動画広告の雄、TrueViewの基本と設定方法

TrueView動画広告(以下、TrueView)が登場し「動画元年」とも言われた2013年からそろそろ丸2年。YouTubeで動画広告が出せることへの認知も広まり「うちもYouTube に広告出したいんだけど……あれってどうすればいいの?」という会話を聞く機会も多くなったように感じます。

注目を浴び続けているTrueViewですが、フォーマットの種類が変更されたり、配信できる方法が追加されたりと変化するスピードも速く、

  • 最新情報がどれだか分からない、探しても見つからない
  • どうやって設定するかいまいち分からない
  • メリットをうまくお客さんや上司に伝えられない

など、まだまだお困りの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、そんなTrueViewの基本のポイントから準備・設定方法までを一気にご紹介します。

2014年のうちに不明点を解消し、気持ちよく新年を迎えられるお手伝いになれれば幸いです。

もくじ

  1. 今さら聞けない?TrueViewの基本とメリット・デメリット
  2. 事前準備
  3. TrueViewの設定方法
  4. まとめ

1.今さら聞けない?TrueViewの基本とメリット・デメリット

TrueViewの基本情報やメリットとデメリットをまとめました。

「TrueView」とは

  • Googleアドワーズから出稿できる、YouTubeやGoogleディスプレイネットワークへ掲載できる動画広告のフォーマット
  • ユーザーがYouTube内などで動画を視聴する直前や、動画の検索結果画面などに表示される
  • 配信設定・管理はGoogleアドワーズのアカウント内で行い、アカウントを作成すれば誰でも配信できる

「TrueView」のメリット5つ

視聴ユーザーが広告を見ようとした時だけ課金され、無駄な費用が発生しない

費用が発生するのは、視聴ユーザーが動画広告を30秒以上再生した場合か、広告をクリックして動画を再生した場合のみ。視聴ユーザーが広告を見たいと思った場合にのみ課金される動画視聴単価制なので、無駄な費用が発生しません。また動画視聴単価の相場は2014年12月時点では数円~で出稿できますので、他の広告媒体と比べて比較的安く配信できます。

広告をクリックした視聴ユーザーを直接Webサイトに連れてこられる

動画広告やCall-to-Actionオーバーレイ(後述いたします)をクリックした際にWebサイトに誘導できます。テレビCMなどと違い、動画を見た後に視聴ユーザーの行動を促すことが可能です。

リマーケティングが使える

Googleアドワーズアカウントと連携しているので、リマーケティングを行うことができます。例えば、1度商品を購入したことのある視聴ユーザーにはリピート購入訴求の動画広告を配信したり、商品を購入していない視聴ユーザーにだけ配信するなど、効果的な使い方が可能です。

特定のターゲットのみに配信できる

視聴ユーザーのいる地域や、年齢、性別、興味関心など、細かいターゲティングが可能です。例えば20代男性向けのECショップなら20代男性にのみ配信したり、千葉県で料理に興味のある人にのみ配信するといったことが可能です。

多くの人に広告を見てもらえる

昨年の数字になってしまいますが、2013年2月にコムスコア・ジャパン株式会社から発表された調査によると、YouTubeの視聴ユーザー数は5,078万人とされています。日本の人口を1億2000万人とすると約4割もの人がYouYube を利用しており、多くの人に広告を見てもらうことが可能です。

「TrueView」のデメリット3つ

魂を込めて作った動画もスキップされて見てもらえない可能性がある

TrueView広告再生開始後、5秒が経過すると視聴ユーザーが視聴をスキップできるようになるため、伝えたい訴求を全て届けるためには最初の5秒で心をつかむような動画にしないと、そもそも動画を引き続き見てもらえない可能性が高まります。

また、YouTubeを見に来ている人はどんな人か?と考えると自明なのですが、視聴ユーザーは動画の視聴を目当てに来ているため、従来の検索連動型広告と違って動画の訴求やターゲティングを見誤ると、商品購入や申し込みといった直接系のコンバージョンには繋がりにくい傾向もあります。

従来のGoogleアドワーズとは管理画面が別となる

また、入稿や設定などにGoogleアドワーズエディターを利用することができないため、全て手作業となります。後述しますが、従来のリスティング広告とアカウント構造が異なるため、あらかじめ入稿作業や運用のしやすさを考慮した上でアカウント構成を考える必要があります。

広告審査に時間がかかる

動画広告のアップロード時には、YouTubeのポリシーに動画が準ずるかの審査が入り、Googleアドワーズに入稿した時点でGoogleアドワーズのポリシーに動画が準ずるかの審査が入るため、審査に時間がかかる傾向があります。掲載を行うに当たっては審査に時間がかかることを念頭に含めて準備を進めるようにしましょう。

