LINE広告にはさまざまな配信先があります。LINEアプリだけでも「トークリスト」「LINE VOOM」などの複数の配信先がありますよね。また、LINEファミリーアプリと呼ばれるさまざまなLINEのサービス、加えてLINE広告ネットワークと呼ばれるその他のアプリへ広く配信も可能です。
一方で、「特定のアプリにだけ広告を配信したい」や「パフォーマンスの低い配信先を除外したい」といった要望も出てくるのではないでしょうか?
今回は、LINE広告の配信先を任意で指定できるプレースメント機能をご紹介します。
目次
LINE広告のプレースメント機能とは
LINE広告のプレースメント機能を利用することでプレースメント、つまり配信先を一定の範囲でコントロールできます。
設定は広告グループ単位でのみ可能です。「編集」から「広告の配信」部分の配信先で「配信先を編集」を選択して指定ができます。
利用可能なプレースメントは以下の通りです。
【LINEアプリ】
- トークリスト
- LINE NEWS(LINE NEWSのLINE公式アカウントから配信されるダイジェスト記事にも配信)
- LINE VOOM
- ホーム
- ウォレット
- LINEマンガ(ディスプレイ面のみ)
- LINEポイントクラブ
- LINEチラシ
- LINEクーポン
- LINEマイカード
- LINEブランドカタログ
- LINE Monary
- アルバム
- LINEオープンチャット
- LINE公式アカウントのトークルーム(LINEファミリーサービス以外のLINE公式アカウントのトークルームに配信)
- LINE ENTERTAINMENT公式アカウント(LINEファミリーサービス以外のLINE ENTERTAINMENT公式アカウントのトークルームに配信)
- LINE GAME公式アカウント(LINEファミリーサービス以外のLINE GAME公式アカウントのトークルームに配信)
【LINEファミリーアプリ】
- LINEの各ファミリーアプリに配信。(LINEマンガのディスプレイ広告には配信されない)
【LINE広告ネットワーク】
- 電子書籍、ゲーム、SNS、ニュース・天気など、さまざまなジャンルの3rd party アプリ(LINE広告ネットワークの広告枠に配信。LINEサービス以外のさまざまなアプリの広告枠に広告を配信できる)
プレースメント機能のメリット
プレースメント機能の活用で得られる2つのメリットをご紹介します。
①費用対効果の向上が期待できる
プレースメントによってユーザーの見ているコンテンツや利用状況が異なるため、費用対効果にも差が出てきます。
プレースメント機能を利用することで、次のように費用対効果の改善が図れる可能性があります。
- 費用対効果の低いプレースメントを除外
- 費用対効果の高いプレースメントのみを指定
仮に広告グループ単位で費用対効果が合っていたとしても、もしプレースメントによっては効率が悪ければ、配信対象に含めないことで改善が見込めます。
また、予算が限られている際には、特定の効果の良いプレースメントに絞ることで、成果の減少を抑えつつ費用の削減も可能です。
②プレースメントに合わせたクリエイティブの出し分けができる
配信先を運用者側で自由に設定できるため、配信面に合わせて広告訴求やデザインの出し分けが可能になります。配信先に合った広告を出すことでエンゲージメント率やクリック率、コンバージョン率の向上が期待できます。
プレースメントの選定方法
実際にプレースメント機能を利用しようとする際に、どのようにプレースメントを選べばいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここでは、3つの選定軸から効果的なプレースメントの選定方法を解説していきます。
配信面でのユーザーの行動やマインドに合わせて判断する
プレースメントを選定する際は、広告内容とプレースメントが一致しているかが重要になります。
LINEニュース | ユーザーが情報を読み込む・収集するマインドになっている。 |
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トークリスト | LINEのメイン機能であるトーク欄に表示されるためユーザーとの接触頻度が多く、トーク欄を開いている際は1社分の広告しか表示されないため広告に興味を持ってもらいやすい。 |
