
前回の記事までは、新卒の方やこれからエクセルを使う方に向けてまとめた基礎編でしたが、本記事と第4回の記事では基本技術に上乗せするような「知っているとさらに便利」な技術をお伝えします。 関数は基本編でほぼ述べているため、こちらではショートカットをメインにお伝えすることになりますが、知っていれば役に立つ機能なので基礎編が身についている方はこちらの機能も参考にしてみて下さい。
※広告運用者のためのExcel(エクセル)活用の、第1回~2回、4回はこちら
①:まずはこれだけ【基本のショートカット】
②:まずはこれだけ【基本の関数】
④:さらにレベルアップ【利用環境と見た目を整える】


ここぞというときに使えるショートカット
入力をもっとスピーディーにしたい
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
オートSUM |
Alt + Shift + [ = ] |
表の作成中などに合計を入れたい際、自動で対象範囲を計算してくれる機能。 |
このショートカットキーは関数 SUM()の 計算範囲を自動で行もしくは列方向に合計値を計算してくれるので、手早く表を完成させる場合に非常に有用です。例えば、各キャンペーン表示回数の合計値などSUM()関数を使用する場面は多いので、使うと作業効率が上がります。
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
下方向にコピー&ペースト |
Ctrl + shift + [ < ] または、Ctrl + d |
対象範囲のセルを下方向に貼り付けます。 数式などのコピーが簡単に。 |
横方向にコピー&ペースト |
Ctrl + shift + [ > ] または、Ctrl + r |
対象範囲のセルを右方向に貼り付けます。 数式などのコピーが簡単に。 |
例えばクリック率を計算する場合に、一番上のセルに計算式を入力し書式を設定後、上図のように対象の範囲を選択しショートカットキー「Ctrl + shift + [ < ]」を入力すると・・・
このように書式も含め、セルの内容をコピーすることが可能です。もちろん、Ctrl + [ c ]とCtrl + [ v ]で行う作業と全く一緒ですが、先に選択範囲を決定しているような場面ではこちらのほうが早いことも多いです。
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
現在の日付を入力する |
Ctrl + [ ; ] |
現在の日付を書式も含めて入力します。 (yyyy/mm/dd 形式です) |
現在の時刻を入力する |
Ctrl + [ : ] |
現在の時刻を書式も含めて入力します。 (hh:mm 形式です) |
毎月作成する請求書などをエクセルで発行している場合には、Today()やNow()を使う場面のほうが多いかもしれませんが、現在の時間をパッと入力するのであれば上記のショートカットも非常に便利です。
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
行(セル)選択 |
Shift + [ Space ] ※入力モードが「半角英数」の場合に有効 |
行選択(ヨコ) |
列(セル)選択 |
Ctrl + [ Space ] |
列選択(タテ) |
セル(行or列)挿入 |
Ctrl + Shift + [ + ] |
選択範囲にセルを挿入する |
セル(行or列)削除 |
Ctrl + [ - ] |
選択範囲のセルを削除する |
セルの挿入削除はもちろんメニューや右クリックからも行えますが、ショートカットキーで操作できるようになれば何度もメニューから操作をする必要がなくなるので作業効率が格段にアップします。行選択、列選択と組み合わせれば、行や列単位での挿入削除も非常に簡単です。
データの確認作業をもっと楽に
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
オートフィルター |
Ctrl + Shift + [ L ] |
表内部のセルを選択している状態で、このショートカットキーを入力するとフィルターが自動でかけられます。 |
リスト引き出し |
Alt + [ ↓ ] |
フィルタセル上でこれを入力するとフィルタメニューが表示されます。 Spaceキーでチェックボックスの操作も可。 |
エクセルでは数値をまとめた表を作成し、見やすく整えるのは常に発生する作業と言っても過言ではありません。フィルター後に▼のマークが付いているセルで「 Alt + [ ↓ ] 」を入力すればフィルタメニューを引き出して特定の列で降順にするなどの操作を行うことも可能です。また、チェックボックスは「Spaceキー」でオンオフの操作することもできます。
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
任意のセルに ジャンプ |
Ctrl + [ G ] |
