挙手制・逆ピラミッド・売上目標なし。独自の仕組みを持つアナグラムで、マネジメント層に求められる能力とは?

挙手制・逆ピラミッド・売上目標なし。独自の仕組みを持つアナグラムで、マネジメント層に求められる能力とは?

アナグラムでは、未経験で入社するメンバーであっても、早ければ1年ほど経ったころにマネジメントの役割を担う場合があります。

そして、アナグラムのマネジメント層に求められる能力はかなり多様です。

そもそも一気通貫で業務を行うことから、教えるべき業務の範囲が広いことに加えて、挙手制や逆ピラミッドの体制をとっていること、現場は売上目標を持たないことなど、通常の会社ではあまり見られない仕組みがあり、それらの仕組みに沿ったマネジメントが必要となるからです。

挙手制:メンバーがやりたい案件に挙手して担当する制度。これによって、臨場感を持ってご支援することができる。

逆ピラミッド:現場のメンバーがピラミッドの頂点に立ち、意思決定を行う仕組み。素早い意思決定で成果を上げやすくなる。

売上目標なし:現場のメンバーは売上目標を持たない。そのためお客様のためになる提案のみを行うことができる。

参考:現場のコンサルタントが裁量を持って意思決定するための組織と仕組み

しかし、求められる能力が多様であるからといって、マネジメントの仕方が特殊なわけではありません。アナグラムでマネジメント能力を磨けば、普遍的な能力としてどこにいっても役立つでしょう。

では、独自の仕組みをもつアナグラムという組織において、マネジメント層にはどのような振る舞いや能力が期待されているのでしょうか?

アナグラムにおけるマネジメントの目標と特徴

まず、アナグラムのマネジメント層がもつ目標と、特徴をご紹介します。

マネジメントの目標

アナグラムにおけるマネジメントの目標は、「メンバーが上長に相談せずに自走できる状態になる」ということです。

運用型広告のコンサルタントであれば、

  • 運用型広告について理解している
  • 様々な案件を担当して成果を出している
  • 新しい案件を受注できる
  • マーケティング・経営的な視点でのアドバイスを行える
  • クライアントとの信頼関係を築ける
  • 他のメンバーによい影響を与えられる

などの能力が求められます。これらを上長に相談せずに自走できるメンバーを育てることがマネジメント側の目標です。

アナグラムでは運用担当と営業担当が分かれておらず、一気通貫の体制をとっているため、出来るようにならなければいけないことは通常の代理店よりも多いかもしれません。また、運用型広告にとどまらず、マーケティングに対しての全般的なアドバイスだったり、採用や広報、場合によっては経営領域のお手伝いをすることもあるため、それらの知見も身についていることが望ましいです。

よって、運用型広告やクライアントワーク、新規受注のノウハウを学んでもらうだけではなく、クライアントに対して前述した幅広い視野でのアドバイスを行うことができるよう、業務をデザインする必要があります。

もちろん、上長としてこれらの知識を常にアップデートしていくことも欠かせません。変化の速い運用型広告の業界では、一度知識を入れたら安泰ということはないため、基本的にはマネジメント層になっても案件を持ち続けています。

一緒に働きたいメンバーに挙手をする

また、アナグラムではメンバーの採用も挙手制となっています。

人事が一方的に配属を決めるのではなく、アナグラムでは一緒に働きたいと思った人が挙手をし、挙手をした人のなかから相性やチーム状況などを見て最終的に配属が決まります。

よって、マネジメント層は人事的な視点も持つ必要があると言えます。

自分の得意・不得意、既存メンバーの得意・不得意、さらにはキャラクターなどを総合的に考えて、チームをより活性化させ、メンバーを成長させるには誰を採用するのがよいのか?を考えていきます。

「仕事を指示する」ことができない

アナグラムのマネジメントにおける一番の特徴は仕事を指示できないことでしょう。

逆ピラミッドの体制を取っており、さらに案件は挙手制であることから、「この仕事をやってね」「ここをこうやって成果を出してね」と細かく指示することはできません。

案件の選択は挙手制ですが、入社したばかりのメンバーなどは、自分自身でやりたい案件を判断できない場合もあります。そのような場合、上長がメンバーに対して「この案件ではこういうことが出来るので学びになるのではないか?」と推薦することはあります。しかし、その話を聞いたうえで最終的にやるかどうかを決めるのはメンバー自身です。

日々の運用についても同じで、上長はアドバイスや意見を言うことはありますが、案件を担当している現場のメンバーが最終的には判断します。

また、売上目標もないため、数値目標で駆り立てるようなマネジメントをすることはありません。

マネジメント層に求められること

では、アナグラムという会社独自の仕組みを活かしつつメンバーを育てていくために、マネジメント層はどのようなことを意識すべきなのでしょうか?

