検索連動型広告で順調にコンバージョンも取れるようになってきた。次はGoogle ディスプレイネットワーク(GDN)でさらなるコンバージョンの上積みをしよう!
こうして始めたGoogle ディスプレイネットワーク。開始1日目はコンバージョン0件。2日目、ようやく数件コンバージョンが上がるも通常の数倍のコンバージョン単価(CPA)。そして3日目……そっとキャンペーンの停止ボタンを押したなんて経験ありませんか?
本記事では、Google ディスプレイネットワークで成果が出ないときに陥っている可能性が高い、代表的な4つの罠をご紹介します。Google ディスプレイネットワークを始めたばかりで成果がイマイチ、これから始めようと思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
1. スマートフォンのコンバージョン単価が高騰している
まずはデバイス別に分割して見てみましょう。
Google ディスプレイネットワークのコンバージョン単価が高騰しがちな理由のひとつに、スマートフォンからなかなかコンバージョンが生まれず、結果、全体のコンバージョン単価が高騰しているケースが考えられます。
スマートフォンからのクリックが多くコンバージョン単価も高かった場合、入札単価を下げる前に、まずは配信先のプレースメントレポートを確認してみましょう。この配信先レポートで、もし仮にスマートフォンアプリ(URLがMobile App:で始まるプレースメント)からのクリックが大半でコンバージョンも上がっていなければ、配信先からアプリを除外することで早期のコンバージョン単価改善が見込める場合があります。
具体的には、キャンペーンの除外プレースメントに「adsenseformobileapps.com」を追加すれば、すべてのスマートフォンアプリに広告が配信されなくなります。
※2018年9月より廃止されました。
参考:Google、ディスプレイ広告のモバイル向け配信設定を簡素化:モバイルアプリの一括除外設定などを廃止へ
ただし、これはあくまで一例に過ぎません。確かにアプリは、ゲームやツールなど、ユーザーが何かしらの”明確な目的”を持って行動をしていることが多い配信面ですが、配信手法によっては十分なコンバージョンが見込める商材も数多く存在します。
自身の行っているプロモーションの先にある商材が、なぜそのデバイスにおいて成果をあげることができないのか? を熟考し、広告文やクリエイティブを変更したり、コンテンツターゲットやトピックターゲットなど、面を中心とした配信手法から、リマーケティングや類似ユーザーなどの人を中心とした配信手法へと変更したり。さらに曜日や時間帯など、さまざまな事象を考慮して、多角的な視点で対策をしていくことが大切です。
2. 狙うべき配信面に表示されていない
こちらは主にコンテンツターゲットなどで起こりやすい現象です。アパレル通販サイトがコンテンツターゲットのキーワードに「ワンピース」と入稿した結果、洋服だけではなく、アニメや漫画のまとめサイトやファンページに広告が配信されてしまい、購入に結びつかないクリックが増えてしまうなどですね。
入稿段階で「ワンピース マキシ丈」「ワンピース コーデ」など、ある程度配信面を絞るような掛け合わせキーワードを入稿するのも手ですが、すべてを潰しきるのは困難です。また、あまり神経質に絞り過ぎると必要以上に配信数を縮小してしまうことにもなりかねないので、配信開始直後に配信先プレースメントレポートをこまめにチェックすることをお勧めします。
きめ細かいメンテナンスで、明らかに自社商材やターゲット層と関係が薄いと思われるサイトを配信プレースメントから除外していくことで、配信精度の劇的な向上が期待できます。
以前は配信プレースメントの表示に数日かかることもありましたが、直近は媒体側のアップデートによって数時間で表示されるなど、Google アドワーズ管理画面への反映もスピーディーになってきています。特に大事な初動確認時にはGoogle アナリティクスのリアルタイム訪問も併用できるとより素早い対応が可能です。
参考:Google アドワーズ史上、最強のプロダクト、コンテンツターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ
3. 狙うべきユーザー属性に注力した配信ができていない
例えば20代男性向けの転職サービスなのに、全年齢・全性別向けに配信をしている場合などは、対象ターゲットから乖離のあるユーザー属性を多く含んだ配信となり、必然的にコンバージョン率も下がり、コンバージョン単価も高騰しがちです。
体感ですが、Google ディスプレイネットワークの年齢・性別ターゲティングの精度は日進月歩であり、ターゲットが限られた商材の場合、リマーケティング以外のGoogle ディスプレイネットワークは、年齢・性別をコア層のみに限定して配信することで成果も良くなりやすいように思います。
また、コンバージョンするユーザー属性が幅広く、全年齢・全性別向けに配信している商材でも、ディスプレイネットワークタブの「ユーザー属性」を参照し、コンバージョン獲得効率に応じて、属性ごとに入札単価の強弱を調整することで、より適切なコンバージョン単価で配信することが可能です。
(下記例) 「男性」 「25-34歳」 「子供なし」 はクリック数に対してコンバージョン数の比率が大きい(コンバージョン率が高い)ため、この属性の入札単価をアップすることで、コンバージョン単価の改善とコンバージョン数の増加が見込めます
4. クリエイティブのテストができていない
「初期の仮説は必ず外れる、成果を分けるのはその後の行動だ」という言葉もありますが、最初からベストの成果を出せる(出し続けられる)オンリーワンの広告はこの世にありません。常にもっと良いものに変えていく必要があり、そのためのテストができる環境が非常に重要です。
そのため、最低でもテキスト広告2種類、できればバナー広告も2種類入稿して、常にどちらか良い方を残し改善していくPDCAが回せる状態を保てるのが、健全な広告運用であると考えます。テキスト、バナーそれぞれでしか表示できない配信面もありますし、バナー広告はできれば複数のサイズが用意できれば言うことないですね。
参考: [随時更新] Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)/Google ディスプレイネットワーク(GDN)で使える最新バナーサイズ一覧
まとめ
以上、Googleディスプレイネットワークにて、コンバージョンが取れない、コンバージョン単価が高いといった際に陥りがちな4つの罠について紹介しました。
確かにGoogle ディスプレイネットワークを主体としてコンバージョンを取りにくい商材も数多く存在しますが、一時的に獲得が伴わないからといってメンテナンスもしないうちにすべてを停止することで、大変な機会損失となってしまう可能性もあります。
検索連動型広告よりも広告の掲載面が見えにくいGoogle ディスプレイネットワークだからこそ、より一層、配信面と配信ユーザーのこまめな確認と、スピーディーな調整・取捨選択こそが、成功への第一歩であると言えます。
※リスティング広告アカウント全体の見直しに関してはリスティング広告アカウントを殺す18の誤りを参考にしてくださいね!