選ぶと幸せになりやすいなど、本質的な箇所はそれほど変わらないというのを感じさせるセッションだったと思います。

また、終了後に次のセッションが終了したあとでも多くの方がそれぞれのパネラーに個別相談にいらっしゃっているのを目の当たりにし、まだまだ自分たちに出来ることがあるなと痛感する良い機会になりました。

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Keiji Abe

Keiji Abe

アナグラム株式会社 代表取締役。大手アパレルメーカーを経て運用型広告の世界へ。現在はCPAの改善だけにとらわれず、ビジネスの最大化を目指す支援を行う。著書には「新版 リスティング広告 成功の法則」「いちばんやさしいリスティング広告の教本」など多数。主な仕事は戦略策定、及び人事、総務、経理、組織論などを担当。