Google マーチャントセンターのデータフィード管理を手助けする2つの機能「フィードのルール」と「補助フィード」

Google マーチャントセンターのデータフィード管理を手助けする2つの機能「フィードのルール」と「補助フィード」
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Google アドワーズのショッピング広告をはじめとするデータフィードを活用した広告は年々注目が高まり、活用を考える機会も多くあるかと思います。その中で、継続的に成果を出すことができるかどうかはデータフィードのメンテナンスができているかどうかと言っても過言ではありません。

参考:Google ショッピング広告の成果が「悪くない」ではダメな理由

Google ショッピング広告を掲載するためにGoogle マーチャントセンターに登録する主要なデータフィードのことをメインフィードと呼び、多くの商品情報が詰め込まれています。

Google マーチャントセンターを介している分、通常の広告とは勝手が違いフィードに苦手意識を持ってしまっているケースも少なくありません。また、広告代理店経由で出稿を行う場合など、何らかの理由により、広告運用の担当者がメインフィードを直接編集することが難しいことを理由に対応できていないケースやデータフィードの内容はサイトの構成とも密接に関わっているため、些細な修正であっても想像以上の工数がかかるため、対応が後回しになってしまっているケースも考えられます。(そもそも更新性の高い、大規模なサイトではメインフィードを1つ1つ編集するのは、現実的に難しいでしょう。)

今回は、急成長しているショッピング広告の成果の要であるデータフィードを、Google マーチャントセンターの機能を活用して、より簡単にメンテナンスする2つの方法をご紹介します。


メインフィードの管理を手助けする2つの機能

メインフィードを編集するには、次の2つの方法が挙げられます。

  • フィードのルールを活用する
  • 補助フィードを活用する

フィードのルールを活用する

メインフィードの任意の内容を、事前に定義したルールに基づいて、データの追加・修正を行うことが可能です。ルール設定には追加と修正があり、追加では、指定した属性の属性値をルールに基づいて、上書きすることができます。修正では、設定したい値を対象となる属性の属性値の前後へ挿入したり、一部を置換したりすることができます。特徴として、データソースの追加と異なり、指定した属性の文字列を上書きすることはできません。

※ルール設定の優先順位
複数のルールを設定することが考えられます。基本的にはカスケード方式でメインフィードへ適応されます。(1つ目から順番にメインフィードへ適応されます)そのため、意図したとおりメインフィードへ反映されるかどうかプレビューで確認すると安心です。

補助フィードを活用する

メインフィード内の固有ID属性と補助フィード内の固有ID属性を関連付けて、指定属性の属性値を上書きすることができます。あくまで、メインフィード内のID属性に紐付いて指定属性の属性値を上書きするため、メインフィードにない商品を補助フィードへ追加しても、メインフィードへ新たに商品を追加されることはありませんし補助フィードから商品を削除したとしても、メインフィードから商品が削除されるといったことはありません。

つまり、メインフィードにない商品データを修正することはできません。メインフィードの編集が必要になる機会としては、title属性やdescription属性など必須属性の属性値の編集や追加、custom_label属性など任意属性の属性値の編集や追加などが考えられます。

また、ガイドライン違反による審査抵触などの対応にも活用でき、例えば、誤字や関連性の低い文言、「送料無料」など宣伝を含む文言などガイドラインに抵触してしまう可能性のある属性値が含まれる場合、あらかじめルール設定を行い、それらを削除することも可能です。

フィードのルールの使い方

必須項目の情報欠如している場合の例

上の図のようなフィードがあるとすると、必須属性である「color属性」(上図赤枠)の情報が不足しています。そこで「フィードのルール」を使って、エラーの解消する方法を見ていきます。


Google マーチャントセンターにログインし,「商品」→「フィード」→「ルール」→「ルール作成」の順に選択します。


修正を加えたい属性「色」を選択します。


編集条件を「title属性」に「_白」を含む、編集後の値を「白」を設定する「OK」を押すと、実際の設定右上プレビューで確認することができます。プレビューを確認し意図したとおりに反映されていれば、「下書きとして保存」をクリックします。