LINE広告ネットワーク | LINEアプリ内の広告と異なり配信先の外部サイトやアプリに依存するため、ターゲティングの精度がLINE内よりも下がり、ターゲットでないユーザーにも広告が表示されることがある。 また、ユーザーが集中しているコンテンツに干渉する形で広告が表示されるので、広告への興味が薄れたり、スルーされやすい環境となり、成果低下の原因になることも。 |
このように、プレースメントによってユーザーの行動や利用しているマインドにはそれぞれ違いがあります。そのため、広告配信の目的や商材にあったプレースメントを選べると成果に繋がりやすくなることが期待できます。
配信面のクリエイティブの種類で判断する
また、配信面によって掲載できるクリエイティブのサイズや種類が異なることも押さえておきましょう。
例①:トークリスト
トークリストはトークを確認するために利用される配信面であるため、広告クリエイティブは他の場所にくらべて狭く、表示できるテキストの量や画像のサイズも限られます。
そのため、画像が細かすぎると思うようなユーザーからの反応は得られないでしょう。
以下の記事では、トークリストにマッチするクリエイティブについても紹介していますのでぜひご参考ください。
例②:LINEニュース
LINEニュースはユーザーが情報収集目的で閲覧している配信面であるため、情報を読み込むマインドになっているユーザーに広告を見せることが出来ます。
そのため、情報量を多めに伝える必要がある商材でもカルーセル広告や動画広告などを活用することで、ある程度商材を理解してもらえた状態でLPに遷移してもらうことで成果が向上する場合があります。
配置される場所に応じて、クリエイティブに含められる情報量が変わります。そのため、プレースメントが商品やサービスに興味を持ってもらえるだけの情報を提供できるクリエイティブに対応しているか、あらかじめチェックしておくのがおすすめです。
逆に、そのプレースメントにあった情報量のクリエイティブになっているかも確認できるといいでしょう。
配信実績から判断する
もし多くのプレースメントに対して広告配信を行ったことがあれば、配信実績から効果的な配信面、あるいは費用対効果の低い配信面を選定するのが確実です。
配信面別の実績確認方法
「パフォーマンスレポート>集計対象>配信先別(詳細)」で確認できます。
配信先別(詳細)レポートでは以下が出力できないので注意が必要です。
- 広告単位で出力できない
- 標準イベント関連項目が表示されない
- SKAdNetwork計測が有効な状態の配信におけるインストール関連項目は「反映されない(imp、clickなどインストール以外の項目は反映される)
- 2023年7月24日以前の数値が抽出できない
参考:LINE広告アップデート情報 2024年3月 配信面が選択できるプレースメント機能をリリース!
プレースメント機能を活用する際の注意点
上手くプレースメント機能を活用できれば、費用対効果を削減したり費用を抑えたりと、より状況にあった広告配信も可能です。一方で、次のような注意点には十分に注意する必要があります。
配信面の絞り込みすぎは機会損失になりうる
配信を効率化させようと、ひとつの広告グループの配信面を絞り込みすぎると十分な配信ができなかったり、機会損失を生んでしまう危険性があります。
効率化ももちろん重要ですが、可能性があるのに配信できていないともったいないですよね。他のプレースメントを追加する、あるいは自動配置で配信先を広げることも検討してみてください。
「友だち追加広告」は選択できるプレースメントが限られる
「友だち追加」を目的とするキャンペーンでは、配信先として指定できるプレースメントが他に比べて限られているため注意が必要です。
「トークリスト」、「LINE NEWS」、「LINE VOOM」、「ウォレット」、「LINEショッピング」、「ホーム」、「LINEオープンチャット」、「LINE Album」のみ配信可能です。
友だち追加広告については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
すべてのプレースメントに対して適切な広告クリエイティブを個別に用意するのは現実的ではありません。しかしながら、少なくとも主要なプレースメントについては、ユーザーはどのような状態でそのプレースメントをみているのか、また、設定している広告クリエイティブは、見ているプレースメントで魅力的なものになっているかを確認するのが大切です。
自動配置が推奨されるなかでも、プレースメント単位でみると費用対効果の低い配信先がみつかる場合も少なくありません。プレースメントごとの数値を確認したことがないという方は、ぜひ一度、掲載結果の内訳を確認してみてくださいね。