大規模なデータを扱っている場合に非常に便利です。 |
任意のセルを検索 |
Ctrl + [ F ] |
対象のキーワードに一致する(含む) セルを検索します。 |
かなり大規模なデータを処理する場合、エクセルは描画処理だけでも大きなリソースを使用しています。例えばCtrlキーで移動しにくいような中間付近のデータを確認する場合には描画をせずに直接ジャンプする本機能が有用なこともあります。
ショートカットキーを使わない場合には上図赤枠内にセル番号を入力することでもジャンプすることが可能です。
特定の文字列などで検索する場合は、検索機能で対象セルを探しましょう。検索オプションを使うことでより高度な検索を行うことも可能です。
赤枠の「オプション(T)」を押すと、詳細の検索メニューが出てきます。こちらの検索方法では書式も含めた検索が可能です。大文字小文字の区別や検索対象を数式なのか出力されている値なのかまで細く設定ができるため、通常の検索でうまくいかないような場合はこちらを利用してみてくださいしょう。
誰かにファイルを見せる時に意識したいショートカット
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
セル幅調整 |
Alt + [ O ] → [ C ] → [ A ] |
セルの幅などを自動で調整し、文字などが見きれないよう調整されます。 |
テキストの 左揃え |
Alt + [ H ] → [ L ] → [ 1 ] |
セル内テキストを左側へ揃えます |
テキストの 中央揃え |
Alt + [ H ] → [ A ] → [ C ] |
セル内テキストを中央に揃えます |
テキストの 右揃え |
Alt + [ H ] → [ A ] → [ R ] |
セル内テキストを右側へ揃えます |
セル幅調整を使って便利な場合ですと、エクセルファイルを印刷すると、PC上では見えていたはずの文字が印刷された紙では見切れて表示できていないというケースが多々あります。
そういう場合は、Ctrl+[a]でシートを全選択し、上記ショートカットを使用しておくことで印刷を行う前にセル内の文字が見切れてしまうケースを未然に防ぐことが出来ます。
テキストの位置調整に関しては、数値をまとめ直した表を作成する場面などで活躍することが多いかと思います。エクセルの基本設定は左揃えなので、中央と右揃えは使う場面が相対的に多いです。最後のキーだけ違うので「Center」と「Right」で覚えておきましょう。
実行内容 |
ショートカットキー |
詳細 |
表示形式を 数値形式にする |
Ctrl + shift + [ 1 ] |
「¥」がつかずに3桁ごとに「,」が付きます |
表示形式を 日付形式にする |
Ctrl + shift + [ 3 ] |
変更対象の数値はシリアル値として変更されます。 |
表示形式を 通貨形式にする |
Ctrl + shift + [ 4 ] |
「¥」がつく通貨形式になります |
表示形式を %形式にする |
Ctrl + shift + [ 5 ] |
対象の数値の書式を%表記に変更します。 |
表示形式を 標準形式にする |
Ctrl + shift + [ ~ ] |
対象の表示形式を標準にします |
管理画面の数値を出力する際にcsv形式のファイルだった場合、csv形式のファイルは書式設定が何もされていないテキストファイルのため、体裁を整える場合は自分で書式を設定する必要がありますが、こちらのショートカットキーを使えば表示形式を整えるのもすぐに終わります。
また、数字だけで見るとどう変化するかが覚えにくいですが、キートップ左上の記号を見ればどういう書式に変更されるのかがイメージしやすいかと思います。
そのデータを誰に見せるのかを考えよう
せっかく頑張って作ったエクセルのデータも見やすい形になっていなければ、受け手にとってストレスとなりうまく伝わらないということも起こりがちです。表の中で一番のKPI指標を降順にして、どのキャンペーンが一番効果的だったのかをわかりやすく並べる、クリック率の小数点の位を整える、表示位置を真ん中で統一するなど、地味と思う内容でもしっかりと設定してあげることで十分にわかりやすいデータにすることができます。
あくまで相手にファイルを共有するときには、思いやりの気持ちをもってどんな表示形式で、比較する場合には数値をどの順番で並べればよいのか……だけではなくフォントサイズや色などにも気を使って表を作成するとより伝わりやすいデータになります。
データの編集にはあくまで速度も重要ですが、誰かに見せる場合には過程が評価されるのではなく結果やできあがった成果物を見て判断・評価されることになりますので、よりよいアウトプットも意識してエクセルを使ってみましょう。
※広告運用者のためのExcel(エクセル)活用の、第1回~2回、4回はこちら
①:まずはこれだけ【基本のショートカット】
②:まずはこれだけ【基本の関数】
④:さらにレベルアップ【利用環境と見た目を整える】