2種類のフォーマットの特徴と課金のしくみ

●インストリーム広告

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  • 動画を再生する前に表示される動画広告
  • 動画広告が5 秒間再生された後、動画広告をスキップするか、残りの部分を引き続きそのまま再生するかを視聴ユーザーが選べる
  • 視聴ユーザーが広告を30 秒以上(30秒未満の動画の場合は最後まで)再生した場合のみ広告料金が発生

●インディスプレイ広告

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  •  主に、YouTubeの検索結果画面、現在視聴しているYouTube動画ページの右上の関連動画上部に表示されるほか、動画のオーバーレイ広告として、また、Googleディスプレイネットワークなどに表示される
  • 視聴ユーザーが広告をクリックして再生した場合のみ広告料金が発生
  • 広告バナーは、設定した動画から自動的に選出されるサムネイルから選択し、広告タイトルや説明文の設定が必須
  • 広告リンク先として、動画再生ページまたは動画配信アカウントのチャンネルページを選択できる

ターゲティングの種類

TrueView では、視聴ユーザーの属性や興味関心にターゲティングして配信できます。また、Googleアドワーズのリマーケティングとの組み合わせも可能です。

主なターゲティング方法

  • エリア(国/都道府県/市区郡/半径の距離を指定)
  • 年齢別(18~24/25~34/35~44/45~54/55~64/65~/不明)
  • 性別(男性/女性/不明)
  • ユーザーの興味関心(カテゴリ内から選択します)
  • 配信する動画を指定する

2.事前準備

動画広告を配信する前に準備しておきたいことをまとめました。

1-配信するターゲットを明確にする

基本的な考え方はディスプレイ広告を配信する際と同様で「どこに出すか?」よりも「誰に配信するか?」といった思考が重要になります。前述したとおり、性別や年齢、地域や視聴ユーザーの興味関心で細かく配信するターゲットを指定することができますので、配信するターゲットを明確にすることで、設定や管理がスムーズになり、結果的に思考も整理されます。

2-広告として使用する動画を用意する

何はなくとも、動画を用意する必要があります。動画は個人で作成したものでも、制作会社にお願いしたものでもかまいませんが、掲載ポリシーは一般のテキスト広告に適用されるルールがTrueViewにも適用されますので、あらかじめ確認しておきましょう。

参考:アドワーズ のポリシー – アドワーズ 広告掲載のポリシー ヘルプ

動画作成が自身では困難という方はさまざまな動画制作会社がありますから、その中から選んでみるのも1つの選択肢です。

参考:動画専門のクラウドソーシング、crevo
参考:アニメ訴求で動画制作、シンフィールド

個人的にアニメ訴求の動画制作は秀逸だなぁと思ってます。最大の利点は修正が容易な点ですね。高速でPDCAを回すことも可能なのでアニメと動画は親和性が高いと感じてます。実録なんかだとキャスティングなどでなかなか撮り直しはききません。

3-広告として使用する動画をYouTube にアップする

広告で使用する動画は、YouTube で配信されているものを使用します。動画広告の配信設定をするためには、あらかじめYouTube に動画がアップされている必要があります。

動画アップロードの手順

1.YouTube にログインします

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2. ページの上部にある[アップロード]ボタンをクリックします

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3.動画のプライバシー設定は[公開]を選択します

※動画広告として使用する場合は、必ず[公開]を選択してください

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4.[アップロードするファイルを選択]をクリックし、パソコンからアップロードする動画をクリックします

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参考:動画のアップロード – YouTube ヘルプ – Google

4-アカウント構造を理解する

TrueViewは通常のGoogleアドワーズとアカウント構造が異なり、広告はキャンペーン配下に設定することになります。キャンペーンには、広告(動画)を最大10個、ターゲットグループを最大10個まで設定できます。

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注意しておきたいポイント

1.1つのターゲットグループ内で個別に年齢・性別の入札単価を調整できない

性別や年齢で細かく入札を変えたい場合は、ターゲットグループをあらかじめ分けておいて入札調整をする必要があります。

2.インストリーム広告とインディスプレイ広告はキャンペーンを分けて管理する

前述したとおり、インストリーム広告とインディスプレイ広告は掲載位置など配信の特徴が違うので、動画の視聴率やクリック率なども差が出やすくなっています。数値などを見たり集計することを考えると、キャンペーンを分けたほうが管理しやすくなる場合が多いです。

3.地域別の配信実績レポートは、指定した地域単位のみ出力される

例えば「日本」と指定した場合は「日本全体の実績」のみ集計されて表示、都道府県別の詳細実績はレポート上に表示されないため、都道府県やその他地域単位でのレポートを集計したい場合は、集計したい単位(都道府県、市区町村などの単位)で地域を設定する必要があります。

3.TrueViewの設定方法

準備が整ったら、いよいよ動画広告の配信設定です。

1-キャンペーンと広告の作成

 1-1.Google アドワーズにログイン後、キャンペーンの表の上にある[+キャンペーン]をクリックし、プルダウンメニューから[オンライン動画]をクリックします。