一番大事なのは、「安心してチャレンジできる環境を作ること」だと考えています。以下は、マネジメント層になったメンバーに社内研修で伝えている内容のごく一部です。

メンバーに対してのリスペクトを持つ

大前提として、誰しも自分とは違うバックグラウンドがあり、違う世界を見ているという認識をもつこと。そして、リスペクトを持って接することが大切です。

「メンバーのほうが業務経験が浅いから」「私のときはこうだったのに」と決めつけて意見をないがしろにしてしまえば、たちまち安心してチャレンジできる環境ではなくなってしまいます。

ロードマップを示して、未来に希望を持ってもらう

自分の現在地や、将来進んでいく道が分からないと不安になってしまうのは当然です。

一人前のコンサルタントとなるためにはどのような能力が必要で、今の時点でどのくらい出来ていれば良いのか、今後どのくらいのスピード感で進んでいけばよいのか、をしっかりと示してあげることで、未来に希望を持ってチャレンジしていけると考えています。

臨場感のある案件を上司が薦める

挙手制であっても、上司が案件を推薦することはすべきだと考えています。

できなかったことができるようになる案件、今まで経験したことがない業界の案件など、そのときに一番メンバーのためになり、思い切ってチャレンジできるであろう案件を、理由とともに紹介します

最終的にやるやらないを判断するのはメンバー自身ですが、完全にメンバー任せにするのではなく、一緒に業務をデザインしていくことは重要です。

適切な情報は与えるし、環境も整備するが、答えは教えない

答えにたどり着くまでの考え方や、情報へのアクセス方法を教えることは必要ですが、答えそのものを教えることは、意思決定の機会を奪うことでもあると考えています。

答えを教えられ続けた人は次第に、自分で考える必要がないと感じてしまうでしょう。自分で答えを見つけてもらうことが、チャレンジし続けてもらうためには必要不可欠です。

迷惑をかけずに失敗できる場を用意する

アナグラムはクライアントワークを基本としているため、経験が浅いうちは「お客様に迷惑をかけるのではないか…」と消極的になってしまうかもしれません。

そのため、実際の案件以外で失敗できる場をたくさん用意することが、メンバーに安心してチャレンジしてもらうために必要だと考えています。

毎週木曜に全社で実施しているグロースハックという取り組みもその1つです。グロースハックとは、社内で1つの案件を取り上げて、その案件の改善案を持ち寄り議論するという取り組みですが、社内での発表であれば、いくら失敗しても誰にも迷惑をかけることなく自分の糧にしていくことができます。

参考:グロースハックとは

全社での取り組み以外にも、チームごとにアカウント分析の機会を頻繁に設けて、メンバーの成長機会を作っている場合が多いです。

失敗は怒らない、チャレンジをほめる

失敗を怒られてしまったら、チャレンジすることが怖くなってしまうでしょう。

もちろん、倫理を犯したとき、約束を守らなかったとき、嘘をついたときなど、怒らなければならない場面は存在しますが、それ以外の場面で怒ることはプラスを生まないと考えています。

逆に、たとえば売上が順調に伸びていたとしてもそれ自体を褒めることはありません。それよりも、どんな工夫をしたか、どんな考え方をしたか、どんな新しいチャレンジをしたか、を褒めます。

そうすることで、「過程は間違っていないんだ」と分かり、目指すべき場所をブラさずにチャレンジを続けることができるはずです。

仕組みを疑い、常に改善を試みる

上手くいかないとき、それを発生させたメカニズムに原因を求めることを要求しています。

誰かのモチベーションのせいにするのは簡単ですが、それは本質的な解決にはつながらないと考えているからです。

常に現状の仕組みを疑い、よりよくすることができないか?と考え続けることが大切です。

アナグラムのマネジメント層になると身につくこと

経験のある上長がすべてを指示して業務を進めていけば、高い品質の成果を均一的に提供できるかもしれません。しかし、それは上長の能力以上の成果は出にくくなってしまう仕組みでもあります。

また、指示されたことだけをやっていると、メンバーの発想力は鈍り、チャレンジ意欲もそがれてしまうでしょう。入社時はやる気に満ちていたメンバーが、次第に言われたことしかやらなくなっていった…という場面に遭遇したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アナグラムでは、メンバーの能力を最大限に活かして圧倒的な成果を出すために、「これをやって」「あれをやって」と上長が指示をするマネジメントスタイルはとっていません。

価値観や経験、強みや弱みが異なるメンバーが相互に関わり合いながら、生き生きと能力を発揮することができるように目標や環境を整えること。これこそがアナグラムのマネジメント層に求められることです。

もちろん、変化の早い業界で新しい情報にキャッチアップし、プレイヤーとしても能力を磨き続けるなかでこのような能力も高めていくのは大変です。しかし、ただ業務を教えるだけにとどまらない、どこにいっても活躍できる普遍的なマネジメント能力が身につくことでしょう。

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