昨年6月頃にローンチされたGoogle アドワーズの検索連動型広告経由の来店コンバージョン計測がアップデートされ、2017年5月25日にGoogle ディスプレイネットワーク(以下:GDN)経由でも計測が可能になったとアナウンスがありました。
※参考:Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)の「来店コンバージョン」が計測可能になりました - Google 広告主コミュニティ
目次
来店コンバージョンとは
来店コンバージョンとは、実店舗のある広告主のGoogle アドワーズをクリックして、その後、ユーザーが実際にどれくらい実店舗へ来店したかをコンバージョンとして計測できる機能です。
ホテル、自動車販売店、レストラン、小売店など、来店を重視するビジネスにおいて、オンライン広告がどのくらい効果的なのかを正確に把握することは困難ですが、この来店コンバージョン計測により、実店舗への貢献度を数値化することができます。
来店コンバージョンを計測する仕組み
来店コンバージョンを計測する仕組みは、ユーザーのスマートフォン内のGoogleが提供する「ロケーション履歴」という機能、いわゆる位置情報(GPS、Wi-Fi)が有効になっている場合が計測の対象となります。
この「ロケーション履歴」を有効にしているユーザーのサンプルを集計し、匿名化したデータに基づいて、広告をクリックして来店した全体的な人数を算出し、厳しい信頼水準に達した場合のみレポートにコンバージョンデータとして計測されます。
実店舗への来店データは、匿名の集計統計情報に基づいています。広告をクリックした後で実店舗へ来店したユーザー数に関する現在と過去のデータを使って、モデル化した数値が作成されます。
実店舗への来店データを個々の広告クリックやユーザーに関連付けることはできません。個人ユーザーのプライバシーは、業界の最良事例に則って保護されます。
引用元:実店舗への来店によるコンバージョンについて - AdWords ヘルプ
来店コンバージョンの利用条件
ヘルプによると来店コンバージョン計測は、実店舗がある広告主全てが対象となるわけではなく、下記の一定の条件を満たした一部の広告主のみ利用できるようになっています。
- 利用可能な国に複数の実店舗がある
- 広告のクリック数や実店舗への来店が多い
- GoogleマイビジネスアカウントをAdWordsアカウントにリンクしている
- Googleマイビジネスカウントに各店舗の位置情報の登録
参考:Google の無料ビジネス リスティング | Google マイビジネス – Google
また、Wi-Fi 環境調査など、正確な数値計測のための確認作業もいくつか必要になるようです。
来店コンバージョンを活用することのメリット
これまで、どのキーワードがどれくらい効果的で、どれくらいコストをかければよいか、というオンライン上では正確に数値化できない悩ましき問題が、来店コンバージョンを活用することで、来店者に貢献している検索語句や広告、利用デバイスなどの成果を把握することができるようになるため、最適化がしやすくなります。
GDN向けの来店コンバージョンが計測可能になったことでどんなメリットがあるか
GDN経由の来店コンバージョン計測ができるようになることで、ディスプレイ広告をきっかけとした来店数の貢献度が図れるようになります。
インターネット利用時間を考慮した時に、検索行動とコンテンツの閲覧やアプリの利用のいずれかの広告接触時間が多いか?を考えてみると分かりやすいですが、一般的にユーザーはインターネット利用時間ほとんどを興味あるサイトやコンテンツの閲覧に時間を費やしており、検索に費やす時間は僅かであると言われています。
つまり、検索連動型広告では広げづらい潜在層向への接触が可能になるため、検索連動型広告とは比べ物にならないほどの未開拓ユーザーへ来店を促すきっかけを作ることができます。
例えば、コンテンツターゲットや類似ユーザーへの配信といった幅広いターゲティングでの活用が考えられます。更に、リマーケティングを活用すれば、オンライン上で見ていたサービスや商品の情報をもとにして実店舗への来店を促すこともできるため、より来店率を高められる可能性があります。
また、ターゲティング以外のメリットとして、テキスト広告以外のフォーマットの活用ができるようになるため、より表現の自由度の高いイメージ広告やGmail広告などを活用した広告訴求の幅が広がりますね。
最後に
GDN経由でも来店コンバージョンが計測できるようになったことで、今後は目的が顕在化しているユーザーのみならず、潜在的なユーザーへの効果的な施策や費用対効果の高い施策への適切な予算配分がしやすくなると思われます。
また、オンライン広告の実店舗への集客効果が高いと分かれば、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌といったマス広告との予算配分も見直すきっかけになるかもしれません。
しかしながら、実施には一定の条件を満たした一部の広告主のみ利用できるということで、一般的に利用できるようになるには、まだ時間がかかりそうですね。