
パートナーサイトの画像へショッピング広告を掲載
Googleが9月14日にShoppable Image Ads(購入画像広告)という新しい広告フォーマットをアナウンスしました。
参考:購入画像広告で購入検討中のユーザーにアピールしましょう - Google 広告 ヘルプ
この機能を利用すると、パートナーのサイト運営者(おそらく初期段階では一定の基準をパスした特定のサイトに限定)が、公開している画像コンテンツにショッピング広告を掲載できるようになります。運営するサイトには商品販売する機能がない場合にも、ユーザーにショッピングの機会を提供できるようになります。ヘルプによれば、サイトの画像に表示されている「SHOP THIS STYLE」と書かれたボタンをタップすると、購入可能な類似商品が画像の下にカルーセル式に展開されています。(上図の左側)


広告在庫の増加
現時点(2018年9月)ではまだテスト段階とのことで、設定方法や掲載のロジックなどの詳細は不明です。
Eコマース向けにその存在感を増し続けるショッピング広告ですが、購買意向のある検索語句での検索回数が増えないと広告枠が増えていかないという広告在庫の問題が常につきまといます。これまでもカルーセル形式の導入や、画像検索結果へのショッピング広告の表示など、広告在庫を増やす取り組みが行われてきました。Shoppable Image Adsが導入されることで、広告在庫の増加が期待できます。検索語句という購買意向が把握しやすいトリガーを直接利用しない広告配信で、どのようにユーザーの購買意欲を捉えた広告配信を実現できるかは気になるところです。(もちろん勝算があっての今回のアナウンスだと思いますので、期待は高まりますね。)
また、Google画像検索の検索結果においてもこれまでのショッピング広告に加え、大きな画像と商品情報がタグ付けされて表示する機能をテスト導入する予定とのことです。(上図の右側)
最近のユーザーニーズに沿ったアプローチ
そもそもどうしてGoogleがShoppable Image Adsのテストに踏み込んだかを考えると、まずは公式ヘルプにあるように、近年のユーザーの動向をくみ取った側面がかなり強いのではないでしょうか。Googleによれば、去年のホリデーシーズンにおいて約3割のユーザーが来店前に画像検索をしたというデータもあります。
年末年始に買い物をしたユーザーの 3 分の 1 は、実際に店舗に足を運ぶ前に画像検索を行ったと答えています。
ユーザーの購入の意思決定が以前にも増して様々なビジュアルコンテンツによってインスパイアされ、そこからシームレスに購入したいという傾向は高まっているのではないかと思われます。
それに加えて、画像内の商品にタグを付けて購入可能にしたInstagramショッピング機能(Shop Now)が今年の大規模ロールアウトで話題を呼んでいた背景もあるのではないでしょうか。
参考:Instagramでショッピング | Instagram for Business
これを加味すると、GoogleがShoppable Image Adsというフォーマットをプロダクトロードマップに追加したことは非常に興味深いですね。ホリデーシーズンに向けて慌ただしく機能が実装される可能性もあるため、引き続きショッピング広告に注目していきます!