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1-2.[新しい動画キャンペーンの作成]画面に進みますので、[キャンペーン名]と[1日の予算]を入力します

20141222_TrueView-09 1-3.[配信方法]を選択します

[集中化]を選択した場合、1 日の後半には広告がまったく表示されなくなる可能性がありますので注意しましょう。

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1-4.[ネットワーク]を選択します

YouTubeの検索結果に動画広告を掲載したい(以前はインサーチ広告と呼ばれておりましたが、現在はインディスプレイ広告の配信の1つとして統合されております)場合は、[YouTube検索]にチェックを入れます。

YouTube 内以外にも動画広告を配信したい場合は、[Google ディスプレイ ネットワークを含める]にもチェックを入れます。

YouTube 内のみに動画広告を配信したい場合は、[Google ディスプレイ ネットワークを含める]のチェックを外します。

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1-5.[地域と言語]を設定します

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1-6.[動画広告]を設定します

あらかじめ用意しておいたYouTube での動画のURLを入力します。動画タイトルなどから検索することも可能です。

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1-7.[広告フォーマット]は[デフォルトの動画広告フォーマットを使用する]を選択します。

1-8.次に、広告の設定を行います

・インストリーム広告の場合

表示URL、リンク先URLを入力し、[コンパニオン バナー]は[チャンネル内の動画から自動生成された画像を使用する]を選択します。このとき、300×60のバナーを独自に設定することも可能です。

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・インディスプレイ広告の場合

[サムネイル]を選択し、[見出し][説明行1][説明行2]を入力します。見出しは全角12文字(半角25文字)、説明行は全角17文字(半角35文字)まで入力できます。入力が終わったら[リンク先ページ]を選択します。リンク先ページは、視聴ユーザーが広告のクリック後に表示されるYouTube のウェブページです。

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1-9. [広告名]を入力します

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1-10.[プラットフォーム]を設定します

[末端]では、広告を表示するデバイスの種類を設定できます。デフォルトでは、すべての対象端末(パソコン、モバイル、タブレット)に表示されます。[モバイル向け入札単価調整]では、携帯端末の入札単価調整が-90%~+300% の範囲を指定できますので必要に応じて設定しましょう。

1-11.必要に応じて[詳細設定]を設定します

[詳細設定]では、広告の開始日・終了日や、時間・曜日ごとの入札調整、広告のローテーション、フリークエンシーキャップの設定ができます。必要な場合は設定しましょう。

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設定が完了したら[保存して次へ]をクリックします。

2-単価設定とターゲットユーザーの選択

2-1.ターゲットグループの[名前]とキャンペーン内のすべての広告にデフォルトで適用される[上限広告視聴単価]を設定します

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2-2.[ターゲット設定]をします

[ユーザー層]では、年齢層や性別に基づいて特定のユーザーをターゲットに設定します。設定したい場合は、[編集]をクリックし、設定したい属性にチェックを入れ[完了]をクリックします。

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[インタレスト]では、興味・関心に基づいて、特定のユーザーをターゲットに設定します。インタレストを設定したい場合は、[編集]をクリックし、設定したい項目を選択して[完了]をクリックします。

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[ターゲットを絞り込む]をクリックすると、より細く視聴ユーザーをセグメントすることも可能です。

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設定が完了したら、[ターゲットグループを保存]をクリックします。

3.Call-to-Actionオーバーレイを設定します

Call-to-Actionオーバーレイとは、動画広告で伝えきれない訴求をテキストで追加訴求したり、インディスプレイ広告に設定しているリンク先URLとは別のリンク先URLへ視聴ユーザーを誘導することが可能なオプションなので、できるだけ設定するようにしましょう。

[動画]タブをクリック、各動画に「Call-to–Actionオーバーレイを追加」という項目があるのでクリックして設定を始めます。

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[見出し][表示URL][リンク先URL]を入力します。このとき74×74サイズの画像を登録することで、アイコンを併せて表示することもできるので、可能であれば設定します。

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これで、広告の設定は完了です。

まとめ

今回はTrueViewについて最低限知っておきたいポイントと、基本の設定方法を中心にご紹介しました。特にフォーマットと課金方式は一番の特徴になりますので、きちんと理解してから広告配信を検討しましょう。

ちなみにTrueViewの管理画面ですが、Googleアドワーズに比べるとまだ発展途上という印象です。入札単価を一括で変えたい場合はcsvでインポートしなければならないなど、個人的に「ちょっと面倒くさいなあ」と感じることが多いですね。

2015年にインターネット動画市場がどう変わっていくかは予測しきれませんが、ますます拡大していくことは間違いなさそうです。実際に利用されている動画に関してはアドワーズ日本語版公式ブログなどでも事例などが紹介されているので是非確認してみてくださいね。これはどんな広告にも言えることですが「誰に、何を売るのか?」を明確にすることで、TrueViewの使い方も見えてくるのではないかと思います。
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