下書きとして保存すると、ルールとして追加されます。ルールに誤りがないことを確認したら、「適用」を選択し、メインフィードへ反映が可能です。これで「title」中の任意の文字列に応じて、必須属性に文字を挿入するというルール設定が完了です。

先述の通り【送料無料】など掲載ポリシーに違反する文言が含まれている場合の文言削除など、仕組みを理解していれば活用の幅が広がりますね。ルール通り、情報が追記されているかは、Google マーチャントセンター > 商品 > リスト > 詳細画面から、確認できます。

ここで注意が必要な点としては、ルールの条件指定に使った様にタイトルに共通した任意の文字列が含まれるという規則性があることが必須となります。

補助フィードの使い方

では上のように、タイトルに規則性がなく、「フィードのルール」が活用できない場合はどの様に対応すればよいでしょうか。

ID属性を活用して属性値を上書きすることができる「補助フィード」を活用すれば、対応が可能です。


たとえば、このように補助フィードを作成します

このように、タイトルの規則性が原因で「フィードのルール」の活用ができない場合だけでなく、メインフィードを直接編集できない場合や置換や追記ではなく、商品ごとの訴求内容をまとめて変更したいときなど仕組みがわかっていれば、活用の幅は広がりそうですね。


Google マーチャントセンターにログインし、「商品」→「フィード」→「補助フィード追加」の準に選択します。その後、メインフィードと同様に、任意の名前をつけ、補助フィードをGoogle マーチャントセンターへ関連付ける方法を選択します。

これで先程と同様、Google マーチャントセンター > 商品 > リスト > 詳細画面から、必須属性に情報が追加されていることの確認が可能です。いずれの方法でもメインフィードに情報を追記または情報の編集をすることができました。状況に応じて手段を選択することが大切です。

公式ヘルプには「補助フィード」の活用として、下記が紹介されていますので参考になります。

  • キャンペーン管理のためにカスタムラベルを追加またはオーバーライドする
  • タイトルをオーバーライドする
  • 特定の商品を除外する(excluded_destination [非掲載先] 属性を使用)
  • 不足している GTIN を追加する
  • ローカル在庫広告のローカル在庫情報を追加する

参考:フィードを作成する > 補助フィード

どちらの機能を使えばいい?

では、どのような場合にどちらの機能を活用するか、どうやって判断すればよいのでしょうか。

フィードのルールは、多数の商品の特定の要素を一定の規則に沿って一括で変更するのに向いています。一括変更となるため、メインフィードのデータに一定の規則性が必要です。一方、変更の内容が複雑であったり商品によって変更内容が異なるなど規則性がない(あるいは少ない)場合は、より柔軟に小回りの効く補助フィードが向いているでしょう。

エクセルで言えば、フィードのルールは「置換」、補助フィードは関数の「VLOOKUP」を思い浮かべていただくと判断がしやすいかもしれませんね。

まとめ

「フィードのルール」や「補助フィード」の仕組みが理解できると、タイトルを変更してテストしてみたいときや必須属性・推奨属性の追加・修正など、メインフィードを1から見直すよりも容易に対応することが可能です。様々な理由でメンテナンスを行っていなかったメインフィードを見直すことが可能となり、課題解決につながること、効果改善につながることは多いのではないでしょうか。

データフィードを活用したショッピング広告はフィード内の情報が最重要です。いくらよい商品であっても、ユーザーの検索語句と関連性がないと判断されれば広告を表示することさえできませんし、広告が表示されてもユーザーに魅力的なものでなければ検討台にすらあがりません。

たとえデータフィードであっても「誰に何を見せるか」は通常の検索連動型広告と大きく変わるものではありませんので、届けたいユーザーに届けたい情報が伝わるように、今一度課題がないか考え、今回ご紹介した2つの機能も活用して解決できる方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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